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August 14, 2016

シニアが持つビジネスチャンスを若者世代に j-fashion journal(210)

1.管理職が厚く、現場が薄い構造

 今から28年前、私は大手百貨店と契約していた。その時点で既に百貨店の組織は高齢化が進み、組織のバランスが崩れていた。部長や課長が多く、その下について実務を担当する主任クラスが不足していた。その結果、主任が複数の課長の下について仕事をしていた。通常は、多くの現場の人間を、少数の管理職が統括するはずだが、それが逆転していたのだ。
 現在はその状況が社会全体に拡大しているようだ。管理職ばかりが肥大し、現場で働ける人間が圧倒的に不足している。今回の杭打ち偽装問題も、根本的な原因はそこにあるのではないか。
 日本の企業組織は基本的に年功序列であり、高齢者ほど重要な役職についている。そして、重要な役職の人だけに重要な情報は伝わるのだ。
 そうした情報を持ったまま企業を退職したり、在職時の人間関係をそのまま維持している人も少なくない。しかし、彼らは部下や下請けを使うことができない。ビジネスをしたければ、自分で動くしかないのだ。しかし、起業はリスキーである。結果的に、自分の持っている情報やネットワークの話を周囲に振りまきながら、チャンスを探るしかない。結局、自慢話だけで終わり、ビジネスに結びつかないことが多いのである。

2.凄いけど現実離れした話

 先日も、ある方から画期的な特許製品の話を伺った。その他にも、中国から医療関係の研修生を日本に招く話。中東諸国に日本製品を輸出する話。また、別の方からは、画期的な水素エネルギーを活用する話、中東の国からコーヒーを輸入する話を伺った。
 これらの人達に共通しているのは、「その情報を元にビジネスを展開したい」が、「大手商社等とは組みたくない」ということだ。私は大手商社を活用することが悪いとは思わないのだが、全ての商権を奪われると思うらしい。
 私は新しいプロジェクトを立ち上げるのが仕事であり、こうした話は大好きだ。しかし、その難しさも理解している。
 これらの話は、構想に過ぎない。構想がスケジュール化され、予算がついて初めて計画になる。計画をクライアントやファンドにプレゼンし、事業主体が決まらないと、ビジネスはスタートできない。その間の作業を誰がやるのか、費用を誰が負担するかが問われるのだが、その部分が解決していないことが多い。だから、初対面の人に重要な話を、肝心な部分を誤魔化しながら伝えるしかないのであり、そんなアプローチではビジネスにはならないということだ。
 事業主体が決まっても、人材、リソースを揃え、組織を作り、実際に運営しなければならない。運営段階になっても、多くの企業が経験するような人間関係の問題や資金繰りの問題が生じる。
 新しいことを立ち上げることは、とてつもなく難しいのである。
 
3.ビジネスチャンスを取引する

 高齢者がビジネスチャンスを持っているのなら、それを若い世代と共有することはできないのか。そういう仕組みは作れないのだろうか?
 例えば、ある人が「知人の社長がこんな特許製品を持っている」という話を聞く。おそらく彼は「もし、販売先を紹介してくれるならば、あなたにもお礼をするよ」と言われているのだ。
 こうしたビジネスに直結した情報は意外に若い世代には伝わらないものだ。彼らは、商工会議所の集まりとか、趣味の集まりで情報を入手するが、そういう場に若者はいない。
 「販売先が見つからない」のであれば、「企画書を作り、販売先候補をリストアップし、アポイントメントを取り、実際に面談、プレゼンする」ことから作業が始まるだろう。
 もし、その製品が有望ならば、その製品を販売する専門の会社を設立するのが効果的かもしれない。そうなると、起業に直結してくる。
 いずれにせよ、個人で対応を考えるよりも、様々な専門家で構成されるチームが問題を整理し、アクションプログラムを作成した方がビジネスとして実現する確率は上がるだろう。ビジネスが成立すれば、紹介者の権利を保護することも可能になる。
 勿論、紹介しただけで永久的な利権が保証されるわけではないが、正当な報酬を支払う仕組みを作らなければ、誰も自らの情報を公開しないだろう。
 情報とネットワークをボードに上げて、それを入札すること。しかし、単純に権利の売買だけではなく、そこから起業が生まれるような仕組みができれば、様々な可能性が見えてくる。
 
4.BC(ビジネスチャンス)取引所

 例えば、BC(ビジネスチャンス)取引所という組織を作る。BC取引所には、弁護士、MBA、経営コンサルタント、税理士、弁理士、元経営者、学識経験者、起業経験者等からなるBC検討委員会が組織されている。
 BC検討委員会のメンバー全員は、クライアントと守秘義務契約を交わす。
 クライアントは、具体的な社名、人名、ブランド名、商品名等を伏せたまま、ボードに上げることができる。
 委員会は情報、提案を元に、クライアントにビジネスモデル、報酬の条件等を提案する。クライアントがその提案に賛成すると、ネット上のボードに案件が公開される。
 ボードを見て興味を感じた個人、法人は案件にノミネートすることができる。そして、固有名詞を伏せた状態で、クライアントとマッチングを行い、期間、条件、報酬等を決定して、契約書を交わし、具体的なプロジェクトがスタートする。
 プロジェクトがまとまった段階で、取引所は一定の手数料を受け取る。こんな仕組みである。
 この取引所が稼働することで、高齢者の持つビジネスチャンスの情報を、若者世代と共有することが推進できるのではないか。

*有料メルマガj-fashion journal(210)を紹介しています。本論文は、2015.11.16に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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