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<title>坂口昌章の「j-fashion」</title>
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<description>ファッションビジネスの今をレポート</description>
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<item rdf:about="http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/2009/10/twitter-e661.html">
<title>ツイッター（twitter）が広報の発想を変える</title>
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<description>　ツイッターが注目されている。１４０字以内の「つぶやき（投稿記事）」を共有するこ...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;　ツイッターが注目されている。１４０字以内の「つぶやき（投稿記事）」を共有することで生まれる緩い連帯感が魅力とのことだが、これだけはやってみないと分からない。&lt;br /&gt;
　筆者（masakaguchi）も７月末に友人に勧められスタート。10月２5日現在で、投稿数1826、509人に投稿を読まれ、493人の投稿を読む毎日を過ごしている。次第に「ツイッター中毒」が進み、つぶやかなければ落ち着かなくなっている。&lt;br /&gt;
　日常的にツイッターを利用していると、次第にあらゆる情報にツイッター経由で接するようになる。ニュース速報、スポーツの結果も「つぶやき」によって知る。詳しく知りたければ、検索するか、「詳しく教えてください」と投稿すれば、誰かが教えてくれる。&lt;br /&gt;
　「ツイッター有名人」も増えている。ツイッターでは、有名人のつぶやきも簡単に読むことができる。アメリカのオバマ大統領、シュワルツネッガー、オノヨーコ、勝間和代、広瀬香美等々。日本の「ツイッター議員」も増殖中だ。彼らは、自分の政策、委員会の様子、日常の出来事をツイッターで発信し、一般市民との新しいコミュニケーションを展開している。&lt;br /&gt;
　企業も傍観してはいない。朝日新聞、毎日新聞は、記事のヘッドラインや短い記事紹介をツイッターに流し、自社ブログに誘導している。その他の企業も新商品情報、お買い得情報をツイッターで配信する例が増えてきた。&lt;br /&gt;
　問題は、ツイッターの優先権は読者にあり、つまらない宣伝記事は誰も読まないということだ。新聞や雑誌広告のように、有用な記事の隙間に広告を埋め込むという方法が通用しない。&lt;br /&gt;
　これまでのプロモーション活動は、主語が企業、ブランド、商品だった。ツイッターでは基本的に個人が主語だ。特定の個人が企業やブランドや商品について、読者の興味を引くようにつぶやくことが基本になる。企業の広報担当者ではなく、企業情報の読者モニター代表のような存在が必要になるだろう。企業が発表したプレスリリースも、内容が分からなければ、詳細を担当者に確認してからつぶやく。企業内部と読者両方の立場を取りながらも、主体を読者側に置かなければ、読者は離れていくに違いない。広報活動の発想の転換が必要になる。&lt;br /&gt;
　まぁ、理屈はともかく、まずは試していただき、可能性をつぶやきあおう。&lt;br /&gt;
（http://twitter.com/から無料登録、筆者は＠masakaguchiでつぶやき中）&lt;/p&gt;</content:encoded>



<dc:creator>坂口昌章</dc:creator>
<dc:date>2009-10-25T12:50:06+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/2009/01/post-349d.html">
<title>情報システムによる新連携とトレンド発信の提案</title>
<link>http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/2009/01/post-349d.html</link>
<description>◆カラーとテキスタイル、シルエットの関係 　ヨーロッパのテキスタイル展示会にとっ...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;◆カラーとテキスタイル、シルエットの関係&lt;br /&gt;
　ヨーロッパのテキスタイル展示会にとって、トレンドカラーは大きな意味を持っている。ヨーロッパのテキスタイルメーカーは素材や糸遣いをなるべく変えずに、色の変化で新しさを訴求する。ファッションは、常に変化させなければならない。テキスタイルメーカーの立場とすれば、色の変化で済ませることが最も効率的である。&lt;br /&gt;
　勿論、実際には色の変化だけではない。色はテクスチャーに直結している。きれいな色を表現するためには、表面がフラットで光沢があり、密度の高いサテンなどの組織が望ましい。光がきれいに反射しないと、色は濁る。その反対に、鈍い濁色を表現するには、表面の凹凸感が求められる。密度は荒く、平織のざっくりしたものが効果的である。&lt;br /&gt;
　このように、ヨーロッパのテキスタイルメーカーは、トレンドカラーの変化から糸の選択、組織や密度等をコントロールする。カラーの変化は、テキスタイル企画の最も基本なのだ。&lt;br /&gt;
　密度の高いしっかりとした素材を、服に活かすにはタイトシルエットが適している。反対にざっくりとした素材を服に活かすには、オフボディのシルエットが適している。このようにして、カラーの段階でテキスタイルのテクスチャーとアパレルのシルエットを予測し、市場の情報コントロールを図っているのである。&lt;br /&gt;
&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　しかし、日本のテキスタイルメーカーは、色に関心を持っていない。色をつけるのはアパレルであり、機屋には関係ないと考えている。こうした考え方が定着したのは、日本のテキスタイル生産が、機屋、染色加工、営業販売と分業化され、長らく問屋が全体をコントロールしてきたからだろう。そして、その問屋が淘汰されてしまった。したがって、トータルにテキスタイルをコントロールする機能が欠如しているのである。&lt;br /&gt;
　色をアパレルのデザイナーに依存することにより、ビーカー染から、原反染色に至るまでに、多くの手間と無駄が発生していると言えないだろうか。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆トレンドカラーを信じない日本人&lt;br /&gt;
　多くの日本人は、トレンドカラーの意味を誤解している。トレンドとは「潮流」の意味である。潮流には流れの方向と強さがあるだけで、絶対的なポイントはない。トレンドカラーとは売れ筋カラーではなく、あくまで変化を示すベクトルである。本来は、テキスタイルメーカー毎、ブランド毎にオリジナルのカラーパレットを用意するものだ。ヨーロッパのテキスタイルメーカーは、カラーパレットを１００色程度用意し、シーズン毎にカラーパレットの３割程度を変えていく。そして、全体のイメージを刷新していくのである。&lt;br /&gt;
　その意味では、トレンドカラーとは、その固有の色だけでなく、昨年からの変化の方向が重要なのである。勿論、固有の色がトレンドカラーとして扱われることもある。たとえば、今年は「紫」がトレンドカラーとして登場している。その場合でも、顧客ターゲットやブランドコンセプトによって、それぞれのブランドが微妙に異なる紫を出すべきなのは言うまでもない。&lt;br /&gt;
　トレンドカラーは、予測という意味だけでなく、市場コントロールの意味も持つ。テキスタイルの展示会で一定の傾向を強く打ち出せば、アパレルはその方向で動く。また、各社がバラバラに変化するよりも、まとまった形でトレンドを打ち出した方が市場にヒットする確率も高くなる。つまり、トレンドカラーを信じる、信じないではなく、皆で同じ傾向の色を打ち出すから影響力を持つのであり、トレンドカラーを神棚に祭っておくだけでは、何の意味もない。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆トレンドカラーは使わないと意味がない&lt;br /&gt;
　日本には日本流行色協会（ＪＡＦＣＡ）という組織があった。毎シーズン、トレンドカラーを発表してきた組織である。現在は、日本ファッション協会に吸収され、「日本ファッション協会流行色情報センター」となっている。&lt;br /&gt;
　私は、ＪＡＦＣＡが出すトレンドカラーを実際に使用する例は少なかったように思う。実際に使用すれば、そのトレンドが市場にマッチしたか否かも分かるだろう。トレンドと実際の市場を比較することで、年々、トレンドのブラッシュアップをすることができる。しかし、実際に使われず、検証されなければ、トレンドの精度は上がることもない。&lt;br /&gt;
　染色加工場でも、展示会等で独自のトレンドカラーを打ち出している例が見られる。あれは何のために行っているのだろう。全く独自のカラー提案なのか、それとも大きなトレンドはＪＡＦＣＡに準じているのか。何の説明もないので、単に色を並べているようにしか見えない。&lt;br /&gt;
　私はそろそろ、真剣にトレンド情報の発信と情報コントロール戦略を打ち出すべきだと思う。たとえば、ＪＡＦＣＡが発表するトレンドカラーについては、全国の染色加工場が素材毎に染色データを取っておく。そして、テキスタイルメーカーが展示会に出展する場合、原則的にＪＡＦＣＡのトレンドカラーを使用する。それだけで、展示会全体の印象が統一され、川下や消費者に対して大きな情報発信を行うことになるだろう。&lt;br /&gt;
　トレンドカラーとは「信じる、信じない」「あたる、あたらない」で語るものではない。まず、皆で使って、展示会で発表することである。たとえば、綿とウールと合繊が共通のトレンドカラーで染色されていれば、カラーコーディネートは非常に容易になる。無地とプリント、ジャカードが自在にコーディネートできる。そのカラーで、プロモーションを目的としたファッションショーを行えば、更に明確なトレンド発信になるだろう。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
◆展示会とトレンドカラーと染色加工&lt;br /&gt;
　欧州では、企画、生産が半年サイクルで進行する。カラーが発表されて、半年後に糸の展示会が行われ、その半年後にテキスタイルの展示会が行われる。その半年後にアパレルの展示会が行われるのだ。日本の現状を見ると、糸の展示会は少ないので、テキスタイル展示会の半年前にトレンドカラーとトレンド情報を出せばいいのではないか。&lt;br /&gt;
　私は最初から市場での的中率を期待するのは危険だと思う。まず、展示会のイメージ統一、情報戦略としてトレンド発信を位置づける。&lt;br /&gt;
　最初に、トレンド発信機関がトレンドカラー及びトレンド情報を産地のテキスタイルメーカー及び染色加工場に伝達する。トレンド情報とは、カラーだけでなく、カラーのテーマに基づく、テキスタイルのイメージ、アパレルのシルエットのイメージを含む。この段階で、それぞれの企業がテキスタイル企画をスタートするのである。&lt;br /&gt;
　そして、染色加工場は、それぞれの素材（ポリエステル、ウール、綿等）でトレンドカラーを染めておく。染色加工場は、それをカットし、機屋に販売する。白生地の機屋でもハンガーサンプルにそのカラーサンプルを添付することで、より明確に素材イメージを伝えられるはずだ。また、染色加工場にそのデータがあれば、着分染めや原反染めもブレが少ないだろう。勿論、複合素材等は、機屋が独自に染色しておく。と言っても、色は決まっているのだから、指図等の必要はない。&lt;br /&gt;
　トレンドカラーはいくつかのテーマに分かれており、それぞれにテーマ名や素材イメージが解説されている。しかし、実際の配色等では、異なるテーマにまたがって色を使用することも多い。先染め、プリント、ジャカード等では、配色を選ぶセンスも重要である。私は、こうしたカラーを構成する専門家を集中的に各産地をラウンドさせることが良いのではないか、と考えている。あるいは、テキスタイルの配色ができるデザイナー等をネットワークして、個々の企業が１配色につきいくらという料金設定をしても良いのかもしれない。&lt;br /&gt;
　以上は、展示会のための作業だが、本来はそれぞれの企業がカラーパレットを整備するべきであり、それを行うデザイナーも必要になる。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆情報システムによる連携&lt;br /&gt;
　以上のことを情報システムを活用して実践してみたいというのが私の構想である。まず、ＪＡＦＣＡ等のトレンド発信機関の情報を独自のシステムを通じて伝達する。ここで、トレンドカラーの発信もこれまでよりは細分化した情報提供が必要になるだろう。レディスのカラーという大雑把なくくりではなく、ヤング、ミセスといった年齢別、オフィス、スポーツカジュアル等の場面別等、きめ細かい情報発信が求められる。また、オリジナルのカラーパレット提供サービスがあっても良いだろう。あくまで、トレンドの流れを意識して、各社のカラーパレットを基本にそのシーズンカラーを設定するのである。&lt;br /&gt;
　最近のトレンド発信は、パントーンのカラーシステムで指示することが多くなっているので、画像の色がぶれてもあまり問題にはならないはずだ。勿論、必要な人にはパントーンのカラーチップを貼ったものを届ける。この段階で、染色加工場は色の解析とサンプル染色を行い、染色データを整備しておく。&lt;br /&gt;
　情報システム上で、このプロジェクトに参加する染色加工場のリストが確認でき、解析やサンプル染色の状況も掲載できれば、異なる産地からの問い合わせ等もスムーズではないだろうか。&lt;br /&gt;
　インターネット連携の情報システムは、双方向の通信が可能である。したがって、配色等のアドバイスが欲しければ、登録されているテキスタイル企画会社やデザイナーに相談することも可能である。&lt;br /&gt;
　そして、トレンドを意識して試作したサンプルの画像は、デジカメで撮影、あるいはスキャナーでスキャンして、各社が独自に登録する。この場合も、ブログの更新のように簡単な操作で登録できるようにしなければならない。この時に、品番、品名、混用率、規格、価格等だけでなく、トレンド解説の中のキーワードを入力しておく。それにより、トレンドキーワードの検索が可能になる。&lt;br /&gt;
　また、この連携ネットワークには、生産アパレル企業、企画会社、アパレルデザイナー、縫製工場等も登録させる。そして、二次製品のサンプル制作までできるようにする。&lt;br /&gt;
　これまではテキスタイルコンバーターや展示会の出展メーカーが独自のコストで二次製品サンプルを制作していた。しかし、これではコストが掛かりすぎる。&lt;br /&gt;
　見本までのコストは各自が分担し、ビジネスが決まったら一定の金額が支払われるというモデルができないだろうか。たとえば、デザイナーはデザインを提供する。バターンナーはパターンを、縫製工場は縫製加工を提供する。&lt;br /&gt;
　その代わり、アパレル企業にプレゼンして、テキスタイルビジネスあるいは製品ビジネスが成約した段階で、それぞれの対価を支払うという考え方である。あるいは、それぞれの対価に合わせて、サンプルを入手することもできる。テキスタイル企業も、デザイナーも、縫製工場も二次製品サンプルがあれば、様々なビジネスに活かせるだろう。デザイナーは、アパレル企業等にプレゼンする材料になるし、生産アパレルや縫製工場は、ＯＥＭ生産を受注することができる。ただし、どの場合も成果が出た時の利益配分のルール付けが必要である。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆インターネット販売でビジネスモデルが変わる&lt;br /&gt;
　このシステムにより、テキスタイルメーカーは、展示会のサンプルにトレンドカラーをつけることが可能になり、二次製品サンプルの制作も簡単にできるようになる。また、デザイナーや縫製工場とテキスタイル企業とのネットワークもできるのである。&lt;br /&gt;
　更に、インターネット上でテキスタイルを販売することが可能になる。&lt;br /&gt;
　テキスタイルのネット販売には批判的な声も多い。「風合いは触らなければ分からない」「デジタルな画面で売れるはずがない」というものだ。こうした意見は間違っていない。インターネット販売を行っている企業も増えているが、現物を見ないで発注することは少ないのだ。しかし、付き合いが深くなれば、生地の雰囲気は分かるだろうし、分からなければ、スワッチを請求すればいいのだ。&lt;br /&gt;
　あるいは、展示会場でスワッチ見本を頼み、会社に届いても、それが進行している生地なのか、生産背景はどうなのか、等を電話で確認することが多いはずだ。&lt;br /&gt;
　インターネットから進行状況をチェックしたり、在庫を確認したり、着分オーダー、現物発注ができれば、それは十分に便利なはずである。実際に、あるテキスタイルコンバーターは、インターネット販売を導入してから、電話が減り、人件費が十人分浮いたと語っている。インターネットで全てを行おうとすると、コストもかかるし、無理が多くなる。デジタルで可能なことと、現物を触らなければ分からないということを整理し、互いに補完することが重要である。&lt;br /&gt;
　インターネットで販売できることで、在庫を積んでいない別注メーカーのビジネスモデルを変えるかもしれない。たとえば、タテ糸共通の過去の生地サンプルを並べ、最低ロットを明示し、これらの生地の中から選ぶか、多少のアレンジをするのならば、○日後には織り上がり、○日後には染上がります、というプレゼンテーションもできるからだ。&lt;br /&gt;
　また、別注メーカーも１００％別注ではなく、品番を選び、ある程度のリスクを持っても良いと考えるケースも多いだろう。それが簡単に販売できるのならば、少しずつ試してみようという企業も少なくないはずである。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆中国アパレル企業へのプレゼンテーション&lt;br /&gt;
　私が構想している情報システムは、基本的に１対１の関係で情報を伝達する。誰でも見られるＷＥＢではなく、ＰＣにインストールしている専用ソフトの画面で閲覧することを基本に考えている。したがって、相手によって販売価格を変えたり、相手によって商品を選択して見せることが可能である。ＷＥＢを使う場合でも、全て相手のＩＤ＆パスワードで区別し、専用ページを見せるので、同様の使い方が可能である。&lt;br /&gt;
　これを応用し、中国語翻訳サービスとつなげると、中国の特定のアパレルだけに、生地をプレゼンテーションすることもできる。また、間にエージェントを入れて、エージェントが生地を選んだり、価格設定をすることもできる。勿論、その情報を共有することも技術的には可能だ。&lt;br /&gt;
　私も、中国のアパレル企業から、デザイナーやパターンナーを頼まれることがあるが、二次製品サンプルを提示することで、場合によってはデザインやパターンの仕事も受注できるかもしれない。&lt;br /&gt;
　現在、中国の展示会に出展しているテキスタイルメーカーも多いが、ほとんどが展示会後のフォローに苦労している。それならば、翻訳機能付のエージェントを設置し、情報システムを介したフォローを考えてはいかがだろうか。メールのやりとりも全て翻訳し、互いに流すようにすれば、フォローはできるのではないか。このために、中国に事務所を設置するのならば、共同でアウトソーシングサービス会社と契約する方が合理的だろう。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
◆情報システムを活用した新連携&lt;br /&gt;
　現在、中小企業基盤整備機構では、中小企業の「新連携」を推進している。新連携（中小企業新事業活動促進法では「異分野連携新事業分野開拓」）とは、異業種の事業者が有機的に連携し、その経営資源（設備、技術、個人の有する知識及び技能その他の事業活動に活用される資源）を有効に組み合わせて、新事業活動を行うことにより新たな事業分野の開拓を図ることをいう。&lt;br /&gt;
　新連携には様々な支援制度が存在する。まず、新連携を構築するための支援。「連携構築に資する規程の作成、コンサルタント等にかかる経費」の補助金制度。新連携として認定された後には、「複数の中小企業が連携して行う事業に必要な新商品開発（製品・サービス）に係る実験、試作、連携体内の規程作成（工程管理マニュアル、共通システム構築等）、研究会、マーケティング、市場調査等にかかる経費」の補助金制度がある。&lt;br /&gt;
　つまり、ここで私が提案しているトレンド発信機関、テキスタイルメーカー、染色加工場、デザイナー、縫製工場を新連携ということで括り、互いのリスク配分と利益配分を作る規定を作らなければならないが、それにも補助金が使えるのである。しかも、新連携として認定されれば、基盤となる情報システムの費用にも補助金がつく可能性がある。&lt;br /&gt;
　染色加工場は中小企業の範疇に入らないケースもあるだろうが、コアとなる企業が中小企業であれば問題はない。&lt;br /&gt;
　私は染色業界の皆様に以上のプロジェクトを提案したい。真摯なる検討を期待している。&lt;/p&gt;</content:encoded>



<dc:creator>坂口昌章</dc:creator>
<dc:date>2009-01-23T22:31:33+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/2009/01/post-494d.html">
<title>テナントが埋まらないのは当たり前</title>
<link>http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/2009/01/post-494d.html</link>
<description>◆「ソフトオープン」の実態 　中国では「ソフトオープン」という言葉が良く使われる...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;◆「ソフトオープン」の実態&lt;br /&gt;
　中国では「ソフトオープン」という言葉が良く使われる。その理由は、百貨店でもフルオープンが難しいからだ。&lt;br /&gt;
　第一に、テナントが集まらない。日本にはテナントを誘致する「テナントリーシング会社」があるが、中国には本格的なテナントリーシング会社は存在しない。百貨店やショッピングセンターはテナントが埋まれば儲かるのだから、テナントリーシング会社があれば、依頼が殺到するだろうし、デベロッパーも利益が保証される。逆に言えば、テナントリーシングこそがデベロッパービジネスの肝なのだ。リスクこそビジネスと考えている中国人経営者にとって、そのリスクをヘッジするような発想はないのかもしれない。&lt;br /&gt;
　第二には、工事の遅れである。単純に資材が集まらない。人手が集まらないということもあるが、政府期間との折衝や許認可の時期が遅れてオープンできないことが多いのだ。予定を組めば、その通り進行するのが普通と考えている日本人には耐えられないことだが、中国では珍しいことではない。オープンが半年遅れることなど普通であり、オープンが１～２年伸び、最終的には経営者が変わったりファンドが資金を引き上げて、オープンそのものが白紙になることもある。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;◆モールに出展した日本企業の運命&lt;br /&gt;
　私が心配しているのは、モールに出展する日本のテナント企業の運命である。&lt;br /&gt;
　ほとんどの日本企業は、直営店という形態で出店する。それには、中国に現地法人を設立しなければならない。これも多くは独資企業だろう。&lt;br /&gt;
　小売店を運営する許認可、中国人社員を雇用する許認可、日本に利益を送金する許認可、事務所の賃貸に関する許認可等々、役所との煩雑な手続きを一つ一つクリアしなければならない。また、駐在員の生活に関する住宅や自動車の手配。法人、個人の税務手続き。考えればきりがないが、これは単に商売を始めるための手続きである。&lt;br /&gt;
　本来は、そこから中国市場における競合他社の調査、消費者調査、商品企画の見直し、価格設定、販売員教育などの準備か必要である。また、独資企業であっても、中国人社員の雇用は必須であり、優秀な人材の獲得、中国人社員が納得する給与システムの検討など、課題は山積みである。私は最低でも準備に１～３年は必要と考えている。&lt;br /&gt;
　おそらく、多くの日本企業は十分な準備なしに進出するだろう。赤信号を皆で渡って事故に合うことのないよう、願うのみである。&lt;/p&gt;</content:encoded>



<dc:creator>坂口昌章</dc:creator>
<dc:date>2009-01-23T22:30:12+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/2009/01/post-e5ce.html">
<title>日中アパレル連携の新時代の予感</title>
<link>http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/2009/01/post-e5ce.html</link>
<description>[要点] ・2008年９月3日、東京ミッドタウンホールにおいて、中国人メンズデザ...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;[要点]&lt;br /&gt;
・2008年９月3日、東京ミッドタウンホールにおいて、中国人メンズデザイナー計文波氏が東京コレクション初となる「LILANZ(リーラン)2009年S&amp;Sコレクション」を発表した。&lt;br /&gt;
・LILANZ(リーラン)は、日本のノウハウを活用して、世界レベルの企業への脱皮を考えている。その第一が素材開発チームの組織化、第二が日本人デザイナーの起用である。&lt;br /&gt;
・日本と中国のコレクションは、手続きや運営方法に大きな違いがある。計画に忠実に動く日本人と、変更を繰り返しながら完成度を高めていく中国人との相互理解は難しい。&lt;br /&gt;
・多くの日本人デザイナーは、ヨーロッパと異質のストリートファッションやリアルクローズで勝負しているが、多くの中国人デザイナーは正統派のラグジュアリーファッションを志向している。&lt;br /&gt;
・日中のビジネス連携には、日中両国に、人脈のある専門家とバイリンガルの日中混成チームを置き、それぞれが連携することが必要。&lt;br /&gt;
・日本での素材開発、新ブランド開発、旗艦店運営、東京コレクション参加の拠点を、ライセンスビジネスという形で集約できるのではないか。&lt;br /&gt;
・ブランド単位でサプライチェーン全体を認証することが求められている。それをライセンス生産契約という形で組織化する可能性がある。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;br /&gt;
&lt;/p&gt;&lt;p&gt;◆ＪＦＷに中国人デザイナーが初参加　&lt;br /&gt;
　2008年9月3日13時、東京ミッドタウンホールHall Aにおいて、中国人デザイナーとしてJFW（東京コレクション）初参加となる「LILANZ(リーラン)2009年S&amp;Sコレクション」が開催された。デザイナーは計文波（JI WENBO・ジウェンボー）。今年、５０歳を迎える中国ファッションデザイナーの重鎮であり、現役の一流デザイナーである。&lt;br /&gt;
　北京五輪の熱狂の余韻が冷めやらぬ時期でもあり、中国人デザイナーの東京コレクションデビューには注目が集まった。来日時から北京のテレビ局が密着取材、当日はＮＨＫ国際放送が朝から密着、リハーサルからはロイター通信のテレビ班が加わった。広い会場は観客で埋まり、立見もギッシリという状態だった。&lt;br /&gt;
　中国の伝統楽器の音が響き、ショーがスタート。唯一の女性モデル、莫万丹（MoWanDan）が黒いドレスで現れると、会場の空気がピンと張りつめる。彼女は、現在、パリ、ミラノ、ニューヨーク等で最も人気の高い中国のトップモデル。今回のコレクションに出演するために、計文波と共に来日した。&lt;br /&gt;
　次々とステージに登場する男性モデルは全て185㎝以上。中国から連れてきた男性トップモデル15人と東京のオーディションで選んだヨーロッパ人と日本人モデルによって構成されている。&lt;br /&gt;
　今回の計文波のコレクションでは、中国の世界遺産「兵馬俑」をモチーフに丹念な服づくりを見せていた。細部までこだわり、手を抜かない姿勢は観客にも伝わり、日本初コレクションに緊張の色を隠せないモデルの表情と相まって、会場全体が次第に熱を帯びてくる。&lt;br /&gt;
　緊張の解けぬまま、再び莫万丹が白いドレスでステージに登場する。ステージ最前部で大きなポーズを取り、ゆっくりとターン。フィナーレは控えめな音楽で淡々とモデル全員が登場する。会場全体が息をつき、静かな拍手が続く。全てのモデルが退場した後、デザイナーの計文波が控えめにステージに登場し、お辞儀をして、手を振りながら戻っていった。&lt;br /&gt;
　ショー後、会場に現れた計文波を20人以上の記者とカメラが取り囲み、取材が行われた。結局、45分近く取材は続いた。ショーの時間は15分、取材が45分。計１時間のデビューステージだった。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆日本のノウハウを吸収して、国際レベルの企業へ&lt;br /&gt;
　計文波がチーフデザイナーを務めるLILANZ(リーラン)は、1990年に福建省でスタートし、現在では中国全土に２８００店舗を構えている。現段階では、中国国内市場のみの展開であり、海外市場への進出はない。&lt;br /&gt;
　2007年ミラノコレクションに中国人デザイナーとして初参加、2008年東京コレクションに中国人デザイナーとして初参加という国際的なステージでの活動を続けているのは、中国国内向けのプロモーションが主たる目的である。LILANZ(リーラン)は近い将来、香港に上場することを計画しており、世界の一流デザイナーによる一流ブランドというブランドイメージの確立を目指しているのだ。&lt;br /&gt;
　しかし、彼らは、イメージ訴求のためだけで、日本でコレクションを行ったのではない。日本のノウハウを活用して、世界レベルの企業への脱皮を考えている。多くの中国アパレル企業は、内部体制が固まらないままに、急激な成長を遂げた。しかし、今後は国内外の企業との熾烈な競争が待っており、なるべく早く国際水準の企業にレベルアップする必要がある。&lt;br /&gt;
　その第一の手段が、「日本素材による差別化」だ。LILANZ(リーラン)は、日本に自社の素材チームを組織化したいと考えている。2007年のミラノコレクションで使用した素材の半分はパリのプルミエールビジョンで調達した日本素材だったという。高品質な日本素材を使うことにより、競合他社と差別化を図りたいのだ。&lt;br /&gt;
　第二は、「日本の若手デザイナー登用」である。計文波は「もし、日本でビジネス展開をするのならば、日本人デザイナーを起用したい」と語っている。これは単純に日本市場を熟知している日本人デザイナーの起用という意味だけでないだろう。日本人デザイナーと契約することにより、日本に人的な拠点を設け、日本に蓄積しているファッションビジネスのノウハウを吸収したいと考えているに違いない。&lt;br /&gt;
　LILANZ(リーラン)は、日本のソフト、人材を活用することにより、世界に通用するアパレル企業確立を目指しており、今回のコレクションはその第一歩といえる。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆日中コレクションの違い&lt;br /&gt;
　今回、私は縁あって日本側でコレクション準備のコーディネート及びプレス担当業務を行った。この中で日中のコレクションの違いを痛感した。&lt;br /&gt;
　まず、今回の東京ミッドタウンホールHall Aという会場は、約６５０席の東京コレクション最大の会場である。当然、会場費も高い。私は、約２５０席のラフォーレ六本木の会場を勧めたのだが、最終的には東京ミッドタウンに決定した。「どうやって集客するつもりだろう」と思っていたのだが、結果的には集客のことは何も考えていなかったことが、後で判明した。&lt;br /&gt;
　中国では一流デザイナーは最大の会場でショーを行うというのが最大の理由なのだが、中国のコレクションの運営にも原因があった。&lt;br /&gt;
　北京コレクションでは、チケットの９割を主催者である中国服装設計師協会が管理をする。各メゾンは１割程度しか割り当てられない。中国のファッションショー人気は高く、ショーを見たい人は大勢いる。ほとんどのチケットは手渡しで捌けるのだ。&lt;br /&gt;
　ＶＩＰである政府関係者は、最初から指定席で席に名前が書いてある。プレスは北京コレクションの共通記者証を持っており、これがあればどのコレクションにもフリーパス。&lt;br /&gt;
　また、基本的に中国のコレクションはプロモーションが目的であり、バイイングが目的ではない。したがって、特にバイヤーを優遇することはない。有力な代理商等は１割のチケットで招待する。&lt;br /&gt;
　つまり、中国ではチケットをプレスやバイヤー郵送するという習慣がない。また、受付も存在しない。入り口に警備員が立っていて、チケットを確認するだけだ。&lt;br /&gt;
　つまり、彼らは集客の苦労をしたことがないのだ。一流のデザイナーが最大の会場でショーを行えば、観客は簡単に埋まるという発想なのである。&lt;br /&gt;
　招待状をプレス向け、バイヤー向け、一般向けに分類するという発想もないし、郵送することも想定していない。今回のコレクションチケットは驚くほど小さいものだったが、それは郵送を想定していなかったためである。&lt;br /&gt;
　モデルのフィッティングも日本と中国では進行方法が全く異なる。中国では、モデルを全員呼び、選んだらその場でフィッティングを行う。この段階では、作品の出演順も決まっていないし、何体出すかも決まっていない。モデルを見て、服を着せながら、全体の構成を作り上げていくのである。&lt;br /&gt;
　日本ではオーディションでは写真を撮るだけで、後で決まったモデルを呼んでフィッティングを行う。その場合も、作品の出演順、点数は全て決まっており、ほとんど変更はない。&lt;br /&gt;
　日本は全ての計画を立ててから、その通りに行動する。中国は進行しながら、変更と修正を繰り返し、最終的に最良なものを目指そうとする。&lt;br /&gt;
　今回のコレクションの現場は、日本人と中国人の混合チームであり、互いに戸惑うことが多かったようだ。日本人から見ると、中国人は計画変更を繰り返す計画性と協調性のない人間に見える。中国人から見ると、日本人は柔軟性のない人間に見えるのだ。それでも、最終的には現場で真面目に仕事をする日本人スタッフに中国人スタッフも感銘を受けたようだった。フィナーレが終わったときには、バックヤードのスタッフ達は感激で涙を流していた。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆ラグジュアリーを目指す中国人デザイナー&lt;br /&gt;
　今回、印象的だったのが、計文波氏が理想とするモデル像と東京コレクションで人気のあるモデル像に大きな差があったことだ。&lt;br /&gt;
　計文波氏が選んだのは、あくまで正当な美男子モデルだった。身長は１８５㎝以上でプロポーションが美しく、顔だちは上品でハンサムな男性。しかし、彼が望むようなモデルは、あまり東京には来ていない。モデルの水準が低いわけではなく、東京コレクションの性格に要因がある。&lt;br /&gt;
　東京コレクションでは、ストリートカジュアルのようなリアルクローズを発表するデザイナーが多い。背の高いモデルよりも、既成サイズが着られる小柄なモデルが好まれる。また、少し不良っぽい印象を持つ人や個性的な顔だちを好む傾向にある。当然のことだが、東京に来るモデルは東京のデザイナーが好むタイプが集中するのだ。&lt;br /&gt;
　こうしたモデルの傾向を見るだけで、東京の独特のポジションがわかる。多分、ヨーロッパで人気のあるモデルが来日しても、東京のデザイナーにはウケないだろう。&lt;br /&gt;
　東京はヨーロッパと異質な独特のファッションを発信している。ヨーロッパから見るとアバンギャルドと言われるような個性がある。&lt;br /&gt;
　中国のデザイナーも、中国文化を大切にしているが、それはあくまでモチーフに中国的なものを使うだけである。あくまでコレクションの主役はソワレ（イブニングドレスのような夜の服）であり、昼間のカジュアルではない。中国のデザイナーは、ラグジュアリーなコレクションが基本であり、日本はリアルクローズが中心だ。&lt;br /&gt;
　個人的な印象かもしれないが、北京コレクションと東京コレクションを比較すると、中国の方がヨーロッパに近い印象を受ける。中国はロシアやヨーロッパと地続きであり、昔から文化的な交流もあった。服も立体的な構造であり、椅子とベッドの生活が中心だ。&lt;br /&gt;
　日本は隔離された島国であり、鎖国の間に独自の文化を熟成している。湿気の多いモンスーン気候は、高床式の家に畳を敷きつめるという南アジアの文化を継承している。きものは独自の平面的で開放的な構造を持っており、ヨーロッパとは全く異質だ。　コレクションを見ていると、東京は世界のニッチ市場を狙い、中国は世界の主流を目指すような印象を受けるのである。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆日中連携を促進するビジネスモデル&lt;br /&gt;
　今回のささやかな経験を通じて確信したことは、「中国人デザイナーが単独で日本に来ても東京コレクションに参加することは難しい」ということだ。　今回は、中国側に岩野莉さんという中国人コーディネーターがいて、日本側に私という日本人コーディネーターがいて、二人が連携して動いたからこそプロジェクトが進行した。と言っても、二人の力だけではなく、それぞれの人脈の中にあらゆる方面のプロフェッショナルがいて、その協力があったからこそ成功したのだ。そうでなければ、最初の申請の段階で諦めていただろう。&lt;br /&gt;
　このことは、あらゆる場面で言えることではないか。海外展示会出展、海外イベント参加、そして海外でのビジネス。勿論、グローバルな市場で活躍している企業であれば問題ないのかもしれない。しかし、日本も中国もグローバルな経営を行っている企業は少ない。中国人社員を雇用している日本企業、日本人を雇用している中国企業もまだまだ少数である。&lt;br /&gt;
　特に、日本と中国は考え方が全く異なっているために、業務上の問題というよりコミュニケーションの問題でつまずいてしまう。今回のコレクションも、日本人だけのチーム、あるいは中国人だけのチームであれば、まだ楽だっただろう。日中混成のチームで動くことが大変なのだ。&lt;br /&gt;
　逆にいうと、ここにビジネスチャンスもある。日本と中国に拠点を構え、双方にそれぞれの国に人脈を持つ専門家と、バイリンガルの日本人と中国人の混成チームを置くのである。これにより、日中両国をつなぐビジネスは、よりスムーズになるに違いない。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆新たなライセンスビジネス&lt;br /&gt;
　前述したように、LILANZ(リーラン)は日本にテキスタイル開発チームを組織することを希望している。更に、日本に旗艦店を出店することも視野に入れている。&lt;br /&gt;
  この二つの課題の解決策について、私は次のように考えている。&lt;br /&gt;
　まず、日本に「LILANZ JAPAN(仮称)」という会社を設立する。この会社は、日本における「LILANZ」ブランドのマスターライセンシーとなる。&lt;br /&gt;
　LILANZと取引を希望する日本のテキスタイルメーカーには、LILANZブランドのサブライセンシーになってもらう。その企画ディレクションとライセンス管理を「LILANZ JAPAN(仮称)」が行い、その費用はライセンス料でまかなう。&lt;br /&gt;
  単なる仲介ではなく、ライセンスという形態を取るのは、「LILANZ JAPAN(仮称)」を貿易の差益を取る会社ではなく、ソフトを管理し、ソフトを販売する会社にしたいからだ。&lt;br /&gt;
  「LILANZ JAPAN(仮称)」が日本市場向けの新ブランドを開発することも視野に入れたい。ただし、日本発のブランドはライセンスビジネスに徹する。紳士服、ニット、帽子、シャツ、ネクタイ、下着、靴下、バッグ、靴等のメーカーにライセンスを供与するのである。そして、旗艦店の一部を新ブランドのショールームとして機能させる。&lt;br /&gt;
  この新ブランドの特徴は日本だけでなく、中国市場で販売できることだ。LILANZ(リーラン)は既に2800店舗を展開している。その販売網の中に、日本発のブランドを展開することも可能である。&lt;br /&gt;
  通常のヨーロッパブランドのライセンスは、ライセンサー企業のブランドイメージと企画力を期待するものだ。中国ブランドのライセンスでは、輸出の販売チャンスを期待するのである。そして、ライセンサーであるLILANZ(リーラン)が、中国のショップで展開する商品の品揃えの幅が広がることが期待できるというわけだ。&lt;br /&gt;
  このように、素材開発、新ブランド開発、旗艦店の運営、東京コレクション参加をライセンスビジネスという形で「LILANZ JAPAN(仮称)」に集約するというアイディアである。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆ブランドを軸にした新たな連携&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;  ある日本のアパレル企業が中国で商標権侵害の訴訟を起こされた。日本のアパレル企業のブランドを中国企業が中国で商標登録していたのである。しかし、その商品は日本市場で販売するものであり、本来ならば外部に漏れるはずがない。単に書類上にブランド名が記載されていただけなのだ。しかし、中国の裁判所は日本企業を有罪と断定した。&lt;br /&gt;
  たとえ、全量を日本に持ち帰る場合でも、中国で商標登録を行い、中国工場にはライセンス生産契約を結ばなければならないというのが彼らの主張である。つまり、中国生産する商品は全て中国で商標登録する必要があるというのだ。&lt;br /&gt;
  ことの是非はともかく、私はライセンス生産契約という概念に注目したい。アメリカやヨーロッパの有名企業では、下請け工場に必ず認証を与えている。それらの工場には誇らしげに、「この工場は自社の製品を縫製加工するに足る設備、技術、管理の能力を持っていることを認証する」という証書が飾ってある。私はサプライチェーンというのはこういうものではないか、と思うのだ。&lt;br /&gt;
  日本は問屋業態が介在しているため、サプライチェーンを認証したり、公開するという習慣がない。しかし、世界のビジネスの主流は、商品のトレーサビリティと、サプライチェーン全体の企業認証を要求している。&lt;br /&gt;
  今後、日本と中国の連携にはこうした認証を活用してはいかがだろうか。大企業の系列ではなくても、ブランド毎に信頼できるサプライチェーンを構築し、それを認証することは可能なのだ。それにより、製造責任等が明確になり、企画やコーディネートというソフトの業務に関しても、正当な対価が支払えるようになるだろう。&lt;br /&gt;
  また、こうした認証と企業連携が、今後のシステム化をも推進していくのではないだろうか。そもそも、企業間の取引とは、価格が安ければどこからでも買えばいいというものではないはずだ。日本国内ならば、それも通用したかもしれないが、同様に海外を相手にするのは危険である。&lt;br /&gt;
  いずれにせよ、日本と中国の企業が新たな連携システムを構築する時期に来ていることを、今回のコレクションが物語っていると言えそうだ。◆&lt;/p&gt;</content:encoded>



<dc:creator>坂口昌章</dc:creator>
<dc:date>2009-01-23T22:29:15+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/2009/01/post-9962.html">
<title>デジタルアーカイブ</title>
<link>http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/2009/01/post-9962.html</link>
<description>　デジタルアーカイブとは、有形無形の文化資産、資料等をデジタルデータとしてで保存...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;　デジタルアーカイブとは、有形無形の文化資産、資料等をデジタルデータとしてで保存することを指す。繊維ファション産業においても、民族衣裳、コレクションで発表された作品、テキスタイル資料等をデジタルアーカイブ化し、様々な活用が期待されている。&lt;br /&gt;
　企業内においても、過去の資料が散逸したり整理されないまま放置されていることが多い。テキスタイル資料に限定しても、アパレル企業のＭＤやデザイナーは展示会の度に、数多くのスワッチサンプルを集める。これらを全て保存しておきたいと思っても、やがて膨大な量になる。実際に使用した生地の控えを保存しておくのだけでも大変なのだ。&lt;br /&gt;
　同様のことは、テキスタイルコンバーターにも言える。「どこの誰にどんなスワッチサンプルを届けたのか」を完璧に管理することは難しい。産地メーカーも同様だ。試織した生地の控えを全て保存し、どんな問屋やアパレルからスワッチサンプル請求があったのかを管理するのは困難である。&lt;br /&gt;
　これらがデジタルアーカイブのデータベースとして保存され、検索することが可能ならば、商品企画や社員教育等に活用できるだろう。&lt;br /&gt;
&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　しかし、デジタルアーカイブの実現には課題も多い。デジタルアーカイブの仕様は、対象、活用目的、利用者等によって異なる。美術品や文化財のデジタルアーカイブであれば、高精細なデータの保存が必要である。一方、ビジネスで使われる画像は、それほど高精細でなくても良い。&lt;br /&gt;
　綿や合繊の白生地の場合、画像よりも糸の種類、太さ、撚糸、打ち込み密度、織組織、後加工等のデータに価値がある。プリントやジャカードは柄や配色が分かる画像だけでなく、加工技術や機械等のデータも重要である。&lt;br /&gt;
　つまり、デジタルアーカイブの構築とは、それぞれに異なる仕様の複数の画像、テキスト、プログラム等を一括して管理できる汎用型のデータベースの構築に他ならない。これが第一のポイントである。&lt;br /&gt;
　文化財であれば、精細な画像だけでなく、場合によっては、設計図や関連資料、Ｘ線写真や赤外線写真も必要だろう。&lt;br /&gt;
　アパレル製品であれば、デザイン画、パターンのＣＡＤデータ、素材データ、生産管理や品質管理のデータ、売上や消化率等のデータが検索できた方が、企業としては使い勝手が良いはずだ。&lt;br /&gt;
　テキスタイルであれば、機屋に必要なデータ、染色整理工場に必要なデータ、コンバーターに必要なデータ、アパレルに必要なデータ、学生に必要なデータは全て異なるだろう。また、合繊、綿、ウール、シルク等の原料によっても登録すべき項目は異なるはずだ。&lt;br /&gt;
　デジタルアーカイブを実用化するための第二のポイントは、時間と相手を選択的に情報開示することである。たとえば、ビジネスに活用しているカタログ情報も、一年後なら開示していい。あるいは、競合他社には開示したくないが、学生ならば開示してもいい。同じ組合員には開示しても良いが、組合以外には開示したくない。国内には開示してもいいが、海外には開示したくないなど、それぞれに様々な事情を抱えているのである。&lt;br /&gt;
　第三のポイントは、デジタルデータのアナログ、現物等の使い分けである。デジタルデータは万能ではない。テキスタイルの風合いを計数で表す研究もされているが、一般的とは言えないだろう。全てをデジタルで解決するのではなく、デジタルとアナログ、現物見本との使い分けが必要だし、使い分けない限り実用には至らないのではないだろうか。&lt;br /&gt;
　第四のポイントは、コストである。数の少ない美術品や文化財であれば、コストが掛かったとしても高精細な画像を保存しなければアーカイブの意味をなさない。採算を考えるとしても、長期的な視点が必要である。&lt;br /&gt;
　ビジネスで使われているサンプルをデジタルアーカイブ化するのであれば、毎年膨大な数量のサンプルを入力、保存しなければならない。この場合は、必要最低限の解像度を設定し、入力のコストを極限まで抑えないと、デジタルアーカイブの維持、運営の採算が合わないだろう。&lt;br /&gt;
　できれば、ビジネスで活用したデジタルデータをそのままアーカイブ化することが望ましい。デジタルアーカイブのためにコストをかけるのではなく、ビジネスとしてのデータを活用するという発想である。&lt;br /&gt;
&lt;/p&gt;</content:encoded>



<dc:creator>坂口昌章</dc:creator>
<dc:date>2009-01-23T22:27:58+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/2009/01/post-75a8.html">
<title>日本のインテリアファブリックスを中国市場に</title>
<link>http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/2009/01/post-75a8.html</link>
<description>■要点 ・住宅着工数の横ばい、人口減少、原材料高騰、中国人件費の高騰など、インテ...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;■要点&lt;br /&gt;
・住宅着工数の横ばい、人口減少、原材料高騰、中国人件費の高騰など、インテリア業界を取り巻く環境は厳しい。一方で、小売り市場の競合は、大型専門店の成長、外資、異業種の参入、インターネット通販等で激化している。&lt;br /&gt;
・中国マンション投資は一時期のような過熱から鎮静に向かいつつあり、投資対象も大都市から地方都市に拡散している。また、親日的な８０後(バーリン・ホ～）世代が家庭を持つ年齢に達しており、日本企業にとっては進出の好機である。&lt;br /&gt;
・目的のない中国展示会出展には意味がない。また、商社依存もエージェント中心の中国のビジネスモデルとはかみ合わない部分がある。中国市場進出には自分の頭で考えて対応することが必要である。&lt;br /&gt;
・中国では、ビジネスと政治が直結している。中国の業界団体は政府機関であり、まず、日本の業界団体と中国の政府機関がコミュニケーションを取り、中国ビジネスに必要な情報を取得し、パートナー企業を獲得することが求められる。&lt;br /&gt;
・中国市場進出には長期的視野が欠かせない。日本企業が焦っても巨大な中国は動かない。まず、中国市場、中国ビジネスの調査を行い、綿密な準備を整えながら、一つ一つの案件に対応していくことが必要。同時に、中国人社員を将来の中国法人経営者候補として雇用すると同時に、会社の改革を進めていくことも重要だ。&lt;br /&gt;
・中国ビジネスは異質なビジネスであり、企業組織の改革が不可欠。具体的には、高付加価値戦略、ブランド戦略、明確な業務フローと役割分担、IT活用による業務の「見える化」推進、日本本社の国際化などが課題。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;◆国内インテリア業界の現状&lt;br /&gt;
　国内インテリア業界は厳しい。日本経済新聞2008年7月1日付によると、「国土交通省が30日発表した５月の新設住宅着工戸数は前年同月比6.5％減の９万804戸で11カ月連続で減少した。耐震偽装の再発を防止するため建築確認を厳しくした改正建築基準法施行の影響は薄れているが、景気の足踏みの影響などで住宅需要は低迷している。加えて資材価格の高騰、住宅ローンの金利上昇など外部環境の悪化が目立っている」とのこと。&lt;br /&gt;
　マクロ的に見ても、日本は高齢化が進み、人口が減少に転じ、福祉の国民負担の増大が予想されており、日本国内市場を楽観視する材料は少ない。&lt;br /&gt;
　市場が頭打ちになる一方で、小売市場の競合は激化している。&lt;br /&gt;
　大型家具インテリア専門店では、高級家具中心のＩＤＣ大塚家具、カジュアルな品揃えのニトリ共に店舗数を拡大している。外資勢では、スウェーデンのイケアが、圧倒的なボリュームと低価格でシンプルなデザインで人気を集めており、今後も店舗拡大の動きを見せている。ホームセンター各社も、それぞれの立地に対応した多様な業態開発を行うなど、積極的な動きを見せている。異業種からの参入では、無印良品が「無印良品の家」プロジェクトを開始するなど、建築インテリア部門への比重を高めている。&lt;br /&gt;
　インテリア関連のインターネット通販も活発である。上記の小売店もほとんどがインターネット通販に対応しているだけでなく、激安販売から専業メーカーによるオーダーメイドまで、インターネットで買えない商品はないと言っていいだろう。&lt;br /&gt;
　更に、原材料、運送費、中国の人件費の高騰が追い打ちををかけている。商品原価や経費が上がるのと同時に、消費マインドは冷え込みを見せており、原料高製品安の状況に陥っているのである。&lt;br /&gt;
　それでも、多くのインテリアファブリックス関連企業は、日本国内市場に依存している。過去に海外市場進出に挑戦した企業もあるが、良い結果が得られず、それがトラウマになっているようだ。&lt;br /&gt;
　しかし、国内市場に特化するとしても、海外企業や海外生産を主体とした大型小売店との競合に勝ち抜く戦略が必要になる。コンシューマー向けのビジネスはどうするのか。価格競争力のある大型専門店に白旗を掲げるだけでいいのか。&lt;br /&gt;
  コントラクト向けのビジネスはどうするのか。オーダーカーテンと工事付きの壁紙やカーペット販売という特殊なビジネスモデルでさえも、海外企業が参入する余地はある。外国人労働者の規制が緩和されれば、工事付きのビジネスも価格競争が激化するだろう。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆中国市場は結婚＆ベビーブームで、新居の需要増大&lt;br /&gt;
　中国、北京オリッピック、上海万博にむけて、古い住宅から新しいマンションへの建て替えは着々と進んでいる。また、大都市部の不動産投資は鎮静化しているものの、投資マネーは地方都市に向かっており、マンション建設は拡散の傾向にある。&lt;br /&gt;
  中国では一戸建て住宅よりも、マンションの方が高級と考えられている。1960年代の日本の団地ブームのような心理も働いているのだろう。&lt;br /&gt;
　中国において、2007年は60年に一度の「金豚の年」とされ、その年に生まれた子供はお金持ちになるという言い伝えがある。そのため2006年には結婚ブームが起きた。今年、2008年は北京オリンピックの年であると同時に８のつく縁起の良い年であり、結婚ブームは続いている。&lt;br /&gt;
　ここ数年で結婚する人は、80年以降に生まれた一人っ子世代が多い。80年代生まれの人を中国では「80後（バーリン・ホ～）」と呼び、新しい消費者層、新人類として注目している。８０後世代は、それ以前の消費者とは嗜好やライフスタイルが全く異なる。８０後世代は一人っ子なので、両親、祖父母から経済的援助を受けており、生まれた時から経済的に豊かだった。また、大学進学時には入学枠の緩和があり、大学、大学院といった高学歴の人が多く、留学経験も珍しくない。また、大学進学前からインターネットが普及し、友人とのコミュニケーション、情報収集など、インターネットへの依存度も高い。&lt;br /&gt;
　８０後世代は、台頭しつつある中国の中産階級を代表する世代であり、将来到来するだろう大衆消費時代の主役である。６０～７０年代生まれの人々は、中国経済成長の第一世代であり、ファッションセンスやファッション情報とは無縁の人々だった。ブランド商品や高額商品に飛びつくのも、自分のセンスに自信がないことの現れである。しかし、８０後世代は自分のセンスに自信を持っており、過度な自己主張や派手な色使いを敬遠する傾向が強い。無印良品のようなモノトーンの世界をも好み、日本製品に対する評価も高い。それ以前の世代に比べると、日本人の感覚に近いのである。&lt;br /&gt;
　中国のマンションは原則的にスケルトン売りであり、内装は購入者が独自に行う。最近では、専門家にインテリアコーディネートを依頼する例も増えているという。また、中国のマンションは日本よりも面積が広い。それだけに、日本のように小さな雑貨や小物で演出するより、カーテンやカーペットといった面積の広いインテリアファブリックスで上品で居心地のよい空間を演出することを重視している。&lt;br /&gt;
　中国人は「上品でセンスの良い日本のインテリアとはどのようなものか」を知りたがっている。中国人消費者が欲しいのは、インテリアを上手にまとめるデザインとコーディネート力であり、品質のよい日本製の部材である。日本のように部材だけを販売するのではなく、コンサルティング販売が重要になるだろう。&lt;br /&gt;
　８０後世代が結婚適齢期を迎え、中国版ニューファミリー市場を形成しようとしている今こそ、日本企業が中国市場に参入する千載一遇のチャンスではなかろうか。また、日本企業の中国市場進出では、戦略的に８０後市場を狙うべきだろう。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆商社依存、中国展示会出展は再考すべし&lt;br /&gt;
　中国市場への進出は、アパレル企業が先行している。しかし、アパレル企業の中国進出も成功しているとは言い難い。&lt;br /&gt;
　「日本市場の方が中国市場よりも進んでいる。だから、中国市場は日本市場で通用する方法で攻略すれば成功するはずだ」こう考えた企業はほとんどが苦戦を強いられている。中国市場は日本市場と異質な市場であり、どちらが進んでいるという問題ではなく、中国市場で成功するには、現実の中国市場に対応しなければならない。極めて当たり前のことだが、実行するのは容易ではない。&lt;br /&gt;
　インテリア業界は、アパレル業界の事例を反面教師として学ぶべきである。そこで、アパレル企業の失敗事例を整理しながら、中国市場攻略法を探っていきたい。&lt;br /&gt;
　第一に、「明確な目的を持たない展示会出展は効果がない」ということだ。日本企業の多くは、中国の展示会出展を中国市場攻略の第一歩と考える。しかし、３年経っても、何の伸展もなく、相変わらず「中国は難しいねぇ」と首を傾げている人も多い。&lt;br /&gt;
　その理由は、日本の展示会と中国の展示会はその目的が異なることだ。日本やヨーロッパの展示会では、バイヤーが商品を仕入れることを目的としている。従って、出展者は、商品のプライスリストを作成し、商品のプレゼンテーションを行う。&lt;br /&gt;
　中国の展示会では、企業と代理商のマッチングを目的としている。代理商は有望なブランドを探し、出展者は有力な代理商を獲得しようと躍起である。ショップさながらの巨大で豪華なブースを構え、コンパニオンを置き、ブランドの優位性をプレゼンテーションする。そこに展示してある商品はあくまでブランド訴求のためであり、商品選択の意味はほとんどない。&lt;br /&gt;
　多くの日本企業は、中国の展示会に出展しても、代理商を選別、管理するシステムを持たない。来場者に「代理商になりたいのだが」と言われても、対応できないのだ。中国企業も、展示会会場での面談だけで相手を信用するわけではない。詳しいカルテを作成し、実際に現地を訪問し、資産内容や実績を調査してから、詳細な契約書を交わすのが一般的である。代理商ビジネスをしないのなら展示会に出展する意味はない。直営店戦略が中心ならば、展示会に出展してもブランドや商品をコピーされるだけである。&lt;br /&gt;
　代理商とは、特定の地域の販売権を与えるFC代理店企業である。中国ビジネスでは、こうしたエージェントや仲介ビジネスの比重が高い。そのため同じ仲介を行う日本の商社を嫌う。商社が入ると、二重に仲介業者が入ることになり、自分たちの権利が薄くなるからだ。中国のパートナー企業を探すのであれば、最初から商社に頼ることはやめた方がいいだろう。まずは、自社で行動することが必要だ。&lt;br /&gt;
　中国では、「日本アパレル用テキスタイル製品は流通が混乱している」と言われている。日本のテキスタイルメーカーが中国販売を商社に委託し、商社は複数のエージェントにサンプルを渡している。日本製のテキスタイルを使うアパレル企業は限られており、そのサンプルが一部の企業に集中するのである。その結果、「同じサンプルにも関わらず価格がバラバラ」という現象が起きている。&lt;br /&gt;
　イタリア製品は、一社一エージェントの原則を守っているため、価格がブレない。今後、本格的に中国市場を攻略したいのならば、エージェントの選択が非常に重要である。その場合、商社という第一エージェントを固定することは、有力なエージェントの獲得に不利に働くことを理解すべきである。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆業界団体は、中国政府機関との積極的なコミュニケーションを&lt;br /&gt;
　中国市場に進出するのであれば、まず、日本の業界団体が中国政府機関とコミュニケーションを取るべきである。日本の業界団体は財団や社団、組合組織であり、政府機関ではない。しかし、中国では「中国○○協会」のように「中国」と「協会」がついた団体は政府機関を意味する。当然、中国人は「日本○○協会」を日本の政府機関と考えるのだ。&lt;br /&gt;
　中国の政府機関は日本の団体と異なり、積極的にビジネスを展開している。政府機関の周辺には必ず民間企業が存在し、様々な権利を駆使して、積極的なビジネスを展開しているのである。&lt;br /&gt;
　一方の日本の団体は、文化交流のような儀礼的なコミュニケーションに終始していることが多い。ビジネスは個々の企業が行うものであり、団体は関与しないという考え方だ。今後、中国とビジネスするのであれば、まず日本の団体関係者の意識改革が必要だろう。&lt;br /&gt;
　中国では、まずトップ同士が握手をしてから、各企業のビジネスが始まる。トップ同士の握手とは、日中の業界団体同士の握手だ。したがって、業界団体のトップ、事務局の人材も再考が必要である。最も戦略的な部署であり、業界の指導的な立場に立ちうる人材をあてることが求められる。本来ならば、一線を退きながらも影響力の強い、業界トップ企業の元経営者が代表となり、最も優秀な役員クラスを事務局長に据えるべきだろう。&lt;br /&gt;
　中国政府機関とのコミュニケーションの目的は二つ。&lt;br /&gt;
　第一は、中国ビジネスの実態を理解すること。どのようなアプローチ、どのようなビジネスモデルで中国市場に参入するすべきかを調査し、会員企業に伝えること。&lt;br /&gt;
　第二は、パートナー企業を探すことである。日本企業は中国企業を信用できないと考えることが多いが、それは中国企業も同様である。そのため、信頼できる日中の機関が手を結ぶことが意味を持つ。&lt;br /&gt;
　前述したように、政府機関そのものが民間企業を経営している場合もあり、その企業と提携する可能性もある。また、政府機関の人間は、常に有力企業のトップとコミュニケーションを取っている。そのため、政府機関とのコミュニケーションの中で、有力企業のトップと知り合うチャンスも多い。また、相手も政府機関を介して知り合った日本企業なら信用できると考えるのだ。&lt;br /&gt;
　団体同士の交流も明確な目的を持ち、それを相手と共有しなければならない。これまでのような目的のない交流に対しては、中国側は辟易としている。また、中国はトップダウンの国であり、政府機関との交流、パートナー企業との交渉は経営トップ自らが行うべきである。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆中国市場戦略は長期的な視点が不可欠&lt;br /&gt;
　私は「とにかく現地法人を設立する」ことに反対である。それよりも、現地法人を任せられる人材の確保が重要だ。できれば、現地法人のトップは中国人が望ましい。その中国人は日本企業でキャリアを積み、日本の仕事の進め方も理解し、中国市場も理解していなければならない。&lt;br /&gt;
　そう考えると、中国市場戦略の第一歩は、まず、優秀な中国人を中国法人経営者候補として日本本社に採用することである。その人材を５年程度、訓練し、信頼できると判断できれば、中国法人を任せることができるだろう。&lt;br /&gt;
　これまで全く準備をしていない企業は、政府機関とのコミュニケーションと中国人人材の獲得を同時に進めるべきである。そして、その人材と共に、中国市場の調査やパートナー企業候補のリストアップ、現地法人設立や必要な許認可資格取得調査、現地法律事務所との契約、基本的な契約書の作成等の準備を進める。これだけでも１～２年はかかるだろうし、明確な目的をもって中国側と接していれば、必ずチャンスがやってくるはずだ。全てのチャンスが形になるはずもなく、それを見極めるのに最低半年はかかる。こうした経験を積みながら、テストマーケティング的な事業を行い、本格的な市場進出に備えることが望ましいだろう。&lt;br /&gt;
　政府機関とのコミュニケーションと３年、５年と重ねるうちに、互いの信頼関係も増すはずである。中国人は最低でも５年程度は付き合わないと信用しない。互いに信用できるようになってから、「そろそろビジネスをしましょうか」という話になるのである。&lt;br /&gt;
　「中国市場進出は緊急課題であり、そんなに悠長な準備はできない」と考える人も多いだろう。その場合でも、緊急的な対応と長期的な対応を並行して行うことを提案したい。中国は巨大な国であり、市場であり、日本側が焦っても動いてはくれない。焦って、展示会に出展しても、商社の尻を叩いても、ビジネスは動かない。部課長クラスの人材を中国に派遣しても何もできないだろう。彼らには中国に親戚もいなければ人脈もない。言葉も不自由で中国人の思考やライフスタイルも理解していないのだ。&lt;br /&gt;
　現在、中国に進出して３～５年というアパレル企業は多い。彼らは中国市場で苦戦しながら、「日本のやり方をそのまま中国に持ち込んでも成功しない」ということは理解した。しかし、どうすれば成功するかは、未だ暗中模索である。そして、優秀なパートナー企業にも、現地法人を任せられる中国人にも出会っていないはずだ。おそらく、どこかの時点で根本的な戦略の見直しか、中国進出そのものの見直しを迫られるだろう。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆中国市場参入に求められる企業変革&lt;br /&gt;
　中国人と日本人の顔はほとんど区別がつかない。同じ漢字を使っているので、筆談が可能だ。こうした共通点があるだけに、日本人は中国人に対して、日本人のように接してしまう。しかし、中国人と付き合っていて感じることは、彼らは日本人よりも欧米人に近い感覚を持っているということだ。&lt;br /&gt;
　おそらく、中国は近い将来アメリカ並みの訴訟社会になり、アメリカ並の分厚い契約書が必要になるだろう。ビジネスのスタイルや、雇用に対する意識もまた欧米に近い。逆に言うと、中国ビジネスに成功すれば、世界市場に進出するチャンスにもなる。&lt;br /&gt;
　中国市場に参入することは、日本国内ビジネスと全く異質なビジネスに参入することを意味する。&lt;br /&gt;
　ある中小企業社長は「中国で売るのは、大阪に売るようなものだ」と言ったが、大きな間違いだ。また、中国生産ビジネスと中国市場ビジネスを混同してはならない。東北地方に工場を作ったように、中国に工場を作ったかもしれないが、そこでできた商品は日本市場に販売していた。工場の従業員以外は、全て日本人で完結したビジネスを行っていたに過ぎないのである。中国市場進出は、中国政府、中国企業、中国人消費者を相手にビジネスを展開することなのだ。&lt;br /&gt;
　異質なビジネスを行うのだから、組織、システム､ルールも変革が必要だ。しかも、現地法人だけにそれを適用すればいいのではなく、日本本社の改革も必要になる。これまで中国市場に進出した日本企業に、こうした認識は薄かっただろう。しかし、中国市場に進出した途端に、自社の体制を見直さざるをえない状況に直面するのだ。&lt;br /&gt;
 逆に言うと、「中国市場進出をきっかけに、会社の体制を見直し、世界に通用する会社に変革しよう」という意気込みで中国に進出していただきたい。マスコミの論調は常に中国特殊論だが、中国を特殊な国と捉えるのではなく、グローバル市場の入口として捉えるべきである。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆企業変革の具体的内容&lt;br /&gt;
  日本市場はここ10年以上「良いものをいかに安く販売するか」を競い合ってきた。中国市場は、その反対に市場に溢れる安物といかに差別化するかを競い合ってきたのである。現在の中国市場を見る限り、日本企業は自社で展開する製品のうち、最も高額で付加価値の高い商品から中国に持ち込むべきだろう。また、今後の商品戦略では「高付加価値戦略」と「ブランド戦略」を重視しなければならない。&lt;br /&gt;
  特に、日本でしかできない素材、加工、技術を駆使した高付加価値商品の開発が重要だ。また、どんなに良い商品でも中国では認知度を高めないと売れない。プロモーションを中心としたブランド戦略も重要である。&lt;br /&gt;
  組織改革では、明確な業務フローと役割分担を定めることが求められる。暗黙の了解やあうんの呼吸は中国では通用しない。業務フローと責任分担を明確にするという意味では、国際的な企業認証取得を利用する方法もある。企業認証取得の過程の中で、業務フローと役割分担を明確にしなければならないし、様々なマニュアル整備も義務づけられているからだ。&lt;br /&gt;
  ＩＴ活用による業務の「見える化」も重要だ。中国では、物流、情報の流れ、お金の流れを体系的に管理することが難しい。そこで、日本の情報システムを導入し、それを手ようすることを契約に盛り込んでおけば、日本本社でも業務の流れが把握できる。中国人は合理的であり、最新技術の導入にも貪欲だ。自分たちの業務が合理化できれば、情報を採用することに抵抗はないだろう。&lt;br /&gt;
  もし、日本側が情報システムをコントロールできずに、中国側が情報システムをコントロールするとしたら、プログラムに工作することも可能になるし、そこから出てくる数字も信頼性に欠けてしまう。情報システムを制することは、経営を制することである。日中双方で科学的で合理的な経営を目指すのであれば、日本側が情報システムを提供し、それを共有しながら、経営ノウハウを共有することが有効である。中国という異質な市場をコントロールするには、そのためのツールが必要なのだ。&lt;br /&gt;
  最後に強調したいのが、日本本社の国際化である。中でも、中国人社員の雇用を進めていただきたい。役員が何人も海外視察に出かけるよりも、一人の中国人社員を雇用する方が、中国を理解するためには効果的である。そして、外国人と働くことにより、日本人社員の国際感覚を磨き、外国人と社内システムのそごがあれば、それを解決することが会社を国際化することにつながるのだ。したがって、中国人社員を日本人の鋳型に嵌めるのではなく、中国人を初めとする外国人が納得するように会社を変革していくという意識が必要である。&lt;br /&gt;
  日本企業に洗脳された中国人は中国市場では使い物にならない。日本人と同じ思考で同じ失敗を繰り返すのである。変えるべきは、個人ではなく会社というシステムなのだ。&lt;/p&gt;</content:encoded>



<dc:creator>坂口昌章</dc:creator>
<dc:date>2009-01-23T22:26:07+09:00</dc:date>
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<title>戦略的互恵による日中ビジネスの展開</title>
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<description>要点 ・日中関係は、日中両国の企業にとって最も重要な二国間関係である。 ・長期に...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;要点&lt;br /&gt;
・日中関係は、日中両国の企業にとって最も重要な二国間関係である。&lt;br /&gt;
・長期にわたる相互協力が日中両国の企業にとって唯一の選択である。&lt;br /&gt;
・日中企業の平和共存、世代友好、互恵協力、共同発展を実現する。&lt;br /&gt;
・将来にわたり、絶えず相互理解を深め、相互信頼を築き、互恵協力を拡大する。&lt;br /&gt;
・日中両国企業は、互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない。&lt;br /&gt;
・日中両国企業の平和的関係がアジアや世界に大きなビジネスチャンスと利益をもたらす。&lt;br /&gt;
・日中両国の企業トップ同士が相互訪問を強化し、相互理解と信頼関係を一層強化する。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;◆日中ビジネスの戦略的互恵関係&lt;br /&gt;
　2008年5月6日から10日まで、中国の胡錦濤主席が来日した。胡錦濤主席は、日本滞在中に福田康夫総理と会談を行い、「戦略的互恵関係」に関する共同声明を発表した。&lt;br /&gt;
　政治の世界だけではなく、ビジネスの世界も戦略的互恵関係が不可欠である。私なりに、日中の共同声明を日中ビジネス関係に置き換え、具体的なアクションプランを考えてみた。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆日中関係は最も重要な二国間関係&lt;br /&gt;
　一時期、「チャイナ・プラスワン」という言葉が流行した。中国一極集中のカントリーリスクを考え、東南アジア諸国やインド等に生産を分散しようという動きだ。しかし、原材料調達から加工、品質管理、物流までをトータルに考えると、中国以上の国は簡単には見つからない。結論から言えば、既に「チャイナ・プラスワン」というテーマは忘れられようとしている。&lt;br /&gt;
　代わりに浮上しているのは、ロシア、インド、トルコ等の新たな成長市場である。しかし、中国の特徴は、「世界の工場」と「世界の市場」が同居していること。世界の工場としては、原料調達～加工～物流まで完備している。東南アジア諸国は、人件費は低いものの、原料を中国から輸入しなければならない。世界の市場として見ても、北京オリンピック、上海万博を経て、新たな中流市場の誕生、大衆消費の時代の到来は中国が先頭を切るだろう。何といっても、日本にとって中国は隣国であり、地理的に有利な条件にある。&lt;br /&gt;
　他の国との貿易も増えるだろうが、それ以上に中国との貿易が増えるに違いない。まだ、日本企業は本格的に中国市場に進出していない。「輸出するなら欧米市場に」という人も少なくない。欧米に進出したという実績が日本市場でのプロモーションになるからだ。&lt;br /&gt;
　しかし、欧米企業が最も注目しているのは中国市場である。既に、政府は日中関係が最も重要であると認識している。中国は日本の最大の貿易国なのだ。&lt;br /&gt;
  次は、国内だけでビジネスしてきた企業経営者が、日本と中国の二カ国で展開するビジネスを考える時期が来ているのではないか。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆長期的な相互協力が唯一の選択&lt;br /&gt;
　人件費が安いから、日本生産をやめて中国で生産する。中国の人件費が高くなったから、ベトナムに生産基地を移す。こういう考え方に未来はあるのか。&lt;br /&gt;
　既に、中国の人件費は低いとは言えない。東南アジア諸国の人件費は中国の二分の一程度だ。既に、中国沿海部では縫製工を募集しても人が集まらない。ベトナムでも縫製工を確保するのは困難になっているという話も聞く。&lt;br /&gt;
　人件費の安い国を求めて彷徨するということは、そこで築いた人間関係を断ち切っていくということだ。国内産地との人間関係を断ち切り、中国に生産基地を移転する。もちろん、一部の人は中国で仕事を継続し、技術移転に貢献している。しかし、中国から東南アジアやインドの工場に彼らが移る保証はない。中国で培った中国人との人脈は次の国で生きるのだろうか。&lt;br /&gt;
　世界中に散らばる華僑ネットワークのパワーは人的ネットワークが基本になっている。低コストの労働力を追いかけたとしても、その根底に人的ネットワークがあれば、事業と人脈は共に成長できる。しかし、日本の商社の手法は、コストを優先し、人脈を考えていない。&lt;br /&gt;
　古いタイプの日本人は、自らの仕事を天職と考えている。仕事は天から与えられたものであり、全うしなければならない。儲かるからと言って、簡単に転職したり、会社の業務内容を変えたりしないのだ。したがって、縫製工場の社長とは、縫製の仕事以外で付き合うことはない。&lt;br /&gt;
　しかし、中国人の仕事観は日本とは異なる。仕事は収入を得るためのものであり、会社を利益を獲得するための装置に過ぎない。「同じ場所に両足を置くと倒れる」という諺があるくらい、積極的に多角経営を行う。縫製の仕事が儲からなくなれば、さっさと工場を畳むだろう。そして、中国で小売店を展開するかもしれない。&lt;br /&gt;
　日本の商社にとって「工場としての中国」から「市場としての中国」へとポジションが変化すれば、新たなパートナーを探すことになるだろう。その時、かつての人脈を活かす方が良いのか、それとも一から人脈を築くことが良いのか。無条件に互いを信用することを原則にしている日本ならば、新しい人脈を築くのも簡単だろう。しかし，中国では信用できる人脈を築くことは容易ではないのである。&lt;br /&gt;
　中国との付き合いは、個人が基本になる。そして個人との付き合いは、仕事だけに留まらない。むしろ、個人的な信頼関係があって初めて仕事につながるのだ。したがって、短期的な利益だけを追求する姿勢を見せたのでは、中国人の信頼を得ることはできないだろう。&lt;br /&gt;
　こうした長期的な人間関係を前提にしたビジネスモデルは、かつての日本の強みでもあった。一度採用した社員との長期的関係を大切にする。系列関係にある下請け企業との長期的関係を大切にする。学校の先生と学生も長期的な関係が続いていた。確かに、横並びの談合体質は企業の活力を失わせ、個人の能力をスポイルする。しかし、中国人との付き合いの中で、再度、長期的な相互協力ということを考え直すべきではないだろうか。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆高齢者、若者の世代友好、平和共存&lt;br /&gt;
　世代友好とは、若い世代から高齢者まで幅広い世代で交流を深めることを意味する。&lt;br /&gt;
　最近、日本でも高齢者の雇用促進が話題になっているが、問題は職場である。中国で高齢の日本人技術者が生き生きと働いているのを目にする。周囲を取り囲む若者は、目を輝かせながら、尊敬する技術者の技術を学ぼうとしている。そんな若者を前にすれば、自分の知っていることを一生懸命教えるのも当然だと思える。日本でやっかい者扱いされ、リストラされ、プライドを傷つけられた人間が、中国では尊敬されるのだ。果たして、日本にそうした職場があるのだろうか。&lt;br /&gt;
　労働力不足だから、高齢者を雇用しようというのは安易だ。問題は個人の生きがいなのだから。年金の問題もそうだ。年金が少なくて生活ができないというが、物価の安い国に行けば十分に生活できる。&lt;br /&gt;
　考えてみれば、我々は中国等の低コストの国の労働力を活用することで、１０年間も物価を抑制してきた。その影響で経済成長が鈍化し税収も減った。当然、年金支給額も減少する。産業がグローバルで動いているのに、個人の生活はドメスティックに展開されている。だから、収支が合わないのだ。&lt;br /&gt;
　同様のことは、中小企業にも言えるだろう。大企業はグローバルに低コストの労働力を活用できる。しかし、国内の中小企業はその恩恵を受けることができない。もし、外国人労働力の導入が可能ならば、日本国内で中国の工場のような光景が見られたかもしれない。&lt;br /&gt;
　また、産学連携、人材育成も国内だけで考えるのではなく、日中の二国間で考えるとより可能性が広がる。日本語を勉強している中国の学生は多いが、彼らを日本企業にインターンシップとして受け入れれば、日中ビジネスは更に活性化されるだろう。単純労働者の受け入れの前に、国際インターンシップを解禁するのはいかがだろうか。その代わり、中国側の大学と日本の教育機関が連携して、最低限度のスクーリングを義務づける。日本の大学がインターンシップの管理とスクーリングの認定を行い、単位を与える。その単位を中国の大学が認定するのである。あるいは、中国の大学卒業後に日本の大学への留学の道を開くこともできるのではないか。その場合も、インターンシップを積極的に活用することで、新たな産学連携が可能になるだろう。&lt;br /&gt;
　同様に、日本の学生が中国の企業にインターンシップすることも可能だろう。その代わり、中国の大学での語学研修を義務づける。中国におけるインターンシップ管理と語学研修を中国の大学が認定して単位を発行し、日本の大学がそれを認定するのである。&lt;br /&gt;
　こうした産学連携の交流プログラムの創設により、生きた世代友好が可能になる。そして、その積み重ねが平和共存につながるのである。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆相互理解、相互信頼、互恵協力&lt;br /&gt;
　日本人は中国人を怖がっている。未だに、仕事をしても報酬を支払ってもらえないという話を聞く。この原因は、日中両国の仕事のやり方の違いにもあるのだ。&lt;br /&gt;
　日本では最初に「仕事はあなたに任せる」という暗黙の契約をしてから仕事に入る。したがって、仕事を受けた人は途中で仕事を中断されることを想定していない。仕事の第一段階だけを依頼されても、最終段階までの仕事を進めることは珍しくない。&lt;br /&gt;
　しかし、中国では契約は契約。そもそも、契約書のない口約束は守らなくても許されると考えている。また、第一段階の仕事の契約はあくまで第一段階のみ。全ての仕事を依頼したわけではないという認識だ。&lt;br /&gt;
　また、日本が過程を重視するのに対し、中国では結果を重視する。日本では、デザイナーがクライアントの指示通りに仕事をすれば報酬を受け取るのは当たり前と考える。中国は結果重視なので、一般的には売れたら成功報酬を支払うという考え方だ。&lt;br /&gt;
　日本側が仕事をしたのに報酬を支払ってもらえないと考えているケースも、中国側は契約していない仕事を勝手に進めていると判断し、報酬を支払う必要はないと考えている場合があるのだ。&lt;br /&gt;
　一方、中国人も日本人を怖がっている。まず、日本人を信用できない。信用するための根拠を欲しがる。中国人にとって信頼できるのは、立派なホームページや会社案内、過去の実績である。しかし、日本の専門家は原則的にクライアントを公開しない。実力のある人ほど、黙っていても仕事が来るので、ホームページや会社案内も必要ない。したがって、中国企業が実力ある専門家に出会う可能性は非常に低い。&lt;br /&gt;
　次に、仕事を依頼しても、その効果が上がるかが分からない。日本なら、クライアントが何を依頼するのかを決定し、その結果は自分で責任を取る。しかし、中国人経営者は結果だけを期待しているのであり、そのために誰に対してどんな依頼をしたらいいのかが、そもそも分からない。&lt;br /&gt;
　信用できない相手に仕事を依頼して、結果が出ないかもしれないのだから、怖いのも当然だろう。&lt;br /&gt;
　こうした両者のすれ違いを解決するには、相互理解、相互信頼しかない。最初に、信頼関係のある個人同士を基本に、それぞれの信用をパイプとして、少しずつビジネスを交流させていく。それにより、共通の利益に対して互恵協力ができるようになれば、新たな日中ビジネスが展開されるに違いない。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆協力のパートナーであり、互いの脅威にはならない&lt;br /&gt;
　日本人は中国脅威論が好きだ。書店にも沢山の中国関係の本が並んでいるが、半分以上が中国脅威論だろう。最近は世界の工場である中国が、日本国内の製造業を脅かすという論調はほとんど見られなくなった。代わって「覇権国家中国がアジアの安定を崩す」「中国バブル経済が崩壊する」「中国発の環境破壊が地球を汚染する」という論調が増えている。&lt;br /&gt;
　日本が急激に経済成長した頃、アメリカやヨーロッパでも日本脅威論が蔓延した。しかし現在、経済の長期低迷が続く日本を脅威と思う国はいない。最近、海外における日本の評判はとても良い。ほどほどにリッチで、礼儀正しく、独自の文化を持つ国として評価されている。裏返せば、現在の日本は世界の国から脅威と考えられるほどの経済力を持っていないということだ。&lt;br /&gt;
　中国脅威論が全て嘘だとは思わない。中国が抱える問題が深刻であることも事実だ。しかし、中国政府も中国人民も自らの問題を理解している。そして、それを解決しようと努力している。&lt;br /&gt;
　中国の安定が日本の国益に適うのなら、我々は中国の安定に協力しなければならない。日本の安定が中国の国益に適うならば、中国も日本の安定に協力するだろう。そして、互いの安定を図るということは、互いを脅威と見なさないことが基本なのだ。これは好き嫌いの問題ではない。互いの国が自らの国益を考えてのことである。&lt;br /&gt;
　ビジネスでも同様である。中国を脅威と見なして何が生まれるのか。日本国内だけを見ていれば、中国の成長に伴い、淘汰される企業もあるし、一部の業種の失業者も増えた。しかし、日本企業が中国国内でどれだけの雇用創出したのかは報道されない。客観的に見れば、日本企業は日本人の雇用を減らし、中国人の雇用を増やした。そして、日中の相互依存を高めた。中国の雇用が増え、経済成長に貢献し、日本には安くて質のよい商品が供給されるようになった。そのことで利益を上げ、成長した企業も数多いのである。&lt;br /&gt;
　近年、中国からの観光客は増加の一途をたどり、彼らが購入するお土産品の売上も上昇を続けている。日本のブランドショップ、高級百貨店も中国人の観光客やビジネスマンで支えられている。日本で買い物をした商品が気に入れば、最終的には中国への輸出も増えるだろう。日本と同じ店を中国で展開する事例も出てくるに違いない。こうした日中両国をつなぐビジネスは、日本人だけでもできないし、中国人だけでもできない。日本と中国の企業が連携してビジネスを進めることが必要である。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆日中両国企業の平和的発展がアジア、世界のビジネスチャンスを広げる&lt;br /&gt;
　多くの日本企業にとって、中国企業との取り組みはグローバルビジネスの第一歩になる。そして多くの日本人にとって、中国人とのつきあいは異文化コミュニケーションの第一歩になる。&lt;br /&gt;
　日本人と中国人は、同じ黄色人種であり、顔だけを見ても区別はつかない。また、共通の漢字を使うので、親近感を感じやすい。日本人も中華料理が好きだし、中国人も日本料理が好きだ。しかし、発想や思考パターン、ビジネスの慣習は全くと言っていいほど異質だ。外見が近く、親近感があるだけに、互いの違いにショックを受けることも多い。相手が白人や黒人ならば、外見が異なるので、考え方が異なっても納得できる。しかし、外見も同じ、使う文字も同じなのに、考え方が全く異質であることは理解しにくいのだ。&lt;br /&gt;
　逆に言えば、異質ゆえに互いの欠点を補えるし、互いの長所を活かせるともいえる。&lt;br /&gt;
　日本の大手商社、大手家電メーカー、自動車メーカー等は、既に世界市場に進出している。しかし、日本の９割以上の中小企業は国内市場だけを対象に成長してきた。ビジネスの歴史が長いだけに、日本特有の様々な商慣習が存在する。&lt;br /&gt;
　一方、中国は急激に経済が成長し、中国市場には世界中の資本と企業が競い合って進出している。自らが成長する前に、国際競争を余儀なくされ、国際的ルールが適用されようとしている。あまりに急激に成長したために、会社内部の組織固めや人材育成ができていない。日本にはノウハウの蓄積があるが、それを国際ビジネスに活かせない。中国はパワーがあっても、ノウハウの蓄積がないために、ブレイクスルーできない。&lt;br /&gt;
　日本と中国が平和的に連携を強めることは、アジア地域経済を押し上げ、アジアの存在感を高めることにつながるのである。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;◆日中両国の企業トップ同士が相互訪問&lt;br /&gt;
　政治もトップ同士の交流が大切だが、ビジネスの世界も同じである。日本国内のビジネスは、最初から互いを信頼することが原則なので、いきなり担当者同士の商談でビジネスがスタートする。&lt;br /&gt;
　日本で最初から相互信頼が可能なのは、狭い国土と長い歴史の中で培われた独自の情報網によるものだ。江戸時代の商家は、自分の出身地の人間しか雇用しなかった。互いに実家を熟知している同郷同士ならば、何かあった時にも責任を担保できるからだ。「上州屋」「伊勢屋」のように出身地の名前を屋号につけたのは、そういう合理的な理由がある。&lt;br /&gt;
　最近では、日本国内においても商道徳に対するモラルが希薄になっている。ビジネスの歴史が浅い中国では尚更だ。最初から相手を信頼することはあり得ない。&lt;br /&gt;
　まず、信頼できる相手であることを確認すること。できれば友達になること。友達にならなければビジネスも始まらないのである。&lt;br /&gt;
　中国は中国共産党の独裁国家である。したがって、あらゆる経済活動に政府機関が関与している。国営企業から民営企業になっても、社長は政府から派遣されることが多い。&lt;br /&gt;
　日本の業界団体は親睦団体であり、ビジネスは各社が先行する。しかし、中国では各企業が政府機関と緊密な関係を築いている。大きなビジネスには必ず政府機関が関与するからだ。日本企業も中国でビジネスを展開するならば、政府機関や業界団体とビジネスを進めていかなければならない。日本人が誤解しているのは、業界団体や政府機関とは交流だけを行い、ビジネスは企業間で行えばいい、と考えている点である。むしろ、政府機関や業界団体とビジネスの話をしなければならないのである。&lt;br /&gt;
　そして、業界のトップ同士が相互訪問し、信頼関係を築いてから、個々の企業がビジネスを展開することが重要だろう。日本で存在意義が問われる業界団体が必要とされるとしたら、中国ビジネスの先導役という役割を最も重視すべきだろう。◆&lt;/p&gt;</content:encoded>



<dc:creator>坂口昌章</dc:creator>
<dc:date>2009-01-23T22:24:14+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/2009/01/post-3a20.html">
<title>アパレルＯＥＭ生産管理のシステム化提案</title>
<link>http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/2009/01/post-3a20.html</link>
<description>　かつて、アパレル企業には三つの事務作業が存在した。経理事務、営業事務、生産事務...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;　かつて、アパレル企業には三つの事務作業が存在した。経理事務、営業事務、生産事務だ。経理事務は経理システムが入り、かなり効率化が進んだ。営業事務も次第にシステム化が進み、作業は軽減した。そして、生産事務は商社にアウトソーシングすることによって、担当者そのものがいなくなった。&lt;br /&gt;
　しかし、問題は商社に移行した生産事務だ。現在にいたるまで、業務のシステム化は進んでいない。アパレル製品の生産管理は、複数の仕入れ先から生地、付属が入荷し、生地の用尺を計算し、原価計算をしなければならない。しかし、企画途中でデザインが変更になったり、生地にキズがあれば、裁断枚数が変わり、用尺が変わる。また、生地値自体が決定しないうちに、アパレルから見積もりを要求されることさえある。結果的に、厳密な原価管理ができず、ドンブリ勘定になってしまうケースも多い。&lt;br /&gt;
　生産事務の現場には、数多くの伝票とＦＡＸと電話のメモが氾濫している。それらを品番ごとに分類し、原価を決定し、社内システムに入力する作業は驚くほど非効率だ。&lt;br /&gt;
　それでも、ビジネスが成立していたのは、日本と中国の人件費格差があったからに他ならない。しかし、中国の原材料費、人件費は高騰を続けている。中国政府は世界一の外貨準備高を抱え、輸出振興から輸入振興へと政策を転換した。輸出に対する優遇措置、外資への優遇措置も次第になくなりつつある。しかも、労働力不足も深刻だ。中国においては、縫製業者が労働力を確保することが次第に困難になっているのである。&lt;br /&gt;
&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　商社の社内の基幹業務システムは整備されている。基幹業務システムに入力しなければ、経営管理ができない。しかし、生産事務業務が合理化されていないので、結局人海戦術に依存しているのである。&lt;br /&gt;
　しかし、あまりにも複雑であり、外部との連携性が高い情報システムを構築するには高額のコストが掛かる。新たに情報システムを構築するとなれば、数千万の規模になるだろう。利益率が圧迫されているＯＥＭ生産の部隊に、それだけのＩＴ投資はできない。結局、人海戦術に依存せざるをえず、それで採算が合わなくなれば、ＯＥＭビジネスそのものから撤退していくだろう。&lt;br /&gt;
　現在、アパレル生産管理の現場はかなり危機的状況である。どの商社が低コストのＯＥＭ生産管理システムを構築できるかが、今後のアパレル生産を左右することになるに違いない。&lt;/p&gt;</content:encoded>



<dc:creator>坂口昌章</dc:creator>
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<title>中国の新人類「８０後（バーリン・ホ～）」</title>
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<description>◆インターネットで育った一人っ子世代 　今、中国市場で最も注目されている言葉が「...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;◆インターネットで育った一人っ子世代&lt;br /&gt;
　今、中国市場で最も注目されている言葉が「８０後（バーリン・ホ～）」。一人っ子政策以降、１９８０年～１９８９年に生まれた世代を指す。一人っ子なので「６ポケッツ」から援助を受けている。両親と祖父母の計６人が一人の子供のためにお金を使い、愛情を注ぐ。必然的に高学歴であり、大卒は当たり前。大学院への進学や留学経験を持つ者も少なくない。&lt;br /&gt;
　大学に進学する前に、インターネットが普及し、ある意味でネットに依存して生きている。「一人っ子政策」と「インターネット」という特殊条件の元で育った世界に類を見ない世代だ。&lt;br /&gt;
　多くの「８０後」はブログを開いている。複数のブログを開く人も少なくない。日常的にチャットでコミュニケーションを取り、ネットで知り合ってから、クラブで待ち合わせということも。「８０後」にとって、「会ったことはないけど友達」はありふれたことである。&lt;br /&gt;
　現在の消費リーダーは「７０後世代」の富裕層。貧乏な時代に生まれ、自分の力がのし上がってきた世代だ。総じて学歴は低く、センスを磨く暇もなかった。高額品は良い商品だと思っているし、ブランド品も大好きだ。&lt;br /&gt;
　一方の「８０後」は、センスの良いコーディネートを、安く実現することを競い合っている。「７０後」は、鮮やかな色彩を好むのに対し、「８０後」は無彩色やシックな色調を好む。「７０後」と「８０後」は同じ中国人なのに全く嗜好が異なっている。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;◆結婚適齢期を迎える「８０後」世代&lt;br /&gt;
　いずこの国、いつの時代も年長者は若者を理解しがたい。しかし、中国の「８０後」は、世代の違いだけで理解しがたいのではない。世界でも稀な条件の元で成長した世代なのだ。もちろん、中国でも新人類「８０後」は理解しがたい存在である。&lt;br /&gt;
　「８０後」に対するマイナス評価も多い。曰く、「贅沢」「協調性がない」「プレッシャーに弱い」等々。「８０後」は「イチゴ世代」とも呼ばれている。「外見は粒揃いできれいだが、プレッシャーを受けるとすぐに潰れる」という意味だ。&lt;br /&gt;
　それでも北京オリンピック、上海万博以降に到来するであろう中国の大衆消費時代の主役になるのは間違いない。中国のあらゆる企業は「８０後」対策に躍起である。&lt;br /&gt;
　既に「８０後」は結婚適齢期を迎え、２００７年の「金豚の年」に子供を生もう（金豚の年に生まれた人は金持ちになるという言い伝えがある）というカップルが２００６年に結婚ブームを起こした。２００８年も８のつく縁起のよい年であり、結婚ブームは続いている。そして、彼らは新居となるマンションを探しているのだ。&lt;br /&gt;
　そう、重要なことを言い忘れていた。「８０後」の人口は約２億人である。&lt;br /&gt;
　&lt;/p&gt;</content:encoded>



<dc:creator>坂口昌章</dc:creator>
<dc:date>2009-01-23T22:21:00+09:00</dc:date>
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<title>中国百貨店業界への提案</title>
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<description>要約 ・中国北京市で中国全土の百貨店経営者が集まる「第６回中国百貨店フォーラム」...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;要約&lt;br /&gt;
・中国北京市で中国全土の百貨店経営者が集まる「第６回中国百貨店フォーラム」が開催された。日本、アメリカからも講師を招いた２日間のシンポジウムで、中国百貨店の課題が浮き彫りになった。&lt;br /&gt;
・中国百貨店業界の問題は「大都市部のオーバーストア」「同質化」「価格競争の激化」にまとめられる。いかに個性的な百貨店を構築するか。いかに他店との差別化を図るか。いかに顧客との連携を強化するか。いかに地域百貨店を活性化させるか、等が議論されたが、具体的方策を見いだすのは容易ではない。&lt;br /&gt;
・現在の中国百貨店の状況は、７０年代後半の日米百貨店業界に類似している。アメリカでは、商品以外のＶＭＤ、顧客連携により差別化戦略を展開した。日本はＤＣブランド導入により、新しい商品ＭＤと売場環境の刷新を行った。&lt;br /&gt;
・中国百貨店業界に対して、いくつかの提案をしたい。第一は、「中国人デザイナーズブランドの導入」「ライフスタイル編集平場」の導入による商品ＭＤの差別化。第二は、「ショーウインドーの整備と戦略的ＶＭＤの導入」による売場環境の差別化。第三は、ＷＥＢと店舗の連携による差別化。第四は、フリーマガジン等の独自のメディアによる差別化。いずれの場合も、日本に蓄積されたノウハウをいかに活用するかが、成功のポイントになるだろう。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;●中国百貨店フォーラムの概要&lt;br /&gt;
　2008年３月２６日、２７日の両日、中国北京市の亮馬河飯店において「第６回中国百貨店フォーラム」が開催された。このフォーラムのことを知ったのは、昨年の１１月。中国百貨店協会の秘書長○○さんへのインタビューの時だった。&lt;br /&gt;
  ○○さんは次のように語った。「日本のアパレル企業はCHICに出展しているが、CHICは代理商を獲得するための展示会。百貨店の経営者は、百貨店フォーラムに集まるが、CHICには行かない。CHICに行く百貨店社員は情報収集が目的であり、意思決定のできる人はいかない。もし、日本のアパレル企業が百貨店に出店したいのなら、百貨店フォーラムの時期に、ホテル内で展示会をしたらどうだろうか。過去に台湾のアパレル企業が同様の展示会をしたことがあり、成果を上げた」&lt;br /&gt;
  それならば、ということで、今回の参加になったのだが、外国人の受講料は一人500ドル。中国の業界団体はしっかりとビジネスをしている。&lt;br /&gt;
  26日午前は「開幕式」として、中国百貨商業協会会長範文明氏による「主催者挨拶」、国家商務部商業改革司司長邸建凱氏による「2008年国内小売業の現状と政策」、中国百貨商業協会秘書長楚修齊氏による「2007年中国百貨店業界発展の報告」、日本百貨店協会専務理事平出昭二氏による「日本百貨店の現状と未来」と、４名のスピーカーが登壇した。平出氏は３年連続でスピーチをしているとのこと。&lt;br /&gt;
　昼食を挟んで午後からは「経営者フォーラム・改革と発展」をテーマに、杭州ショッピングセンター社長の童民強氏、元ノードストローム、チーフバイヤーのGail Cottle女史、北京愛慕下着株式会社会長の張栄明氏が登壇し、それぞれの立場で顧客満足を中心にスピーチを行った。その後、会場からの質疑応答を含む活発なディスカッションが行われた。休憩を挟み、日本から高島屋常務取締役の水野英史氏が「新時代の百貨店経営」をテーマに講演を行った。引き続き、浙江赤トンボ製靴業株式会社理事の銭金波氏が自らの経営及びブランド戦略を、米国サンタクララ大学リーベイ商業学院副院長のDale D.Achabal氏が米国小売業の最新動向について、ベルリンの老舗百貨店カーデーヴェー（KaDeWe）が自社の管理手法について、スピーチを行った。その後はやはり活発な質疑応答。&lt;br /&gt;
　翌２７日は、「百貨店の差別化と個性化」をテーマにセッションが行われた。北京大学光華管理学院教授、何志毅氏の司会の元、広百グループ会長荀振英氏、中国商業連合会副会長万文英氏、北京現代ショッピングセンター会長金玉華氏、米国サンタクララ大学リーベイ商業学院副院長のDale D.Achabal氏、北京富基融通科学技術株式会社副会長丘克氏、元ノードストローム、チーフバイヤーのGail Cottle女史が短いスピーチを行った後、質疑応答を含むパネルディスカッションを行った。&lt;br /&gt;
　その後、素早く会場を整え、カシミヤニットブランド「SNOW FORTE」のファッションショーを披露した。ここまでが午前の部。&lt;br /&gt;
 午後からは、特別シンポジウムとして「地域百貨店の成長戦略」「2007年度化粧品ブランドの市場占有率」「オリンピックが百貨店に与える影響とビジネスチャンス」「ファッショントレンドの傾向と売場対応」の５つのテーマについて、パネルディスカッションが行われた。&lt;br /&gt;
  夜は会場を移し、7時30分から下着メーカーの愛慕株式会社本社にて、企業視察会と交流会が行われた。愛慕株式会社本社では、前日の晩も中国流行色協会のイベントを行っていた。中国では、公的機関のイベントの冠スポンサーや、イベントに協力することは、会社及びブランドの知名度を上げる絶好の機会である。ビジネスと国家機関は密接につながっているのだ。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;●中国百貨店業界の現状と課題&lt;br /&gt;
  二日間のフォーラムで語られたことは、中国百貨店業界が抱えている悩みと目指すべきビジョンである。しかし、ビジネスの歴史の浅い中国では、ビジョンと目標は設定できても、そこに至る具体的な方法が見えていない。そこで、今回は中国百貨店業界への提言をまとめ、中国語に翻訳して、中国側に届けようと思う。&lt;br /&gt;
  中国百貨店の現状を整理すると、以下の3つの課題があげられる。&lt;br /&gt;
  第一は、急激な店舗拡大による「大都市のオーバーストア」現象である。これまで、中国の国営百貨店は都市単位、省単位の会社が運営していた。しかし、国営百貨店の民営化、外資百貨店の増加と共に、全国展開を狙う百貨店が増えている。それにより、沿海部の大都市はもちろん、その周辺の都市でも競争が激化し、これまでの安定した地方百貨店の淘汰が始まるに違いない。&lt;br /&gt;
　既に、北京、上海等の大都市では、オーバーストア状態であり、政府機関も積極的にスクラップアンドビルドを進めている。同時に、家賃や人件費も高騰しており、大都市の小売店が採算を取るのは困難になっている。それでも、ブランド知名度を上げるために、大都市へ出店しようとするアパレル企業は後を絶たない。百貨店を建設すれば、すぐにテナントは埋まり、百貨店は採算が取れる。消費も拡大しており、消費者の購買意欲は減退していない。&lt;br /&gt;
　しかし、百貨店で扱っている商品は平均的な市民にとっては高嶺の花だ。消費が伸びていると言っても、百貨店で販売している高級品を買える消費者は決して多くない。百貨店で買い物ができる消費者の比率と、小売業に占める百貨店の比率が問われるのだ。&lt;br /&gt;
　中国は富裕層が消費をリードしてきたために、高級品を狙うサプライヤーが多い。欧州ブランドも富裕層を狙っているし、中国国内アパレルも欧州アパレルに続くベターゾーンを狙うだろう。&lt;br /&gt;
　また、日本のブランドショップが中国人観光客で溢れているように、富裕層は海外旅行で買い物する機会も多い。今後、海外旅行が更に気軽に楽しめるようになれば、ますます富裕層の海外流失が起きる。富裕層マーケットは、国内百貨店間競争だけでなく、海外店舗との競争が待っているのだ。&lt;br /&gt;
　第二は、「百貨店の同質化」である。中国の百貨店は基本的にショップ単位であり、百貨店はテナントのアパレル企業に売場を貸しているに過ぎない。商品リスクも販売員の経費もすべてテナント企業が負担している。そのため、百貨店に出店できる企業は限られている。少なくとも、一定量以上の商品を年間を通じて展開できるだけの規模が必要であり、販売員経費や店舗運営費を負担できる企業でなければならない。&lt;br /&gt;
　日本では、百貨店が複数の専業メーカーから商品を仕入れ、編集するアイテム別売場が存在する。そのため、ショップは展開できなくても、魅力的な商品が供給できるメーカーならば百貨店で商品を販売することが可能である。&lt;br /&gt;
　中国のカシミヤニット売場は、日本のセーター売場に近いように見えるが、実態は小さなショップが並んでいるだけで、商品の選択や編集は行われていない。そのため、広い売場を確保しているにも関わらず、似たように商品が溢れている。&lt;br /&gt;
　こうした理由から、中国百貨店で展開されるブランドはどこも似ており、百貨店の看板を外せば、どこの百貨店か分からない状況である。&lt;br /&gt;
　第三の課題は、「価格競争の激化」である。各百貨店のブランドが同質化すると、バーゲン競争が始まる。隣の百貨店が値下げをするなら、うちも値下げをしよう、という連鎖反応が起きて、年中、割引やバーゲンセールの赤紙が店頭に貼られる。&lt;br /&gt;
　バーゲンセールが増えると、消費者はプロパー価格を信頼しなくなる。少し待てば安く買えるのだから、シーズン立ち上がり時期の高い商品を買う必要はない。安くしなければ売れなくなり、ますますバーゲン競争が激しくなる。&lt;br /&gt;
　アパレル企業は、バーゲンでも利益を確保できるように、当初の価格を高く設定するようになる。割高な商品なので、ますますプロパーでは売れなくなる。こうして価格競争の泥沼にはまっていくのだ。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;●日米百貨店の脱価格競争戦略&lt;br /&gt;
　こうした現象は、日本、アメリカの７０年代後半の状況に酷似している。８０年代になり、日米の百貨店は同質化と価格競争から脱していくのだが、日本とアメリカにはその手法に違いがあった。&lt;br /&gt;
　アメリカでは、商品の同質化が進むにつれ、商品以外の差別化戦略をスタートさせる。視覚的な差別化、ＶＭＤ（ビジュアル・マーチャンダイジング）である。商品の品揃えが同じでも集客力の高い店と低い店がある。その違いは視覚的なものによる。きれいで活気のある店には客が集まる。しかし、手入れされていない煤けたような店は活気もなく、客足を遠ざかっていく。こうした現実を踏まえ、「全ての視覚要素を戦略的にコントロールしよう」という考え方が定着し、一定の原則やマニュアルが整備された。これがＶＭＤである。もちろん、ＶＭＤを導入するだけで売り上げが上がるわけではない。商品ＭＤと連動したＶＭＤ計画を立案し、組織内に専門セクションを設け、販売員へのＶＭＤ教育を行い、常に売場の鮮度を保つことが必要である。&lt;br /&gt;
　日本の百貨店は、当時の最新ファッション「日本人デザイナーズブランド」を積極的に導入することで価格競争から脱した。当時の百貨店は大手アパレル企業の牙城であった。売場はアイテム別平場が中心であり、商品は同質化し、展開什器もありきたりのものだった。デザイナーズブランドは、そこに「トータルコーディネート」という概念と、新しいショップデザインの売場「インショップ」という概念を持ち込んだ。&lt;br /&gt;
　今では当たり前だが、当時の百貨店では一つのブランドでトータルコーディネートができる売場は少なかったのである。また、ブランド単位の個性的なショップデザインも存在しなかった。平場に対して箱売場と呼ばれ、最新のファッション商品とショップがパッケージで展開されていったのである。&lt;br /&gt;
　そして、頭ら爪先まで一つのブランドでコーディネートすることが流行し、ファッション雑誌もこぞってそれらのブランドを取り上げた。デザイナーズブランドは「ＤＣ（デザイナー＆キャラクター）ブランド」と名前を変え、全国の百貨店、ファッションビル、地下街へと拡大していった。&lt;br /&gt;
　８０年代の百貨店のリニューアルのテーマは「ＤＣブランド」の導入であり、それにより、百貨店のイメージも向上し、高年齢の顧客だけでなく、若い顧客が百貨店に集まったのである。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;●商品ＭＤ差別化の具体的提案&lt;br /&gt;
　中国百貨店は日米の脱価格競争戦略を学ぶことが有効だろう。&lt;br /&gt;
　第一に、同質化競争から脱するために、「商品ＭＤの差別化」に取り組まなければならない。私は、「中国人デザイナーズブランドの導入」「ライフスタイル編集売場」の二つのプロジェクトを提案したい。&lt;br /&gt;
　一つ目の「中国人デザイナーズブランドの導入」から解説しよう。中国国際ファッションウイーク（ＣＦＷ）のコレクションを見ていても、中国人デザイナーが育ちつつあるのを感じる。百貨店は、最初から売り上げを期待するのではなく、差別化のためのプロモーションと考え、若い世代の中国人デザイナーの商品を取り扱ってはいかがだろうか。&lt;br /&gt;
　しかし、発展途上のデザイナーは一つのショップを年間維持するだけの商品供給ができない。そこで、最初は、香港の「ＩＴ」のような、デザイナーズブランドの編集平場を提案したい。それぞれのデザイナーズブランドが力をつければ、ショップ集積に拡大するだろう。&lt;br /&gt;
　最初は、１００～２００平米程度の売場に１０人程度のデザイナー作品を展示販売する。この売場のデザインは、各百貨店で特徴的なデザインを展開することが大切である。デザイナーの個性的な商品を扱うという差別化だけでなく、売場環境の差別化も重要である。&lt;br /&gt;
　できれば、中国百貨店協会の指導の元で、当初は、１地域１店舗だけにデザイナーズブランド売場を設置することにしたい。若手デザイナーは資本力も弱く、あまり急激に売場を拡大することはできない。また、個性的なデザイナーズブランドは、急激な量的拡大を狙うと、ブランドの個性が失われていく危険性もある。希少価値も重要な要素である。&lt;br /&gt;
　デザイナーズブランドの導入は、イベントにもつながる。通常のファッションショーは、商品展開の半年前に行われるが、店頭でのプロモーションとしては、商品展開の２～３カ月前に行えば十分だろう。上得意客を集めて、ミニファッションショー開催し、デザイナーが自分の商品を解説し、予約受注を行うのである。こうしたイベントは、百貨店の来店を促し、館全体の売り上げ貢献にもつながるはずである。&lt;br /&gt;
　二つ目の「ライフスタイル編集平場」は、将来的に百貨店ＰＢ（プライベートブランド）戦略につながるものである。&lt;br /&gt;
　現在の百貨店は、場所貸し（テナント導入）のみである。前述したように、一定規模の企業だけが出店可能であり、優れた単品メーカーの商品、世界の商品の集積、輸入とＰＢのミックス等の売場展開はほとんど存在しない。&lt;br /&gt;
　百貨店の差別化戦略の究極の選択はＰＢ展開だが、ＰＢ開発を行うには、少なくとも２０店舗、できれば１００店舗程度のスケールが欲しい。将来的には、中国の百貨店も多店舗化が進むだろうが、現状の店舗はＰＢ開発ができるほど多くない。&lt;br /&gt;
　そこで、まず百貨店が運営する編集売場を設置し、自社で商品を仕入れ、自社で販売することスタートすることを提案したい。編集平場を展開するには、まず売場のテーマ、顧客ターゲットを設定し、商品の売り上げ、仕入れ、在庫計画を立案し、ブランドを選択し、商品を発注しなければならない。そして、販売員を採用・教育し、店頭のＶＭＤ計画を立て、実際に店舗を運営するのである。&lt;br /&gt;
　これだけの作業を一からスタートするのは、大変なノウハウと労力を必要とする。しかし、ＰＢ開発は、これに加えて、商品企画、原材料の選択、工場の選択と交渉、納期管理、品質管理、各店への物流という課題が待っている。まず、編集平場からスタートし、ノウハウを蓄積すべしというのが私の提案である。&lt;br /&gt;
　この編集平場もまた、１００～２００平米からスタートするべきだろう。百貨店の立地特性、顧客特性に合わせて、コンセプトを立案し、輸入品と国内製品、アパレルだけでなく雑貨等をミックスした売場を構築するのである。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;●売場環境の差別化（ＶＭＤの導入）&lt;br /&gt;
　世界の一流百貨店は美しく演出されたショーウインドーを持っている。ショーウインドーは、百貨店全体が今どんなイベントや商品を展開しているかを紹介するメディアである。中国の百貨店は、ショーウインドーを持っていないか、持っていても、単にテナント企業にスペースを貸しているに過ぎない。百貨店としての情報発信がないのだ。&lt;br /&gt;
　情報発信するコンテンツがないから、メディアを持たないのか。メディアを持たないからコンテンツが育たないのかは一概には言えない。メディアとコンテンツは互いに影響を与えない、相乗効果で成長していくのである。&lt;br /&gt;
　中国の百貨店もショーウインドーを持つべきである。ショーウインドーを持つことにより、商品の展開シーズン、イベント、中国の歳時記について考えざるを得なくなる。ショーウインドーで春物商品を紹介しているのに、売場で冬物商品しかないのでは困る。ショーウインドーが存在することにより、全館春物立ち上がり時期を設定する必要性が出てくるのである。&lt;br /&gt;
　もちろん、ショーウインドーを常に美しく保つにはコストがかかる。インクジェットプリントの垂れ幕を下げた方がはるかに容易で低コストだ。しかし、百貨店の高級化、ビジュアルな差別化を真剣に考えるのならば、ショーウインドーの経費は覚悟しなければならないだろう。&lt;br /&gt;
　ショーウインドーが百貨店全体を表現するメディアだとすれば、次に各フロアの内容を表現するメディアも必要になる。エスカレーター前等に、各フロアを代表する商品を演出陳列する必要が出てくる。各フロアの演出テーマは、ショーウインドーで表現されたテーマと連動しなくてはならない。ショーウインドーの計画と連動して、各フロアの演出陳列を構築するのである。&lt;br /&gt;
　こうした百貨店のＶＭＤ計画を立案するのは専門的な知識と技術を持つＶＭＤスーパーバイザーである。しかし、ショーウインドー、各フロアの演出陳列に連動した、各売場の演出については、売場の販売員が業務を担当することになる。そのため、販売員へのＶＭＤ教育が必要になる。&lt;br /&gt;
　中国百貨店が真剣にＶＭＤ戦略を展開するのならば、まず社内にＶＭＤを担当する組織を設置しなければならない。自社にノウハウと技術が蓄積されるまでは、日本からＶＭＤスーパーバイザーを招くことをお勧めしたい。&lt;br /&gt;
　そして、社内にＶＭＤチームを組織し、全館のＶＭＤを展開していく。ＶＭＤスーパーバイザーは、全館のＶＭＤ計画立案に加え、社内ＶＭＤチームの教育も担当する。各テナントの販売員に対するＶＭＤ教育は、ＶＭＤチームが行う。それらの費用は各テナント企業に費用を負担させることも可能だろう。&lt;br /&gt;
　前述したライフスタイル編集平場が構築できれば、そこがＶＭＤのモデル売場になる。そこで訓練したＶＭＤチームが全館に散らばって、ＶＭＤ活動を担うだろう。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;●イベントによる差別化&lt;br /&gt;
　日本の百貨店でも課題になっているのが、イベントによる差別化である。百貨店で展開される魅力的なイベントは、そのまま百貨店のイメージにつながる。常に、ファッションデザイナーがフロアショーを行っている百貨店は「最先端のファッション百貨店」というイメージを顧客に植えつけるだろう。また、定期的に富裕層を招いてパーティーを行う百貨店は「セレブ御用達の百貨店」というイメージを獲得するだろう。&lt;br /&gt;
　重要なことは、イベントだけが独立して存在するのではなく、必ず売場と連動したイベントを展開することである。できれば、常にイベントが行えるようなイベントスペースを常設し、臨時の売場を隣接して設置しておくことだ。&lt;br /&gt;
　しかし、これもショーウインドーと同様に、イベントスペースを常設すれば、常にイベントを企画し、運営しなければならないことになる。もちろん、コストもかかるし、人材も必要だ。&lt;br /&gt;
　もし、百貨店内部にイブント運営を行う機能が持てないのであれば、外部の企業に委託することも考えて良いだろう。中国には様々な業界団体がありイベントをしている。百貨店で行うイベントは、あくまで物販が基本である。団体が主催するイメージ訴求の大型イベントではない。しかし、大型イベントができないテストマーケティングや消費者の反応を見ることができる。&lt;br /&gt;
　もし、中国百貨店協会がイベントを開催する百貨店をグループ化することができれば、イベントを全国でラウンドさせることもできる。今月は上海、来月は杭州、再来月は蘇州というようにイベントがラウンドしていけば、イベント業者も十分にビジネスになるはずである。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;●ＷＥＢを活用した差別化&lt;br /&gt;
  ＷＥＢを積極的に活用しているアパレル企業では、店舗と同じ商品をＷＥＢでも販売している。店頭で確認してＷＥＢで購入することもできるし、ＷＥＢで検索してから、店頭で商品を確認することもできる。&lt;br /&gt;
　インターネットの進化により，何かを探す時にはまずネットで検索するという人が増えてる。中国でも、一人っ子政策が始まってから生まれた１９８０年以降に生まれた「８０後（バーリン・ホ～）」は、それ以前の世代とは価値観も行動様式も変わっている新人類と言われているが、今後の百貨店が「８０後」世代を引きつけようとすれば、ＷＥＢ戦略は重要な課題になるだろう。&lt;br /&gt;
　日中百貨店の問題点の一つは、商品を検索できないことだ。検索できないということは、どんな素晴らしい商品があっても、実際に店頭に行かなければ分からないということである。顧客が押し寄せるような集客力のある百貨店は問題ないが、集客力の低い百貨店では、商品ＭＤ改革の前に、顧客に情報発信を行い、まず顧客を誘因しなければならない。&lt;br /&gt;
　理想は、百貨店で販売されている全ての商品がネットで検索でき、ネットで購入できることである。しかし、それを実現するには、百貨店がデータベースを構築するなど、課題も多い。&lt;br /&gt;
　それ以前にも、ＷＥＢや情報システムを活用することでできることは多い。テナントのアパレル企業の社長やデザイナーのコメントをＷＥＢで紹介することで、顧客の意欲を刺激すくことも可能だろう。日本の一部では行われているが、各テナントの店長に新着商品情報等を紹介するブログ作成を推奨し、百貨店のＷＥＢにリンクすることも、検索はできないまでも、常に最新情報を紹介する方法にはなりうる。また、百貨店のＷＥＢに割引クーボンを掲載し、プリントアウトして持参すれば、割引をするサービスや、顧客の携帯に割引クーボンを配信するなども考えられる。&lt;br /&gt;
　実は日本の百貨店もＷＥＢや情報通信技術の活用は遅れている。中国百貨店が先行する可能性も大きいのではないか。&lt;br /&gt;
　いずれにせよ、今後の百貨店戦略の中でＷＥＢの活用は大きな意味を持つに違いない。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;●百貨店独自のメディアで差別化&lt;br /&gt;
　日本にも中国にもフリーマガジンは数多く存在する。フリーマガジンとは、広告収入で制作し、無料で配布する雑誌である。&lt;br /&gt;
　百貨店はコンテンツの宝庫である。様々なブランドが集積され、大量の商品が販売されている。それぞれの店長はトレンド情報や商品知識を持っているはずだ。私は百貨店内を定期的に取材するだけで十分に雑誌が成立するだけのコンテンツが集まると考えている。&lt;br /&gt;
　百貨店の強みは、商品と一緒に確実にフリーマガジンを配布できることだ。街頭の専用スタンドに置いてあるフリーマガジンよりも、確実に富裕層に届く媒体であり、広告も取りやすいに違いない。また、テナント企業自身が有力な広告スポンサー候補になりうるのだから、広告も取りやすい。&lt;br /&gt;
　百貨店がフリーマガジンを発行することは、自らのメディアを持つことである。もちろん、前述したＷＥＢとの連携も可能であり、様々なイベントやサービス情報を紹介することができる。カード会員に郵送すれば、それが百貨店の広告になり、集客戦略につながるのだ。もちろん、広告の営業、取材～制作は、アウトソーシングすることもできる。広告収入が期待できれば、百貨店は経費がかかるどころか利益も上がるはずだ。&lt;br /&gt;
　競合他店より先んじてフリーマガジンを発行することは、有力な差別化戦略になるはずである。&lt;br /&gt;
　オリジナルフリーマガジン以外にも、既存のファッション雑誌等との提携も可能だろう。テナント企業との協力が得られれば、カタログ通販の可能性も広がるはずだ。&lt;br /&gt;
　これまで、百貨店の差別化はあまりにも商品ＭＤに偏重していた。百貨店自身がある意味でメディアであり、百貨店メディアが複数のメディアとの連携を図る「百貨店マルチメディア戦略」を考えるべき時期に来ているのである。&lt;br /&gt;
　以上のどの差別化戦略においても、日本に蓄積されたノウハウと日本に存在する専門家の能力を活用することが、中国における成功ポイントになるに違いない。◆&lt;/p&gt;</content:encoded>



<dc:creator>坂口昌章</dc:creator>
<dc:date>2009-01-23T22:19:29+09:00</dc:date>
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