My Photo

お知らせ

無料ブログはココログ

« ブラック企業という概念は、どのように生れたか j-fashion journal(289) | Main | M&Aによるアパレル再生の可能性 j-fashion journal(291) »

July 23, 2019

生活の中の仕事 j-fashion journal(290)

1.定年からの仕事を考えよう

 多くの人は「定年は仕事ができなくなる制度」だと考えている。しかし、実際は「会社組織から切り離される制度」に過ぎない。ポジティブに考えれば「社員という身分から解放される制度」だ。「定年以後は仕事をしてはいけない」という法律もないし、「会社に所属せずに仕事をしてはいけない」という法律もない。
 私のようにフリーランスで仕事を続けてきた人間にとって、「会社から離れたからという理由で仕事をしないのはいかがなものか」と思う。60歳という年齢は最も仕事ができる年代だ。まだ身体も動くし、頭も働く。多少記憶力や判断力は鈍っているかもしれないが、その分、分別はあるし経験もある。交渉力、問題発見力、問題解決力もまだまだ高い。
 仮に70歳まで健康でいられれば、60歳ならあと10年ある。10カ年計画が立つ。企業だって10年あれば、売上がゼロから数十億規模に成長することは珍しくない。80歳まで考えれば20年もある。20年という期間は、一般のサラリーマンが会社で過ごした期間の半分である。40歳から60歳までだ。「これだけの時間があれば、何でもできる」とは思えないものか。
 仕事もなく趣味もなく、どうやって20年を生きていくというのか。
 
2.有償の仕事と無償の仕事
 
 多くのサラリーマンは、仕事に対して誤解があると思う。サラリーマンは、仕事の成果に関係なく給料を受け取れる。したがって、無償の仕事をした経験がない。たとえば、コンサルタントが企業から相談を受ける。会社を訪問するだけで、交通費も人件費もかかるが、多くの場合、それだけでは報酬は支払われない。企画書を作って提案しても、報酬を受け取れないことさえある。契約しなければ報酬は支払われないし、それ以前の仕事は全くの無償で終わる。
 サラリーマンだって、こういう場面を見たことはあるだろう。自分の身の上に置き換えて考えていないだけだ。我々の意識では、仕事には有償の仕事と無償の仕事があり、報酬にも、生活できる程度の正当な報酬と,生活できないどころか、原価割れの不当な報酬もある。それらを織りまぜて、生活している。
 新しい分野、まだ経験を積んでいない分野では、こちらから無償の仕事を引き受ける。ある意味「無償の学校」に通うようなものだ。無償の仕事を通じて、経験を積み、ノウハウを取得してから有償の報酬の仕事にしていく。無償の仕事によって、自分のノウハウは蓄積されていく。与えられた仕事、できる仕事だけでは、アウトプットばかりでインプットがなくなる。最終的には、時代の変化に対応できなくなる。
 サラリーマンには、こういう発想がない。利益を上げていない無駄な会議の資料作成でも、給料は支払われる。仕事をすることは、就職することであり、報酬が確定することだと思っている。
 定年後に、確実な報酬を求めれば、肉体労働が主になる。サラリーマン時代に培ったノウハウや人脈が活かされる仕事はないし、自分の価値を高めるような仕事もない。そんな仕事を10年も20年も続けられるものではない。結局、仕事を辞めてしまう。勿論、退職金を使った悠々自適の生活も悪くない。しかし、「本当にそんな生活で満足できるのか」と思うのだ。
 
3.束縛されない自由な仕事

 仕事は生活にリズムを与えてくれる。生活に刺激を与えてくれる。そして、仕事を通じて、社会との関係を確認できる。
 会社組織を離れたということは、会社の規則に縛られないということだ。一日、好きな時に働いて、好きな時に休む。会社まで通わなくても、自宅でも、カフェでも好きな場所で仕事をすればいい。
 嫌な上司も使えない部下もいない。全て、自己責任であり、自分の仕事だ。
 問題は誰も仕事を与えてくれないということだ。「どのように仕事を見出すのか」からスタートしなければならない。
 フリーランスの先輩として、私の仕事の方法を紹介しよう。イメージとしては、新規事業開発部長になった気分でいい。事業内容は自由。スタート資金は少なく設定した方が良い。売上や利益は少なくても良いが、継続できること。社会的貢献や公的利益という発想があれば、行政や企業からの支援や協働も期待できる。まず、社会的ニーズにはどんなものがあるのか、を考えよう。できれば、消費者起点に考える。基本は自分自身の生活を起点にすることだ。
 
4.自分の生活を起点に考える

 私は週に何度か買物をする。一人の時もあれば、妻と一緒に行くこともある。私が行く、SCモールには、沢山の専門店が軒を連ねているが、多くは若者向けの商品を扱っている。しかし、顧客層の年齢は高い。顧客とテナントが完全にミスマッチだ。
 量販店の売場も以前よりは頑張っているが、やはり安物か、若者向き。若者向きと言っても本当の若者が買えるものは少なく、若者ぶった中途半端な商品だ。
 高級ブランドの店には気に入る商品もあるが、高過ぎて買えない。
 シニア市場は有望と言われながら、こうした状況が続くのは、企業内の30代、40代の社員に、60代以降の顧客の気持ちが実感できないからだ。ここにビジネスチャンスがある。
 もし、あなたがシニア向けビジネスの新規事業開発室にいたら、どのように情報収集するだろうか。シニア市場向けの情報を検索するだろう。その時、どんな情報が発信されていれば、連絡を取るだろうか。逆の立場で考えれば、あなたがどんな情報を発信すれば、企業が連絡を取るのか。
 インターネット時代のビジネスでは、まず、ネット上に情報発信することから始まる。あなたの存在がネット上にアップされていなければ、誰にも気づかれない。

5.SNSからの発信で社会とつながる

 会社員の時には、「SNSなんて暇人のやるものだ」と思っていたかもしれない。しかし、会社から離れた個人にとって、SNSは社会とつながるための有力なツールだ。個人情報が漏れるのが怖がる人も多いが、私は積極的に個人情報も公開するべきだと思う。勿論、全てを公開するのではなく、他人が読むことを前提として文章を書くこと。愚痴、ヘイトスピーチ的な書き込みはしない方がいい。
 SNSを理解するには、とにかく個人としてやるしかない。いきなり、ビジネスを目的にすると、つまらない書き込みばかりが並び、誰も相手にしなくなる。まず、個人が楽しむことだ。
 まず、facebookから始めてみよう。大人の利用者も多い。関連書籍も沢山出ているし、周囲の友人や知人、家族でfacebookをしている人に話を聞いてみよう。facebookで、知人、友人を検索してみると、何人かの知り合いが見つかるはずだ。見つかったら、友達申請を行う。相手が了承すれば、その人のコンテンツが見られる。facebookでは、無料で自由にグループを作ったり、参加することができる。様々な愛好家がいて、それぞれの意見を発信しているので、市場調査に適している。
 facebookを活用すれば、会社や商品をPRすることもできるし、広告もできる。今後は、個人主体のビジネスが増えるので、他人より先にノウハウを身につければ、それを発信するだけで、ビジネスにつながる。

*有料メルマガj-fashion journal(290)を紹介しています。本論文は、2017.6.12に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

 

« ブラック企業という概念は、どのように生れたか j-fashion journal(289) | Main | M&Aによるアパレル再生の可能性 j-fashion journal(291) »

ファッションビジネス」カテゴリの記事

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

« ブラック企業という概念は、どのように生れたか j-fashion journal(289) | Main | M&Aによるアパレル再生の可能性 j-fashion journal(291) »