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January 04, 2017

リアルなネット通販戦略 j-fashion journal(229)

1.ブランドコンセプトとハッシュタグ

 リアルな世界で、アパレルのブランドを発表するには、ファッションショーを行うか、合同展に出るというのが一般的だ。その他にも、クラウドファンディングでイベントを行うとか、SNS、ブログ等でファンを獲得する等の方法がある。そもそも、こうしたファッション関係の情報に反応する人は、ファッションに敏感な人達である。
 ネットの世界だけで、新ブランドを発表するのは難しい。検索ワードで新ブランド名が引っかかることはない。むしろ、特徴のある商品で訴求した方が良いかもしれない。
 リアルな世界では、ビジュアルな情報の方が、テキスト情報よりも訴求力が強い。WEBの世界では、検索キーワードが重要になる。
 最近は、インスタグラムの人気が高まっており、ネットの世界でもビジュアルな情報が重視されている。ツイッターやフェイスブックでも画像の投稿が増えている。
 ビジュアル情報発信優先か、テキスト情報発信優先か、というよりも、画像にどんなハッシュタグを付けるかが重要になるのかもしれない。Youtubeやインスタグラムで検索を掛ける人が増えているからだ。

 アパレルのブランド開発でも、ブランドコンセプトを複数のハッシュタグで表現するべきだろう。それぞれのハッシュタグについて、詳細なテキストで解説し、それをツイッター等で発信することが新しいコレクション発表になるかもしれない。

2.ネット上のコレクションイベント

 ファッションショーは、ブランドを表現する優れた方法である。モデルの選択、ヘア&メイクでブランドのターゲット顧客を表現し、舞台セット、音楽等で世界観を表現することができる。
 ファッション情報は、動画か静止画でメディアに発表されるのだから、最初からネット上に静止画と動画をアップしても良いだろう。ファッションショーではなく、ブランドのプロモーションビデオという考え方もできる。
 半年に一度、新商品発表イベントを行うのも良い方法だ。ネット通販においても、リアルな世界のように、半期に一回程度のコレクションを発表するのも良いのかもしれない。
 新商品の予約受注をネット上で取るのも良いだろう。クラウドファンディングのように、最低受注金額を設定し、それをクリアしたら本生産するという仕組みを作ってもいい。
 
3.顧客が着こなしをアップする

 渋谷109が最も元気だった頃、ショップと顧客が互いに刺激しあい、新商品を生み出していた。ショップで販売された商品を更に新しいコーディネートで顧客が着こなす。それを見て、更なる新商品をデザイナーで打ち出していく。ファッションには、こうした双方向の情報交流が存在する。しかし、ネット通販のCRMでは、こうしたコミュニケーションを想定していない。あくまで、サプライヤーは顧客を分析し、働きかけ、コントロールしようとするのだ。
 しかし、顧客がブランドに参加することは非常に重要である。顧客が自由に画像をアップしても良いし、リアルな交流イベントを行い、その中で自分の着こなし画像をアップしてもらうのも良いだろう。
 
4.商品開発イベント、試着会イベント、予約販売イベント

 全ての段階で顧客を参加させることはできないだろうか。商品開発段階も全て公開する。最初の構想やデザイン展開についても公開する。色の組み立てや素材の選択。そして、デザイン、パターン等の全ての段階を公開し、顧客の意見を求める。こうしたプロセスにより、顧客はデザイナーの考え方を共有することができるかもしれない。
 そして、サンプルを制作したら、デザインや仕様の修正も顧客と共有する。サンプルが完成したら、試着イベントを行い、製品を着用した写真をアップする。画像をアップしてくれた顧客には、割引クーポンを出すのはいかがだろうか。ここまでは、店舗ではなく、企画室やアトリエ内に顧客を呼び込むのもいいだろう。
 そして、予約販売会を行う。これが本番の展示会である。展示会と言っても、最終消費者が参加できるリアル&バーチャルのイベントである。
 予約数から判断して、本生産の数量を決定する。商品が出来上がり次第、限定商品の販売会イベントを行う。ここでも、何らかのオプションを用意したい。
 例えば、部分的なデザイン違い、刺繍、ボタン等を選ぶことができるようにする。
 このように、常にイベントを連続して行うことが重要ではないか。そして、こうしたコンテンツをSNSやメルマガで配信する。

5.ファッションとコモディティの境界

 メディアは商品を販売するための道具ではない。顧客とのコミュニケーションメディアと考えよう。考えてみれば、ファッションそのものがコミュニケーションツールでもある。
 ファッションとコモディティとを分けるのは、商品の価格や質ではない。コミュニケーションやコミュニティがあるかが問われるのだと思う。
 コモディティ商品は、商品のみの価値が問われる。デザイン、素材、価格等だ。そこにある哲学や思想は関係ない。というより、日常生活に使う商品にそんな重いものを期待していない。
 ファッション商品は、商品だけでない何らかの価値を持っている。ある意味では、顔の見える商品であり、心がある商品である。それが顧客に伝わるのだ。
 従って、ファッションにはメディアが不可欠である。商品だけが本質ではなく、そこに付加された情報こそが本質なのだ。
 そして、商品を着用した顧客自身が新たなストーリーを創り出す。その仕組みを構築することかネット時代のファッションマーケティングだと思う。

*有料メルマガj-fashion journal(229)を紹介しています。本論文は、2016.4.11に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。


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