January 23, 2009
欧米では転職が多い。したがって、業界として業務の標準化を図らないと、転職の度に仕事が停滞してしまう。業務の標準化は、コンピュータのためではなく、流動的人材を活用するための必要不可欠な要素だった。日本では終身雇用が長く続いたために、業務の標準化が遅れている。そのことが、情報システム導入についてもマイナスに作用している。
OSには「デファクトスタンダード」が存在し、WEBには「ポータル」という概念が存在するが、繊維アパレル業界には業務の標準が存在しない。したがって、業務システムにも標準は存在しない。
海外の職業教育機関が、その国の業界によって設立されたのは、業務標準化へのニーズゆえである。業界内で業務フローや、評価基準や報酬システムを共有することは、業界内の人材の流動性を高め、そのことが企業の国際競争力を高めるという共通認識があったのだ。
一方、日本は未だに人材の流動化を良しとしない風潮が強い。人材の流動化は企業にとって望ましいものではなく、人材の流動化に積極的に対応する、という認識がない。専門学校や大学で標準化を目指したのはパターンメーキングのみである。アパレル企業や小売店企業の業務を標準化しようという動きはない。各講師が自分の経験や知識に基づいて、それぞれの講義を行っているに過ぎないのだ。
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「百貨店の自主MD」が提唱されてから20年以上経つ。百貨店業界は久しぶりのリニューアルラッシュだが、未だに20年前の課題は解決していない。20年解決しなかったのだから、今後も解決しないのだろうか。私は「情報システムを活用することで、永年の課題を解決できるのではないか」と期待している。
百貨店の黄金時代とは、「百貨店に行くのが楽しみだった時代」である。一等立地の百貨店には黙っていても顧客が押し寄せた。したがって、百貨店人は集客を考える必要がなかった。
現在の百貨店の優先課題は、「自主MD」以前の集客にある。集客に商品やVMDは関係ない。商品やVMDは、百貨店の店頭まで出かけてからの問題なのだ。集客に必要なのは「情報」である。「百貨店に行けば、こんな感動やサプライズがある」という情報を、どのように顧客に伝えるかが問われているのである。
私は、「今後の百貨店リニューアルのポイントは商品MDではない」と考えている。最早、日本には世界中のブランドが揃っている。仮に日本初上陸の掘出し物ブランドを導入したとしても、その効果は半年と持たないだろう。というより、どんなリニューアルをしてもその効果は半年と持たないのだ。
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October 27, 2007
私事だが、本年度より日本テキスタイルデザイン協会(TDA)の副理事長を引き受けている。今年からジャパンクリエーションの仕事が私の手から離れたこともあり、少し別の視点からテキスタイルを見つめ直す良い契機にしたいと考えている。
既に、TDA主催のセミナーを3回行い、私のビジネスに対する考え方、TDAの方向性等についてお話し申し上げた。その中でも重要な位置を占めるのが、TDAのホームページのリニューアルである。ホームページのリニューアルと言っても、単なるコンテンツやデザインの改善ではない。WEBの機能そのものの再創造だ。
TDAには約200名の正会員が所属している。私は、200名の正会員全てに自分のページを持っていただく予定だ。会員のプロフィール、作品紹介、個展などのイベント紹介、会社紹介等のコンテンツを掲載したWEBを各人が作成し、各人が更新する。
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最近、私は一つのセールストークを覚えた。「本来はやらなければならないのに、どのシステムベンダーも敬遠する業務は何ですか?その業務のシステム化に挑戦しましょう」
私は現在、某天才SEとオジベンに挑戦している。オジベンとはオジサンベンチャーの略。ベンチャーの弱みは信用と資金がないこと。当然ながら、美味しい仕事には大手システムベンチャーが群がり、業務パッケージが存在する分野には中堅システムベンダーが食い込んでいる。オジベンに残された道は、誰もが嫌がり、「システム化なんて無理」と言われている分野しかない。
その意味で、オジベンの対象として繊維アパレル業界は有望だ。複雑で多段階な流通、独特の商慣習、標準化されていない業務フロー、業績悪化のため予算がないなど、システムベンダーが逃げ出す条件が揃っている。その中でも、手の付けられない分野とは何か。
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September 24, 2007
アパレル業界が景気の良かった時代、「コンピュータは何でもできます」という営業マンの言葉に乗せられて、基幹業務システムを導入した企業は多い。しかし、システム導入により効率が上がる場合と効率が下がる場合がある。最悪の場合は、作業と人件費が増え、効率と社員のモラルが下がる。しかも、システムが長期リースで固定されていると、システム改造もハード交換もできない「金縛り状態」になってしまう。それでも景気が良ければカバーできた。最終的な費用対効果を判断する前に、現場担当者は残業し、派遣社員を増やし、基幹業務システムに入力するための数字を組み立てたのだ。
不況が続き、システム経費の負担を重く感じる頃、経営者に素朴な疑問が浮かぶ。「売上も下がっているのに、こんな立派なコンピュータが必要なのか。最近のパソコンは性能も上がっているし、パソコンでも良いのではないか・・・」そして、システムをパソコンに移管しようとすると、数千万円の見積もりを突きつけられる。経営者が「コンピュータに騙された」と叫んでも、最早、システムは止められない。システムを止めれば請求書の発行ができず、経営危機に陥る可能性があるからだ。
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私は元々ファッション業界の人間であり、IT業界では新参者だ。だから、何の予備知識もなしに、ファッション業界の常識でIT業界を見てしまう。IT業界では常識なのだろうが、私には非常識に思えることも多い。
例えば、情報システム構築が、ユーザー企業の要望を採り入れて、毎回手作りしているという事実だ。
業務というものは、業界や会社が異なっていても、共通部分が多い。アパレル企業の業務が複雑であると言っても、基本は「生地を仕入れてアパレル製品に加工して卸売する」こと。それが「製品を仕入れて、卸売と同時に小売りをする」というビジネスモデルに変わりつつあるが、無限にバリエーションがあるわけではなかろう。百貨店、量販店、チェーン型専門店、セレクトショップ、直営店等の販売チャネル。買い取り、委託、売上仕入という取引形態。純工、属工、製品仕入、輸入等の調達形態。それに企画主体、営業主体、生産主体という会社の性格。これらの違いを部品で用意し、組み合わせれば大体のアパレル企業の業務用システムは構築できるはずだ。
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最近、私は一つのセールストークを覚えた。「本来はやらなければならないのに、どのシステムベンダーも敬遠する業務は何ですか?その業務のシステム化に挑戦しましょう」
私は現在、某天才SEとオジベンに挑戦している。オジベンとはオジサンベンチャーの略。ベンチャーの弱みは信用と資金がないこと。当然ながら、美味しい仕事には大手システムベンチャーが群がり、業務パッケージが存在する分野には中堅システムベンダーが食い込んでいる。オジベンに残された道は、誰もが嫌がり、「システム化なんて無理」と言われている分野しかない。
その意味で、オジベンの対象として繊維アパレル業界は有望だ。複雑で多段階な流通、独特の商慣習、標準化されていない業務フロー、業績悪化のため予算がないなど、システムベンダーが逃げ出す条件が揃っている。その中でも、手の付けられない分野とは何か。
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June 25, 2007
JFW(Japan Fashion Week in Tokyo)は、東京コレクション、新人デザイナーファッション大賞を含む日本を代表するファッションイベントである。主催は、経済産業省の旗ふりのもと、主要アパレル企業、テキスタイルメーカー、百貨店、ファッション教育機関と東京ファッションデザイナー協議会の代表等で組織された「ファッション戦略会議」。第一回は、2005年10月31日~11月9日9月に開催された。
一方のCFW(China Fashion Week)は中国語で、中国国際時装周、中国国際ファッションウイークと訳せる。年2回北京で開催される中国を代表するファッションショー、新人デザイナーコンテスト、、ファッションシンポジウム、ファッション大賞等のファッションイベントである。主催は、中国ファッションデザイナー協会。1997年に第一回が開催され、今年10周年を迎えている。
CFW組織委員会主席、中国ファッションデザイナー協会主席、王慶氏のインタビュー記事によると、中国ファッションデザイナー協会の運営資金確保のためにCFWをスタートさせたという。1997年4月に中国ファッションデザイナー協会事務総長に推薦された時、協会は数社のアパレル企業の出資援助のもとで活動を続けていたが、慢性的な困窮を続けていた。
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在庫管理ができていない会社では、在庫管理をしたいと願う。しかし、現実は在庫管理システムの入力作業が発生し、書類が増え、目の前の商品を発送したくても、コンピュータを通さなければ商品が動かなくなる。倉庫を見渡すだけで、在庫の全体像を把握するという人間の能力はコンピュータより優れている。だが、詳細な数字に押しつぶされ、却って全体把握が鈍る場合さえある。 現場で飛び交っている会話は次のようなものだ。
「品番A7200の白を300枚お願いしたいんですが」「はい、A7200の白、300枚ですか。すぐに在庫確認して折り返します」「倉庫には200枚しかないのか。仕入れ先に確認しよう」「A7200の白、大至急100枚必要なんですが、在庫ありますか」「3日後に1000枚入荷するから4日後には出荷できますよ」「了解。納期と発送先を確認して、折り返しますから」「先程のA7200、白の300枚口ですが、倉庫にある200枚は今日発送できます。仕入れ先も在庫が切れていますが、4日後なら発送できます。お急ぎなら、まず200枚発送して、残りの100枚を工場から直送させますけど」「それでは、分納でお願いします。心配なので、確認のために送り状のコピーをFAXしていただけますか」「了解しました」
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「私は経営に専念し、基幹業務システムはシステム担当者に任せている」という経営者は多い。他の部署からシステムに対する要望が出た時も、システム担当者が身を挺して既存システムを守る。「そんなことをしたら大変な費用がかかる」とカスタマイズを拒否し、実際に凄い金額の見積書がベンダーから出てくる。この段階で、一般社員は完全にKO。基幹業務システムは神殿と化し、システム担当者は神官となる。システムには触るべからず。ただ、跪いて敬うべし。
神の言葉であるプログラム言語を勉強すべし。直接業務に関係のないプログラム言語の勉強など続くわけがない。ほとんどの人は途中で挫折し、その体験がますますシステム神殿信仰を強固なものにしていく。
システム担当者は、一般社員よりITリテラシーが高い。現在のシステム導入で様々な苦労と挫折を味わったことだろう。しかし、ハードもソフトも日々進化している。かつては不可能だったことも、可能になっていることは少なくない。
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多くの企業は業務用通信手段としてfaxを活用している。Faxは原稿の二次元情報を線または点に分解し読み取り、データ圧縮や変調等の信号処理をして、通信回線(多くは電話網)に送出する。
電話での言い間違い・聞き間違いなどのトラブルを避けるため、注文書・見積書などの急ぎの書類のやり取りに使用されることが多いが、通常は、通信費、紙及びトナーの費用がかかる。また、間違いFAXもあるので安心は禁物。そうしたマイナス点を考えても、FAXが手軽な情報伝達装置であることは間違いない。
そんな便利なFAXも、時代の変化と共に曲がり角に来ている。特に、業務用FAXが問題だ。FAXはアナログデータをデジタル化して送信し、再度アナログ情報としてプリントアウトする。そのため、FAXに書かれた数字を見ながら、PC上の業務用システムにデータを打ち込むという業務が発生するのだ。このことは、電子メールにも共通している。メール本文、添付ファイルを送受信できるのはとても便利だが、多くの個人用メーラーは業務用システムやデータベースとつながっていない。それでも、コピー&ペーストが可能なので、FAXよりは使い勝手が良いだけだ。
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April 29, 2007
3月28日、日本繊維新聞記事配信システム「日繊デスクトップ」リリースセミナーを開催した。私はセミナー告知メールを1000通出し、24名の方に出席いただいた。セミナーの内容については、機会を改めてご紹介することにして、問題はメールである。
1000通のメールを出せるということは、それだけの名簿がデータベース化されているということである。勿論、名簿屋から購入したものではなく、全て私自身が名刺交換した相手を入力したものだ。
たとえば、日本繊維新聞社の記者や営業担当者が名刺交換している相手は年間どれくらいになるのだろうか。それらの名刺を全てデータベース化すれば、セミナーの案内に何千通も出せるに違いない。大手総合商社が名刺交換した全てのデータを入力すれば、強力な営業ツールになるのは間違いない。極めて短時間で国際的な人脈データベースが構築されるのだ。
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つい最近まで、私はITに関してはズブの素人であり、SEとプログラマーの違いも分からなかった。最近になって、本格的にファッションビジネスの業務システムに関わるようになり、システム業界の内情についてもかなり理解するようになってきた。
そこで思うことは、ファッションの世界もかなりいい加減だが、システムの世界は更にいい加減であるということ。ファッション常に変化を続け、感性や好き嫌いで消費が決定する。しかし、店頭で販売されている商品は、最低限の品質は保証されている。また、顧客は完成した商品を試着してから購入することが可能だ。購入してからでも、無条件に返品を受け付ける店も多い。
業務システム業界は、完成品を試してから購入することもできず、返品も認めない。「オーダーメイドだから」というのが理屈だが、ファッションのオーダーメイドなら仮縫いがある。しかも、仕立て職人は、素材、デザイン、パターン、仕立ての十分な知識と技術を持っている。しかし、業務システムの世界では、商品を作るための必要十分な知識や技術を持たないままに、商品を生産し、販売している。
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同じIT業界でも、WEBの世界と基幹業務システムの世界は全く別世界だ。WEBの住人はカジュアルが基本であり、基幹業務システムはスーツにネクタイ姿が基本だ。WEBはあくまでB2C、C2Cが中心であり、誰でも参画可能なオープンでフラットな社会を志向している。基幹業務システムはB2B中心であり、オフラインの社会や企業の構造や思想を反映している。企業はヒエラルキー構造を持ち、それぞれの階層によってアクセスできる情報がコントロールされなければならない。理想の社会を追求するのでなく、現状に対応することが望まれるのだ。
社長が許せば、社内システムをガラス張りにすることは可能だ。しかし、社外との取引をシステム化する場合には、オープンでフラットなシステムは使いにくい。通常業務では、相手を選び、優先順位を付けて、交渉や商談に入ることが基本である
あなたが今読んでいる日本繊維新聞は購読料と広告料で運営されている。多くのWEBサイトの収益モデルは広告収入に依存している。購読料を受け取るビジネスモデルはオープンなWEBには適していない。購読料を収入とするビジネスモデルは、購読料を支払った読者だけに配達あるいは配信しなければならない。閉鎖的で限定的なシステムが必要なのだ。
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インターネットに接続する端末で最も多いのは携帯である。しかも、携帯の性能が上がり、PCでできることのほとんどは携帯でもできる。当初、「あんなに小さなボタンを押して文字が打てるものか」と思ったが、入力ソフトの進化もあり、チャットのように短文で何度もメールするのなら、携帯の方が使い勝手がいいほどだ。
ほとんどの携帯にはカメラが付いていて、静止画も動画も撮れる。また、QRコードリーダー機能を搭載しているものも多いので、バーコードリーダーとしても使える。
現在の携帯ビジネスは、B2Cが主流だ。着メロ、着うた、壁紙の配信。携帯サイトを使った情報サービスや通販。今後、携帯に大容量のメモリーが搭載されれば、画像配信も増えるだろう。
私が興味を持っているのは、B2Bの携帯活用である。最近、販促に使われるのは、「空メールを打たせて、携帯アドレスを取得し、返信メールから携帯サイトに誘導して、懸賞やアンケートに応えてもらう」もの。こうしたアンケートやプレゼントを実施するのも容易だ。携帯サイトを簡単に作成できるASPサービスや、期間限定の携帯メールアドレスの取得サービスも出てきている。
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コンピュータに仕事をさせるには、まずデータを取り込まなければならない。ポイントは全てのデータを取り込むこと。一部だけを取り込んだのでは意味がない。ある専門店企業の社長が、「うちは単品管理をしなくてもいい」と言った。しかし、全ての商品にバーコードをつけて、それを読み取らなければ何も始まらない。売上管理も在庫管理も店別利益も全ては商品のバーコードを読み取ることからスタートする。
人間はバーコードがついていなくても、視覚的にモノを認識することができる。しかし、コンピュータには目も耳もない。バーコードで認識するのである。コンピュータは、バーコードを読み取ることで初めて存在を認識できるのだ。
勿論、バーコードでなくても良い。携帯電話なら「QRコード」があるし、最近は「無線タグ」が注目されている。とにかく、コンピュータに認識させるには、まず何らかのコードをつけて読み取るという作業が必要である。
私がコンピュータなら、全てのモノにバーコードをつけて欲しいと渇望するに違いない。店頭ならば、商品だけでなく販売員にも顧客にもバーコードをつけたい。そうすればいつ、誰が誰に何を販売したのかが認識できる。また、什器にもバーコードをつけたい。どこにどの商品を置いたのか、あるいは置くべきなのか。あるいは、どの棚が空いているのかが認識できる。次にどの商品を並べるべきか、という指示をすることも可能だ。
バーコードではなく、センサーでも同じこと。要はコンピュータが認識できればいい。以前から、全ての車にICチップを埋め込み、それを読み取ることで様々なデータを集められると言われている。たとえば、ワイパーを動かした車を認識することで、アメダスよりも詳細な天候データが集まるのだ。
全ての人間にチップを埋め込んでコンピュータに読み取らせることを想像するのはエキサイティングだ。勿論、全ての携帯でも良い。全ての人間がどこにいるのか。どんな人がどこに集まるかも分かる。ダイレクトな出会い系サービスも可能だ。自分の条件を入力していれば、半径100メートルに条件にあった人がいるかを検索できる。互いに同意があれば、携帯メールで連絡を取ることも可能だ。
全ての人間が無理ならば、パーティーや展示会のような場での活用も考えられる。超能力で他人の気持ちを読み取ることは困難でも、相手のデータを読み取ることは技術的に可能なのだから。
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人間には、スーパーセンサーとスーパーコンピュータが搭載されている。あまりに高性能かつ複雑であるために、単純な作業が苦手だ。それに比べると、コンピュータは単純で、反復作業が得意だ。
したがって、最初にコンピュータに割り当てられた仕事は単純作業だった。ひたすらデータを読み取り、集計し、伝票やレシートを打ち出す。そのお蔭で、省人化と作業時間の短縮が実現した。
単純作業は、どんな職場、部署にも存在する。経理、人事、生産、営業、販売などの部門で、コンピュータの導入によって単純作業が合理化された。しかし、コンピュータの役割はあくまで人間のアシスタントだ。組織人たるもの、上司の許可なく、異なる部門のスタッフ同士で勝手に会議することはできない。同様に、アシスタントのコンピュータも上司の許可なく、他のコンピュータとつながることは許されなかったのだ。
しかし、企業内の人的コミュニケーションも変化した。LANやEメールによりフラット化が進んでいく。必然的にコンピュータ間コミュニケーションも求められ、コンピュータはつながっていった。
しかし、各部署に導入された業務用システムはつながることを前提に開発されていない。つながるようにシステムを改造しようとすると多額の費用が掛かる。そこで、コンピュータ間のデータをつなげるために、人手が必要になった。各部署の担当者が、エクセルやアクセス等を使って、その穴を埋めているのだ。膨大なデータ処理を単純作業が苦手な人間が徹夜で行っている企業も少なくない。
それぞれの担当者の仕事をつなげることは、人間同士でも難しい。仕事をつなげるには、互いが互いの仕事を理解する必要がある。その上で、役割分担と責任分担を明確にし、意志決定の仕組みを作らなければならない。そのためには、仕事の全体像を理解し、業務フローを把握することが求められる。業務フローの中にブラックスボックスや曖昧な点があってはならない。人間というスーパーコンピュータならば、臨機応変に対応することが可能だが、単純なコンピュータは、曖昧な処理ができない。全てを論理的に判断しなければ、思考停止に陥ってしまう。
コンピュータシステムの難しさはここにある。コンピュータがあまりにも未熟であり、人間の気持ちが分からない。本連載の中で、単細胞なコンピュータとの付き合い方を少しでも分かりやすく解説しようと思う。
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April 16, 2007
要点
1.日本の経済成長は、製造業と不動産を基本にした金融システムにより達成された。このシステムが確立したのは、流動的な資金が不足していたことに起因する。しかし、そのモデルは為替の変動により崩壊していった。
2.日本で達成できなかった理想像を中国で達成しようという企業も多い。中国進出により、広い敷地、豊富で低コストの労働者、最新の設備を完備した工場が現実となった。しかし、中国も為替変動により、理想郷が破綻する危険性も否定できない。
3.流動的な資金量が増えた結果、商品による経済よりもマネー(情報)による経済の方が規模が大きくなっている。それに対応しているITベンチャー企業にとって、中国よりも日本の方が有利なフィールドである。
4.日本がそうであったように、消費者に近い分野であるアパレル産業では、国内企業の方が有利である。中国市場においても同様であり、市場参入には長期的な戦略が必要である。
5.製造業は装置産業でもあり、移転のメリット少ない。低コストを追求して海外移転しても為替変動で状況は変化する。21世紀の製造業とは、商品企画、品質管理、生産管理等のソフト分野が重要になる。中国に進出した製造業者も21世紀型に転換する必要がある。
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◆はじめに
かつて百貨店は「小売業の王様」と言われた。しかし、王様はいつしか「裸の王様」になってしまった。
百貨店人は「百貨店は場所貸し業」と言われるのを嫌う。しかし、場所貸し業である不動産ビジネスの世界でさえも、ITを導入しテナント企業の利便性を高め、時代に対応した新しいコンセプトを立案し、様々な業態を編集し、顧客ニーズに応えている。現在の百貨店業界は不動産業界より進んでいると言えるのだろうか。
私自身、百貨店の商品本部に3年間、契約社員として在籍した。それ以前は、アパレルの企画担当者として百貨店の自主MDプロジェクトに参加していた。また、いくつかのリニューアルフロジェクトにも外部スタッフとして参加した経験を持っている。百貨店の問題は他人事ではなく、自分の問題として受け止めている。
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●ブランド商品が支持される思考回路
日本の製造業、特に中小企業は安価な中国製品の輸入や中国への生産基地移転により空洞化が進展している。しかし、その一方で高額品も売れていることを見逃してはなるまい。「高額でも売れる商品=ブランド商品」という定義が成り立つのであれば、高コストの日本製造業こそブランド商品開発に取り組むべきではないだろうか。
ここでブランド商品について整理してみたい。
ブランドとは単なる商標ではない。商標は商標登録さえ行えば取得できるが、多くの商標にブランド価値はない。ブランド価値とは「老舗ののれん」のようなものだ。あの老舗が販売している商品だから間違いはない。このブランドがついているのだから間違いはないという信用である。
更に、一流ブランドと言われているブランドは、その商品を所有するだけで特定のステイタスを感じることができる。一流ブランドとは消費者の所属欲求を満たす存在であり、名門ゴルフの会員権を所有することや、特定の会員制組織に所属することに等しい。
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March 29, 2007
◆システムが原因でフリーズする会社
現在、多くのアパレル企業、小売企業はシステムの悩みを抱えている。高額なシステムをリースで導入した結果、ソフトとハードが固定化してしまった。その間、ハードウェア、サーバー、回線等のIT基本インフラは性能が向上し、低コスト運用が可能になった。しかし、リースで縛られた企業は手も足も出ないのだ。
更に、多くのアパレル企業、ファッション小売企業は、業績が悪化し、展開店舗数や売上が下落。リース切れになっても新しいシステムを構築する余裕はない。新たにリースを組めない企業も増えている。再リースで化石化したシステムを使い続けているだけなのだ。
一方で、アパレルビジネスを取り巻く環境は大きく変化した。かつては、生地を仕入、縫製工場に工賃を支払い、加工した製品を小売店に卸売していたアパレル企業は、製品仕入が増え、直営店を持つようになった。現在の小売店経営にシステムは欠かせない。店頭の動きをリアルタイムで把握し、商品の鮮度管理を行い、いかに店間移動を行いながら、適切な時期に適切な値下げを行うことが求められている。
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February 05, 2007
◆深刻な企業間デジタルデバイド
現在の小売業は「何を販売しているか」よりも「システム化されているか否か」が問われている。システム化とは「どんぶり勘定ではなく計算可能なビジネス」であること。コンビニや一部の大手専門店では、各店頭のPOSによる単品データがリアルタイムで本社に送信され、売上・在庫・利益等の推移を見ながら、値下げ・店間移動・追加発注・返品等の意思決定をクイックに行っている。販売管理システムを導入していても、伝票発行マシンだけに使われているというケースも多い。単品管理という思想を持たないシステムでは、「月に一度の棚卸しで各店の在庫内容に気がつく」ことも珍しくない。日々動いている店頭において、日々の判断と月に一回の判断、人間の勘による判断と科学的な数字に基づく管理とでは、経営の質そのものが異なってくる。
中小企業経営者がシステムの重要性を理解しても、コストが高いためにシステム導入を諦めている企業も多い。ある専門店企業は、6年前に70店舗展開を基本にしたオフコンによる販売管理システムを構築した。しかしその後、10店舗以下に店舗が縮小。オフコンのシステムをパソコンにリプレースするだけで3000万円と言われた。
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November 16, 2006
1.日本の商品企画では売れない
中国人は、日本のアパレル商品を見て「寂しい」と言う。シンプルな服は安く見えてしまい、装飾で飾られた服は高そうに見えるのだ。
日本でも「デザイン=装飾」だった時代がある。現在でも「デザイン物」という表現は生きている。シルエットの構築そのものがデザインであるという発想ではなく、フリルや切り換えやリボンを付けて装飾することがデザインであるという考え方だ。日本も高度経済成長時代まではこうした発想が生きていた。
仮にその頃、ヨーロッパのデザイナーが「日本のデザインの理解は間違っている。シルエットで勝負することがファッションデザインの本質である」と言って、当時の日本市場に進出したとしても成功しなかっただろう。そして、日本のアパレル企業は日本市場を独占し、大きな成功を収めたのだ。
それぞれの市場には固有の性格があり、それぞれの国や地域では固有の嗜好がある。そういう市場の性格を理解してビジネスを進めることがマーケティングの基本だが、中国に進出している日本企業はその基本を忘れているように見える。
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1.日本に内在する二つの社会
現代の日本は二つの社会を内在している。第一の社会は、既存の価値観、一億総中流、護送船団、談合的協調の社会である。これまで日本のマーケットとして研究されてきたのはこちらの社会である。こちらを「第一社会」としておこう。
第二の社会は、格差社会、個人主義、ニート世代、派遣社員やアルバイトが主流という最近注目され、旧世代には不安視されている社会である。こちらを「第二社会」とする。 第一社会のメインターゲットは団塊世代。日本型組織社会に所属し、正社員が当たり前という考え方。安定した収入と横並びの収入。結婚して家庭に入ることが一般的であり、あえて社会進出している女性は自己実現を目指している。世間体、常識を大切にしたライフスタイル。当然、人の目、特に同性の目が気になる。メディアは、新聞、テレビ、週刊誌が中心。日本国内で完結するビジネスを一般的と考えている。日本は製造業で成り立っていると考えており、製造業的なビジネス発想が強い。日本の製造業の空洞化を招いた張本人の世代であり、それを嘆く世代でもある。
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October 18, 2006
以下は、1998年にファッション産業21世紀委員会がまとめた「ファッション産業21世紀ビジョン」の中で、私がまとめた論文です。最後のアクションプランは、2005年のクォーターフリーをにらみ、当時から7年間でこの程度のことをしておかないと、クォーターフリー後の新しい繊維産業体制では生き残っていけませんよ、という意見でした。
しかし、残念ながら、当時書いていたことが昨日書いたように変わっていません。あまりに進まない業界の現状に愕然としています。皆様も超長文ですが、一度、目を通していただきたいと思います。今から8年前の提案ですが・・・。
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June 02, 2006
唐突だが、あなたはSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)を利用しているだろうか。開放的なインターネットの中で、登録した会員だけが入れるある種のコミュニティサイトで、参加者が互いに友人を紹介しあって、新たな友人関係を広げていくというもの。 その中でも、最大手のmixiは、会員数が360万人を超え、毎月15万人ずつ増加しているという。会員からの紹介がないと入会できない仕組みであり、自分には関係ないと思っていたが、偶然、友人との話の中でmixiの話題が出てきたので、「それなら私も招待してよ」ということになり、試しに使い始めてみた。
私は既に実名でブログを立ち上げており、別に新たな出会いを求めているわけでもないので、どうも実感がつかめない。「ここに日記を公開したとして何が生まれるのだろう」という感じだ。
ある時、大学生の息子と話していたら、息子もmixiの会員であることが分かった。彼の高校のクラブ活動のOB会が、mixiの「コミュニティ」を作っており、その情報をチェックしているとか。
SNSということで何か身構えてしまっていたが、むしろ実社会の縁をネット上で補完するという使い方が最も有効な使い方なのかもしれない。勿論、一部の人にはネット上の出会いもあるかもしれないが。
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May 11, 2006
・高い価格に納得するのは「ブランド」だから
中国の衣料品は、物価の割りには高い。世界の一流ブランドは日本と同じ価格だし、百貨店の店頭を見ても日本と大差ない。しかし、百貨店は中国の標準ではないし、一流ブランドが高い価格でも売れるのは、それがブランド商品だからである。
多くの中国人が買物している市場等に行ってみると、あまりの安さに驚く。日本製品を輸出する場合、ブランド商品ならばヨーロッパの一流商品との競合が待っており、ノーブランド商品ならば市場で販売されている一般製品との競合が待っている。
中国の富裕層に自社製品を販売したいと考えている日本企業は、どちらかの競合に勝たなければならない。日本製品の特徴は、「品質の高さ」「デザインの良さ」と言うが、残念ながら多くの中国人消費者は品質やデザインを見極める選択眼を持っていない。テレビ広告で見た商品が一流ブランドであり、品質が良いと考えているのである。実際に、ヨーロッパのブランド企業は積極的に広告宣伝を展開している。「テレビCMに出てくる商品=有名ブランド=デザインや品質の良い商品」という思考回路が定着しているのだ。
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May 02, 2006
小売店は、「食料品店」「衣料品店」「インテリア用品店」等のように扱い商品別に分類されている。小売店を営むには、それぞれの扱い商品の仕入先とのパイプ、扱い商品の専門知識が必要だ。素人が小売店を開こうと思っても、そうは「問屋が卸さない」のである。しかし、こうした業界の常識も過去のものになりつつある。
問屋を中心とした信用取引ではなく、オープンな現金取引が増えつつある。資金さえあれば、誰でも小売店を経営することが可能だ。ここで最も悩むのは、どんな商品を扱うかだろう。魅力的な商品を集めることができれば、店も繁盛する。「問題は商品である」という事実は揺るがない。
その一方で、良い商品を揃えている店が潰れるケースも多い。これはメーカーも同様であり、良い商品を生産しているメーカーや、良い商品を生産できる技術を持った企業が潰れているのである。商品は大切だが、商品がビジネスの成功条件であるとは言い難いのである。
成功している小売店を見ると、その多くはシステム化している。バーコードによる単品管理を行い、売上データはネット回線を通じて瞬時に本部に集約される。また、仕入先や物流センターとも、情報共有化が進み、伝票レス、自動補充等を可能にしている例も多い。
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April 22, 2006
http://www.japancreation.com/blog/
JC改革の目的の一つは国際ビジネスへの対応だった。年一回の展示会から年二回の展示会へ。プレゼンテーションから実商談のできる環境へ。そして、海外バイヤーの誘致と展示会そのものの国際化。
しかし、その後の議論の中で、「まずはメイド・イン・ジャパンに絞って展開すべきではないか」という意見が出てきた。国際化の流れに反するのではないかという危惧もあったが、「国際見本市という名称を割愛してもいいのではないか」という強硬論に押され、今回のJCの案内から「繊維国際見本市」という表現は消えている。
それでも、今回のJCから年二回開催がスタートし、クローズドな商談重視の規格小間を採用した。国際志向、国粋志向の狭間に揺れながらも、JCは着実に進化を遂げている。
今回の展示会は、少なくとも出展者側の評判は良かった。「今までの中で最高です」という声を複数の企業から聞いた。その理由は、巨大になり過ぎたJCよりも、ほど良い狭さ、ほどよい来場者数が商談に相応しいということだ。これまで、マスコミも常に来場者数を気にしていた。我々も同様であり、前年比の来場者数を過剰に意識していたのだ。
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今回のJCは、開催が急遽決まり、会場も変わり、出展コマの形態や入場料が変わるなど、正直言って不安要素が多かった。おそらく、出展者も同様だったに違いない。苦情の嵐を覚悟の上で、東京流通センターに来たのだが、拍子抜けするほど評判が良い。
「プレビューの良さと本番のJCの良さの両方が出た感じだ」
「これまでのJC、プレビューの中でも、今回が一番良かった」
「来場者の質が上ったようだ」
「この程度の規模がちょうど良いのではないか」
「クローズドなブースも落ち着いて商談ができて良い」等々。
むしろ、12月のビッグサイト開催の方に不安を感じるほどだ。今回の良さを残しながら、今回以上のスケールアップと質的向上を図るにはどうしたらいいか。今から頭を悩ましている。
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http://www.japancreation.com/blog/
来場者の平均年齢が若くなっている。団塊の世代が定年を迎えるという2007年問題の影響だろうか。
大手アパレルが中国生産をシフトする中で、差別化を狙う新興アパレル、新興ブランドが国内生産へのこだわりを持ち始めている。
ある都内のニッターの話。ヨーロッパのデザイナーが中国生産を行ったが、思ったように仕上がらなかった。日本のメーカーは技術や提案力がある。これからは日本生産に取り組みたいとのこと。これまでヨーロッパのデザイナーにとって、日本生産は選択肢になかったのだろう。
若い来場者群を見ていて、静かな地殻変動の予感を感じた。(JCコーディネーター坂口昌章)
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ITの進化により、我々のビジネスは変化していく。しかし、テクノロジーの進化に比べて、ビジネスの進化の速度は極めて遅い。我々は経験を元に仕事をすることが多く、実務を合理化するためにテクノロジーを使う。その段階の実務とは、テクノロジー以前のプロセスで行われているのであり、新しいテクノロジーを使った理想的な業務プロセスではないからだ。
たとえば、電話やFAXというありふれたテクノロジーでも我々は十分に使いこなしていない。
転送電話のシステムを使って、転送秘書サービスという業種が生まれた。オペレーターをグループ化し、複数企業の電話に対応することが可能である。「事務所を開いたら電話番が必要」という常識も過去のものになっている。転送秘書サービスを活用した注文の受付業務やヘルプデスク、コールセンターも可能である。更に、インターネット回線を使ったIP電話を活用すれば、電話料金も低く押さえることができる。遠隔地でも電話が取れるようになり、時差を活用した24時間オペレーションも可能である。
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April 06, 2006
時代は変化する。ビジネス環境も変化する。産業も変化し、産地も変化する。
これまで産業振興、産地活性化ということで、不況業種や不採算企業をいかに再生するかを考えてきたが、これは変化を容認しないという考え方でもある。産業も企業も時代と共に変化する。したがって、時代に合わせた変化を推進するという考え方に立つ必要があるのではないか。
これまで、不動産や建築の世界では、「変化」=「スクラップ&ビルド」だった。不要になった工場や事務所は、取り壊し、更地にして、新たな建物を新築する。しかし、この手法は日本独特とも言える。
ヨーロッパでは、建築物は都市を形成する歴史的要素であり、不要になっても簡単には取り壊さない。外観はそのままに中身を変えることが一般的である。
最近になって、日本の建築業界、不動産業界でも、リノベーション(改修)、コンバージョン(用途変更)という言葉が流行りだした。建物を壊して新築するのではなく、古い建物をベースに新たなデザインを加え、新しい用途を開発するというものだ。
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March 24, 2006
中国のファッション業界誌から、タイトルのような原稿依頼を受けた。私は文化服装学院の先輩でもあるデザイナーの高田賢三氏(以下、ケンゾーさん)を例に解説しようと考え、いろいろな資料をひっくり返していたが、次第に歴史の重みが自分の肩にのしかかってきた。
まず、母校の文化服装学院の歴史を調べてたが、お二人の創業者の洋裁教育にかける情熱が伝わってきた。並木伊三郎先生は洋裁の技術者でもあり、洋裁の講習会の講師を行っている。遠藤政次郎先生はシンガーミシンの販売に関わっており、楽器メーカーのヤマハが音楽教室を開いたように洋裁教室を考えてた。このように文化服装学院は、技術畑の並木先生と営業畑の遠藤先生と二人の男性によってスタートしたのだった。
この頃の洋裁教育は、今のIT教育以上に時代の先端だった。日本人のほとんどが和装であった時代に、洋装の到来を予測し、洋裁教育を始めることは、どんなにリスキーでしり、どんなにエキサイティングだったことか。
時代は変わり、1951年にデザイン科がスタートした。当時の日本は、欧米からの情報を少しずつ入り始め、二科展などの画家のグループやグラフィックデザイナーが本格的に活動を始めていた。その中で、服飾デザインの分野は、洋裁学校の教員が担っており、婦人雑誌やファッション雑誌に作品を発表していた。
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March 08, 2006
日本企業は海外に進出しても、日本ばかり向いていると言われる。現地採用のスタッフを要職につけず、常に日本人が管理職を独占するとも。
国際化とは、国の際をなくすことである。国の際をなくせば、輸出も輸入も関係ない。日本で生産して日本で販売するビジネス。日本で生産して欧米で販売するビジネス。中国で生産して日本で販売するビジネス。中国で生産して中国で販売するビジネス。どれでもいいのだ。自社のビジョンと資源を考え、意志決定すればいい。
日本のメーカーの生き残り策にもいろいろある。得意先を海外に広げて、輸出するビジネス。あるいは、海外に進出して日本に輸入するビジネス。どちらが正しいわけでもない。適地適品を選べばいいのだ。
雇用も同様である。何人でも能力があれば採用すればいいし、実力や実績に見合った給料を支払えばいい。中国人だから給料は安くていいとか、日本人だから高くなければ駄目だというのは国際的ではない。国際的でない企業は、国際的な企業との競争力に劣る。なるべく手かせ足かせは外して、自在にビジネスを展開すべきではないか。
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January 28, 2006
コンピュータシステムの黎明期は、電算室に鎮座していた大型汎用機による中央集権型システムだった。繊維流通に例えると、問屋流通が全ての流通を支配していた状況に似ている。産地の情報も市場の情報を問屋に集まり、金融や物流などの機能まで果たしていた。
あるいは、合繊メーカーや紡績の系列構造にも似ている。自社の糸を機屋に供給し、製品に加工してから買い上げる。原料から生産、流通までをメインフレームのようにコントロールしていた。
次に、オンライン技術やデータベース技術の発達に伴い、現場の端末と中央のコンピュータが結ばれていく。繊維流通では、支店や代理店が全国に整備されていく過程だろう。そして、システムは分散化を進めていく。複数のサーバを結び、分散処理が始まる。分散処理は、流通の細分化に等しい。日本の繊維流通は複雑であり、情報が分断され、流通全体の最適化ができなくなっていった。
なぜ、流通は細分化していったのか。市場原理が健全に働けば、流通は細分化しない。むしろ、集約化していくだろう。日本では競争原理よりも、リスクヘッジが優先された。需給バランス変化のリスクや与信問題のリスクを分散するために、自らの利益を犠牲にしてでも、安全性を求めたのだ。
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January 24, 2006
システムを構築するには、現場の意見を基本に組み立てなければならない。しかし、現場の担当者が慣れ親しんできた業務は、システムがないことを前提にしたものだ。システムを前提にした業務とはどういうものか、を想像するこは難しい。自分の職域、職務内容も変わる可能性さえある。結局、現在の自分の仕事に合わせるしかないのだ。
既存の仕事に合わせたシステムでは、システム導入コストと人件費削減費用が比較される。高額なシステム導入コストを負担するのなら、多少の残業経費を負担した方が良いと考える経営者も多いはずだ。
現場の担当者に自信がない場合は、システムベンダーの意見を優先してしまう。「他社もこうしてますよ」と言われれば、他社に勤めた経験がない人間は納得せざるをえない。多くのシステムベンダーの意見とは、システムを組む側の都合であり、ユーザーの立場ではない。システム導入以降の業務フローやビジネスモデルを想定するのではなく、システムエンジニアやプログラマーが組み立てやすいシステムを主張する。こうした作られたシステムは使い勝手が悪い。無理にそのシステムに対応しようとしても、手間がかかるばかりであり、合理化もできず、新たなビジネスモデルも生まれない。カスタマイズしようとすると、高額の見積もりが出される。結局、ユーザーは諦めてしまう。
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January 04, 2006
日本のアパレルビジネスの主流は「反射神経型ビジネス」だった。臨機応変、当意即妙。市場の動きをいち早く察知し、即座に対応する。その反射神経を持つ者が優秀なMDであり、デザイナーというわけだ。反射神経を鍛えるには、生まれ持っての才能と訓練が必要だ。しかし、歳を重ねるにつれ、誰でも反射神経は鈍ってくる。反射神経型ビジネスを続けるには、常に時代と共に生きている若い人材を補充し、反射神経の衰えた者を現場から外さなければならない。
日本のファッションビジネスで反射神経型ビジネスが有効なのは、日本のファッション市場が反射神経的に動いているからだろう。社会的ステイタスや計画的なワードローブではなく、目新しさ、好き嫌い、媒体の情報等により常に変化を続けている。その変化に対応するには、ある種の反射神経が必要なのだ。
この種のビジネスに対して、戦略的思考で対応しても、すぐに効果が現れることはない。戦略や論理的思考が結果を出すにはある程度の時間と資本投下が必要である。あくまでアベレージの勝負であり、一発逆転ホームランを狙うことには向いていない。
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November 13, 2005
日本のプロ野球は、米メジャリーグの二軍だろうか。東京コレクションは、パリコレの二軍だろうか。
二軍だと思う人は、日本は二番煎じであり、本物ではないからだと言うだろう。なぜ、日本人は日本でプロ野球を始めたのだろうか。その背景には、おそらくアメリカへの憧れがあっただろう。東京コレクションも同じだと思う。パリコレへの憧れがなければ、東京コレクションは生まれなかったのではないか。
欧米へのキャッチアップを目指す時期には、海外への憧れをエネルギーとして、追いつき追い越すことを目標にするのは悪いことではない。日本の野球界はイチローや松井を生み出したし、日本のファッション界は高田賢三、三宅一生、川久保玲、山本耀司を生み出した。しかし、残念ながら、彼らが評価されたのは本場で活躍したからである。
欧米人が評価しているのは、日本独自のものだ。日本文化に憧れて、日本に来て活動している陶芸家や料理人もいる。彼らが日本に来るのは、日本が本場であり、日本での評価こそ価値がある場合である。
日本人もフランス料理を究めるにはフランスに出かけていく。そこでの評価は、日本に戻ってからのビジネスにも直結しているのだ。
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官僚は次々と部署を異動していく。2~3年毎に異動を重ねながらキャリアを積むのである。大企業のサラリーマンも同様だ。会社の意向で仕事が決められる。それに文句を言わず、与えられた仕事をこなすことが評価されるのである。
一方で、自分のやりたい仕事しかやらない人種がいる。例えば、私もその一人。専門家への道を選び、キャリアを積むために、自ら転職を繰り返した。最終的に独立して、自分で会社を立ち上げた。お笑い芸人や演劇人も同様である。自分のやりたいことをやるために、バイトしたり、貧乏したりしている。
フリーターやニートというのも、基本的に同じ性格を持っているように思う。嫌いなことはやりたくない、好きなことだけしたいという点では共通している。
私は自分で仕事を選ぶ人が好きだし、自分もそうありたいと考えてきた。サラリーマンにはなりたくなかった。私は自分で仕事を選ぶ人を評価するし、組織の部品のように働いている人を軽蔑していた。
しかし、最近気がついたことがある。日本では与えられた仕事をこなすことが評価され、自分で好きなことをやっている人は評価されないということだ。なぜなら、仕事の世界では、組織が個人を優先する。仕事とは組織で取り組むもの、という常識が存在するのだ。当然ながら、組織のメンバーが仕事を担当する。その仕事ができるか否かではない。組織のメンバーであることが優先されるのだ。組織の絆は、能力主義を超えているのだ。
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August 25, 2005
コンピュータの特徴の一つは、単純作業を黙々と行うこと。単純な事務作業を機械がやってくれる。単純な事務作業を行うのは経営者ではない。コンピュータを使うのは、現場の人間であり、コンピュータの恩恵を受けるのも現場の人間である。
このレベルのシステムに対して経営者はほとんど興味を抱かない。経営者の頭にあるのは、システム費と人件費のバランスだけだ。
単純作業だけを行うシステムは、見ても面白くない。伝票が画面に並んでいるだけだ。
会社経営とは、意外に単純なシステムである。メーカーならば、原材料の仕入れがあり、加工賃があり、製品の売り上げがあり、在庫がある。売り上げから経費を差し引いた利益があり、税金がある。この単純な表が時系列に並んでいる。過去は実績であり、未来は予算である。本来、予算は常にシミュレーションがなされ、修正が加えられる。
この単純な表を作成するために部署ごとに複雑な業務があり、システムが存在する。経理システム、人事管理と給与計算システム、生産管理システム、販売管理システム、商品管理システム、企画管理システム・・・。それらが全てつながってこそ、経営者がコンピュータの画面を見る意味が生じる。より高度な経営判断を行う画面ほど数字の羅列ではなく、グラフィカルで美しい画面にならなくてはならない。
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July 28, 2005
長年、ファッション業界にいても、意外にデザインやファッションについて真剣に話し合う機会は少ない。興味のあるのは売上げや利益ばかりで、ファッションの質に関する話はほとんどなされないのだ。
パリ、ミラノ、ニューヨークなどでは、常にアートやファッション、デザインについての会話が飛び交っている。その辺りに、日本のファッション業界の層の薄さを感じてしまう。
昨日、たまたまアート寄りの人と話す機会があった。久々にファッションについて、特に「アジアの文脈の中でのファッション」(アートっぽい表現!)について考えさせられた。
ヨーロッパの衣服は、基本的にフェルムの服、シルエットの服だ。人体というフォルム、理想的なプロポーションが原型となり、その上に衣服のフォルムが重なる。ファッションデザインの中心もフォルムであり、基本的なフォルムの上に様々な変化が加えられる。布はあくまで服の材料であり、シルエットを表現するマテリアルだ。
きものや世界の民族衣装を見ると、布そのものが衣服であるケースが多い。服装史によると、服の始まりは古代エジプトの腰ひも、シェンティとのこと。当然だが、この細紐は細く織られた布であり、広い幅の布を裂いたものではない。アフリカの民族衣装には、細く織られた紐状の布を接ぎ合わせたものが多い。
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July 22, 2005
総合繊維見本市ジャパン・クリエーションの立ち上げから、約10年の月日が経った。当初は、アジアのプルミエールビジョンを目指すというビジョンがあった。しかし、輸入品の増大により、繊維セーフガード発動申請がなされ、国際展示会構想は頓挫した。
スタート当時は、ヨーロッパからの出展申し込みが殺到していたが、5年も断り続けるとそれもなくなった。現在、繊維ファッションビジネスは中国を中心に回っている。同時に、アジアの有力なバイヤーは、直接欧米にバイイングに出掛けるようになっており、日本の存在は次第に軽くなっている。
日本を重要視しているのは、欧米の一流ブランドだけであり、アジア諸国にとって日本市場はそれほど魅力的ではない。OEMメーカーにとって、日本は「短納期」「低コスト」「品質にうるさい」市場であり、儲からないという印象が強い。
それでも現在まで、日本の展示会に出展するのは、日本の経済力は無視できないほど強く、今後の消費拡大を期待しているのである。しかし、それにも限界がある。日本で開催される展示会に海外企業が出展しても、ほとんど売上にはつながらない。近い将来、日本の展示会参加は見直されるだろう。
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May 09, 2005
ドイツという国はシステム化が得意だと思う。論理的な組み立てが得意であり、ドイツ製機械の性能も良い。ドイツ人はエンジニアに向いているように思える。
反面、イタリア人は、ドイツのような規格化は苦手だし、機械の性能も不安定だが、デザインの素晴らしさと個人の手作業の確かさには定評がある。彼らは、システムよりもクリエーションが得意だ。生まれながらのアーティストの性質を持っているようだ。
日本人は、イタリア人のような無から有を生み出すようなクリエーションは弱いが、改善や改良により完成度を高めていく職人気質を持っている。ドイツ人のようなシステム的な発想はあまり得意ではないが、阿吽の呼吸による集団活動は得意だ。暗黙の了解で相手の立場を尊重し、自分のポジションを確認し、自主的に作業することが可能である。
逆に言うと、日本人はシステムとクリエーションがあまり得意ではない。システムがなくても単一民族であるために互いが理解できる。集団行動や協調性が重んじられており、学校でも団体行動の訓練だけは熱心に行っている。無から有を生み出すクリエーションも弱い。歴史的に日本では新しいモノは海外からやってくる。日本で行う作業はその新しいものをブラッシュアップして完成度を高めることだった。日本人のアーティストやデザイナーが海外が高い評価を受けるケースも多いが、その多くは個人のクリエーションというより、西欧とは異質の日本の伝統文化や美的センスがアバンギャルドなクリエーションとして評価されたものだ。
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March 14, 2005
私の実家はニッターで、昔は常に住み込みの職人がいた。工場(こうば)の床に布団を敷き、朝昼晩の食事はいつも一緒だった。3時にはお茶の時間があり、お茶とお茶菓子、夏ならばジュースやアイスキャンデーを出していた。
住み込みの職人の多くは、地方出身者の次男坊か三男坊であり、口減らしの意味もあったのだろう。また、住み込みという形態は体一つで働ける。現在ならば、アパートを借りたり、家具を揃えたりしなければならない。また、出勤のための交通費もかかる。食費は給料から天引きであり、食うのには困らない。ある意味で非常に良くできた雇用形態だったと思う。
住み込みという形態は製造業ばかりではない。問屋や小売業もかつては住み込みが主体だった。出身地や実家が明確であれば持ち逃げや盗みなどもできない。そんなことをすれば、すぐに実家に通知が行くし、業界内には回状が回される。二度と商売ができなくなってしまうのだ。
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戦後の何もない時代にビジネスを始めようとすれば、土地を担保に銀行から借り入れをして、それを元手にするしかなかった。株式を発行しても、株を購入する投資家がいなかったのである。そうして、ビジネスの土地本位制が出来上がった。国土の狭い日本では土地は上がり続けると信じられ、どんなビジネスも最終的に土地に集約した。土地を買えば、その値上がりとともに担保価値が上がり、さらなる借り入れを起こして新たな土地を購入する。地価が上がり続ける限り、土地を購入する資金を持つ物が確実に富を増やせたのである。
しかし、現在は投資や運用に回る資金が大量に存在する。ビジネスの将来性さえ訴求できれば資金は集まる。資金を集めて起業し、上場できれば多額のキャピタルゲインを手にすることができる。その資金を元でに更なる将来性のある企業を買収し、上場を目指す。その繰り返しにより、莫大な時価総額の株式とキャッシュを手に入れる。
地価が下落している現在では、土地への投資も一部に過ぎない。更なる有利な投資案件があれば、資金はそこに集中するのだ。
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自分の最も得意なことほど、その重要性を忘れてしまうことがある。
例えば、昔、百貨店には「仕入れの神様」と呼ばれる人が多数存在した。それぞれの商品に対して豊富な商品知識を持った「目利き」である。当時の百貨店マンにすれば、百貨店が仕入れ機能を失うことなど想像もできなかっただろう。仕入れは百貨店の命であり、仕入れができなければ百貨店は存在できなかったからだ。
しかし、大手アパレル企業が「委託仕入れ」と「派遣販売員」を百貨店に申し入れ、百貨店は受け入れた。百貨店は仕入れ機能を果たすことなく、利益を確保することが可能になったのだ。百貨店は売場を貸すだけで、あとは問屋に任せておけば売上を上げ利益が確保できる。販売員を雇用する経費も必要ないし、売れ残りを心配する必要もない。目利きと言われた仕入れ担当も商品を選ぶ必要がなくなったのである。その制度が始まって10年も経たないうちに、百貨店は仕入れ機能を失ってしまった。目利きと呼ばれた仕入れの神様が現場を離れ、そのノウハウが後輩に継承されることはなかったのだ。
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January 04, 2005
東京の横山町、馬喰町は、問屋の集積地である。しかし、最近元気がない。後継者もいない。何とか元気にする方法はないか、と考えたのが、今回の提案である。勿論、ほかの地域にも応用はきくはずだ。
唐突ではあるが、「問屋街の各企業が最低一人の中国人社員を雇う」。これがスタートだ。
中国で日本語を学ぶ大学生は数多い。彼らを対象に、現地で説明会を開き、集団就職させるのである。中国人社員に対しては、将来独立する機会を与えることを明言した方が良い。日本で働くことで、日本のビジネスのノウハウや人脈、取引先等の情報を得ることができる。将来、自分が独立する場合、日本とのパイプは大きな資産となるだろう。
また、中国人を採用することで、彼らの親戚、知人等の人脈が将来の中国ビジネスで役立つ。日本人だけで、中国との取引や中国進出を考えるよりも、中国の若者に事業計画を立てさせた方が成功する率は高いのではないだろうか。
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現在、繊維関連の製造業、卸売業等は不況業種のように扱われている。繊維関連、糸へん産業というだけで銀行は金を貸さないという声も聞く。しかし、土地を担保に銀行から借り入れを行って商売をするというスタイルそのものが現在の時代には合わなくなっている。
ITベンチャー企業の経営者は、土地も所有していないし、銀行からの借り入れで商売しようという発想もない。彼らは、相場や為替の世界に流れている資金の方が、実態経済で使われている資金よりも大量であることを理解している。資金は余っているのだ。その余っている資金を集めるには、将来性こそが重要なポイントである。投資家に将来性があると思わせることができれば、資金が集中する仕組みになっている。
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December 14, 2004
JC2005が終わった。今年の話題は、初の海外からの出展、初の出展者、入場者の減少だった。これまではあまりにも入場者が多すぎて、「人が多すぎで商談ができない」「もっと落ち着いた展示会にしたい」と文句をいう人も多かった。しかし、実際に入場者が減少してみると、やはり寂しいらしい。
私は今回の入場者減少は予測していた。昨年の実行委員会でも発言しているし、その他の場面でも明言している。理由は沢山ある。
中国メーカーはますます成長している。一部の商品価格は上昇に転じているが、一般的にはまだ上昇には至っていない。中国生産を基本とした価格設定は変わっていないのだ。商社への生産丸投げ、企画会社へのアウトソーシングも減っていない。既存の問屋、卸商、アパレル、小売店は淘汰が続いている。産地の生産高も減少傾向にある。経済産業省や地方自治体の予算は削減傾向にあり、補助金も年々減額されており、使途にも厳しい制限が掛かる傾向にある。自立事業、輸出振興等で、行政、産地、業界マスコミ等の関心が分散している。ビジネスを目的としたJCプレビュー展が人気を集め、JCのポジションが曖昧になっている。
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December 10, 2004
今日、ラジオを聞いていたら、そのまんま東さんの大学での体験談の中で、「大学の講義は一回に換算すると4~5千円になる。だから休講で怒っているのは社会人入学の人だけですね」と語っていた。大学生は90分の講義に5千円を払う。しかし、5千円会費の社会人向けセミナーで人を集めるのは結構大変だ。
私もセミナー講師を引き受けることが多いが、話の内容では大学の先生より専門的で高度だと思っている。しかし、専門的で高度な内容ゆえに受講者は少ないのだ。
話芸というくくりで考えると、お笑い芸人も大学教授も私も似たようなものだろう。どれも話を聞いて、お金を払う。でも、お笑いの方が聴衆の幅が広い。誰が聞いても面白いのだ。大学教授は学生を対象にしているので比較的分かりやすい。プロ向けの話をする私は、最も少数派を相手にしていることになる。少数を相手にしているから、単価が高く取れるかというとそんなことはない。結局、専門性が高いということは、ある意味でマニアックなだけであり、経済的に価値があるというのとは別なのだ。
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November 28, 2004
繊維ファッションビジネスの分野では、繊維産地もファッション専門学校の卒業生も製造業をベースに考えることが多い。何か新しいモノ、ユニークなモノを作って、卸売あるいは小売するという発想である。
ITビジネスの分野では、製造業ではなく「手数料収入」「広告収入」「ロイヤリティ収入」等をベースにビジネスを考えている。繊維業界の人は、製造業をベースに発想することこそ正しいのであり、手数料収入や広告収入など微々たるものであり、商売の対象にはならないと考えているだろう。しかし、最近何かと景気の良い話題か目立つITビジネスを参考にすることは無駄ではあるまい。
製造業のビジネスとは、無から有を生じさせることである。原材料を仕入れて製品に加工して販売する。ビジネスそのものを創造するという発想だ。
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November 22, 2004
全国の繊維産地で、「中小繊維製造事業者自立事業」が展開されている。紡績、合繊メーカー、問屋等に依存することなく、自立したビジネスの展開を支援するもので、自社で小売りまで展開したり、オリジナルブランドの開発、独自の小売業者との取組等が行われている。しかし、製造業という「工」の分野と、小売りや卸しという「商」の分野では、ビジネスの発想が全く異なっていることもあり、現実には成功へのハードルは高い。
製造業者の自立を促すためならば、製造業から脱皮して業態転換することも認めなければならないだろう。卸しを小売りの視点に立てば、生産を中国に移管した方が利益が上るかもしれない。しかし、国内製造業保護という立場ではタブーである。
製造業者としての競争力を考えるならば、製造業者自身が中国に進出し、自立していくという方法もある。しかし、これも国内製造業の保護という立場ではタブーだ。
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November 17, 2004
農業とファッション。全く異質に感じる人が多いだろう。しかし、ブランド米という言葉があるように、農業とてもファッションと無縁ではない。勿論、水産業も林業も同様である。商品である以上ブランドは存在する。関サバ、関アジは魚ブランドの中ではかなり上位に位置するはずである。
今回は、ファッション屋が農業を考えるとどうなるか、という実験をしてみたい。(そうすれば農業関係の仕事も来るかもしれないじゃな~い)
まずブランドコンセプト、あるいは企画コンセプトが重要である。思いつくままにあげてみよう。「健康に良い」「安全」「ダイエット」「グルメ」「オーガニック」「ガーデニング」「良薬口に苦し」「医食同源」「軽量小型」「濃厚芳醇」・・・。
たとえば、「ガーデニング」をブランドコンセプトにする。文字通り、自宅の庭やベランダ等でガーデニングをしている人を対象にする。野菜と共に種苗を販売するのがポイントである。店頭で販売していた野菜を食べて「美味しければ、自分で栽培してみましょう」というわけだ。こうした野菜を一つだけ販売したのでは、単に商品開発で終わってしまう。ブランドというからには、同じコンセプトの商品を異なる地域から集めたい。それを共通のパッケージと売場演出を行うのである。種苗を店頭で販売するのが困難であれば、インターネット販売と連携しよう。インターネットならば、栽培の方法や肥料の与え方も教えられる。土や肥料も商品として販売できるだろう。
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産地のメーカーの中には、技術万能主義者が存在する。ビジネスの主体は技術であり、その技術を持っているのはメーカーだから、メーカーは偉いという主張である。特に、昨今、問屋の力が弱くなったために、「問屋なんかメーカーの技術で食っているだけだ」という声さえ聞こえる。
しかし、技術の占める要素は減少の一途である。具体的にいうと、アパレル製品の商品原価率は減少を続けている。私が就職した25年前には、アパレル製品の商品原価率は35~40%程度だった。ここでいう商品原価とは、アパレル製品を構成している生地、付属、副資材、縫製工賃が全て含まれている。それが現在では、25%以下に押さえることが命題になっている。中国生産の商品の場合、複雑な流通経路を通っているため実質的には20%を切っているだろう。
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November 01, 2004
法政大学の岡本義行先生の話。ヨーロッパの繊維産地の多くは、見る影もなくなっている。産地や産業というのは変化するのが普通であり、ひとつの産業が何百年も続くというのは極めて稀なケースということだ。
しかし、浜松のように、繊維産業から派生した技術から自動車産業に発展するケースは多い。ひとつの産業がシーズとなり、次の産業を生み出すのである。こうして時代と共に変化していくことが、地域社会、地域経済の健全化につながる。
日本では、ひとつのことを継続することに価値を置く。滅びゆく技術があるというと、必ず「残すべきだ」という意見が出てくる。繊維製造業の空洞化に対しても、「日本の産地を守れ」「日本の技術を守れ」と言われるが、そこには「産地、産業は変化するもの」という発想は感じられない。しかし、これまでの歴史を見ても、産地、産業は変化してきているのである。
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September 01, 2004
現在、繊維ファッション業界の課題は、製造業者の「輸出振興」と「自立化」が大きな柱となっている。これらの課題には補助金が付いており、国が認定した課題というイメージが強い。産地や業界団体もそれらの課題に集中している。
しかし、これらの課題にはいくつかの共通した特徴があり、かなりハイリスクな課題と言える。
まず、輸出も自立もこれまで経験していない分野への挑戦である。経験していないのでノウハウもなく、人材もいない。「自社にどのような条件を整えれば、輸出が可能になるのか、あるいは自立したビジネスが可能になるか」という明確な条件が分からないのだ。「でも、国が補助金をつけるのだから取り組むべきなのだろう」ということで、事業を申請する。この段階でも何も分からない。認定されて補助金がついて、実際に事業を進める段になっていろいろなことが分かってくる。
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August 25, 2004
バブル経済の最盛期にCI(コーポレート・アイデンティティ)ブームが起きたことを記憶しているだろうか。大手企業はこぞってCIなる新たな企業のシンボルマーク及びロゴマークなどを導入し、看板や名刺、封筒、インテリアデザインに使用した。それが、顧客へのサービスになるか、あるいは利益の源泉につながるのか、という議論もしないまま、「何となくブームだから」導入した企業も多いのではないか。勿論、そのときには仰々しい企画書が存在し、コンセプトも語られたのだろうが、今となってはそんな背景など知る由もない。そもそもCIとは、事業の多角化等により、特定の事業をイメージする古い社名を変えるところからスタートしている。また、多角化、拡大する企業や企業グループの統一的な理念を表現するために導入したのである。しかし、バブルが崩壊し、多角化からリストラ、本業回帰が叫ばれると共に、CIは一層、曖昧模糊になってしまった。
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August 20, 2004
7月の連休の日曜日に百貨店に出かけた。駐車場はガラガラ。混んでいるのは、地下の食料品売場とレストランだけ。ファッション売場は販売員の方が多いぐらいだ。
街に人が出ていないかと言うとそんなことはない。百貨店の外は結構賑わっているのだ。専門店の時代が来ている。そして百貨店は今、何度目かの重大な曲がり角を迎えている。
私の知っている、第一の曲がり角は1980年頃である。どの百貨店も品揃えが同質化し、価格競争に陥っていた。そして差別化の切り札として登場したのが、DCブランドでる。DCブランドの導入は、商品だけでなく、ショップ環境をも一新した。
第二の曲がり角は、1990年頃だろう。為替変動でインポート商品が突然安くなった。海外の免税店のイメージで買物することができるようになったのだ。商品の質を比較しても、国内のDCブランドよりイタリア製品の方が上であり、国内アパレルは価格設定の見直しを迫られた。
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August 06, 2004



8月5日、20時より東京早稲田、バオバブカフェにおいて、第一回「ショップオーナーになろうよ会議。」が開催された。この会議は、NPO法人山形ベンチャーマーケットが主催するもので、山形のテナントビルにおけるチャレンジショップ事業を紹介すると共に、将来ショップを持ちたいと考えている若者、及びその支援者に参加を呼びかけたもの。
山形ベンチャーマーケットの稲葉裕代表の司会進行で、実際に山形でショップオーナーをしている森育子さんが登場。自らの経験談を語り、(稲葉さんのフォローの時間の方が長かったけど)その後、質疑応答に移った。
私は雰囲気を壊さないように、なるべく黙っていようとしたのだが、途中で限界に達し、若者達の質問に答え、叱咤激励しているのだった。
その後、会場を提供していただいたバオバブカフェ店長の伊藤美和さんがカフェの経営及び店長の仕事について説明し、質疑応答を行った。この日のイベントは、とても美味しいアイスコーヒーとイタリアン料理が出たことも報告しておきます。美味しかったです。伊藤さんありがとう。
最初は心配しけど、結構場も盛り上がり、あっと言う間に22時。
少しのみ足らない私は、銀河の星野翁、オープンクローズの幸田君と共に、加賀屋という居酒屋に出掛け、モツ焼きといかに若者を支援するべきか、という話題を肴にビールを飲んで帰宅。
それにしても、こんなに若者を支援する機関があったなんて知らなかったなぁ。皆いい感じの人だったし。何とかしてあげたいなぁ、という感じ。こうしてまたお金にならない仕事が増えるのだった。
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July 25, 2004
◆見本市とビジネスサイクル
世界のファッションビジネスは年2回の見本市、コレクションを軸に回っている。
日本でも有名なパリコレクション、ミラノコレクション、ニューヨークコレクション等はオートクチュール、プレタポルテの作品を発表するファッションショーだが、一般的なアパレル製品の見本市もまた同時期に開催されている。アパレル製品の見本市は基本的に店頭展開の半年程度前に行われる。春にその年の秋冬コレクション、秋に翌年の春夏コレクションが開催される。
その半年前、つまり店頭の一年前にテキスタイルの見本市が開催される。春に翌年の春夏のテキスタイル商談を行い、秋に翌年の秋冬のテキスタイル商談を行う。その更に半年前に、つまり店頭から一年半前に糸の展示会が開催される。
つまり、各段階で半年ずつのリードタイムを設定しており、そのスケジュールを基本に企画、生産、販売が回っているのである。
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July 12, 2004

7月11日午後2時30分より、横浜市中区山下町の 「Amazon Club」において、「ROUROU」の秋冬コレクションが開催された。ROUROUは、ネオアジアをテーマに、デザイナーの早園マキさんが展開するブランド。中華街と代官山にショップを持っている。
今回のコレクションは鳳凰がテーマ。コレクションの途中で、シンガポール育ちのシンガーソングライター Sachiyoがオリジナル曲の「鳳凰」を歌い上げるという凝った演出も。会場には、アジアの民族衣装を独自にアレンジしたROUROUの服を身につけた若い女性が詰めかけ、お気に入りの作品が出てくるたびに「カワイイ~」と歓声をあげていた。(はっきり言ってオジサンは私一人で浮いていたかも)
コレクションが終わった後にも、ドリンクとエスニック料理がふるまわれ、最後まで観客を楽しませる構成となっていた。こじんまりとしたショーながら、ショップスタッフと顧客が家族的なコミュニケーションを築いていることを感じられた。
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May 24, 2004
みなさん、こんにちは。坂口昌章です。
東レ経営研究所発行の「繊維トレンド」5.6月号に寄稿しました。
内容は、日本のアパレル業界への提言という大上段に振りかぶったものです。特に、生産を商社に丸投げしている現状への危惧と今後のビジョンについて書いたつもりです。
グローバル産業への脱皮が求められるアパレル産業
~商社への生産丸投げの次に来る問題点と展望~
1.百貨店の「派遣+委託」、アパレルの「商社丸投げ」
百貨店の構造的な問題は以前から指摘されている通り、派遣販売員と委託仕入れである。
百貨店側は不良在庫を抱えるリスクを回避し、同時に販売員の人件費を削減できる。アパレルは、百貨店の売場を自分の店のように自由にコントロールすることが可能になる。完全買い取りの場合、店頭の不良在庫が増えれば新しい商品を入れられないが、委託仕入れであれば、商品を交換することができる。基本的に買い取り条件のアメリカの百貨店では売れ筋商品ばかりに偏り、アパレル側が実験的な商品を展開できないという欠点もある。その点では、「委託+派遣」のメリットは存在する。
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May 16, 2004
最近流行っているもの。スローフードにスローライフ。その延長でスロービジネスはどうだろうか。
いわゆる小商いで生活する。国際都市で最先端のビジネスにチャレンジするのではなく、地方都市や東南アジアでゆるいビジネスをする。ゆるいビジネスと言っても馬鹿にしたものではない。言い方を換えれば、ニッチ市場戦略ということにもなる。
そもそも競争の激しいビジネスは、競合相手が多いから競争が厳しいのである。皆が目をつけるビジネスだからギラギラしている。いかにも儲かりそうであり、参入したくなるのだ。しかし、あまり儲かりそうもないゆるいビジネスには誰も参入する気にならないだろう。しかし、競争の少ないオンリーワンのビジネスならば利益も期待できる。
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May 04, 2004
産地に欠けているのは企画機能と販売機能。一言でいえばビジネスを組み立てる機能が欠如している。特定の技術はあるのだが、常に他者のビジネスに依存している。役割分担ということで考えれば悪いことではない。むしろ、ビジネスを考えない優秀な下請業者の存在が、大企業を支えてきた。しかし、下請業者に仕事を出していた大企業は中国に生産を移転してしまった。国内産地が国際化の波に取り残された原因は、内外のコスト格差とされるが、それ以前にビジネスを他者に依存していたことも大きな原因と考えていい。自社でビジネスを組み立てられれば、自らが中国生産を活用するビジネスに参入し、国内生産との棲み分けを考えていたと思われる。
産地の製造業者は、国内空洞化の責任がアパレル、商社、流通企業にあると考えている人が多いようだが、彼らに商品供給している企業のほとんどが日本の合弁企業であることを見逃してはならない。もし、産地企業が自立していれば、合弁企業の多くは日本の製造業者との合弁であったはずである。しかし、多くの製造業者はその意志もなく、資本調達や海外での労務管理や生産管理の能力を持っていなかった。その結果が現在の空洞化である。
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April 26, 2004

(写真はリニューアルした店舗ではありません)
新宿ルミネ1のリニューアルは、駅ビルの新しいあり方を示している。リニューアル後のショップは百貨店のインショップを超えるクオリティの空間を持っている。これまでのファッションビルは百貨店よりも簡単な造りのショップが多かったが、ショップ空間のクオリティが逆転しているのだ。
百貨店の差別化を図るため、あるいは他のファッションビルとの差別化を図るために、今後、都心の一等立地の駅ビル等は次々と上質な空間へとリニューアルを続けるだろう。
また、最近の傾向として、SPA型アパレルよりもセレクト型の専門店の方が高いステイタスを演出している。統一感を重視するトレンドか、ミスマッチなコーディネートのトレンドかによって、両者の力関係は変わってくる。現在は統一感よりも選択肢の幅に魅力を感じているのだろう。
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