コロナグローバリズム j-fashion journal(500)
1.グローバリズムは行き詰まったのか?
こんな風説がある。「トランプ大統領はウォール街の国際金融資本と戦っていた。しかし、彼は中国との対立を鮮明にして、アメリカ第一主義というローカリズムを提唱した。これはグローバリズムを破壊する過激な動きだったため、一期で無理やり下ろされた」
真偽は不明だが、世界第一の経済大国が世界第二位の経済大国に対して、自由貿易の原則を破り、互いに報復関税を掛け合うという前代未聞の事件が起きたのは現実である。私個人も、トランプ元大統領の政策を見て、「日本にとって中国生産とはなんだったのか」と考え直した。
グローバリズムとは、世界中の企業を一部の大企業の下請けにすることではないか。そして、一部の大富豪と大多数の貧困者を生み出す仕組みではないか。それなら、地域で自立した経済を構築し、自立したビジネスを営む方が幸せではないのか。中国経済が減速する中で、最早グローバリズムは限界を迎えたのではないか。そう考えたのだ。
2.ウイルス人工起源説は本当か?
グローバリズムが崩壊する中で、COVID-19が世界中に蔓延した。トランプ元大統領は、COVID-19を「チャイナウイルス」と呼び、「感染拡大の責任は中国にある」と主張した。更に、ポンペオ国務長官は「新疆ウイグル地区のウイグル人人権弾圧はジェノサイドである」と認定した。これで世界の分断は決定されたかに見えた。
しかし、新たなグローバリズムがスタートしていたのだ。通常、新しいウイルスによる感染症が発見されても、多くは局地的な流行で終息する。毒性の強いウイルスは、感染が拡大する前に感染者が死亡してしまうので世界的に広がることはない。毒性の弱いウイルスで死亡リスクが少なければ、単なる新型インフルエンザということで処理されるだろう。感染力が強く、毒性はそれほど強くない。しかも、潜伏期間が長く、無症状感染でも感染力を維持する。パンデミックを起こそうと思えば、これが理想的なウイルスとなる。
最近になって、この理想的ウイルスが人為的に作られたのではないか、という可能性が出ている。武漢ウイルス研究所では、重症急性呼吸器症候群(SARS)のウイルスを研究するために、コウモリのウイルスと結合させた「人工ウイルス」を造った。これは「機能性獲得実験」と呼ばれるもので、ある遺伝子の機能を調べるためにその機能を増強させる実験手法である。
元々、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長が米国内で機能性獲得実験を行っていたが、2014年10月に米国政府がこの実験に対する資金供給を停止したために、武漢ウイルス研究所に間接的に資金援助し、機能性獲得実験を委託していた、という疑いが出ているのだ。それを裏付けるように、COVID-19のウイルスの分子配列が人工的なものであるという研究論文も発表されている。
更に、中国政府は春節の海外旅行を禁止せず、WHOのテドロス事務局長が「中国人観光客の受け入れ拒否すべきではない」と発言した。
現在、米国の主流メディアも、連日ファウチ所長に関するニュースを流している。近い将来、真相が明らかになるだろう。
3.治療薬よりワクチン接種
2020年の段階では、効果が確認された治療薬のニュースが次々と報じられた。アビガン、レムデシビル、イベルメクチン等、別の病気の薬として開発された薬を試験した結果、効果があると報じられたのだ。
しかも、これらは特許の切れたジェネリック薬もあり、価格も安い。逆に言えば、製薬会社にとって、利益の出ない薬であり、これらが普及して効果が出れば、ワクチンの接種も進まないだろう。
2021年になると、治療薬に関するニュースは姿を消し、ワクチン開発のニュースが増えてきた。ワクチンさえ打てばコロナ禍は収まると報じられたのだ。
もし、COVID-19が人工的に開発されたものだとすれば、そのワクチンも同時に研究されていたに違いない。重症急性呼吸器症候群(SARS)のワクチンは、現在まで開発されていないが、今回のCOVID-19のワクチン開発は非常に早かった。
中国製ワクチンは不活化ワクチン(死んだウイルスの一部を使って体の免疫系を刺激するもの)であり、米ファイザーと独ビオンテックや、米モデルナが開発したワクチンはmRNAワクチンである。どちらも、通常なら開発までに最低3年は掛かると言われているが、それを1年程度で実用化したのだ。そして、迅速に緊急使用を認められている。
そして、世界中で接種が始まった。グローバルなウイルスに対して、グローバルなワクチン接種が行われたのだ。
ワクチンの効果は、半年と言われている。半年に一度のワクチン接種が定着すれば、巨大なグローバルビジネスとなるのだ。
4.グローバルワクチンビジネス
ワクチン接種をグローバルビジネスと考えると、世界が均一な市場であることが望ましい。世界の感染者が同じように推移し、重症化や死亡率も同じであれば、同じワクチン接種を世界規模で行うことが可能になるからだ。
しかし、グローバル市場の中でやはり日本市場は異質なようだ。米国では全人口の10%が感染しているのに対し、日本は0.1%に過ぎない。そして、発症しても治療により回復する人が圧倒的に多い。6月18日現在の実効再生産数は0.82なので、パンデミックは収束に向かっていることが分かる。
もし、米国が日本のような状況ならば、何の制限も行わないだろう。それでも、日本のマスコミは懸命に恐怖を煽り、ワクチン接種を呼びかけている。一方で、「ワクチンによる集団免疫獲得は困難である」という弱気なニュースも増えている。
アメリカでは、新型コロナウイルスワクチンの接種を少なくとも1回受けた人が1億2000万人を突破した。感染が収束に向かい始めるのに必要な免疫獲得者の割合を「集団免疫閾値(いきち)」と呼び、その割合はウイルスによって異なるが、新型コロナの場合は60~80%の間とみられている。米国バイデン大統領は集団免疫を獲得するのは、早くて今年の夏末と発言している。
集団免疫を獲得する方法は、実際に感染する以外は、ワクチン接種しかない。しかし変異株の出現やワクチンへの信頼の欠如、データ不足といった多くの要因から、現時点では集団免疫の獲得時期を予測することは不可能と言われている。
更に今後、感染歴やワクチン接種歴のある人でも感染のリスクがある変異株が生まれる可能性もある。また、最近の研究によれば、新型コロナの免疫持続期間は人によって大きく異なるとみられている。そのため、感染した後に回復した一部の人、あるいは全ての人が再び感染する可能性があるという。こうなると、ワクチンは本当に効果があるのか判断できなくなる。
ワクチン接種は重症化を防ぐ効果はあると言われているが、一方で副反応も報告されている。このバランスにより、グローバルワクチンビジネスが継続できるかが決まるだろう。
*有料メルマガj-fashion journal(500)を紹介しています。本論文は、2021.6.21に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。