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August 14, 2016

定年起業(Retirentrepreneur)の勧め j-fashion journal(208)

1.起業は定年組の方が有望ではないか?

 「起業」というと、「若者が主役」と思われがちだが、本当だろうか。
 最近、起業家を目指す若者と会う機会も少なくないが、ほとんどは、情熱はあるが、それを実現させる知識やノウハウを持っていない。また、人的ネットワークもないし、資金調達の方法も分かっていない。そもそも「経営」を肌で感じていない人が多いのだ。
 多くの若者はアルバイトしか経験していない。仕事の報酬は時給であり、時給は相手が決めたものだ。
 先日、ファンドをしている友人から聞いたのだが、ある若い起業家が「私は年俸1000万にしますが、今の時代ですから売上は1500万ぐらいでいいですよね」とわけの分からないことを言ったそうだ。自分の報酬は企業の利益から出るものであり、企業の利益は売上から経費を引いたものだということが実感できないのだろう。投資家が予算と報酬を認定してくれれば、それでいいと思っているのである。

 友人は、「定年過ぎた大人なら、100万資本を出せば、それを元に何倍かにしてくれそうな気がするが、若者はその感じがしないんですよね」と語っていた。
 定年まで働いた人なら、少なくとも、業界やビジネスの常識は分かっているはずだ。関係する企業も分かるだろうし、人脈もあるだろう。また、ビジネスが成立するかしないか、の判断もつくのではないか。
 勿論、新しいアイディアとか、ICTの知識という面では不十分かもしれない。逆に言えば、その部分を支援すれば、事業計画は建てられるだろうし、その事業に対して投資価値があるかどうかの判断もしやすいはずである。

2.定年起業の有望分野

 定年になった元ビジネスマンが起業する場合、どんな分野が有望だろうか。
 第一に、「小商い」が成立する分野だ。
 大企業ほどスケールの大きなビジネスしか対象にできない。経費が大きいので、小さな利益しか期待できないビジネスはできないからだ。当然、個人や零細企業、中小企業を対象にしたビジネスに対応するのは難しいということになる。
 しかし、個人で起業するのであれば、小規模な企業を対象にしたビジネス、大企業のビジネスの中で細かすぎて対応できない分野が有望である。
 海外勤務の商社のOBと現役時代に商社ビジネスからこぼれた小さな分野を見つけ出し、それを継続して行っているケースが多い。ある意味で既得権の延長のようなビジネスだ。一つ二つの海外メーカーと日本の商社や企業をつなぐだけでも、個人が生活できる程度のビジネスにはなる。しかし、こういう分野は、若者が参入することは困難である。
 中小企業の代理店のようなビジネスも、可能である。要は、売る企業と買う企業をつなぎ、少額の仲介料を継続的に取れるビジネスを組み立てるということである。
 第二に、「ソーシャルビジネス」が適していると思う。企業に所属している時には、出来なかったであろう、社会に貢献するビジネス、世のため、人のためというビジネスである。
 企業の中で、個人が正義を貫くことは非常に困難である。多くの場合、企業単位で不祥事を起こすのは、個人の責任ではない。企業の論理に従い、個人の良心に目を瞑った結果である。
 定年になったのだから、大手を振って取り組めばいい。年金をもらっているのだから、大きな利益を上げる必要はない。ビジネスが継続できるだけの利益を上げればいいのだ。
 第三に、「人材育成ビジネス」である。
 定年を迎えた人は、経験とノウハウはあるが、情熱や瞬発力に欠ける傾向が強い。情熱や瞬発力あるが、経験とノウハウを持っているのが、定年起業家である。
 定年起業家が目指す一つの目標は、後継者の育成ではないだろうか。定年後に起業して、現場で若者を教育し、自分のパートナーに育て、後継者になってもらう。そうすることで、事業が継承されるのである。
 
3.定年起業家が社会をより良くする

 定年起業家が増えることは、社会にとって良いことばかりである。
 まず、高齢者の雇用が増える。定年を迎えた人も、生涯現役で働きと思っている人は多い。起業して良いのは、定年もないし、クビになることもないということである。仲間と一緒に起業すれば、雇用を増やすことになる。
 第二に、零細中小企業、地域企業、産地企業との連携により、ビジネスの活性化が期待できることである。定年を迎えるということは、その企業や組織でなければ経験できないことを全うしたということである。その経験を活かして、外部の企業を活かすことで新しいビジネスが生まれるのだ。
 第三に、社会起業家としての要素を持つことで、直接的な社会貢献につながる。行政がやるべきことだと思わないで、自分たちで地域や社会をより良くしながらそれをビジネスにすることができれば、行政ができない分野も改善できるはずである。また、公益を考えるビジネスに対しては、様々な助成や補助の制度もある。
 第四に、若い起業家が育成できることである。定年起業家は、事業を継承することが一つの目標でもある。あるいは、ドンドン暖簾分けしていく。それにより、地域を活性化するのだ。
 定年まで働いたノウハウや人脈は、使わなければ消失してしまう。それを活用し、起業し、継承することは日本の資産を守ることにもつながるのだ。
 定年起業家が最終的に目指すのは、個人の利益ではなく、社会の利益である。その余裕が持てるのが、定年起業家の長所でもあるのだ。

4.定年起業塾を創ろう

 長年、組織内にいると一人でビジネスを始めることができなくなる。誰かが仕事を用意してくれて、その役職について、ルーチンワークに落とし込んで初めて組織人の仕事になるのだ。
 そこで、組織人から起業人になるにあたり、哲学、思想、経営の基本について学べる場が必要になるだろう。組織の論理から、地域の論理、個人優先の論理へ。組織の利益追求から、個人の幸せ追求へ。経済以外の価値観について。多様性を認めることについて。
 その上で、定年前の経験ややりたいことを発表、共有しながら、ブラッシュアップしていく。それを共有することが、若い世代への教育でもあり、新たな自己啓発にもつながるのだ。
 そしてチームが必要ならは、チームを結成する。その場合にも、経済的な求心力だけでなく、社会貢献やビジョンの求心力を重視することが重要になるだろう。
 こうしたことを定年の時点で学べれば、その後の20年間が豊かになるに違いない。そのための塾を開講するのはいかがだろうか。

*有料メルマガj-fashion journal(208)を紹介しています。本論文は、2015.11.2に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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