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January 22, 2018

ファッションビジネス百問百答 j-fashion journal(275)

1.ファッション業界は不況ですか?

 日本市場だけ見ると不況です。人口減少社会で成長が見込めません。
 海外に目を転じると、ファッションは成長産業です。経済成長と共に、ファッションを楽しめる中間層が増え、新しい市場が誕生しています。でも、多くの日本企業は海外進出に失敗しています。
 
2.日本のアパレル企業が海外で成功できない理由は?

 多くの日本企業は、日本市場で、日本人の社員だけで運営されています。海外市場の特徴、海外の業界事情、ビジネス常識等を理解していません。
 アジア進出では、現地法人の社長に日本人を送ります。市場を理解せずに進出して、失敗しています。
 

3.日本の百貨店はどうなりますか?

 アパレル企業と呼ばれる企業は小売業です。ユニクロもH&Mも小売業です。小売業が海外工場から直接商品を調達しています。日本の百貨店は、日本国内の一部の問屋から商品を仕入れています。価格競争力がありません。
 更に淘汰が進むでしょう。
 
4.百貨店はどうすれば生き残れますか?

 小売業として生きるか。駅ビルのような不動産業として生きるか。不動産業として生きるには、大量の解雇が必要。小売業では、委託仕入れと派遣販売員に依存して、バイヤーや販売員が育っていないのが問題です。
 立地が良い百貨店だけが生き残るのでしょう。

5.なぜ、アパレルショップの閉店が増えているのですか?

 ショップを増やせば、売上と利益が増えるという常識が崩れました。不採算店が増えています。
 店舗で買物するより、ネットで買物する人が増えているのも原因の一つ。ネットショップの方が在庫負担が少なく、価格競争力もあります。
 
6.インターネットに勝てる店舗の条件は?

 価格だけを考えると、ネットショップに勝てません。そこでしか買えない商品か、店に行くのが楽しいか。
 イベント性がある店。ライブ感がある店。販売している人に会いたくなる店。友達が集まる店。商品や陳列だけでは対応できないと思います。
 
7.売れる店にするには?

 「売れる」は結果。その前に「どんな店なら行きたいか」を考えましょう。商品を並べただけの店なら、ネットで買うのと同じです。
 世の中には同じような店が並んでいます。他店とどこが違うかが重要です。お客様にどんな体験をしてもらうか、を考えましょう。

8.日本製商品をどう思いますか?

 原産国表示の基準は国によって異なります。日本企業が中国に工場を移転し、日本の職人が生産しても中国製。日本国内の工場で未経験の中国人労働者が生産しても日本製。
 日本国内には素晴らしい工場がありますが、全てが素晴らしいわけではありません。
 
9.越境ECをどう思いますか?

 小さなビジネスになっても、大きなビジネスに育てるのは困難でしょう。中国の場合、国の政策が変わると、税関で商品が止められる可能性もあり。
 個人の転売屋が増えています。SNSで決済し、個人ギフトとして商品を送り、関税を避けるという手法です。
 
10.最近のファッションについてどう思いますか?

 昔は、ファッションに投資することで、自分の人生が変わる。そんな時代でした。
 今、ファッションが好きな人は、ファッションマニア、ファッションオタクになっているのかも。
 アパレル製品の価格が下落し、日用品になってしまいました。

11.なぜ、トレンド情報を発信するのでしょうか?

 ファッションは常に変化するもの。しかし、バラバラな方向に変化したのでは、変化が伝わりません。展示会の前に、出展者にトレンド情報を発表し、出展者はトレンドを意識した新商品を発表します。それにより、市場に対する影響力を高めます。

12.コレクションで似た作品が出ますが、デザイナーは相談しているのですか?

 相談していません。コレクションのテーマはもれないように用心しています。
 似た作品が出るのは、生地のトレンドが存在すること。狭いエリアで共通の環境で仕事をしていること。共通の人間関係等が考えられます。
 
13.誰がトレンド情報を作っているのですか?

 欧米にトレンド情報を発信する専門家がいます。彼らが中心となり、市場の2年前にカラートレンド、1年半前にヤーントレンド、1年前にテキスタイルトレンドが発表されます。
 日本のトレンド解説は、欧米のコレクションを分析したものです。

14.ターゲットが異なるのに、同じトレンド情報が参考になりますか?

 トレンド情報は、売れ筋情報ではなく、変化の方向と強さを示します。各ブランドは異なるコンセプト、ターゲットを持ち、それぞれのポジションを保ちながら、トレンドという変化のベクトルに対応することが重要です。
 
15.トレンドと関係ないブランドはありますか?

 デザイナーはトレンドと関係なく、自分のテーマでコレクションを作ります。ファッションは糸、テキスタイル、服という段階があり、全てをコントロールできません。
 結果的に影響は受けますが、トレンドを追いかけるという意味ではありません。
 
16.トレンドカラーは売れますか?

 トレンドカラーは売れ筋の色ではありません。そもそも、国や宗教、人種によって売れる色は異なります。日本国内でも、関東と関西の色は異なります。
 トレンドカラーはあくまで変化の方向性を示すものであり、その色が売れるわけではありません。
 
17.トレンドが売れなくなっているように感じますが?

 供給過剰の市場では、差別化が求められます。同じトレンド情報でモノ作りをすれば、差別化できません。トレンドの解釈により、ブランドの個性を表現しなければなりません。 個性的な服が売れるというのではなく、差別化が必要なのです。

18.トレンドを無視しても良いのでしょうか?

 「市場の気分」「時代の気分」は存在します。欧米のトレンド情報だけでなく、個人のセンサーで市場ニーズを感じとらなければなりません。それがトレンドです。
 トレンド情報を言い訳に使うのではなく、生きたトレンドを感じ、共有しましょう。

19.自分の好みとトレンドが合わない場合は?

 自分の好きな服が売れるとは限りません。市場が求めるものと、自分の好みがどういう位置関係にあるのかを理解する必要があります。好みを持つことは良いことです。それが基準になります。しかし、好き嫌いだけで作った商品は売れません。

20.売れるブランドは何が違うのでしょうか?

 売れるということは、予測が当たるということ。予測が当たると自信がつき、次の予測も当たります。
 売れないことは、予測が外れていること。当たらない原因が分からないし、自信も持てない。悪いサイクルを断ち切り、良いサイクルに乗ることです。

*有料メルマガj-fashion journal(275)を紹介しています。本論文は、2017.2.27配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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