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August 26, 2015

現代人は愚かである j-fashion journal(165)

1.異物混入事件はなくならない

 2015年は、マクドナルド製品異物混入事件で始まった。完璧な品質管理を求めるのが日本人の良さでもあるが、それを実現するサプライヤーのコスト負担は大きい。
 1971年、マクドナルドが日本初上陸した当時、ハンバーガーは80円。当時の調理パンに比べれば、高価な印象が強かった。最近では、マクドナルドは安いのが魅力になっている。安い価格で販売するには、人件費の低い国で大量加工しなければならない。もし、社員が会社に不満を持っていれば、「中国の毒入り餃子事件」のように故意に異物を混入させることもないとは言えない。
 これまでも異物混入事件は数多くあったし、多くは担当者が、菓子折りを持って謝罪することで、公にならなかっただけだ。
 異物混入は、食品だけでなく、衣料品にもインテリア商品にも存在する。また、品質不良の問題も解決できていない。必ず、一定量の不良品が出ている。

 マスコミは加工の不良や品質不良を「あってはならないこと」として大袈裟に報道するが、同時に「どうしても防げないこと」でもある。
 もし、完璧に安全な食料品を求めるなら、家庭で調理するのが一番だ。あるいは、顔の見えない大量生産の食料品より、顔の見える信頼できる人が加工した食料品を選ぶことだろう。
 安くて、安心安全な商品は、理想ではあるが、未だ実現していない。安心安全には、細かいことに気がつく人材を確保することが必要であり、それにはある程度、生活水準の高い国や地域に限定される。
 日本では「お客様は神様」であり、神様は安価で完璧なものを期待する。しかし、これも前提が間違っている。
 例えば、コンビニや外食レストランで働くアルバイトの接客が完璧なはずがない。完璧な接客を期待するなら、高い店で購入するしかない。
 勝手に期待値を上げ、それに満たないと怒り狂って土下座を強要する事件が起きているが、安いアルバイト代しかもらっていない店員が土下座などする必要はないし、そもそも「お客様は神様」ではないのだ。商品やサービスに対して公正な対価を支払っているのだから、対等な立場である。
 勝手に「完璧であるべきだ」と煽って、完璧でないと大騒ぎする。このことは、あらゆるところで見られる。能力で選んでいない世襲議員が、能力が劣るのは当たり前なのに、勝手に期待して、期待に応えないと文句を言う。赤字の自治体に、質の高い住民サービスを期待して、満足できないと文句を言う。一度も予測が当たらない経済評論家の言うことを勝手に信じて、予測が外れると文句を言う。
 全ては、最初から分かっていたことだ。それでも、とりあえず文句を言う。これでは野党と同じだ。マスコミも野党も国民も、皆同じレベルに陥っている。最初から文句を言えばいいと思い込んでいて、自分で考えることを放棄しているのではないか。
 
2.戦争はなくならない

 フランスの新聞社がイスラム過激派のテロリストに襲撃された。日本では新聞社と伝えられているが、実際は、風刺漫画で知られるフランスの政治週刊紙「シャルリー・エブド」の本社という表現の方が正確なようだ。そして、死亡した12人のうち4人は風刺漫画家だったと報じられている。
 彼らの雑誌は、明らかにイスラム過激派を挑発していた。そして、それに対してテロリストが報復したのだ。勿論、だからテロ行為が許されるなどとは思っていない。
 しかし、もし、日本で同様の事件が起きたら、政府や世論は「言論の自由を守るために、断固戦う」と言うだろうか。そして、「テロリストとイスラム教徒を同一視してはならない」とコメントできるだろうか。
 日本の世論は、「風刺漫画の挑発を非難する」のではないか、と思う。「お前たちが挑発するから、市民が巻き込まれたんだ」という匿名電話を掛ける人も出てくるだろう。
 こうした世論に配慮して、日本のマスコミは、あえて「新聞社」と報道しているのかもしれない。
 北朝鮮の指導者を暗殺するコメディー映画「ザ・インタビュー」に対しても違和感を感じた。北朝鮮政府は映画の上映に抗議していたが、抗議が聞き入られなかった。そして、サイバーテロが起きた。アメリカ政府は、サイバーテロは北朝鮮政府の仕業と結論を下し、報復を行うことを決定した。
 確かに、アメリカが「自国のエンターテインメントを他国からコントロールされることは認めない」というのは正論だ。しかし、「他国の元首を揶揄したり、暗殺する映画を作ること」の是非は議論されるべきではないか。
 もし、日本の皇室を揶揄したり、日本の首相を暗殺する映画を、他国に作られたとしたら、日本政府や日本人も抗議するだろう。それが無視された時、マスコミはどのように報道し、世論はどのような声を上げるのだろう。日本の中の過激集団がテロ行為に走らないと言えるだろうか。
 現在、世界で起きている事件は、日本と無関係ではない。私は「日本に火の粉が降りかからないで欲しい」と祈っているが、様々な政治状況を考えると、絶対安心とは言えない。そして、世界の国々は「戦争を防ごう」とは思っていないようだ。対立を煽る行為は、最早、情報による戦争と言えるかもしれない。各国は、自国に有利な戦争のチャンスを窺っているようにも思えるのだ。
 
3.「人間は愚かな存在である」と考える

 私が言いたいのは、現代人はそれほど賢くないということだ。自らを解決できない問題へと追い詰め、周囲を混乱に巻き込み、平和を脅かしている。
 先進国で暮らす人々は、自分たちが経済的に優位に立っていることから、途上国に暮らす人々より優秀だと思ってしまう。しかし、本当にそうだろうか。
 先進国に住む人々は、経済に関する知識はあるが、自然の中で生きる知識はない。芸術的な感性はどうだろうか。肉体的な機能はどうだろうか。あるいは、どちらが幸せな人生を過ごしているだろうか。
 人間が持つトータルな能力をどのような比率で判断するかで、優秀か否かの価値観は異なってくる。特定の民族がトータルに優れていると思い込むと、特定の民族は劣等だと思い込んでしまう。「トータルな能力には大差がなく、特定の分野に優れているに過ぎない」という認識があれば、もっと相手を尊重できるのではないか。
 経済的に豊かなのは、その国や民族が優秀だからではなく、何らかの条件によるものではないか。石油が採掘できれば金持ちになるし、巨大な金鉱があれば金持ちになる。また、豊かな生活を享受していた人々が、戦乱に巻き込まれ、都市が破壊され、住民が難民になることもある。貧しいからと言って、その人間性が低いわけではない。
 人間は愚かな存在である。こう考えることが大切なのではないだろうか。
 最近、「自虐史観が悪い」という意見が多く見られる。勿論、占領国から劣等民族の烙印を押されることは耐えがたいことであり、歴史をねじ曲げることは正しくない。しかし、選民思想に比べれば、自虐史観の方が平和に貢献するのではないか。できれば、世界中が自虐史観を持って欲しいとも思う。 
 「我々は愚かな存在である」という考え方は、自虐史観ではない。人類全体、現代人全体が愚かであると考えることだ。実際、我々は何も分かっていない。生命についても、宇宙についても地球についても、人類の歴史についても謎に満ち満ちている。自分は何も分かっていないと考えるから、それについて研究し、考えることにつながる。自分は賢いのだと思い込めば、そこで進歩は止まってしまうのだ。
  
4.ビジネスを悟る

 ビジネスについても同様だ。自分はビジネスを熟知している思えば、そこで思考は停止する。革新はベテランからは生まれない。思い込みにとらわれない、全く新しいところから生まれるのである。
 「人間は愚かで真実は何も分かっていない」と自覚するところからスタートすれば、新しい発想が生まれるかもしれない。「人間が愚かである」という思いは、「私だけが愚かである」ことではない。私だけが愚かなら、どこかに正解があるはずだし、賢い人に教えを乞えばいい。「私も他の人も愚かである」ということは、真実を他人に求めても答えはないということだ。自身で悟るしかない。愚かなのだから、考えても分かるはずがない。考えずに悟るということだ。
 この考え方は禅と共通している。禅には「大愚」という言葉があるそうだ。
 自分が愚かであると思っていれば、愚かな人を見ても自分と同じだと認識すればいい。賢い人を見ても、それは見せかけであり、本当は愚かなのだと思えばいい。いずれにせよ、尊大になったり卑屈になる必要はない。ありのままの姿で相手と向き合えばいいのだ。
 「世の中には、人間に分からないことがある」のは当たり前のことだが、それを認識することは重要だ。そうすれば、万物に対して、謙虚でいられると思うのだ。
 「人間は愚かなもの」という考えは、コンサルタントという仕事を根底から覆すものだ。コンサルタントは、優れた知識やノウハウを持っているから、他人を指導することができる。しかし、時代が変化すれば、コンサルタントの言っていることも通用しないかもしれない。
 コンサルタントは、何も分かっていない。考えても分からない。しかし、経営者が悟ることを手助けすることはできるかもしれない、と思っている。

*有料メルマガj-fashion journal(165)を紹介しています。本論文は、2015.1.12に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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