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June 27, 2017

検索メディアの可能性 j-fashion journal(244)

1.検索で全てが分かる?

 私達は、分からないことがあると検索する。「ある単語が何回検索されたか」を調べれば、「分からないことの順位」が分かる。
 あるいは、何か行動を起こそうと思う時に検索する。「ラーメンを食べたいな」と思ったらラーメンを検索する。ラーメンと検索する人は、ラーメンを食べたい人か、ラーメンに興味を持った人だろう。数多く検索されるラーメン屋さんは、繁盛する可能性が高いということだ。
 あるいは、昼時に、「ラーメン」「パスタ」「蕎麦」「うどん」のうち、どのぐらいの比率で検索されているかを調べれば、人々が昼食で食べるめん類の比率や人気ランキングが分かる。
 このように、検索結果を集計し、分析することができれば、現実社会で何が起きているかを類推することができる。
 更に、ネット社会の中で何が起きているかを知るには、検索を分析するしかない。

 例えば、全国のネットショップでどんな商品が売れているのかを調べるには、検索を分析するのが最も有効だと思う。ネットショップで買い物をする場合、商品や価格を比較するために、検索する人が多いからだ。
 既存の新聞や雑誌のように、取材で調べようとすれば、大手のネットモールに取材し、売上ランキングやメーカーを聞き出し、更にそのメーカーを取材するしかない。しかし、こんなやり方では全貌を俯瞰することは不可能である。したがって、ネット上の現象や変化、予測を行うメディアは皆無の状態と言える。
 ファッションビジネスの世界では、「オムニチャンネル」がキーワードになっている。しかし、リアルな店舗の売上動向は分かっても、ネット上の売上動向を知ることは難しい。「競合店で何が売れているのか?」「どんなブランドが売れているのか?」等が皆目分からない。
 実際に調べてみたら、リアル店舗とネット店舗で売れるものが全く違っているのかもしれない。リアル店舗の業界では全く無名なメーカーがネット上で安定した売上を上げているかもしれない。

2.Googleのファッショントレンドレポート

 2015年5月、Googleはファッショントレンドレポートを発表した。このレポートは、2012年~2015年の検索ログから、ファッションをキーワードに検索されたクエリー(約60億件)を抽出して分析したものである。
 これまでのトレンドレポートは、コレクションや展示会のトレンドレポートであり、実需を基本にした分析ではない。したがって、トレンドが現実になるかは分からない。
 グーグルの怖いところは、リアルタイム、かつ継続的に変化を分析できることだ。トレンドは登場した時は華やかでも、どのようにステージから退場したから分からない。しかし、グーグルのトレンドリポートでは、そこがはっきり分かる。
 また、トレンド情報が発表された時点で、デザイナーやバイヤーがトレンドキーワードの検索を始める。これを分析すれば、数多いトレンドキーワードの中でどこに注目しているかが分かる。
 ファッションは基本的に半年サイクルで動いている。カラートレンドが出された半年後に糸の展示会が開催される。そこで糸のトレンドが発表される。その半年後にテキスタイルの展示会とテキスタイルトレンドが発表される。そして、その半年後にアパレルのコレクションが発表される。
 カラートレンドの反応を見れば、糸の傾向が分かる。糸のトレンドの人気を見れば、テキスタイルの方向性が予測できる。テキスタイル生産の内容が分かれば、それはアパレル市場に反映される。流通の上流を知ることで下流の動きが分かる。
 これらも検索分析で現実が把握できるかもしれない。通常のトレンドは定性的な情報だけだが、検索の分析は、定量的情報と時系列の変化が加わる。ここまで分かれば、予測ではなく、未来そのものになるだろう。
 
3.検索ファッションメディアを作りたい

 検索はファッションの世界を一変させる可能性を秘めている。残念ながらGoogleからは、ファッショントレンドレポートの続編は発表されていない。
 しかし、私は、特定の企業と契約して、情報を提供しているのではないか、と考えている。
 もし、Google以外でも、検索結果のデータ収集と分析が可能ならば、新たなデジタルのメディアが生まれるのではないか。というか、そんなメディアを開発して見たいと思う。
 例えば、以下のようなデータをアウトプットする。
 大手ネットショップと関連するキーワードを検索することで、ネット上の人気ブランドランキングが出せるだろう。同様に、アイテム、素材、カラー、ディティール等も分析できるはずだ。これを時系列に調べられれば、第何週から長袖カーディガンの検索が増えるのか、とか、第何週から黒の商品が検索される等が明らかになるだろう。
 更に、ネットショップで最も気になるであろう、商品説明のキーワードのランキングも分かるはずだ。毎年、第何週で「モコモコ」が増えてくるとか、第何週から「フワフワ」が急成長しているとか。
 これらの検索トレンドを踏まえて、商品説明のテキストをコントロールすることで売上が上がるかもしれない。
 イベント関連づけたアイテムの検索も可能だ。秋の旅行シーズンのアイテムを検索すれば、そのシーズンの旅行者のスタイリングが浮かび上がってくるだろう。
 また、化粧品、バッグ、アクセサリー等とファッションを関連づけて検索することも可能であり、広義のファッション分野まで対象を広げられればと思う。
 このメディアでは、三つの段階で情報を提供したい。
 第一は、無料でいくつかのランキング情報を公開する。それだけでも、継続的にリサーチする価値はあると思う。
 第二に、有料会員を募り、更に詳しい検索レポートを届ける。これを新たな業界メディアに育てたい。既存メディアにこうしたレポートは出せないからだ。
 第三に、月一度の会員制検索トレンドセミナーを行う。リアルなセミナーを行い、会員にはネット上でも見られるようにする。
 料金は、基本3000円程度。業界新聞より安くしたい。レポートの項目を増やす毎にオプション料金を設定する。基本はpdfのダウンロードだが、別料金で印刷製本サービスも行う。
 具体的な目標は、一年目は試験段階としてWEBのみ。無料登録会員を募る。目標10万。
 2年目は、有料会員サービスの試験運用開始。1000社の会員獲得を目指す。
 3年目から本格運用。有料会員3万社を目指す。このあたりで海外進出するのも良いかもしれない。

4.ライフスタイル全般の検索メディア

 検索で分かることは、ファッションだけではない。食、旅行、趣味、教育等々、我々のライフスタイル全般に及ぶ。しかも、地域のミニコミから都道府県別、全国版まで可能だ。
 こうなると、全てを自社で賄うことばできないので、フランチャイズを募り、グループ化する。
 海外企業との連携により、海外にも拠点を整備し、そこでも、フランチャイズを募る。
 ここまで10年で行きたいと思う。
 さて、この構想が実現するのか、それとも単なる夢物語で終わるのか。それとも、私より先にどこかの企業が行うのか、それとも、本家のGoogleがメディアビジネスに参入するのか。いずれにせよ、私がこんなことを考えているくらいだから、世界でも誰かが考えているに違いない。いずれにせよ、世界は動きだす。

*有料メルマガj-fashion journal(244)を紹介しています。本論文は、2016.7.25に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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