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July 14, 2015

著作権をシェアするメリット j-fashion journal(148)

1.先進国製造業のメリット

 新興国の製造業と比較した時、先進国の製造業の強みとは何だろう。
 例えば、日本のアパレル縫製業と中国の縫製業を比較した時、どんな強みがあるのだろうか。生産に関しては、工場の賃料、人件費、エネルギー費、原材料の調達、機械設備等、どれをとっても中国に勝てないだろう。
 最近、日本製の製品に人気が集まっている。特に、中国からのインバウンドの皆さんは、お土産に日本製品を欲しがっている。日本人の消費者も日本製は品質面で信頼できると感じているようだ。
 確かに、日本製品には希少価値もあるし、人気が高いのもうなづける。しかし、専門家として判断するならば、日本製品が中国製品と比較して技術レベルが高いとは思えない。中国製品でも、日本製品と同じコストをかけていいのなら、品質で負けることはないだろう。中国製品はコストを抑えられているので、品質面で問題があることが多い。しかし、その素材や仕様を決定しているのは日本人である。
 クリス・ アンダーソン 『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』では、「先進国の強みは、ロボット生産とコミュニティにある」としている。
 ロボットによる自動生産が可能ならば、国内外の人件費の格差は関係なくなる。どこの国で調達しても、ロボット機械の価格に大差はないし、自動なので人件費の影響も少ない。しかし、アパレル生産に限定すれば、この種のロボットは存在しない。全自動のロボットを使うよりも、人間がミシンで縫製した方がコストも低いし、柔軟性も高いのだ。
 ファッション製品は、コスト競争力よりもデザインやプロモーションの競争力が問われる。その意味で、コミュニティを作り、それを活用するビジネスモデルは考えられるかもしれない。
 
2.クリエイティブコモンズによるユーザーコミュニティ

 例えば、「アパレル製品のデザイン、パターンにクリエイティブコモンズライセンスを付加して販売する」というアイディアはどうだろうか。
 製品を販売するだけでなく、有償でパターンを販売するのだ。それにより、自作することが可能になる。
 クリエイティブコモンズにはいくつかの種類がある。原作者のクレジットを表示することは最低条件。デザインの改変を認めるか否か。目的を非営利に限定するか、否か。改変した場合に元の作品と同じCCライセンスで公開するか否か。
 例えば、原作者のクレジットを表記し、改変した場合には、原作者と同じCCライセンスで公開できる、というライセンスを付加する。
 シャツのパターンを購入した人がシャツを自作する。その時に、ポケットを別のデザインに変える。そのパターンもまた、CCライセンスを付加して販売される。
 こうすれば、原作者は自分のデザインをどのように改変したかが分かるし、原作者とユーザーが互いに影響を与えながら、新しいデザインを創造していくことができる。
 また、商用の販売を認めれば、コミケのようにオリジナルとは異なる製品が市場に発表され、新たなビジネスが生まれるかもしれない。
 出来上がった製品のデザインをコピーしても、このコミュニティを生み出すことはできない。しかし、著作権を公開することで、新たなコミュニティが生まれる可能性があるのだ。
  
3.デザイナーがクリエイティブコモンズ・ライセンスを付加する意義

 ファッション専門学校からは、毎年、大勢の卒業生が巣立つ。在学中には、多くの作品を作り、発表している。
 多くの場合、それらの作品は市場に発表されることもなく、埋没していく。
 例えば、学生の作品を選抜して、クリエイティブコモンズのライセンスを付加して、販売するコミュニティはできないのか。数々のコンテストのグランプリを取ったデザイナーが作る日常服を着てみたいと思う人も多いと思う。現在、「コスプレ」では着用社が自作するのが一般的である。その流れが、デザイナーの服にも来ないだろうか。
 ファブが一般化するにつれ、自作のニーズは高まると思う。その中で、自分の好きなデザイナーのキット商品、作品が自由に入手できれば相乗効果が生まれるだろう。
 かつて、新人デザイナーの最初の仕事は、「装苑」「ハイファッション」でイージーソーイングできる作品を発表することだった。それで知名度を上げながら、ファンを増やすことができた。その時の作品は著作権が放棄されていたが、現在ならクリエイティブコモンズ・ライセンスを付加することができる。
 そして、憧れのデザイナーのパターンを自分なりにアレンジして発表することで、デザイナーと自分の名前が並んで表示されるのだ。
 この手法は、プロのデザイナーにも使えると思う。例えば、個性的なコレクションを発表するデザイナーは、同じデザインを何度も使うことはない。一定の期間が経過した作品にクリエイティズコモンズ・ライセンスを付加して販売することはできないだろうか。

4.シェアすることで生まれる共創

 これまで企業は、著作権の保護ばかりを考えてきた。しかし、著作権の保護と言っても、商標以外はほとんど守られることはない。訴訟にはコストも時間も掛かるし、商品のライフサイクルはあまりにも短いのだ。
 積極的に著作権をシェアすることで、社外のデザイナーやユーザーが、自社製品の改良やマーケティング、プロモーションに協力してもらえるかもしれない。会社内で完結するのではなく、インターネット上のコミュニティを活用することで、様々な展開が可能になる。
 こうした活動により、消費者参加型のモノ作り、あるいは、製造の民主化が可能になるだろう。そうなって初めて、アパレルもメーカーズムーブメントに参画できるようになるのだ。
 量産のアパレル製品はほとんどがヨーロッパのトレンドを基本に企画されている。しかし、「トレンドを追いかけること」は、「常にデザインを陳腐化し、新しい商品を買い続ける生活を訴求していること」につながる。
 常に変化を追い求め、新しいファッションに対応することが、本当に素晴らしい人生なのか。本当の自分の個性を表現したいと思えば、トレンドに関係なく、個性的な服を着ることがベストではないだろうか。それを実現するための手段として、ファブがあり、自作がある。そういう人生を楽しみ、それをビジネスにするという選択肢もあっていいだろう。
 ファッションこそ、ロングテールのモノ作りに相応しいのではないか。

 クリス・ アンダーソン 『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』では、「先進国の強みは、ロボット生産とコミュニティにある」としている。
 ロボットによる自動生産が可能ならば、国内外の人件費の格差は関係なくなる。どこの国で調達しても、ロボット機械の価格に大差はないし、自動なので人件費の影響も少ない。しかし、アパレル生産に限定すれば、この種のロボットは存在しない。全自動のロボットを使うよりも、人間がミシンで縫製した方がコストも低いし、柔軟性も高いのだ。
 ファッション製品は、コスト競争力よりもデザインやプロモーションの競争力が問われる。その意味で、コミュニティを作り、それを活用するビジネスモデルは考えられるかもしれない。
 
2.クリエイティブコモンズによるユーザーコミュニティ

 例えば、「アパレル製品のデザイン、パターンにクリエイティブコモンズライセンスを付加して販売する」というアイディアはどうだろうか。
 製品を販売するだけでなく、有償でパターンを販売するのだ。それにより、自作することが可能になる。
 クリエイティブコモンズにはいくつかの種類がある。原作者のクレジットを表示することは最低条件。デザインの改変を認めるか否か。目的を非営利に限定するか、否か。改変した場合に元の作品と同じCCライセンスで公開するか否か。
 例えば、原作者のクレジットを表記し、改変した場合には、原作者と同じCCライセンスで公開できる、というライセンスを付加する。
 シャツのパターンを購入した人がシャツを自作する。その時に、ポケットを別のデザインに変える。そのパターンもまた、CCライセンスを付加して販売される。
 こうすれば、原作者は自分のデザインをどのように改変したかが分かるし、原作者とユーザーが互いに影響を与えながら、新しいデザインを創造していくことができる。
 また、商用の販売を認めれば、コミケのようにオリジナルとは異なる製品が市場に発表され、新たなビジネスが生まれるかもしれない。
 出来上がった製品のデザインをコピーしても、このコミュニティを生み出すことはできない。しかし、著作権を公開することで、新たなコミュニティが生まれる可能性があるのだ。
  
3.デザイナーがクリエイティブコモンズ・ライセンスを付加する意義

 ファッション専門学校からは、毎年、大勢の卒業生が巣立つ。在学中には、多くの作品を作り、発表している。
 多くの場合、それらの作品は市場に発表されることもなく、埋没していく。
 例えば、学生の作品を選抜して、クリエイティブコモンズのライセンスを付加して、販売するコミュニティはできないのか。数々のコンテストのグランプリを取ったデザイナーが作る日常服を着てみたいと思う人も多いと思う。現在、「コスプレ」では着用社が自作するのが一般的である。その流れが、デザイナーの服にも来ないだろうか。
 ファブが一般化するにつれ、自作のニーズは高まると思う。その中で、自分の好きなデザイナーのキット商品、作品が自由に入手できれば相乗効果が生まれるだろう。
 かつて、新人デザイナーの最初の仕事は、「装苑」「ハイファッション」でイージーソーイングできる作品を発表することだった。それで知名度を上げながら、ファンを増やすことができた。その時の作品は著作権が放棄されていたが、現在ならクリエイティブコモンズ・ライセンスを付加することができる。
 そして、憧れのデザイナーのパターンを自分なりにアレンジして発表することで、デザイナーと自分の名前が並んで表示されるのだ。
 この手法は、プロのデザイナーにも使えると思う。例えば、個性的なコレクションを発表するデザイナーは、同じデザインを何度も使うことはない。一定の期間が経過した作品にクリエイティズコモンズ・ライセンスを付加して販売することはできないだろうか。

4.シェアすることで生まれる共創

 これまで企業は、著作権の保護ばかりを考えてきた。しかし、著作権の保護と言っても、商標以外はほとんど守られることはない。訴訟にはコストも時間も掛かるし、商品のライフサイクルはあまりにも短いのだ。
 積極的に著作権をシェアすることで、社外のデザイナーやユーザーが、自社製品の改良やマーケティング、プロモーションに協力してもらえるかもしれない。会社内で完結するのではなく、インターネット上のコミュニティを活用することで、様々な展開が可能になる。
 こうした活動により、消費者参加型のモノ作り、あるいは、製造の民主化が可能になるだろう。そうなって初めて、アパレルもメーカーズムーブメントに参画できるようになるのだ。
 量産のアパレル製品はほとんどがヨーロッパのトレンドを基本に企画されている。しかし、「トレンドを追いかけること」は、「常にデザインを陳腐化し、新しい商品を買い続ける生活を訴求していること」につながる。
 常に変化を追い求め、新しいファッションに対応することが、本当に素晴らしい人生なのか。本当の自分の個性を表現したいと思えば、トレンドに関係なく、個性的な服を着ることがベストではないだろうか。それを実現するための手段として、ファブがあり、自作がある。そういう人生を楽しみ、それをビジネスにするという選択肢もあっていいだろう。
 ファッションこそ、ロングテールのモノ作りに相応しいのではないか。

*有料メルマガj-fashion journal(148)を紹介しています。本論文は、2014.9.15に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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