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April 01, 2023

「生と死」に関する故人Tとの会話 j-fashion journal(469)

 おー、久しぶり。元気。前回は、日暮里だよね。Mと一緒に飲んだじゃん。あの時、結構酔ってたでしょ。最後、呂律が回ってなかったよ。
 この間、Mからチャットが来てさ。「またT誘って飲み行こうぜ」という話になったんだけど、お前が「癌で闘病中だ」って言うから、「じゃ落ち着いてからだな」ということになってたわけよ。
 そしたら、急にお前の奥さんからメールが来て、死んだって言うから、びっくりしてさ。葬式も終わったっていうから、「まぁ、そういうご時世だよな」とは思ったよ。
 悪い悪い。こっちも良くなると思ってたけどさ、入院したら全然回復しないわけ。どんどん弱って、死んじゃった。
 それはいいけどさ、話したいこと一杯あるんだよ。
 あぁ、俺だって聞きたいこと一杯あるよ。そもそも何で死んだ奴がノコノコ出てくるわけよ。
 これ、みんな誤解してるんだよね。病気が悪くなると死ぬじゃない。だから、死んでる状態は病気より具合が悪いと思うでしょ?でも、実際死んでみると、悪いのは生きているからであって、死んでしまえば悪いところはなくなるでしょ。だから死ぬと健康。
 それって、命より健康が大事っていう話かい。
 そうそう、死んでみて分かったことがいろいろあってさ。それを話したかったんだ。
 まずさ、なぜ死んだのに話しているかと思うんでしょ。でも、人間の会話ってさ、相手の話を聞くよりも、自分の言いたいことを言い合っているだけで、相手が生きているとか関係ないんだよね。話しやすい相手に話しているようだけど、結局、自分で話したいことを話しているだけだからさ、相手の存在はそれほど重要じゃないんだよ。
 まぁ、そう言われてみれば、そうかもしれないね。チャットとかもさ、相手が生きているかなんて考えていないもんね。
 そうでしょう。肉体があるとかないとか言ってもさ、普通話してる時に相手の肉体なんて考えないでしょ?
 そりゃ、お前の肉体を考えながら話していたら気持ち悪いよ。
 でしょ。だから、生きてても死んでても、肉体があってもなくても関係ないんだよ。
 まぁね。それで話したいことって何よ。
 そうそう。Sさん、死んだことないよね。。
 そりゃないよ。生きてるんだから。
 いや、もしかして、死んでるかな、と思って。そうだと、今から言う話は興味ないかもしれないなって。
 だから死んでないって。
 死ぬ瞬間って、どんな感じだと思う?だって一度しか死ねないからね。それを確認する唯一のチャンスでしょ。
 でも、臨死体験の話って結構あるでしょ?
 あるんだけど、あれはあくまで臨死であって死んでない。臨死と死が同じであるっていう証明されてないし。
 自殺と自殺未遂は全く違うってのと似てるかな。
 でも、実際には結構難しいわけ。なぜなら、死ぬ瞬間って身体が弱っていて、痛み止めの麻薬とか打たれてるから、意識もあまりないんだよ。そうすると、いつ死んだか分からないということになる。朦朧としているうちに死んじゃう。
 だから、痛み止めは打たない方がいいんだよね。その瞬間を確認してければ。
 でも、痛いの嫌でしょ?
 そう。だから、朦朧としながらも、頑張って意識の一部を意識しておこうと思って。生きているかちは、痛いわけだよね。でも、人間は凄く痛いと失神するからね。多分、痛みって、脳が危険信号を出しているわけでしょ。でも、危険信号出しても無駄だよね、となったら痛くなくなるんだよ。
 瞬間って本当に瞬間だから、凄い透明の膜があって、そこを通りすぎる感じ。通る前は生きているから痛かったりするんだけど、通った瞬間に何も感じなくなる。記憶もなくなるから、今まで痛かったことも忘れるんだよ。つまり、生と死の間って、本当に一瞬、という話。それで死んだことがわかる。
 なるほどね。でも、その話って、生きている俺が聞いて、何か役に立つこと?
 役には立たないけど、面白いじゃん。だって、死ぬ前は大騒ぎするわけでしょ。いろいろと。まぁ、それが生きてるってことだけどね。
 そういえば、前に「長生きしたいか?」って話になったよね。お互いに「別に長生きしたくないよね」っていう結論だったけど。
 生きることが目的ではなくて、生きて何がしたいのか。何をするのか、ということだからね。そういう意味では、大体やりたいことはやったし、ジイさんになって出来ることも限られてるしね。
 もしかすると、長生きしたいというのは、死にたくないというのと同義語かもしれない。死ななければ長生きだから。
 だから、死ぬ瞬間の話をしたっていうこと?
 いや、それは単純に面白いからっていうだけだけど。
 こんな話ができるのも、Tしかいないっていうことかな。
 お互いにね。じゃあ、また。

*有料メルマガj-fashion journal(469)を紹介しています。本論文は、2020.11.16に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。  

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