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February 13, 2015

半農半ICTの生活スタイル j-fashion journal(132)

1.2040年に自治体の半数が消滅!?

 日経新聞WEB刊2014/5/8付けにショッキングな記事が掲載されている。
 元総務相で東大の増田寛也客員教授らは8日、2040年には全国1800市区町村の半分の存続が難しくなるとの予測をまとめた。
 国土交通省も全国6割の地域で50年に人口が半分以下になるとしている。ある程度の人口を保つことを前提にした国土政策は見直しを迫られる、とのこと。
 主な原因は、都市部への人口集中と出生率の低下である。地方は限界集落が急激に増えている。秋田県では、大潟村を除いて、全ての自治体が消滅の危機にあるという。
 人口が集中する都市部でも、生活負担が大きく、子育てができない。東京都豊島区に住む20~39歳の女性は40年には半分に減る見通しだ。

 経済予測は外れることが多いが、人口動態の予測は的確だ。今回の発表は近い将来の日本の現実であり、その現実から目を背けてはならないことを意味している。
 この問題を解決するにはどうすればいいのか?ライフスタイルという視点から私なりに考えてみたい。
 
2.大都市集中と出生率低下の原因は?

 現在の状況を改善するには、なぜ、現在のような大都市集中と出生率低下が起きたかを考えなければならない。
 都市の人口集中は、集団就職に象徴されている。高度経済成長時代に向かう1960年代、都市部では労働力が不足していた。一方、農村部や地方では仕事も少なく、所得も低かった。子供の教育費の負担ができないため、中卒で就職するケースも多かったのだ。学歴の高くない子供が都市部で就職することは、家族の負担が減ることでもあった。
 こうしたことから、中卒の集団就職者は「金の卵」と持てはやされたのである。
 その後、高校進学率、大学進学率は上昇を続けたが、大企業が都市部に集中していたために、彼らもまた大都市に集中するようになった。
 大都市は人口が増えたために、家賃や物価が上がった。仕事も多いし、収入も多いが、生活費もそれ以上に多い。そして、最近では、コンビニやネット通販により生活の利便性が高まり、高機能の家電製品により、家事労働は軽減されている。
 単身者が生活するには大都市は快適だが、結婚し、子育てするには、コストが高すぎる。これらのことが複合的に作用して、結婚率が下がり、出生率も下がっているのだ。
 
3.子育てをする望ましい環境とは?

 2013年7月31日の東洋経済オンラインに「住んで損する街、得する街」という記事がある。
 その中に「出産・子育てしやすい街」ランキングがある。このランキングの元になる指標は以下の通り。「乳幼児人口一万人当たり認可保育所定員数」「月額保育料」「人口一万人当たり小児科医、産婦人科医数」「一人当たり都市公園面積」「人口一万人当たり刑法犯認知件数」「合計特殊出生率」
 つまり、安く利用できる保育所が多く、公園、病院が充実し、安全で、実際に多くの子供が生まれている街ということになる。

 この基準で判断した結果、首都圏のベスト10は以下の通り、紹介されている。

 (1)東京都武蔵村山市
 (2)東京都府中市
 (3)東京都青梅市
 (4)東京都あきる野市
 (5)千葉県富津市
 (6)東京都東大和市
 (7)東京都稲城市
 (8)東京都昭島市
 (9)東京都福生市
 (10)東京都多摩市
 
 関西圏のベスト10は以下の通り。

 (1)和歌山県有田氏
 (2)和歌山県橋本市
 (3)兵庫県たつの市
 (4)滋賀県栗東市
 (5)奈良県橿原市
 (6)奈良県奈良市
 (7)兵庫県三木市
 (8)奈良県桜井市
 (9)大阪府吹田市
 (10)奈良県天理市
 
4.「半農半ICT」というライフスタイルと「出産・子育て特区」

 「子供は自然の中で伸び伸び育てたい」と考える親は少なくない。それには、ストレスの多い都会ではなく、地方こそ望ましい。しかし、地方は何かと不便だ。利便性を求めると都会に集中してしまう。ここで発想を転換しなければならない。
 問題はバランスである。収入が多くても物価が高ければ意味がない。収入が少なくても、物価が安ければ生活はし易い。
 人口が減少している地方都市、あるいは限界集落では家が余っている。どこも空家だらけだ。この空家をリフォームすれば住宅の問題は解決する。たとえば、自治体が空家を借り上げ、リフォームする。そして、家賃を低く抑えて貸し出す。
 家だけでなく、農地も耕作放棄地が増えている。これも自治体が借り上げて、住宅と一緒に入居者に貸し出す。
 この場合、農地の賃貸料を払う代わりに、例えば週に1~2日、農作業をするという条件にするのはどうだろうか。その代わり、収穫した農産物の一部を受け取る。
 家賃もまた、労働で払えるようにする。例えば、道路の補修など、公共の仕事を週一日行えば、家賃は無償に近くなる。
 これにより、生活費はかなり抑えられるはずだ。生活費が少なくなれば、収入が少なくても生活できる。例えば、クリエイターのような仕事でも生活できるかもしれない。好きな仕事だけしたいという人は少なくないはずである。
 これはある意味で「住民と自治体とのコラボレーション」といえるだろう。
 それでも最低限の現金収入は必要だ。働く場所を確保しなければならない。病院や教育機関も不可欠である。
 ここで自治体と企業とのコラボレーションが必要になる。
 かつて、自治体は工業団地を造成して企業を誘致したが、現在では魅力が薄くなっている。
 例えば、ICT関連の企業なら、通信回線さえ整備できれば、どこでも仕事ができるはずだ。自然に囲まれた環境の中で豊かな生活ができる環境を整備することは、優秀な人材を集めることにもつながる。また、後述するように、法人税などの企業負担が軽くなれば、企業にとって大きな魅力になるだろう。
 もちろん、通信環境等は整備が必要だが、これも通信会社とのコラボレーションができるのではないか。
 その上で、例えば、社員の福利厚生としての病院や、人材育成としての教育機関に投資すれば、その分を免税にする。極論すれば、自治体は法人税を無償にする代わりに、出産・子育てできる環境作りに投資してもらうのである。
 こうした地域ぐるみの生活環境、ビジネス環境を整備することができれば、企業は多様な雇用形態による人材を活用できるようになるだろう。
 以上のような自治体を「出産・子育て特区」として国が認定する。
 住民の仕事のイメージは、四分の一を自給自足のための農作業、四分の一を公共事業、半分を企業の仕事を行う。もちろん、強制されるわけではなく、そういう働き方も選べるということである。そして、すべての仕事でワークライフバランスは保証する。
 こうした仕組みを作ることで、住民はバランスの良いライフスタイルを送ることが可能になり、結婚、出産が容易になる。そして、企業は優秀な人材を低コストで活用することができるようになる。
 自治体は小さな組織で運営できるようになり、限界集落に若者が呼び込めるようになる。全てがWIN-WINになるような仕組みを構築するのである。
 現在の結婚・出産・子育てを難しくしているのは、企業が自らの利益しか考えていないからではないか。そして、自治体も自らの既得権益を守ろうとして、外部の人材を活用することをしない。そのため、住民の意思が反映されない行政活動になっている。
 住民も公的事業や農作業に参加することで、地域コミュニティが再構築されるのではないか。また、複数の仕事をすることで、それぞれの得意不得意な人が助け合えるかもしれない。企業の仕事が得意な人もいるし、農作業が得意な人もいる。土木作業が得意な人もいるだろう。それぞれの人々が、地域という単位で助け合うことができるのである。

*有料メルマガj-fashion journal(132)を紹介しています。本論文は、2014.6.2に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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