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April 17, 2015

クラウドファンディングを活用しよう j-fashion journal(133)

1.クラウドファンディング投資とは?

 「クラウドファンディング」とは、個人が小口で企業や事業に投資できる手法であり、投資を受ける企業は、事業単位で資金調達ができる。
 希望金額に達しなければ、投資は不成立となり、事業は行われない。
 投資対象事業の売上が投資家への分配原資となり、投資時の契約に基づく割合とタイミングで、投資家へ分配される。
 しかし、投資の動機は、利益の獲得だけではない。「事業者を応援したい」「事業者の考え方に共感した」という動機が多く、「クラウドファンディングという仕組みそのものへの共感」も多いという。
 「利益が出そうだから」という動機が、非常に少ないのも大きな特徴となっている。
 投資家の希望するプロジェクトは、「食関連」「環境問題」「伝統文化」「地域活性化」等だ。食関連は個人的なリターンが明確なこと、店頭で変えない商品が入手できることが魅力になっているのではないか。
 「環境問題」「伝統文化」「地域活性化」等は、公的要素が強く、社会貢献やボランティアの考え方に近い動機が感じられる。
 企業側も、クラウドファンディングによる資金調達は収益性よりもこだわりたいことを大切にする事業の資金調達を主眼としており、通常の資金調達とは大きな意識の違いがあるようだ。
 そのこだわりを支持する投資家とのマッチングを行うのが投資会社の仕事とも言えるだろう。


2.(企画1)産地ツアープロジェクト

 既に成立した事業の事例をいくつか聞いた中で、私が面白いと思ったのが、「工場を訪問するツアー企画」だった。ツアーを成立させるための募集であり、投資家はツアーに参加することができる。また、投資を受けた企業は工場で生産した商品をプレゼントとして無料で提供する。投資家にとっては、投資以上のリターンが見込まれるという企画である。
 繊維産地の人も、お客様に産地に来てほしいと思っている。しかし、産地ツアー企画は意外に難しいのだ。企業や組合が企画しようとしても、意見がまとまらない。まとまったとしても、何人募集かあるかは、やってみないと分からない。プロモーションや参加者募集のノウハウもない。結局、実現できないのである。
 しかし、マイクロ投資のプロジェクトにすれば、設定金額に投資が満たなければ、プロジェクトを中止することができる。通常は、スタートしたら中止することはできない。そういう意味では、企業側も投資家側もリスクはなくなる。
 投資会社には、割引やクーポン発行を禁止しているところもある。無料でプレゼントなら良いとのこと。
 例えば、織物産地で、織物工場と縫製工場を見学をする。そこで作られた生地の中から、好きな生地を選んで、オーダーメイドでワンピースを作ってプレゼントする。もちろん、地元ならではのグルメも堪能できる。こんなツアーを企画できないだろうか。
 参加者にとっては、地域貢献、地場産業振興という社会貢献にもつながるだろう。
  
3.(企画2)ファッションショープロジェクト

 現在のファッションショーはプレスやバイヤーが対象となっている。しかし、一般の人でも見たいと思う人は少なくないだろう。
 そこで、クラウドファンディングにより、ファッションショーの資金調達をするのはどうか。
 但し、単独のデザイナーでは採算を取るのが難しいと思う。一人10分のファッションショーならは、6人で1時間のショーを企画する。
 そして、ショーの後に立食パーティーをして、デザイナー、モデル、参加者の交流を図る。
 特典は、ファッションショーで発表したコレクションの展示会への招待。投資家は、1シーズンに限り、ショーに参加した6ブランドの展示会でプロのバイヤーと同程度の掛け率で商品を購入することができる。
 例えば、シーズンで20万円の買い物をしてくれる顧客が6掛で購入できれば、8万円得したことになる。
 一人8万円の投資を100人集めれば、800万円の資金が集まる。
 これでショー全ての資金が集まるわけではないが、プロモーション効果と顧客の固定化という意義は大きい。
 参加者にとっては、デザイナー支援、クリエーション育成という社会貢献につながる。
 
4.(企画3)ファッション雑誌プロジェクト

 インターネットの普及により、紙媒体は苦戦を強いられている。このままでは、編集者、カメラマン、スタイリスト等の仕事も減少し、次世代の才能を育てることができなくなる。
 そこで、次世代クリエイター育成のためのファッション雑誌を企画し、マイクロ投資で企画、制作、出版までを行う。
 広告面もクリエイティブな作品だけを掲載する。そういう意味では、広告のクライアントにも、ある意味でクリエイティブ投資をお願いすることになる。雑誌はネット上の限定販売。世界中で販売する。
 クオリティの高い雑誌を維持することは難しい。商業主義に走れば、クオリティが落ちるし、クリエイティブを貫き過ぎると部数を伸ばすことが困難になる。
 雑誌は季刊とし、年4回の発行。例えば、一人2万円の投資を集める。一人二冊ずつ配布して、一冊はこの趣旨に賛同してくれそうな人へのプレゼントをお願いする。
 投資家へのリターンとしては、出版パーティーへの参加。編集者、カラメマン、モデル等も参加し、互いの交流を図る。
 参加者にとっては、ファッション文化振興への貢献、世界に日本のファッションを発信することへの貢献ができることになる。

 クラウドファンディングの企画は、収益性よりプロジェクトの社会的意義にある。収益はトントンでいい。社会的意義のあるプロジェクトを継続することが社会貢献につながるのである。

*有料メルマガj-fashion journal(133)を紹介しています。本論文は、2014.6.9に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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