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April 17, 2013

反日中国とのつき合い方 j-fashion journal(43)

1.相手を信用するのか?

 日本では、商売の前提として、互いを信じるという原則があります。名刺交換をしても、「相手が名刺を偽造しているかもしれない」とは思いません。最初から相手を疑って掛かるのは失礼であり、まず相手を信用するところから始まります。勿論、企業間の取引になれば、信用調査、与信調査等を行います。
 また、日本のビジネスは企業間で行うものであり、個人の関係とは無関係です。取引先の担当者が胡散臭くても、企業の信用があれば気にする必要はありません。担当者個人の問題は、その企業の責任であり、こちらには関係ないからです。
 しかし、中国に限りませんが、「最初から相手を信用しない」ことが常識である国も珍しくありません。常に相手が嘘をつくのではないか、裏切るのではないか、騙すのではないか、と警戒しながらビジネスをしているのです。
 また、企業よりも個人の信用を重んじます。企業は個人が利益を得るたぬの装置であり、いつでも解散したり売却することができると考えています。そんな実体のないものよりも、個人を信用するのです。

 また、国や政党も信じていません。日本では、国が国民と敵対したことはないと思います。しかし、中国等では、国の支配者が民衆を弾圧することは珍しくありません。ですから、国も信用していないのです。
 つまり、国や企業も信用していない。最も信用できるのは血縁、地縁等でつながった個人です。
 こうした常識の国でビジネスをするには、こちらもその常識に従うしかありません。中国人が中国政府を信用していないように、日本人も中国政府を信用すべきではありません。また、中国企業は規模が大きいほど、負債も大きいと考えた方が良いでしょう。基本的に企業内部に利益を留保するという習慣はありません。利益は全て個人に配分され、個人が投資を行うのです。ですから、経済的に判断しても、企業より個人を信用すべきなのです。
 ビジネスとは、互いの信頼関係があって初めて成立します。中国ビジネスも個人同士に信頼関係があって初めて成立するのです。
 中国進出を決めたから、中国に法人を設立する。ここまでは誰でもできます。しかし、信用できる個人がいない場合、全てを疑って掛からなければなりません。政府も信用できないし、企業も信用できません。
 ですから、中国ビジネスの第一歩は信用できる個人を見つけることです。

2.なぜ、反日運動が起きるのか?

 反日デモはなぜ起きるのでしょうか?反日教育をしているから、という意見もありますが、私はそうは思っていません。
 私は何人もの中国人の若者と会い、いろいろと話していますが、反日教育の影響よりも、高度経済成長の影響の方がはるかに大きいことを感じています。むしろ、小さい時には日本のアニメを見て育っており、日本料理、日本製品を信頼しています。
 中国の反日デモは、必ず公安(警察)が先導しています。通常は歩けない車道を堂々と歩けるのです。まるで、警察が御神輿を先導しているお祭りのようです。ほとんどの人は、ハイキングをしているように楽しげに歩いています。
 しかし、一部には過激な人達もいます。今回の反日デモでも、明らかに煽動役がいたようです。軍関係者や公安関係者が煽動していたという目撃談もあるようです。その人達が煽動し、建物や車を壊したりしたようです。そういう場合にも、公安は黙って見ているだけです。公安が黙っているということは、国が認めているということであり、普段不満を持っている人達にとっては千載一遇の暴れるチャンスです。
 つまり、反日デモの中身は、三つに分かれているようです。最も多いのは、単純に面白がって歩いている人。そして、一部の煽動者。そして、煽動に乗って暴れる人達。
 中国には様々な社会問題があり、反日デモ以外にも地方では多くの暴動が起きています。経済格差や、政府による強制立ち退き、環境汚染、汚職など、常に不満が溜まっているのです。そして、それらはチャンスがあれば噴出します。
 日本人にとって、反日というテーマは非常に不愉快ですが、日本人以外にとって、反日というテーマは全く問題ありません。中国人も韓国人もアメリカ人も、中国が反日で騒いでいても何も感じないでしょう。
 ある意味、反日でガス抜きができれば、政府にとっては好都合なのかもしれません。
 もう一つ忘れてならないのは、反日デモや暴動が起きているのは、一部の地域だけであり、大多数の中国人は興味を持っていないと思います。今回は、マスコミが大々的に報道したので、知らない人はいないかもしれません。しかし、前回の反日デモでは知らない人も大勢いました。
 中国のマスコミは、基本的に政府の意志を反映します。マスコミが煽るということは、政府がそれを認めていると判断するわけです。
 今回の反日デモも18日まではマスコミが大々的に報道していましたが、19日には反日デモを抑制する論調に変わりました。そして、市民に対して携帯のショートメールを配信しました。これでデモは収束に向かうことが決定しました。もし、政府が抑制したのに、反日デモが止まらないとしたら、これは大きな問題です。反政府運動に発展する可能性が出てくるからです。
 今回の反日デモでは、日系の大型小売店や飲食店が襲われ、大きな被害を出しました。一部では、日本人に対する暴力行為もあったようです。しかし、アメリカが直面しているような、政府関係者が殺害されるという事態ではありません。尖閣諸島に海軍が出てきたわけでもありません。そういう意味では、中国政府は理性を失ってはいません。私はそう判断しています。
 
3.それでも、中国と付き合わなければならないのか?

 どんな国の人も相手から嫌いだと言われたら、不愉快になります。特に、日本人は集団意識が強いので、日本人が否定されると個人も傷ついてしまうのです。しかし、個人主義の国ではどうでしょうか?「個人が個人に嫌いと言われなければ気にしない」という人も少なくないでしょう。
 中国や韓国は「『日本が嫌い』『日本人が嫌い』と言う権利がある」と思っているのではないでしょうか。私はそう思っています。それが、彼らの歴史認識です。ある意味で甘えているのだと思います。
 日本が経済大国で、中国や韓国に対して圧倒的な経済的優位、国際的優位を保っていた時期は、中国や韓国から何を言われても気になりませんでした。「日本はアジアのリーダーであり、リーダーは下の者から嫌われるのも仕事のうち」と思っていたようなところがあります。
 しかし、中国が日本を抜いて世界第二位の経済大国となり、韓国の大企業が日本企業を追い抜いていくにつれ、日本の余裕は失われました。いつまで経っても、文句を言い続ける隣人に対して、イライラしているのも事実です。
 SNS等では「中国や韓国と付き合うのは止めよう」「韓国や中国など滅んでしまえばいい」などの過激な発言も目立つようになりました。
 しかし、私は「それでも中国、韓国とは付き合い続けなければならない」と考えています。どんなに面倒でも隣国とは付き合わなければなりません。一つは、地政学上の問題です。領土問題は多くの国が抱えています。普通の国ならば、自国で解決しなければならないのです。
 また、経済的なことで言えば、日本経済は中国経済の成長で恩恵を受けています。世界の工場として中国が成長したことで、日本企業が利益を上げています。たとえば、ユニクロは中国工場で生産していますが、中国企業よりもユニクロの方が高い利益を確保しています。多くの日本企業は中国のお蔭で利益を確保しています。
 日本と中国の関係は、どちらかがどちらに依存しているというものではありません。相互依存を強めながら、互いに成長し、アジア経済を牽引してきたのです。もし、日本と中国が戦争を始めたら、世界中が混乱するだけでなく、日中両国が甚大な損害を受け、世界から取り残されてしまうでしょう。
 世界は微妙なバランスの上で成立しています。日本、中国、韓国の問題は、アメリカやロシアのアジア戦略にも直結しています。純粋に二国間の問題ではありません。今回の反日デモも、中国国内の政治問題だけでなく、日本の政治状況も影響を与えています。日中、日韓が反目すれば、それで利益を得る勢力もあるのです。それを忘れてはなりません。そして、簡単に挑発に乗ってはいけません。

4.カントリーリスクと成長市場

 中国はある意味で先進国であり、ある意味で発展途上国です。カントリーリスクがあるのも確かです。それは、中国人経営者も感じています。中国人経営者の多くは、成功して資産を蓄えると、資産を海外に投資し、子供は留学させます。また、自分自身もいつでも国外脱出できるように、外国の市民権を取得します。中国人も中国という国、政府がどのように変化するかが分からないのです。しかし、中国に世界の資本が集まり、経済成長を続け、ビジネスチャンスが多いのも事実です。ですから中国人経営者も中国でビジネスをしているのです。
 私は日本企業、日本人も、中国ビジネスにおいては中国人と同じスタンスでいるべきだと思います。つまり、将来どうなるか分からないので、いつでも脱出できるようにしておく。多少のカントリーリスクは最初から覚悟をしておく。そして、資本が短期で回収できるビジネスモデルを構築する。
 それが嫌なら中国に進出しない、ということです。
 「中国市場には魅力がある。日本市場は成長が見込めないので、中国でビジネスをしたい。できれば、利益を日本に持ち帰りたい。でも、中国は怖くて嫌いだし、信用できない。それでも、中国で日本国内と同様のビジネスをしたい。それができないのは、中国がおかしいからだ」 こんな身勝手な論理が通用するはずはありません。
 私は中国に行ったり、中国で仕事をするのが好きです。未完成で成熟していないけれど、可能性に溢れている。中国人の友人も魅力的な人ばかりです。悪い中国人も大勢いるのでしょうが、そういう人とは付き合いません。
 勿論、中国人同様に、中国政府、中国企業を全面的に信じているわけではありません。また、日本政府、日本の政治家も信じていません。どの国も問題はあります。政府は必ずしも、国民全員の味方ではありません。
 その中で、どう生きていくか。どう仕事をしていくか。それには、どんな個人的なネットワークを作ればいいのか。それが問題だと思うのです。自分を守るのは自分自身です。自分自身を守るためにも、日本国内だけのネットワークでは十分ではありません。これは企業も同じだと思うのです。

*有料メルマガj-fashion journal(43)を紹介しています。本論文は、2012.9.24に配信されたものです。リアルタイムでの講読をご希望の方は、http://www.mag2.com/m/0001355612.htmlよりお申し込みください。

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