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November 21, 2019

西日暮里でニット講座を j-fashion journal(385)

1.アパレル起業はニットから始めよう
 
 アパレルで起業するなら布帛よりニットだ。私は昔からそう考えている。
 布帛の商品を作るには、資本力が必要だ。例えば、オリジナルの色をつけたいと思っても、染色ロットがある。
 ニットなら好きな糸を選べば、オリジナルの色の商品ができる。1キロでも染色することが可能だ。
 布帛製品を生産するにはミシンが必要だ。手編みなら編み棒あればよい。
 ニットは簡単に様々なアイテムを作ることができる。プルオーバー、カーディガンだけでなく、スカートやパンツ、ワンピースも作れるし、帽子やバッグ、アクセサリーを作ることもできる。
 何よりも、ニットデザイナーの数が少ない。ファッション専門学校の卒業生はほとんどが布帛の製品を作る。布帛とニットでは全く作り方が異なる。ニットの企画や生産について知る人が少ないのである。
 数が少なければ、競争が少ない。知名度を上げるのも有名になるのも比較的容易だ。
 
2.縫製工場とニッターの違い

 縫製工場とニッターとビジネスの形態が異なる。日本の縫製工場は、アパレル企業が所有する生地を預かって、一枚あたりいくらかの縫製工賃を受け取る。
 ニッターは糸を仕入れて、自社でニット製品に加工して製品を販売する。
 つまり、縫製工場で縫製してもらうには、生地を仕入れなければならないのだ。生地の仕入れは反物(50メートル)で仕入れるのが一般的だ。
 ニッターなら製品で仕入れることができる。この違いはお金の問題だけではない。手間の問題なのだ。製品の原価管理は非常に煩雑な作業である。
 もし、布帛を作るなら、海外の縫製工場の活用を検討した方が良いだろう。生地や付属を自社で仕入れるところが多いし、製品単位で仕入れることができる。
 
3.布帛製品とニット製品の違い
 
 生地はタテ糸とヨコ糸で構成される。基本的にタテにもヨコにも伸びない。
 ニットはループで構成される。タテにもヨコにも伸びる。伸縮性があるのだ。
 伸びない布帛は、正確な寸法で作ることが基本だ。その点、ニットと曖昧である。寸法も置き方で変わるし、仕上げの時に軽く引っ張っただけで変わる。
 布帛製品は正確なパターンを基に生産されるが、ニット製品は指示書の寸法を基に生産される。最近では、寸法も出さずに製品の写真を持ってきて、「こんな感じでお願いします」と発注することも少なくない。ニッターは写真を見て、寸法を想定して生産することができる。
 ニット製品の企画は、テキスタイルデザインの要素が強い。糸を選び、色を選び、編み地を選ぶことが重要だ。服の形は一般的でも差別化ができる。
 もちろん、逆のアプローチもある。色を絞り、編み地も絞り、形で勝負する。そんなニットも魅力的だ。
 布帛は布をまとう服だが、ニットは糸をまとう服だ。糸から作れる分だけ、ニット製品の方がバリエーションが多い。それだけに、差別化も容易だ。
 
4.アクセサリー的なアイテム

 布帛に比べるとニットはカジュアルであり、アクセサリー的でもある。ニット製品は布帛製品よりも自由な色を疲れる。コートやジャケットて派手な色は難しいが、ニットならどな色でも使える。ある意味で、服と服飾雑貨の中間的なアイテムといえる。
 ニットは、コーディネートの中でアクセントカラーの機能も果たす。地味な布帛アイテムに派手なニットを合わせることは可能だが、派手な布帛に地味なニットを合わせるのは難しい。
 また、糸の特徴がダイレクトに伝わるので、高級な糸を使えばその製品も高級になる。カシミヤやアルパカなどの獣毛を自由に使えるのもニットの醍醐味だろう。布帛で高級な商品を作るには、品質の高い生地を扱っているテキスタイルメーカー、高い技術を持った縫製工場、それらを活かせるデザインなどが揃わなければならないが、ニットはもっとダイレクトに素材の力が生きる。
 
5.ニッターとのコミュニケーション

 ニット製品を量産するには、ニッター(ニット工場)とのコミュニケーションが欠かせない。ニッターは編み機を所有し、それを稼働させなければならない。ニット製品の注文を待っている。
 通常、ニットアパレルは最初にサンプルを生産し、それを展示会にかけて小売店から注文を取る。基本的には受注生産である。
 小売店ではなく、顧客から注文を取ることも可能だが、ある程度のまとまった受注ができないとビジネスが成立しない。顧客を対象にした受注イベントも有効だろう。
 イベントの集客には、継続した情報発信が重要である。デザイナーの個性、製品の特徴等を常に発信し、ファンを獲得することだ。
 ニット製品の企画は、編み機と糸に依存する。ニッターが所有している編み機を理解し、生産設備に見合った商品を企画しなければならない。あるいは、最初からデザイナーの個性と相性の良いニッターを探すことが重要である。クラフト的なニットデザインを得意としているのに、ベーシックな商品を量産しているニッターでは相性が悪い。ニッターとデザイナーはパートナーである。
 在庫している糸があるのかも確認しなければならない。つきあいのある糸商も確認しよう。
 長期的な取り組みになる可能性があれば、多少の糸在庫は持ってくれるだろう。しかし、一つのデザインだけのために、特殊な糸を使うような要求には応えないはずだ。最終的に糸を残すことにつながり、利益を確保することかできないからだ。

*有料メルマガj-fashion journal(385)を紹介しています。本論文は、2019.4.8に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。  

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