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October 09, 2017

フリーランスでファッションを仕事にするための教育プログラム j-fashion journal(259)

1.ファッションの仕事の可能性

 若い世代にファッションを仕事にすることを勧めたい。ファッションは不況と言われているが、それは正しくない。
 日本国内の既存のアパレルビジネスが不況であることは間違いないが、グローバルに見ればアパレルビジネスは成長している。
 アパレルビジネスとファッションビジネスは異なる。現在、日本のアパレルビジネスが不況なのは、ファッション的要素が欠落したからではないか、という見方もできる。
 ファッションは気分が動く。学校の勉強が得意な高学歴の人はファッションが苦手な人が多い。ファッションは、学歴が役に立たない分野でもある。
 ファッションの世界は自由で多様性を許容する。昔からゲイであることをカミングアウトしても影響を受けないのは、ファッションとヘア&メイクの世界だった。

 ファッションの世界では感性が重視されるため、論理的な視点が欠落しがちである。また、論理的な人は、ファッションが苦手である。そのため、ファッションの世界で論理的なアプローチができれば、他の世界よりも評価される可能性が高い。

2.フリーランスのスタート

 私は学歴社会に背を向けて生きてきた。高校二年の時には、専門学校に進むことを決めていたし、組織に生きるのではなく、プロフェッショナルとして生きていく決意を固めていた。
 勿論、最初からフリーランスで仕事ができたわけではなく、アパレル企業に勤めて、仕事を覚えた。最初から会社は仕事を覚える場であると思っていたので、次々と転職することに抵抗はなかった。
 文化服装学院卒業後、デザイナーブランドのマンションメーカーに就職した。ここでは、良い製品とは何かを学んだ。デザイナーの数ミリの修正を予測し、同期するように努力した。また、産地に出掛けてオリジナル素材開発を行った。
 二社目は、量販店が得意なボリュームゾーンを対象にしたアパレル企業だった。新ブランドを担当させるというので入社したが、最初はニットデザイナーのアシスタントとして働いた。このときに、ニットの基本を学んだ。そして、主にニットとカットソーの新ブランド開発を手掛け、MDとデザイナーを兼任した。
 三社目のアパレルでは、ブランドを立ち上げる仕事に従事し、デザイナー、パターンナー、生産管理の社員をが外部からスカウトし、新規の縫製工場、ニッターを開拓した。
 二社目の会社にいる時から、専門学校の講師をするようになった。それ以降、会社に勤めながら専門学校の講師を続けている。
 二社目の会社で、自分が担当しているブランドの相談で、マーケティングコンサルタントの藤原肇氏に出会った。その出会いが、私のフリーランス人生への転換を決定づけた。
 私が藤原氏に「文章を書く仕事をしてみたい」というと、「単行本を書くつもりでタイトルと目次を作ってみてください」と言われた。一カ月ほどで書き上げ持参すると、その場で、当時の「ファッション販売」編集長の丸木伊参氏を紹介してくれた。それが元で、業界雑誌に寄稿するようになった。
 次第に、私は藤原氏が組織するプロジェクトチームに参加するようになった。私はサラリーマンをしながら、様々なプロジェクトに参加し、企画書の書き方を仕込まれた。
 次第に会社の仕事と外部の仕事の比重が近づき、社内のトラブルにも巻き込まれ、会社を離れ、独立することになったのだ。それが30歳の時である。
 
3.フリーランスに必要なスキル

 私のフリーランスのスタートで必要だったのは、DCブランドでの経験と、新ブランド立ち上げの経験、企画書を書く技術だった。
 また、ファッションジャーナリストとしての取材やインタビュー、文章を書く技術も持っていた。文章を書くことで、考えや理論がまとまり、講演やセミナーができるようになった。
 私がキャリアを積み重ねた頃は、仕事に恵まれていた。現在、状況が変わっており、私のような経験をするのは困難である。
 しかし、ファッションに関する独自の経験を積み、それを文章にしたり、企画書を作る技術があれば、ファッション分野でフリーランスで仕事ができるのではないか。
 最初に行うべきことは、一般のサラリーマンができないような価値ある経験をすることである。価値ある経験とは、自分にとって価値があるという意味もあるが、業界や社会にとって価値があるということだ。
 かつては企業に勤めながら、価値ある経験ができた。勿論、企業は選ばなければならない。新しいムーブメントに乗った企業であれば、新しい体験ができる。安定を望み、古い体質の企業に勤めたのでは、価値ある経験はできない。
 企業で価値ある体験ができないならば、個人で価値ある経験を積むしかない。本来、大学や専門学校は、こうした経験を積むために存在しているはずだ。
 しかし、日本の現状を見る限り、価値ある経験を詰める教育機関は見当たらない。どこかが、価値ある経験ができる実践的なワークショップを始めなければならない。
 
4.実践的ワークショップ

 私が専門学校で最も役に立ったのは、文化祭のファッションショーを作ったことだと思う。組織作り、マニアル整備、チームワーク等の生きた学習ができた。失敗も少なくなかったが、それも含めて私の人生の教訓となった。
 つまり、何らかのイベントやプロジェクトを行うことこそ、フリーランスで通用する人材を育成する最も効果的なプログラムではないか、と思う。
 できれば、その経験がインターンシップのように履歴書に書けるようにできないのか。
 ビジネス経験ができるイベントを企画して、その経験を積むこと。
 例えば、産地やテキスタイルコンバーター連携して、生地を調達し、見本を作り、販売するというワークショップを行う。、   
 それで実績が出れば、その体験を文章にして出版する。電子書籍ならばハードルは低い。その電子書籍を営業ツールにして、体験したイベント同様のプロジェクトを企業に提案していく。提案が通れば、その体験も出版すればいいのだ。
 この連続こそ、フリーランスの仕事が成立する仕組みになるのではないか。常に、価値あるイベントを企画し、それを教材として実践する学校。それこそ、フリーランスを育成する仕組みになると思う。

*有料メルマガj-fashion journal(259)を紹介しています。本論文は、2016.11.7に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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