My Photo

お知らせ

無料ブログはココログ

« 繊維ファッション土曜塾ワークショップ「第一回大人ファッション会議(仮称)」 | Main | 中国百貨店の自主編集MD j-fashion journal(100) »

January 09, 2014

クールジャパンと共に制服を輸出しよう j-fashion journal(99)

1.世界をリードする日本のコンテンツ

 日本人はあまり意識していないが、日本のコンテンツは世界をリードしている。世界の人々は、日本の音楽、映画、マンガ、小説等を再発見しているのだ。
 日本国内では、洋楽、洋画は下火であり、日本人作家の作品が支持されている。日本人は日本語しか理解できない人が多いのだから当然とも言える。しかし、60年代、70年代は欧米に対する憧れが強く、若者は意味も分からないままに洋楽を支持していた。逆にいうと、日本のコンテンツは日本語故に海外で評価されることはなかった。
 ところが、日本のマンガやアニメがきっかけとなり、日本に憧れ、日本語を学ぶ人も増えてきた。既に、来日する外国人観光客で日本語を話せる人は少なくない。日本語を話し、箸を器用に使い、日本食を食べる外国人を見ると奇異な感覚にとらわれるのは私だけか。
 相変わらず、日本企業や日本人はグローバルに活動するのが苦手だ。しかし、グローバルな人々や企業が日本に注目している。

 その中で、ファッション業界は欧米崇拝主義者が多い。未だに、パリやニューヨークがファッションの中心だと思っている。しかし、フランス人もアメリカ人も日本のカルチャーやコンテンツを高く評価しているのだ。
 10年以上前から、欧米のトレンドセッターは日本のストリートファッションをリサーチしている。トレンドのリソースとして、日本のストリートファッション、若者ファッションは欠かせないものになっている。それにも関わらず日本の大手企業は欧米を見ている。そして、欧米のコピー商品をアジア市場で販売しようとしている。
 アジアの富裕層は、日本に対して日本オリジナルの良質でハイセンスで安心安全な商品を求めている。欧米のコピーを日本から買うのなら、欧米の本物を買えばいいし、欧米のコピー商品は市場に溢れている。
 ファッション業界も、日本のコンテンツを見直すべきだろう。そして、日本オリジナルのファッションを輸出すべきだ。

2.世界が日本を再発見したクールジャパン

 現在、行政や業界団体が「クールジャパンを輸出しよう」と活動を続けている。しかし、クールジャパンとは、外国人による日本文化の再発見であり、日本人が海外に打ち出したものではない。私は、「日本人がクルージャパンを輸出する」という発想が、そもそも間違いなのではないか」と考えている。外国の人が日本に来て、クールジャパンを買いつけるというのなら分かる。あくまで主体は外国人出なければならないし、供給する側ではなく、需要サイドに立たなければならないのではないか。
 クールジャパンに憧れる人々は、日本に来る。彼らは、クールジャパンと言われる商品だけを欲しがっているわけではない。伝統、文化、環境、食べ物、ファッション、日本人の風俗等を含めて、評価し、体験したいと思っているのだ。
 クールジャパンを輸出するのなら、「日本学」のような講座を世界の大学で開催するとか、日本を紹介するイベントを行うべきではないだろうか。それを商品を輸出するという狭小な発想に閉じ込めたのでは、全くクールではない。
 クールジャパンは輸出するものではない。外国人に発見させるものだ。それには、日本人の方が日本文化、日本コンテンツを再評価することだ。そして、ファッション業界は日本オリジナルのブランドを開発しなければならない。そして、日本人自らがその良さを理解して、自ら消費するのだ。
 日本食は世界に広まっている。しかし、日本人は日本食を輸出しようと思って技術を磨いてきたわけではない。舌が肥えている日本人消費者に満足してもらうことを目指した結果として、世界で評価されたのだ。
 ファッションも同様ではないか。日本人が本当に満足できるブランドや商品があるのか。海外からファストファッションブランドが入ってきても、ビクともしない日本オリジナルがあるのかが問われている。それがあれば、アジアでも欧米でも評価されるはずだ。
 
3.個人より集団を優先する制服

 私は、日本独自のファッション、日本独自のコンテンツの一つに「ユニフォーム」があるのではないか、と考えている。
 たとえば、学生服は世界で再評価されている。学生が共通の制服を着用することで、一体感、所属意識が芽生え、校内の治安が良くなるというのだ。
 服装が人に与える影響は大きい。人とは、本人も他人も含む。昔から不良はそれなりの格好をしていた。共通の服を着用することは、ある意味の自己主張だろうし、仲間との一体感、チームへの所属意識をカンン辞させるものだろう。
 日本人には聖徳太子の時代から「和を以て尊し」という思想が染みついている。個性に乏しく、自己主張が足りないとも言われるが、それとは表裏一体の関係だ。日本人には、個人としてのアイデンティティより、集団のアイデンティティを優先するというDNAが存在するのかもしれない。
 詰襟の学生服もセーラー服も軍服に由来しているが、既にそのイメージはない。むしろ、日本独特のポップなイメージに変質している。そして、アイドルの衣装とも微妙にリンクしながら、チームで着用する独特のファッションが生まれているのではないか。
 私は、「日本の学生服、制服をベースにした、ファッションの店を海外に輸出できるのではないか」と考えている。
 制服は、誰もが着用できるデザインである。大きな流行の変化もない。非常に合理的であり、しかも、細かい部分で個性を表現することもできる。その個性表現は欧米のような大胆なものではなく、日本人特有のデリケートなものだ。しかし、「そういう日本らしさが好きだ」という外国人も増えている。それこそ、クールジャパンではないか。

4.世界に発信する「ジャパニーズ・トラッド」

 たとえば、詰襟の学生服をカラー展開し、サイズを揃えることで、新たなファッションになるのではないか。黒、ネイビー、グレー、モスグリーン、ダークオレンジ等のカラー展開。あるいは、ストライプの展開。これは、ブレザーも同様のパリエーションが組める。
 そして、セーラー服やブレザーの女子の制服も展開する。ブラウス、ニット、アクセサリーの展開。オリジナルのワッペンや刺繍サービスも加えたい。
 ジャージーの展開を加えれば、室内着としても着用できる。そこに、靴、ソックス、バッグ等を加える。
 これを「ジャパニーズ・トラッド」という打ち出しでブランド化できないだろうか。。
 私は、このファッションは一般アパレル企業ではなく、ユニフォームメーカーが行うべきと考える。
 基本的には、現在、制服として生産している製品のテキスタイルを置き換えるだけでスタートできるので、大きな投資は必要ない。何社かで分担すれば、各社の負担は経るだろう。
 こんな店が東京にできれば、外国人観光客は必ず来るだろう。同時に、日本人の若者の支持も得られるのではないか。また、本業の制服ビジネスにも役に立つ。これまでユニフォーム業界は、顧客ニーズを直接吸い上げるショップを持たなかった。その意味でも、「ジャパニーズ・トラッド」ショップの意義はあるだろう。
 もし、クールジャパンのプロモーションをするのであれば、この制服ファッションのファッションショーは理想的だと思うのだ。いかがだろうか。

*有料メルマガj-fashion journal(99)を紹介しています。本論文は、2013.10.21に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

« 繊維ファッション土曜塾ワークショップ「第一回大人ファッション会議(仮称)」 | Main | 中国百貨店の自主編集MD j-fashion journal(100) »

「ファッションビジネス」カテゴリの記事

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

« 繊維ファッション土曜塾ワークショップ「第一回大人ファッション会議(仮称)」 | Main | 中国百貨店の自主編集MD j-fashion journal(100) »