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November 16, 2014

もっとビジネスに動画を活用しよう j-fashion journal(125)

1.YouTubeで検索する時代

 世界中で和食が大流行している。どんな国にも和食のレストランがあり、そのほとんどは和食の基本さえ知らない外国人の料理人がオリジナルの?和食を作っている。
 そんな外国人料理人へのインタビューをテレビで見た。「あなたはどこで和食を習ったんですか?」「YouTubeで覚えた。師匠はYouTubeだ」
 和食が世界遺産になったのだから、日本人の正当な料理人が和食の作り方をYouTubeにアップすればいいのに、と思う。と言っても、無償で自分のノウハウを提供する人はいないので、誰も実行はしない。そうしているうちに、今日もインチキ和食のレシピをYouTubeで見ている人がいる。
 私達は、何か知りたい時に、Googleで検索する習慣を身につけた。
「ググる」という言葉もある。しかし、次第に「YouTubeで検索する時代」が近づいているのかもしれない。

 ファッション業界人は既存のファッション教育機関に文句は言うが、自分で「YouTube」にファッションビジネス講座をアップしようとはしない。「文句を言うなら動画をくれ」という声が聞こえてきそうだ。
 同様のことはグローバル人材育成にもいえる。グローバルビジネスに関わっている人の体験談を動画でアップしてくれれば、勉強になる。海外ビジネスの楽しさを紹介してくれれば、海外に飛び出す若者も増えるだろう。問題は語学ではない。現場を見ていないことだ。
 そう言いながら、私自身も無償で動画配信を行おうとは考えなかった。原稿執筆や講演も私の生活を支える重要な収入源だったからだ。しかし、そういう考え方そのものが間違っているのかもしれない。
 考えてみれば、私は講演や講義で全く同じ話をすることはない。私は、最新の話題を提供したいと思っているし、同じことを繰り返したら、自分自身が停滞してしまうからだ。それなら、無償でファッションビジネス講座を配信してもいいはずだ。動画を見たから、セミナーに来ないという人よりも、動画を見たからセミナーを受けたいと考える人が多いに違いない。結局、面倒だからと怠けていただけだ。
 試しに、「YouTube」で「ファッションビジネス」と検索してみたら、明治大学の特別講座が出てきた。試験的にアップしたようで、継続的に授業の動画をアップしているわけではない。いろいろと検索しても、体系的、戦略的にどうかを活用している例は少ない。まだまだ発展途上のメディアなのだ。
 試しついでに、「坂口昌章」と検索してみた。何も出てこないと思ったが、私が行った「桐生繊維大学」の講義が出てきた。そういえば、「ビデオで撮ってもいいですか」と聞かれた記憶がある。何となくホッとした。しかし、これは偶然に過ぎない。本来ならば、戦略的に取り組まなければならない。これでは、ネット動画の世界に存在していないに等しいからだ。

2.「Ustream」と「YouTube」

 「Ustream」「YouTube」共に動画共有サービスである。「Ustream」は、twitterと連動したライブ配信に特徴がある。
 例えば、セミナーを「Ustream」でライブ配信する。そのURLをtwitterで告知し、集客する。同時に、チャンネルページには、twitterの画面が表示され、聴視者と配信者がリアルタイムでコメントの交換ができる。
 「Ustream」のチャンネルページをプロジェクターでセミナー会場に投影すれば、聴取者からの質問や意見が画面に流れてくる。リアルリイムで質問に答えることも可能である。
 リアルタイムという意味では、テレビの生中継を個人ができるということだ。例えば、このメルマガを執筆している現在、「Ustream」では、ウクライナの反政府運動の様子がライブ中継されている。世界中で約8千人の人が視聴しており、世界中からツイートが集まっている。
 「Ustream」はライブ配信だけでなく、録画の機能も持っている。そして、録画した動画を加工して、「YouTube」に掲載することも可能だ。
 「YouTube」は、基本的にビデオ撮影した動画ファイルをアップロードし、共有するというもの。これまでは15分が上限だったが、現在はその上限も外れている。不法行為等を行っていない良好なステータスと認定されれば、長時間の動画をアップすることが可能だ。
 かつての「YouTube」は、世界中で著作権訴訟を引き起こしていた。それで悪いイメージを持っている人もいるかもしれない。しかし、Google社傘下に入ってからは、著作権問題も解決している。その一環という意味もあるだろうが、「YouTube」は「Google+」と完全にリンクし、投稿にはGoogleのアカウントが必要になっている。
 また、最近になって「YouTube Live」というサービスも一般に開放された。これは「Ustream」と同様、ライブイベントを作成し、世界中に配信が可能になるというもの。イベントの録画は4時間まで可能だ。
 最早、どちらのサービスを選ぶか、という問題ではない。twitterとFacebookのように、互いのサービスは連携している。また、常に技術開発、サービス開発が行われており、数カ月前と現在では全く変わっているのだ。
 どちらのサービスも無料の動画編集ツールを公開しており、素人でも取り組める環境が用意されている。とは言っても、いざ始めるとなるとそんなに簡単ではない。いろいろと用意するものがある。

3.何のために誰に何を伝えるのか?

 動画を撮影し、それを加工し、配信するために最低限必要なものはスマホだけだ。スマホには動画が撮れるカメラがついており、インターネットにもつながっている。
 一方で、機器に凝りだすときりがない。デジタル一眼レフやビデオカメラ、ハイグレードなパソコン、マイクや撮影用照明器具。いくらでも上位機種は存在するし、お金がいくらあっても足りない。
 しかし、どんなに高価な機器を揃えても、動画配信ができるわけではない。問題は、「何のために誰に何を伝えるのか?」である。
 趣味のビデオ撮影ならば、ペットの犬や猫を撮影して公開すればいい。愛好家との交流も可能だし、これまでとは別世界の楽しみが待っているだろう。
 しかし、ここではビジネス目的について考えたい。
 例えば、ファッション専門店の広告宣伝をしたい場合、どうすればいいだろう。商品の写真をブログで並べるよりは、店内の様子を動画で撮影してアップした方が面白いだろう。更に、効果を上げたいならば、それらをコーディネートして、ファッションショーのようにモデルが歩く動画を配信する。モデルは一人でも可能だ。何度も撮影して合成すればいい。
 その場合でも、何らかの工夫はいると思う。商品に魅力があれば、それだけで通用する。しかし、商品が普通ならば、モデルで差別化するという方法もある。海外のファッション専門店で、おじいちゃんが女装してモデルとなったら、アクセス数が爆発的に増加したという例がある。
 テレビ番組と同様で、視聴者はサプライズを求めている。商品を売ろう売ろうとしている番組ほどつまらないものはない。視聴者は面白いから見る。そして、結果として商品の購入につながるのだ。
 メーカーならば、工場の様子は機械が動いている様子は興味深いものだ。普段見ることができない映像は魅力的だ。
 ここでも問題は、メーカーが見せたいものと、視聴者が見たいものを混同してはならないということ。どんなに力説したい技術でも、それが相手に伝わらなければ、誰も見ない。そもそも技術的な解説を喜ぶのは、競合他社だけである。
 人間を描写するという視点も大切だ。顧客の意見、社長や従業員の家族の意見、外注先の意見、アルバイト社員の意見、近所の評判などを上手にまとめれば、企業イメージを上げることができる。

4.展示会を動画配信する

 「展示会を動画配信する」ことは、非常に有効だと思う。これには、二つの意味がある。
 第一は、合同展等の会場の様子、各ブースの紹介、商品の紹介等を動画で配信するというもの。あるいは、来場者や出展者の声を紹介する。
 この動画は、各社の営業ツールにもなるだろう。動画撮影、動画配信はまだまだ敷居が高い。各社が配信することを期待しても難しい。そこで、展示会場の一角に簡単な撮影スタジオを設け、そこから番組を配信する。内容は、出展企業の経営者へのインタビューや一押し商品の紹介。あるいは、業界の課題等をパネルディスカッションしても面白いだろう。
 これまでの展示会でも動画撮影はしていた。しかし、多くの場合、資料として保存することが目的であり、具体的な販売促進や来場促進に活用していない。
 今後は、戦略的な販促活動の一環として動画配信することが求められるはずだ。
 第二は、展示会そのものをオンライン中心に行うというもの。動画とWEBを連動させ、商品を紹介し、顧客に発注してもらう。言い換えれば、顧客を対象にしたオンラインの展示会である。
 これは、イベントとしても面白くなると思う。「Ustream」を使えば、twitterと連動しているので、商品を紹介する画像に「カワイイ」というつぶやきが殺到するかもしれない。良いつぶやきをした人には割引価格で販売するとか、商品をプレゼントするというのはどうだろう。
 あるいは、逆オークションという考え方もできる。早くオーダーした人はより安く購入することができる。例えば、限定100個の商品を先着5個までは3割引、10個までを2割引、20個までは1割引と設定する。
 このようにいろいろなゲーム的要素を取り入れて、受注会そのものをエンターテイメントにしてしまうという発想だ。
 受注会だけでなく、購入した商品を着用して撮影した写真を投稿してもらうオンラインイベントを開催することで、顧客の組織化を促すことも可能だ。ショップがあるなら、ショップで撮影した写真を会員だけに公開するイベントを立ち上げてもいい。
 動画を中心に、様々な仕組みやサービスが次々と更新されている。それを実感しながら、新たなサービスやイベントを企画し、実践していくことが求められていると思う。
 とにかく、できることから始めてみよう。twitterが始まった時の興奮、Facebookに慣れた頃に感じた可能性。私は、それと似た雰囲気を最近の「Ustream」「YouTube」に感じている。個人ユースでノウハウを積み上げてきたサービスが、いよいよビジネスに展開していく予感がするのだ。

*有料メルマガj-fashion journal(125)を紹介しています。本論文は、2014.4.14に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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いつもとても参考にしております。ひとつだけ。文字の小ささや文字間等ブログのフォーマットが文字一色で最後まで見るのに一苦労です。意見として。

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