検索と広告、SNSについて考える j-fashion journal(163)
1.自社サイトの点検
明らかに流通が変化している。店舗流通からネット流通への流れが目立ってきた。勿論、店舗流通がなくなるわけではないが、今後もネット流通のシェアが増えるだろう。
自分自身の行動を見直しても、商品を探す時に、店頭を探すよりもネットで検索することが増えている
今後は、最終製品を作っているメーカーだけではなく、部品メーカー、素材メーカー、加工業者も最終消費者に訴求しなければビジネスが動かなくなる。また、消費者とのコミュニケーションを深めるためにも、一つくらいは最終製品を生産し、販売するべきだとう思う。それを訴求することで、自社の技術が伝わり、本業につながることが考えるからだ。
ネット販売を中心に考えると、ネット広告の必要性に行き着く。独りよがりなWEBを作っても、誰にも知られないのでは意味がない。と言っても、知識がないので、広告を出稿することもできない。
実は、私は広告、検索等に興味がなかった。「ネット上にコンテンツを上げておけば、必要な人が検索するだろう」という認識だった。というわけで、自社サイトも作っただけで、放置していた。調べてみると、一日に2~3人しかアクセスがない。これは、全く機能していないということだ。
それでも、WEBサイトを見て「テキスタイルブランド開発」の仕事を依頼されたことがある。なぜ、そんなことが起きたのか分からなかったのだが、いろいろと検索しているうちに分かった。「テキスタイル ブランド開発」で検索すると、私のコンテンツが一位から三位まで占めていたのだ。
それに気がついて、私は初めてWEBの営業機能について認識した。他人には、ネット活用を説きながら、自分のサイトには期待していなかったのだ。
私はどんなキーワードで検索して欲しいのか。そして、その検索ワードに反応するようなサイトになっているのか。それを点検することにした。
まず、サイトを見直した。自社サイトは、「Jimdo」というサービスを利用しているのだが、このサイトには、SEO機能がついており、ページタイトルやタグが設定できる。それなのに、何も設定していなかった。
また、アクセス解析も確認できる。しかし、これも見たことがなかった。
「Jimdo」は、「Google Analytics」の設定も簡単に行えることを知った。早速、設定した。
「SEOチェキ」http://seocheki.net/というサービスも知り、自社サイトを点検した。
多分、ここまでやって、ようやく普通のレベルに達した程度なのだろう。
2.厄介なSEO対策
検索エンジンを運営するGoogle社は、広告収入で成り立っている。Googleで検索すると、最も目立つ最上部にGoogle広告が表示される。それを一回クリックする度に、スポンサー企業はGoogle社に広告料を支払う。
慣れてくると、広告のページよりも、その下の検索されたページをクリックするかもしれない。こちらは、広告料が発生しない。スポンサー企業にとって、広告を出さずに検索上位に表示されるのが理想である。
それには、検索上位に表示するためのSEO(Search Engine Optimization(=検索エンジン最適化)を考えなければならない。しかし、SEOは厄介な存在だ。
そもそも、誰もが上位に表示されたがっているのだから、皆がSEOをしたらどうなるのか。上位に表示されるWEBサイトは限られている。
また、検索エンジン側は、SEOが効果を上げることを嫌う。お金を払って検索が上位に表示されるのでは、検索の利用者は簡単に特定のサイトに誘導されてしまう。
Google社は、全世界から優秀な人材を集めている。SEOとはそういう人材と競い合うことである。そんなことができるのだろうか。
SEOの手段は、Google社の方針によって大きく変わる。外部リンクの数が良好なサイトを表しているという方針が出れば、外部リンクを増やす。しかし、無理な外部リンクはカウントしないどころか、マイナスの評価になるという方針になれば、リンクを外さなければならない。
それでも、SEO業者は多いし、それなりに効果があるのだろう。しかし、SEO対策は常に投資を続けなればならない。SEOに依存していると、SEOを中止した途端に検索順位が大きく下落するからだ。
アクセス数が多いサイトは良いサイトだとされる。SEOの一つの方法は、アクセス数を増やすことだ。特定のサイトを自動的にクリックするプログラムもあるらしい。しかし、特定のパソコンから特定のサイトにアクセスすることは、不自然な行為である。当然、Google先生は気がつくだろう。
それなら、世界中に散らばる人が互いにサイトを訪問したらどうだろうか。互いにアクセス数が上がり、互いのサイトが検索上位にカウントされる。クリックした報酬が自社サイトの広告費に充当されれば、常に一定の労働を続けることで大きな費用をかけなくても効果が継続する。
この仕組みを実現したのがアメリカの「Acesse社」である。あまりにユニークな仕組みだったために、「不正な行為ではないか」と米国連邦政府の監査を受け、最高裁まで争った結果、最終的には合法的なビジネスモデルであることが認められたという。
この手法は、プログラムだけで対応するのではなく、多くの人が実際にサイトを閲覧する労働集約的な仕組みを基本にしたところがユニークであり、合理的でもある。(但し、このユニークな手法に対しても、Google社は対策を講じているという。そのため、現状での効果の程は不明)
3.SNSを活用して検索上位を目指す
更に、私は知人から「時間は掛かるが、確実に検索順位を上げる方法」を聞いた。ある意味、究極のステマかもしれないが、実際に実践し、ビジネスにしている人がいる。
簡単に言えば、SNSを駆使して、世論を喚起するのである。
私は、実名主義なので、ツイッターもfacebookもすべて実名で実物の写真を公開している。したがって、自分のセミナーや電子書籍を宣伝する時も、非常にあからさまであり、誰が見ても広告と分かってしまう。
しかし、それを数十人のキャラクターを使い分け、綿密な計画の元に、じっくりと時間を掛けて、誘導していくと、確実に口コミが広がると言うのだ。
例えば、書籍の宣伝をしてくても、最初からアマゾンにリンクを張ったり、書店や著者名を出したりしない。「こんな考え方もあるんだね」と言うようにソフトにつぶやいていく。そして、同調者を集めながら、じっくりと情報をコントロールしていく。「こんな本を見つけた」などという誘導は最後の最後に行う。
正直、この話は衝撃的だった。そんなことをしている人がいるとは思わなかったし、誰も広告とは気がつかないと思うからだ。そして、知らないうちに誘導されているのかもしれない。
言われてみれば、個人でもツイッターで常に情報発信をすると、かなりの広がりがある。私も一時期は中毒のようにつぶやいていたものだ。それをターゲットを決め、戦略的に行えば、確かに効果はあるだろう。
良く考えてみれば、非常に誘導的なブログやツイートは数多く存在する。ステマと分かるものは未熟なのだ。本当のステマは、誰にも分からないように、影響を与えるのだろう。私は、その種の書き込みを見ても、本能的に無視していた。でも、それでも影響を受けていないとは断言できない。
4.検索ってなんだ?
考えるにつれ、「検索ってなんだ?」と思う。検索に連動した広告が表示され、検索上位にランキングされるために、目に見えない操作がなされている。我々は、様々にコントロールされた検索結果を疑いもしない。
検索上位だからと言って、会社の内容が良いとか、商品が優れているとか、サービスの質が高いわけではない。私は、検索しても出てこない素晴らしい会社、商品、専門家を数多く知っている。
しかし、知らない人にとっては、「まず検索」である。そして、検索結果の中から選ぶしかないのだ。検索で出てこないサイトは存在しないに等しい。
誰もが検索上位になりたがっているのかと言うと、そうでもない。以前、ある宗教家と話す機会があったが、彼は、WEBサイトを開くことを嫌っていた。誰にでも知られるのは嫌だと言うのだ。WEBサイトを作っても、極力、検索で引っかからないように気を配っていた。
どこをどう検索しても出てこない秘密のコミュニティ。そういうマーケティングもあるかもしれない。
*有料メルマガj-fashion journal(163)を紹介しています。本論文は、2014.12.29に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。
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