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July 30, 2023

戦争の時代と「鬼」コンセプト j-fashion journal(546)

1.異界から鬼門を通じて鬼が来る

 鬼について考えてみたいと思います。鬼の姿の特徴は、頭に「角」が生えていて、「虎」の腰布を身につけています。
 この姿は鬼門に由来しています。鬼門とは、北東(丑と寅の間)の方位・方角のことで、日本では古来より鬼が出入りする方角であり、忌むべき方角とされています。艮が鬼を象徴する方角なので、鬼の姿は牛の角と虎の腰布ということになりました。
 古来、都の鬼門と裏鬼門、つまり、北東と南西の方角には、鬼が侵入しないように寺社が設置されていました。
 平城京では鬼門の方向に東大寺が、裏鬼門の方向に植槻八幡宮、平安京では大内裏から鬼門の方向に比叡山延暦寺、裏鬼門の方向に石清水八幡宮、鎌倉では幕府から鬼門の方向に荏柄(えがら)天神社、裏鬼門の方角に夷堂、江戸では江戸城から鬼門の方向に東叡山寛永寺、裏鬼門の方向に増上寺が設置されています。
 ここでイメージされる鬼は異界からの侵入者です。異界とは、地獄、あるいは怨霊の住む霊界を指します。
 時代と共に異界のイメージも変化しています。地球以外の星も異界であり、宇宙から地球に侵入してくる攻撃的な生命体も鬼といえます。そういう意味では、エイリアンもプレデターも鬼です。
 仮面ライダーや戦隊ものは、外部から侵入した鬼と戦うために、人間が鬼に変身する物語ともいえるでしょう。

2.隠れて生きる鬼

 日本語の「おに」は、「おぬ(隠)」が転じたものと言われています。元来は姿の見えないもの、あるいは、人里離れた場所に住む者を指しました。
 平安時代の鬼は、大きな身体、一つ目、大きな口、角、赤い褌、手足が三本指などの特徴が示されています。これは仏教経典に描かれた鬼の図像の影響が大きい、と指摘されています。一つ目の鬼は「たたら製鉄」に従事していた者を象徴するという説もあります。鉄の温度を判断するために、高温の炎を凝視することが多く、そのため片目になる人も多かったということです。
 更に、鬼は白人であったという説もあります。現存、最古と言われる絵巻、大江山絵巻に登場する酒呑童子は、髪は茶色で、眼も明るい色です。赤い肌は日焼けの比喩と考えられます。体格も非常に大きく描かれています。
 古代日本は、現代人が想像する以上にグローバル社会でした。髭と揉み上げと帽子という典型的なユダヤ人の埴輪が発掘されていることも偶然ではありません。
 これらを総合して考えると、古来の日本は外国人も数多く生活していて、その中の一部でたたら製鉄の技術を持つ職業集団が、人里離れた山中にいたのではないか、とも想像できます。これはアニメ「もののけ姫」の世界観とも共通しています。
 そして、彼らもまた「鬼」と呼ばれていました。鬼は隠れて生きている。姿が見えないからこそ、恐怖は増大される。それが鬼の怖さです。 
 
3.現代における鬼とは?

 鬼はルールを守りません。平気で人を殺します。場合によっては、人を食べます。鬼の姿は、筋肉隆々のマッチョで、武器は原始的な金棒です。
 鬼は力、暴力への信仰を象徴するものです。話し合いなんて関係ありません。力づくで相手を屈伏します。鬼は理不尽な存在です。しかし、自然界にも理不尽が存在しています。弱肉強食という悲劇の中で、生態系は循環し、生命を維持しているのです。
 デジタル化が進む中で、筋トレやボディビルディングには根強い人気があります。ある意味で、人は鬼の肉体に憧れているのかもしれません。
 戦争は、古代から現代まで続いています。戦争には、弱肉強食に通じる普遍的な要素が含まれています。
 異界からの侵入者が鬼ならば、ウクライナ人に侵入してきたロシア軍は鬼ということになるでしょう。
 現代人は戦争を通じて、原初的な存在である鬼を思い出しているのかもしれません。
 
4.あらゆる商品の鬼化を考える

 戦争の時代は鬼の時代です。鬼という言葉が接頭語に使われる時、そこには「大きい」「強い」という意味が付加されます。オニヤンマ、オニユリ、オニアザミなどです。
 最近のギャルも、オニという接頭語を使います。オニムカ(凄く腹が立つ) オニウマ(凄く美味しい)などで、こちらは「超」「凄い」という強調の意味を持たせています。
 アニメ「鬼滅の刃」の大ヒットも、鬼という文字をタイトルに入れることにより、レトロだが新鮮で強烈な印象を与えることに成功したのだと思います。
 鬼というネーミングやコンセプトは、現在の世相に合っています。あらゆる商品に、鬼を付けると、新しいコンセプトになるかもしれません。
 「鬼せんべい」といえば、厚く大きく固いせんべいになります。「鬼饅頭」は、大きくてごつごつと尖った形状でしょうか。鬼うまい棒は、大人向けのスパイシーなうまい棒。俺のステーきではなく、鬼のステーキの方がパンチがあるかもしれません。
 鬼Gショック、鬼スマホ、鬼バイクはどうでしょう。
 ファッションなら、鬼パーカ、鬼ブルゾン、鬼パンツ。鬼デニム、鬼スウェット、鬼Tシャツ。
 平和な時代には、ソフトで洗練された商品が求められますが、戦争の時代には無骨で荒々しく強い商品が求められるのではないでしょうか。

*有料メルマガj-fashion journal(546)を紹介しています。本論文は、2022.5.9に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。  

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