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October 09, 2017

民間による知財取引所は可能か? j-fashion journal(250)

1.中国市場で自社商品を販売する方法

 中国市場に自社商品を販売したい。その場合、どのようなアプローチをすれば良いのか?
 これまでの日本企業の常識は、中国に現地法人を設立し、そこで販売することだ。その場合も、現地法人は独資が良いのか、合弁が良いのか?という議論が行われた。
 合弁企業は相手の会社の経営手法と日本企業の経営手法のすり合わせで苦労する。では、「独資企業が良いのか」というとそれも簡単ではない。日本市場向けの商品を作る工場ならば、独資企業が良い。日本向けの商品ならば、日本式の生産管理が望ましい。
 しかし、中国市場における販売会社の場合は、相手が中国企業であり、中国人消費者である。中国人、中国市場、中国企業、中国ビジネス、中国のビジネス環境を理解しない限り成功できない。
 私は、現地法人を設立せずに、販売権を中国企業に譲渡するという方法を勧めている。中国市場で販売したい商品が、売れる商品ならば中国企業が独占的に販売したいと考えるだろう。売れそうもない商品ならば、中国企業も販売権を欲しがらないし、日本企業が現地法人を設立しても成功する可能性は低い。

 独占販売権と言っても、中国全土なのか、地域単位なのかは契約で設定できる。また、期間を限定することも可能だ。譲渡と言っても、保証金を取ることもできる。
 全ては相対の交渉であり、契約である。条件が合えば、契約すれば良いし、条件が合わなければ契約しなければ良い。問題は、日本企業が中国企業に向けてアピールしているか否かである。

2. 自社の技術が盗まれるのを防ぐ方法

 日本企業は、中国市場に進出すると技術が盗まれことを必要以上に警戒する。しかし、中国市場に進出しなくても、その技術に魅力があれば盗もうとするだろう。中国企業の技術力が低ければ、技術を真似ることはできない。自社の技術を真似した下手くそな偽物が出回ることになるだけであり、本物が進出すればビジネスチャンスはある。
 もし、コピーされた偽物商品が本物と変わりがなければ、ビジネスチャンスはない。
 真似したくても真似できない状況ならば、技術供与して、技術ライセンス契約を結び、利益を得ることができる。そして、技術ライセンスを得た中国企業は、下手な偽物を摘発するだろう。偽物が蔓延することは自社の利益を損なうからだ。
 もし、日本企業が単独で中国に進出し、その製品をコピーされたら、自社で戦うしか方法はない。中国では、政府も企業も味方になってくれない。なぜなら、日本企業が単独で利益を得ることに支援したとしても、中国の利益にはならないからだ。
 技術を盗まれるのが嫌なら、技術を中国企業に販売することである。この場合も、相対の契約なので、一部の技術をブラックスボックスにしておくとか、一部の部品は日本製を使うことを義務付けることができるはずである。
 もし、中国市場に進出する気がないのであれば、中国市場で販売することを条件にライセンス契約を結ぶこともできる。どうせ進出しないならば、その権利を中国企業に譲渡することで利益が得られるのだ。
 
3.中国企業と日本企業のマッチング

 中国企業は課題を抱えて困っている。その問題解決のために、日本企業と取り組みたいと考えている社長も多い。
 しかし、日本企業の側が情報公開をしていないので、どこにどんな企業があって、どんな技術をもっているのか。あるいは、どんな商品を販売しているのかを知ることができない。
 そこでこんなことはできないだろうか。
 第一に、中国企業の課題を把握する。どんなことに悩んでいて、どんな課題を抱えているのか。例えば、課題解決に日本企業の協力を得たいと思っているか?
 匿名で「こんな商品が欲しい」「こんな部品が欲しい」「こんな技術が欲しい」「こんな加工を依頼したい」「こんなブランドが欲しい」「こんな機械が欲しい」「こんな教育を受けたい」等の掲示板にアップできる仕組みはできないだろうか。
 第二は、日本企業の選定である。
 これも自主的に登録してもらえれば良いのだが、まず、自分から登録する人はいないだろう。むしろ、中国企業の課題が明確になった時点で、その分野に詳しい人材が、適切な日本企業を選び、条件を整えて交渉するという仕組みが必要になるだろう。
 第三に、日中双方の会社のマッチングである。互いの条件を整理し、日本の弁護士事務所と、中国の法律事務所と相談しながら、双方に公平な契約を交わすことが重要になるだろう。

4.知財取引所構想

 様々なノウハウや技術、商標や特許などは知的財産、知財と呼ばれている。知財を販売すると言うと、ノウハウを売り飛ばし、一時的な金を受け取って終わり、というイメージがある。しかし、「知財を売る」というのは、商品を売るように、売ったら何もなくなるのではなく、使用権を売ることもできるのだ。つまり、知的所有権を維持しながら、その使用権や販売権を売るのであり、知がなくなってしまうわけではない、ということだ。
 知財がなくなるのは、無断でコピーされて、その商品価値が下がったり、自社のビジネスチャンスが奪われたり、ビジネスそのものが奪われることである。
 知財を売るためには、知財を知財として認識し、それを売れるように加工し、商品としてプレゼンテーションすることが必要になる。
 日本には知財の原石は沢山ある。しかし、知財商品として加工されていない。ある意味では、知財の加工メーカーのような機能が必要なのかもしれない。
 知財を共有したり、活用することは、双方にとってプラスである。相互依存を高めることは信頼関係につながるのだ。
 知財を収集、加工、プレゼンテーション、販売する仕組みは、まだ完成していない。単純にWEBを構築するだけでは上手くいかないだろう。民間が行う知財取引所のようなことができないのか、考えてみたい。

*有料メルマガj-fashion journal(250)を紹介しています。本論文は、2016.9.5に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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