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December 26, 2016

デザイナーのためのWEBサービス j-fashion journal(227)

1.一点モノの販売とオーダーメイド

 アパレル冬の時代の中で、好調なのが、一点モノの販売サイトとオーダーメイドだ。
 反面、既製服は低迷している。というより、企業が生産するアパレル製品は完全にコモディティ商品となり、ティッシュやトイレットペーパーのように、安くて機能的であればいいのだ。そこには、ファッションという言葉が持つ、ドキドキ感、ワクワク感、憧れや夢という要素が見当たらない。
 一点モノの手芸品やアクセサリーがネットで販売できるようになったことで、個人の作家と消費者が直接つながるようになった。作り手の顔が見えることは、単なる物販ではなく、商品を介した新たなコミュニティを生み出したということだ。
 オーダーメイド、特に男性向けのオーダースーツのビジネスが活性化したのは、代理店制度によるものだ。かつてのテーラーには職人がいた。現在でも、本物のテーラーは存在するが、エセテーラーも存在する。テーラーという看板を掲げているが、単なる代理店であり、オーダー職人を抱えるアパレル企業の販売窓口業務をこなしているに過ぎない。

 それでも「オーダーメイド」という響きは魅力的だ。
 私のクライアントであるパターンメーキングの会社では、最近、テーラーからの依頼が増えているという。多くのテーラーは、職人であり、デザイナーではない。定番のデザインしかできない人が多いのだ。
 そこで、トレンドを取り入れたデザインのパターンを購入し、それを商品として展開している。
 時代は変わっている。既製服が絶対であるという世界は崩壊した。その中で、デザイナーはどのように生きていくのだろうか。

2.ファッションアート専門の販売サイト

 先日、装苑賞の候補になっているという学生に会い、そのデザイン画を見せてもらった。確かに才能が感じられるし、作品も面白い。しかし、既製服のデザインとしては失格だ。あくまでコンテスト用の作品であり、デザインというよりアート作品に近い。
 そこで、私は彼にアドバイスした。これはアートだ。アートならアートのように販売する方法もあるかもしれない。30万から200万程度の価格でファッションアートを販売できないだろうか。
 例えば、ニューヨークの現代アート専門のギャラリーと組むことができれば、ファッションアート部門を創設できるかもしれない。アートの市場が成立するには、作家と批評家と顧客が必要だ。そして、三者をつなぐメディアが存在しなければならないだろう。
 それでも、世界中のファッショナブルなゲイ、ファッションマニア、芸能人など、奇抜な格好を好む市場は少なからずあるだろう。それらの顧客とどのようにつながるかがビジネスの肝になる。
 WEBだけを考えるならば、オークションが可能なサイトが準備できればいい。例えば、ファッション専門学校、出版社、ネットオークション会社が連携すれば、サイトとコンテンツは揃うだろう。

3.誰でもオーダーメイドビジネスができるプラットホーム

 同様のWEBシステムを活用し、オーダーメイドのビジネスは考えられないだろうか。
 作品をオークションに掛けて、その商品を落札させるだけでなく、サイズオーダーができるようにする。
 グレーディング、縫製を外部に委託する形にすれば、標準サイズの見本をアップすれば、オーダーメイドの注文を取ることができる。
 現在のファッション状況を見ると、既製品の魅力が薄まっている。しかし、オーダーメイドの店には、定番のデザインしかない。奇抜なデザインの既製品はサイズがない。もし、奇抜なデザインをサイズオーダーすることかできれば、新しい市場が生まれるのではないか。
 またデザイナーも、展示会に出て、既製服を製造販売するのではなく、オーダーメイドのビジネスに参入できるのだ。そのプラットフォームを用意することができれば、デザイナーはオーダーメイドのビジネスに参入することが可能になる。
 
4.作品単位のライセンス契約

 更に、同様のオークション販売のシステムを活用して別のビジネスを考えてみよう。
 例えば、オークションサイトに作品をアップし、その作品を落札した人なり企業には、その商品の生産及び販売ライセンスを供与する。
 勿論、作品をコピーされないような手段も講じなければならない。サイトにアップした作品は全てタイムスタンプを記録し、それ以降にコピーし、製品化したら、専属弁護士が訴訟を起こすことを明示しておく。
 ライセンス商品には、デザイナーの名前を明記することを契約に入れておく。デザイナーを雇用するだけの余力がないメーカーには、差別化の有効な手段になるだろう。
 また、デザイナーにとっても、作品毎のライセンスビジネスという新たなビジネスに参入できる。
 WEB上には契約書のひな型が用意されており、画面上で契約内容を確認できるようにしたい。ライセンスビジネスのすそ野を広げることにより、デザイナーの多様なビジネスが可能になるだろう。

*有料メルマガj-fashion journal(227)を紹介しています。本論文は、2016.3.28に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。


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