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December 14, 2013

社内SNSで会社を活性化しよう! j-fashion journal(82)

1.不都合なメール

 仕事の主な連絡が電子メールになったのはいつからだろう。
 かつては、電話が中心だった。「朝から番まで電話をかけことが仕事」という時代もあった。
 電話は相手の都合を問わず、応答を強制する。昔は、電話が掛かってきたら、直ちに出るのが当たり前だった。しかし、電子メールが普及するにつれ、『なぜ、電話をかけてくるんだ。他人の都合を考えずに」と考えるようになった。
 もう一つの電話の欠点は、記録が残らないことだ。「言った、言わない」が揉める原因になる。
 次にFAXが加わった。FAXは都合の良いときに見ればいい。しかし、出張や事務所を離れているときは見られない。記録も残るが、間違いFAXや、社内でFAXを間違えて捨ててしまう人もいるかもしれない。
 現在でも、「何でも電話で済まそうとする人」と「何でもFAXで送ろうとする人」がいるが、基本的なコミュニケーションを電子メールに移行した私にとっては迷惑な話だ。「なぜ、メールで送ってこないんだ」と思ってしまう。

 電子メールはとても便利なツールだった。非同期なので、互いの自分の都合の良い時間に見ればいい。相手が開封したか否かの確認もできる。電子メール転送の設定をしておけば、スマホや携帯でも確認できる。
 それに添付ファイルをつけることも可能だ。過去には郵便か宅配便で送っていた書類を電子メールに添付して送ることができるようになったのだ。
 ほぼ万能かと思われた電子メールも次第に問題が生じるようになった。一つは、大量に送信されるスパムメールである。フィルタリングの技術が進んだために、ほとんどの迷惑メールは自動的に迷惑メールのファイルに分類される。
 しかし、時には必要なメールも迷惑メールに紛れてしまうことがある。自分のPCが壊れて、保存しておいたメールが消滅することもある。相手のメールアドレスを探すのも時間が掛かる。

2.公私混同のSNS

 こうした問題点を補完するのがSNSだった。最近では、仕事の連絡もfacebookのメッセージ、twitterのDM、LINEで行うことが増えてきた。電子メールはビジネス文書の延長だったが、SNSはチャットに近い。電子メールよりスピード感がある。
 もう一つ重要なことは、震災等で回線が混雑すると、電話、携帯は使えなくなるが、SNSは落ちないということだ。これは東日本大震災時に証明されている。
 SNSの良いところは簡単に相手にメッセージを遅れること。メーラーを開いて、相手のメールアドレスを記入して、メールを書く必要もない。
 しかし最近は、SNSにも問題が出てきた。アドレスを乗っ取られたり、トラブルに巻き込まれる事例も増えている。個人情報漏洩の問題もある。見知らぬ人から友達申請があったり、ゲームアプリのお勧め、誕生日のお祝い、広告など、様々な誘惑があふれている。
 最も困るのは、公私混同なメディアになってしまうことだ。仕事上の知り合いと、プライベートな知り合いが混同してしまう。LINEを開くと、新着情報が出てくる。これらにより、どうしても無駄な時間を過ごしてしまう。
 仕事の愚痴を匿名のツイッターでつぶやいた結果、処分される公務員も出てきた。SNSをしていると、どうしても公私混同になりやすい。
 SNSの簡便性、操作性は良い。しかし、コンテンツに問題がある。それらの問題を解決し、ビジネス用途に限定したのが、社内用SNSである。
 
3.社内SNS、チャットサービスのあれこれ

(1)Yammer(ヤマー)https://www.yammer.com/?locale=ja
 wikipediaによると、ヤマーは「2008年9月にリリースされた、エンタープライズ向けのソーシャル・ネットワーク・サービス。Yammerは不特定多数にメッセージが公開されるTwitterと違い、組織内や組織のメンバーや指名されたグループの間でプライベートなコミュニケーションを取るために利用され、エンタープライズ向けのソーシャル・ソフトウェアの例として挙げられる。(中略)
 2012年6月25日、マイクロソフトが12億USドル(約950億円)で買収すると発表。
 Yammer内のネットワークへのアクセスは利用者のメールアドレスのドメインによって決定され、同じドメインを持つ利用者だけが自らの所属するネットワークに入ることが出来る」
 最初はTwitterに近い機能だったようだが、現在facebookに近くなっており、コメントに対して、「like」もつけられるようになっている。基本的に同じドメイン間のコミュニケーションに限定していることから、会社の共通アドレス内でのコミュニケーションということになる。
 無料の基本サービスと機能を強化した有料サービスがある。
 
(2)Salesforce Chatter(チャッター)https://www.salesforce.com/jp/chatter/overview/

 セールスフォース・ドットコムのクラウド型社内ソーシャルメディアで、基本的にはヤマーと同じ構造を持つ。
 facebookと同様のコミュニケーション機能に加え、共有ツールとセキュリティが付加されている。社員メンバーをフォローすることで、ファイル等を共有することが可能であり、プロジェクトチームを作って、情報を共有することも可能だ。もちろん、セールスフォースが展開するCRM等のサービスと連携できる。
 チャターにも、ヤマーと同様に無料の基本サービスと機能強化の有料サービスがある。
 
(3)zyncro(ジンクロ)http://www.zyncro.jp/?ka=ga

 スペインのZyncroTech社でが提供する企業向けソーシャルコラボレーションツール。基本的な機能は、ヤマー、チャッターと同様で、リアルタイムコミュニケーション、グループ作成、グループ文書共有、タスク管理等に加え、社外ユーザーをグループに招待することも可能だ。
 5ユーザーまでは1Gのストレージがついて無料、5ユーザーを超えると、ユーザー数とストレージによって料金が発生する。
 
(4)ChatWork(チャットワーク)http://www.chatwork.com/ja/

 日本のチャットワーク株式会社が提供するクラウド型ビジネスチャットツール。チャットワークはfacebookとは異なる独自の画面構成でより直感的なチャットが基本になっている。グループチャットによる簡易会議、タスク管理、ファイル管理、大容量ファイル送信が可能。また、同時ビデオ通話(ビジネスプランで14名まで)機能を有しており、ビデオ会議が可能だ。
 
 以上のサービスに共通しているのは、どれも無償で試験的な運用が可能であり、全てがスマホ対応を実現している。

4.社内SNS導入を成功させるには

 個人のSNSでも、様々な問題が生じている。主義主張を持つ個人が自由にコミュニケーションできるということは、それだけ摩擦が起きるということだ。
 常に複数の民族が存在している国や地域では、何を言っていいのか悪いのか、という社会的マナーが存在する。しかし、日本のように協調性を重視し、同調圧力が強い社会では、自分と異なる存在に対して寛容な態度が取れず、差別的な態度を取る人も出てくる。
 社内SNSも同様の問題が発生するかもしれない。あるいは、余りにも強い圧力を感じ、自由にコミュニケーションが取れなくなるかもしれない。
 社内SNSは、組織の壁を超えて、各個人が自由に連携することが可能になる。しかし、日本企業の組織の壁は厚い。他の部署の人間と話すには、管理職の許可が必要だという場合もある。また、自分の仕事を守るために、情報公開を拒む人もいるだろう。
 逆の言い方をすれば、多段階のヒエラルキー組織を維持するには、自由に情報が共有されることは好ましくない。厳格な情報統制が必要になるのだ。しかし、組織をフラット化し、仕事を見える化し、効率を高めようと考えるならば、社内SNSは非常に効果的なツールになるだろう。
 
5.業界内、産地内SNSの可能性
 SNSというものは、やってみて初めて分かることが多い。私自身、最初twitterを始めた時には、どうしていいのか分からなかった。また、参加者が増えるにしたがって、メディアの性格も変わってきたように思う。
 facebookも同様だ。facebookが何の役に立つのだろう、と思ったものだ。それでも個人的な楽しみとして続けているうちに、朧げながら活用方法が見えてきた。
 社内SNSも同様だろう。とにかくやってみることだ。使ってみてこそ効果が分かるはずだし、最後まで分からない人もいるだろう。それでもトライする価値はある。
 成功すれば、社内会議はほとんど必要なくなるはずだし、会議用資料も必要なくなる。逆に言えば、形式的な仕事だけが仕事だと思っている人にとっては、その仕事を失うかもしれない。
 社内を超えて、業界や産地がSNSを導入すれば、様々なことに気づきがあるはずだ。ノウハウや情報も共有できるだろう。しかし、利害関係が対立する人達を含めた環境の中で、どんな情報共有をすべきか、という課題は意外に難しい。
 秘密にすべきことは秘密にして、共有すべきことは共有する。それを各個人が判断しながら、情報共有を進めていく。そんな知恵が求められているのは確かである。

*有料メルマガj-fashion journal(82)を紹介しています。本論文は、2013.6.24に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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