企業検定の提案 j-fashion journal(410)
1.社員教育を公開する
社員教育にEラーニングを活用する企業が増えている。PCに向かわなくても、スマホで受講することが可能であり、教材も印刷せずに、WEB上に置くことで、常に最新の情報にアップデートできる。修正や追加も容易であり、費用も低く抑えられる。
社員教育の内容にもいろいろある。現場の社員だけに役立つ作業マニュアルだけではなく、会社の歴史や企業文化、展開している製品に関する技術情報や製品情報等々も含まれる。
有名企業の社員教育は、一般の人々にとっても興味深いものだろう。社員教育のテキストには、学校の授業にはないリアリティがある。
企業のケーススタディを学びたいと思う人は多いが、社内の情報を積極的に公開している企業は少ない。学術的な研究者や大学のために、積極的に会社に関する情報を公開することは、それだけでも社会貢献活動になる。
私は、社員教育のコンテンツを基本に、更に文化的、技術的内容を膨らませて、会社と製品に関する検定を作りたいと思う。
例えば、「東レ合繊検定」「YKKファスナー検定」「旭化成ベンベルグ検定」「無印良品検定」「ユニクロ検定」「イオン流通検定」「サントリー飲料&サプリメント検定」等々。
企業を学ぶことは、産業を学ぶことであり、生きた経済を学ぶことでもある。
2.企業研究と企業検定
これまで大学や学校では、一つの企業を徹底的に勉強する機会は少なかった。大学は中立的な立場であり、互いに競合している企業の一つだけを紹介することは、アンフェアになるという配慮もあるのだろう。
しかし、冠講座ならば、企業研究もあり得る。特定の企業がスポンサーになり、自社に関する教育を行う。それにより、企業に興味を持つ学生が増えれば、優秀な人材を獲得する機会も増えるからだ。
冠講座はアメリカや中国では一般的に行われているが、日本の大学では少ない。それなら、大学内の教育ではなく、一般人を対象にしたオープンな検定を基本に考えるのはどうだろうか。企業の社会活動の一環であり、新しい社会勉強の手段でもある。
3.顧客の組織化と将来の人材育成
企業検定は、企業戦略、企業文化などの「見える化」につながる。
また、製品をサービスを詳細に解説するインフォマーシャルの機能を果たしてくれる。
顧客が商品を購入する動機は、商品のコストパフォーマンスだけではない。意識の高い人ほど、企業の社会貢献や環境問題に敏感である。顧客に企業の社会的意義を訴求することができれば、重要な購買動機を与えることにもつながる。
企業検定を推進することは、高度な社会的な宣伝広告の機能を持つのである。
4.教材及び検定問題の作成
教材は、企業の会社案内、企業WEB等、公開されている情報が基本になる。会社の社史や社内報、雑誌や新聞に掲載された企業の紹介記事があれば、それらも参考になる。
最も中心になるのは、製品カタログ等である。
更に、生きた情報としては、経営陣へのインタビュー、商品に関する情報収集としては、商品企画開発の責任者へのインタビュー等も行う。インタビュー動画そのものも、検定の問題になりうる。インタビュアーの質問に対して、社長のコメントを四択から選ぶというような問題も面白いし、企業への親しみを訴求できるだろう。
3カ月ほどで資料収集とインタビューを行い、1~2カ月で問題を作り、1カ月で社内の人と打ち合わせしながら、細部を調整する。その後、社員にモニターになってもらい、あるいは、実際に社員教育に使ってもらい、アンケート等を収集して、問題がなければ、一般公開する。
検定は、まず社内から実施し、次に業界マスコミ、取引先に告知する。将来の人材育成と言う意味では、就職活動の学生にも告知するのも良いかもしれない。検定を取得すれば、書類審査でも評価が上がるということになれば、真剣に取り組むかもしれない。
*有料メルマガj-fashion journal(410)を紹介しています。本論文は、2019.9.30に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。
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