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January 08, 2019

セラピースクリーンの提案 j-fashion journal(286)

1.季節感を演出する生活空間の喪失

 日本人が落ち着く空間とは、どんなものだろう。農村の民家か。あるいは、京都の寺院だろうか。
 若い世代の中には、コンクリートの打ちっぱなしやガラスで囲まれたモダンな空間を好む人もいるかもしれない。しかし、年齢を重ねるほどに、日本の自然、日本建築に惹かれる人が多くなるのではないか。
 日本建築は、「木と紙と土」でできた建物と、庭で構成される。庭は自然を取り入れ、季節感を感じさせる。建物も素材の色や質感をそのまま活かしている。非日常空間を演出する寺院建築等は、木に彩色したり、漆を塗ることもあるが、それは特殊な事例だ。
 多くの日本人の生活空間は自然の素材と色で構成されていた。唯一、季節を演出する空間として組み込まれたのが「床の間」だ。自然の素材の中で、床の間という特殊な空間に「掛け軸」と「活け花」で季節を演出した。

 最近の日本の平均的住宅は、床は化粧合板、壁や天井は白い塩化ビニールのフィルムで覆われている。ほとんどのカーテンはポリエステル製である。
 既に、床の間も襖も障子ものれんも姿を消した。最早、インテリアで季節感を演出する装置はなくなってしまったのだ。生活空間の中の季節感の喪失が、ベランダのガーデニングやインドアグリーンというささやかな自然への興味を掻き立てているのかもしれない。
 
2,生活空間を演出するスクリーン

 加齢と共に、日本趣味に回帰していくのは、日本人のDNAに刻まれた記憶だろうか。それとも、自然の中で生きたいという動物の本能か。
 人は、自分の人生の最後をどんな空間で迎えたいと思うだろうか。少なくとも私は、塩化ビニールと樹脂のタイルでポリエステルで囲まれた空間よりも、木、紙、土で作られた空間に囲まれたいと思う。
 もし、外出ができないのなら、床の間のように部屋の中で季節を感じたいと思う。しかし、病院に床の間を造るには費用が掛かりすぎる。壁に絵画や写真などの額を飾るのも良いが、地震の多い日本では落下の危険性もある。ポスターなどの紙は破れたり、プッシュピンが抜け落ちる危険性もある。
 そこで、布にデジタルプリントをして、それを簡単に装着できる仕組みを考えたい。デジタルプリントは、大きな図案を分割してプリントすることもできる。また、連続して構成すれば、ストーリー性を組み込むことも可能だ。
 施設の壁面や廊下に、タテ180センチ、ヨコ90センチ程度のスクリーンを張れる仕組みを作る。スクリーンが簡単に取り外しできれば、季節ごとにスクリーンを交換することもできるし、レンタルサービスも可能になる。
 
3.カラーセラピー・スクリーン

 高齢者向け施設や介護現場におけるカラーセラピーについて研究しているのが、日本ユニバーサルカラー協会だ。日本ユニバーサルカラー協会南涼子理事長によると、「白やグレーの単調な部屋とかカラフルで変化に飛んだ部屋では、カラフルな部屋の方が脈拍が落ち着き、心電図も穏やかになる」という。また、「単調な環境は人を内向的にさせ、不安や心配などを増幅させる」とのこと。高齢者の判別しやすい配色には、「黒×黄色」「白×青」「白×赤」「クリーム×濃い茶」「淡いピンク×青」等をあげている。
 たとえば、こうした理論にに基づき、カラーセラピー効果のあるインテリアスクリーンの設置はできないだろうか。
 単純な色のパネルではなく、その色を質感を含めた画像で表すこともできるかもしれない。
 黒×黄色であれば、豹や虎、熱帯魚、爬虫類、スポーツカー、ピースマークや顔文字。
 白と青であれば、空と海と白い建物。空と雲。空と雪景色。夜景の写真。
 白と赤なら、バラやカーネーション、ツツジ、曼珠沙華などの様々な花。金魚。きものなど。
 クリームと濃い茶は、キリン、カステラやプリン、バナナなど。
 淡いピンク×青は、青空を背景にした桜、夕焼け。
 こうした写真やイラストを絵画のように独立した作品として並べるのもよいし、連続性のある作品を並べるのも良いだろう。
  
4.過去を再現するセラピースクリーン

 高齢になると、最近のことは忘れても、昔のことは覚えていることが多い。昔の写真や、昔住んでいたような住宅に入ると、それだけで脳が活性化するようだ。
 過去の再現するセラピーも考えられる。たとえば、現在80歳の人なら60年前に活躍していた芸能人の写真、当時の風景や町並みの写真、全国の観光地の絵はがきの写真を見せれば、自然と会話が生れるのではないか。
 勿論、高齢者向け施設の入所者の家族に頼んで、若い頃の写真を集めてもらい、それを等身大に引き延ばしてデジタルプリントでスクリーンにして展示する。それだけでも、昔の記憶がよみがえり、会話が弾むだろう。
 このほかにも、スクリーンのアイディアは無限だと思う。新たなインテリアアイテムとして商品開発をしたいと思う。

*有料メルマガj-fashion journal(286)を紹介しています。本論文は、2017.5.15に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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