「いいね!」需要に対応しよう j-fashion journal(428)
1.「いいね!」需要の対応で明暗が分かれる
おいしいものを食べる。それを家族や友人に話す。「私も食べたかった」「羨ましい」などと言われることで、喜びは膨らんでいく。しかし、どんなに多くの人に自分の感動を伝えようにも、せいぜい10人足らずだろう。
ところが、SNSに画像をあげると、何百、何千という「いいね!」がつく。知らない人から「いいね!」をもらうと、何だか絆が生まれたような気がする。わざわざ友人と待ち合わせて、会話の場を作る必要もない。単純に画像をあげればいいのだ。
最早、観光もグルメもファッションも、写真を撮り、その画像をあげることが目的となっている。そのことに気づいた小売店や飲食店は顧客を集め、売上を上げている。そのことに気づかずに、相変わらず商品を売ることばかり考えている店は顧客が離れている。
顧客は街を歩きながら、常に写真映えするスポットを探してる。それは神社でも、商店街でも、食堂でも何でもいい。機能が問題でもないし、商品が問題でもない。単純にビジュアルの問題である。ビジュアルを提供できるか否か、それが人気の分かれ目になる。
2.「いいね!」時代の理想の店
理想の店とは、どんな店だろう。
顧客か押し寄せ、商品を殺到し、我先にレジに持っていく店。そんな店があるとしたら、それはどんな店か。
例えば、アイドルのコンサート会場のグッズ売り場。あるいは、プレミアムがつくことが確実の限定商品の発売日。アイドルが店頭で販売するイベント。そういった特殊な条件が重ならない限り、商品を並べているだけの店に顧客が殺到することはない。
「いいね!」需要に対応するという意味で理想の店は、顧客が「カワイイ」といいながら、自分の買った商品やそれを持った自分の写真を撮りまくる店だ。入店を待つ大勢の顧客が行列を作り、店内ではキャーキャー言いながら撮影しまくる店。
その店はどんな内装で、どんな商品で、どんなスタッフがいればいいのか。
そこから逆算して、ショップを企画し、販売員を採用し、商品を展開する。
そんな店と現在の店を比較してみよう。
3.「いいね!」時代の市場調査
もし、若い人がターゲットであれば、どんな店が理想かを聞いてみるといい。そこでどんな写真を撮りたいか。
あるいは、キャリアウーマンなら、ミセスなら、どんな店に行きたいのか。
これが最大の市場調査である。最早、競合店の品揃えを分析しても、ほとんど意味がない。競合店もその他の店もみんなで沈んでいるのだ。
トレンド情報よりも、個性が重要になる。撮影するならオンリーワンの写真がいい。他と似たものに意味はない。
ここで重要なのは、商品よりビジュアルだ。オンリーワンの商品ではなく、オンリーワンのビジュアルである。商品以上にショップが重要であり、ショップを飾るオブジェや壁画等が重要である。被写体の主人公は顧客であり、ショップはその背景と演出を担当する。
商品は背景であり、演出小物である。そんな商品企画が求められている。
4.クローズドなスタジオショップ構想
「いいね!」を提供するなら、一般の店のような立地でなくてもいい。外から見えるビジュアルが問題ではなく、店内のビジュアルが問題なのだから、倉庫のような建物でもいい。写真撮影をメインに考えれば、天井の高い撮影スタジオのような空間が理想的である。
内部はいくつかの撮影ステージが設置される。それぞれの背景が用意され、最適な照明器具が配置され、動画撮影にも静止画撮影にも対応している。
フリーランスのヘア&メイクアーティスト、ネイルアーティストがシェアできるサロンの部屋も設ける。
パウダールームには、化粧品メーカーとの協賛でコスメティック製品を用意する。
撮影用のレンタルドレス、購入も試着も可能なアパレル製品、アクセサリー、ウイッグ、帽子、靴、バッグ等も用意されている。
動画コンシェルジュに依頼すれば、動画の編集や加工、SNSへのアップロードも可能である。
もちろん、軽食が撮れるカフェも併設する。立地にもよるが、夜間はクラブやライブハウスとして営業するのも良いだろう。
モノを売るよりコトを売る。それを本気で考えたら、ショップそのものの発想の転換が必要なのではないか。
*有料メルマガj-fashion journal(428)を紹介しています。本論文は、2020.2.3に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。
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