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June 26, 2014

自由な女性市場の誕生 j-fashion journal(117)

1.驚くべき「パワフルで自由な女性」達

 私の友人にはアパレル企業出身者が多い。普通のオジサンよりもお洒落なオジサン、少し前なら「チョイ悪」と言われたようなオヤジが多いのだ。
 私自身50代後半になり、周辺の景色が次第に変わってきている。まだ現役で仕事をしているというものの、気がつけばビジネスの本流からは微妙に外れている。それは私の友人も同様であり、私を含めて仲間たちの周辺の人間関係も微妙に変化しているようだ。
 まず変わったのは、友人との会話の内容である。
 若い頃の友人たちとの会話は仕事中心だった。いろいろな会社の話、それに関連した政治や経済の話。
 私の周辺のチョイ悪オヤジとの会話では、家庭の話題はあまり出てこない。女性の話題も出るとすれば、芸能人や盛り場の女性のように、実生活とは離れた存在の女性達だ。
 年齢を重ねるにつれ、友人たちは、会社中心ではなく、個人中心の生活に移行している。フリーランスで仕事をしている友人、現場の仕事は社員に任せ、地域の活動が増えている経営者の友人。働いてはいるが、仕事以外の時間が確実に増えている。

 彼らとの会話も、仕事以外の話題が増えてくる。仕事の話題であっても、若い頃のように組織内の悩みや昇進の話題はない。個人で仕事をしていく中での話題だ。
 そうした会話の中で、気がついたことがある。やたらに、パワフルで自由な女性が登場するのだ。
 共通の知り合いでもない女性を話題に出すということは、それだけサプライズがあったということだ。「この間、こんな女性に会って、びっくりしたんだ」と話は始まる。
 この種の話題は、実に多い。登場人物も状況も全く異なるが、かなりの頻度で「驚くべき女性」が登場する。共通しているのは、彼女たちが時間的にも自由であり、加えて自由に使えるお金を持っていることだ。
 年齢は、40代から80代くらいまで幅広い。自分で会社を経営している女性。リッチな男性の奥様、ボランティア活動をしている女性、趣味に打ち込んでいる女性。未婚者も既婚者も離婚者もいるが、皆、自由である。
 彼女たちの話を聞いていると、彼女たちは「新しい市場を形成しているのではないか」と思えてくる。彼女たちは多様で、バラバラだが、共通点もあるようだ。
 
2.チョイ悪オヤジとの距離感

 アパレル出身のチョイ悪オヤジは、一般のオジサンよりもお洒落で、女性の扱いが上手だ。長年、女性のバイヤーや販売員、お客様と接してきた経験がある。自由で元気なオバサン達にとっては、格好の話し相手であり、「都合の良い男友達」である。ホストとは違い、堅気のビジネスマンであり、仕事の相談にも乗ってくれる。しかも、ファッションの話題、グルメの話題にも通じている。お洒落だから、一緒にいても恥ずかしくないし、女性との一定の距離を保つ余裕もある。
 そんなチョイ悪オヤジが「びっくりする」ほど、彼女たちは自由で元気だ。仕事を持っている、いないに関わらず、自由に使えるお金を持っている。未婚、既婚に関わらず、時間的に自由だ。好奇心旺盛で、良く食べ、良く飲み、良くしゃべる。お洒落も大好きだが、センスが良いとは限らない。だからこそ、ファッションのアドバイスを受けたいと思っている。美味しいレストランにエスコートして欲しいとも思っている。
 彼女たちは年齢的に言えばオバサン、オバアサンだ。若い女性を好む男性の目には入らないだろうし、会社勤めの普通のオジサンが目を背ける対象かもしれない。しかし、そんな言葉で片づけるわけにはいかないほど、エネルギーに溢れている。
 彼女たちの年齢になると、男性に対する態度も二分されるようだ。何歳になっても男性を必要とする女性と、男性なんて面倒臭いだけ、と思っている女性。色気を振りまく女性と色気を振りまくことが大嫌いな女性。男好きな女性と男嫌いな女性。もっと簡単に分類すると、オジサンに近づいてくるオバサンと、いつまでもオンナのオバサン。一方で、チョイ悪オヤジは、内面はオバサンに近く、外見はちょっと格好いいオジサンなので、どちらのタイプの女性とも付き合えるというわけだ。
 自由で元気な女性と、チョイ悪オヤジとのカップルを何と表現すればいいのだろう。仮に「茶飲み友達」というには枯れていないし、結婚を目指しているわけでもない。既婚者同士ならば不倫相手と言えなくもないが、それほどの生々しさもない。仕事やファッションの相談に乗っても、コンサルタントとクライアントでもない。それでいて、グループ旅行やパーティーに一緒に参加したりする。
 このカップルは、新しい市場のモデルにならないだろうか。彼らの話を聞いていると、シルバービジネスに対するマーケティングの欠落が見えてくる。

3.地域密着の自由でリッチな「ロフリッチ」

 地元密着型のライフスタイルを持った自由でリッチな人々を、仮に「ロフリッチLoFRich(Local free and rich )」と呼んでおこう。
 昔から地元密着のリッチ層は存在していた。しかし、地方都市で生活するリッチ層の多くは保守的だった。いわゆるコンサバリッチと呼ばれる人々だ。
 それが世代が変わると共に、保守的なライフスタイルではなく、先端的で豊かなライフスタイルを採用するようになっている。アベノミクスで消費意欲が拡大しているのは、彼女たちが中心かもしれない。
 ロフリッチは、新しく生まれた消費者クラスターである。昔のシルバーの常識が通用しない人々だ。団塊の世代が大量にリタイアし、会社中心の生活から地域中心に生活に移行するにつれ、その勢力は拡大している。
 昔から都心よりも地方都市に優良顧客が多く存在していることは、ファッション業界でも知られている。品質の高い高額品が売れるのは、都心ではなく地方都市だ。それらのリッチな顧客は、地方百貨店ではなく、地方の高級専門店の固定客になっている。彼女たちは、時間的、経済的な余裕もあるので、大都市に出てくることも多い。都心の百貨店の優良顧客が都市に住んでいるとは限らない。彼女たちの多くは、周辺の地域に住んでいる。
 都心には、学生や会社勤めの若い人々が多く生活しているが、彼らの可処分所得はそれほど高くない。決まった場所に定住するのではなく、引っ越しを繰り返しながら、生活拠点を移動している。また、情報も多く、常にトレンドの流れの中で生活している。次々と新しいモノを買い求め、消費を繰り返しているのだ。そういう意味では、フロー型ライフスタイルと言えるかもしれない。
 反面、地方都市のリッチ層は不動産資産を所有し、地元に密着した生活をしている。定年以前は、都心あるいは周辺で生活していた人々も、定年を機に地方都市の実家に戻る人も増えている。それらの人々はそれまでの貯蓄に加え、退職金を持っている。過去に例を見ないリッチな集団が生まれているのだ。
 ロフリッチには様々なタイプがある。趣味が嵩じて習い事の教室を開いている主婦。収入はそれほど多くなくても、可処分所得は多い。自分の時間も確保しているし、豊かな人間関係を持っている。あるいは、小さなビジネスを始めた女性起業家で、規模は小さくても地域密着型で堅実な経営を行っている人達もロフリッチに入るだろう。

4.モノよりコト優先のライフスタイル

 ロフリッチは、バブル経済も経験しており目が肥えている。生半可な商品では満足しない。満足しなければ、買わないで持っているものを使うだけだ。所有することにも、モノにも執着心はない。むしろ、人生を謳歌し、貪欲に楽しもうという姿勢が強い。コトが大切なのだ。
 残された人生の時間をどのように過ごすのか。どのように過ごせば楽しいかを真剣に考えている。これまで体験しなかったことを体験したいし、これまで知らなかったことを知りたいと思っている。
 たとえば、既婚者でも旦那さん以外の男性と食事をしたり、会話をしたりしたい。と言っても、家庭を壊したいと思っているわけではない。というより、既に家庭に縛られている時期は過ぎている。自分で計画して、自分で動かなければ人生を楽しむことはできない。旦那さんが柔軟な人なら、一緒に楽しむのもいい。しかし、そうでないなら、一人で楽しむだけだ。そんなイメージがある。
 地元のイベントやボランティア活動に積極的に参加するのも新しい出会いが欲しいからである。これからの人生を一緒に楽しめる新しい友人や仲間を求めている。
 そう考えると、ロフリッチが集まるのは商業施設ではない。ホテルやレストラン、劇場や画廊、趣味の教室や、ホームパーティの会場となる広いリビングルーム等がその中心だ。
 モノに執着しないロフリッチも、コトとなると話は別だ。その集まりに何を着ていくのか、が問題になる。そのためには、ドレス、バッグ、靴、アクセサリーなどを購入する。できれば、プロにアドバイスをして欲しい。しかし、商品を売りつけるような販売員に相談するのは嫌。個人向けのスタイリストに頼みたいと思うし、そういう人とも友達になりたいと思っている。
 ロフリッチに消費を促すには、まずコトを考えなければならない。そして、その拠点を確保することだ。百貨店やSCもパーティーができるような施設を整備するべきである。そしてイベントを企画するのだ。
 イベントのテーマに沿って、準備が必要になる。たとえば、スタイリング、ヘア&メイクの講座。ジュエリーやアクセサリーの講座。そういう勉強をするのも、また、楽しいのだ。
 楽しいコトがあれば、モノを買うために外出するかもしれない。しかし、イベント性がないのなら、ネットで購入した方が楽だ。ロフリッチはネットも賢く活用している。レンタルでドレスやバッグも調達する。
 こうした行動を、都会のファッショナブルなOLではなく、かつてコンサバリッチと言われた地方都市の中高年層が行っているのである。

*有料メルマガj-fashion journal(117)を紹介しています。本論文は、2014.2.17に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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