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February 05, 2011

「日本市場のブランド」と「国際市場のブランド」

 最初に、購買行動とブランディングの関係について考えてみよう。欧米と日本においては、社会構造、ファッションの考え方や位置づけが大きく異なっている。
 欧米のファッションは、階層社会に対応した階層構造になっている。ラグジュアリーブランドから実用衣料まで、確固とした序列があり、それぞれの顧客が存在する。ファッションの最高峰は、パリコレクション等に登場するコレクション・ブランドである。店頭展開の半年前に開催されるコレクションのニュースは、最も格付けの高い情報であり、世界中のファッションに影響を与える情報源でもある。
 コレクションに登場するブランドは、流行を生み出すオリジナリティが求められる。そのオリジナリティと高い格式を表現しているのが、有名建築家の手になる旗艦店であり、有名女優や一流モデルによるポスターであり、豪華なファッションショーである。
 顧客もまた、自らの個性と社会的ステイタスに見合うブランドを選択し、着用する。個人とファッションが一体となって、互いのアイデンティティを高め合い、互いのアンデンティティを構築している。

 社会的地位や経済的地位を含めたその人らしさを演出するためにファッションを選ぶのだから、そのブランドも明確なアイデンティティや主張がないと意味をなさない。特定のブランドを身につけているということが意味を持つのである。
 日本市場のブランドは、欧米ほど明確なアイデンティティを問われることはない。むしろ、最新の流行を反映したファッションを打ち出すことが問われる。個性やアンデンティティよりもトレンドが重視されるのである。
 日本においては、ファッション商品の格付けはファッション雑誌が担っている。ファッション雑誌が流行の服、お買い得の服等を認定し、顧客はその情報に影響を受ける。ファッション雑誌よりも、カリスマ店員や人気モデル、アイドルのような特定の人間が格付けを行う場合もある。
 日本市場においては、常にファッション雑誌に掲載され、カリスマ店員がいるショップを都心の一等地に持ち、芸能人やアイドルに顧客を持っていることが「ブランド」である。「ブランド」の商品は、シーズンの立ち上がりに必ずファッション雑誌に掲載される。日本の「ブランド」は、ブランドアンデンティティが明確であるより、常に最先端のトレンドを反映することが求められている。
 日本の若者の間では、大手アパレルが開発する新ブランドやライセンスブランドよりも、常に顧客の変化に反応する109系アパレル等が「ブランド」として認知されている。ここでは、ブランドの歴史、アイデンティティ、ブランドコンセプトが問われることはない。常に「カッコイイ」商品を展開していることが全てなのである。最新トレンドを素早くアレンジして安価な商品として提供するファストファッションも、「ブランド」として認知されているのも同様の理由である。
 顧客も自らのアイデンティティをファッションブランドと重ねたりはしない。社会的ステイタス等を服で表現しようという意識はなく、あくまでも自己表現として服を楽しんでいるに過ぎない。
 多くの日本の若者は、欧米のようなブランドを必要としていない。流行があればいいのだ。中国人消費者も、「日本のアパレル製品はブランドではなく、ファッション(流行)だ」と認識している。
 日本のアパレル企業は、日本独特の市場構造とビジネスモデルに最適対応してきた。ここでは、コレクションも必要ないし、明確なブランドアイデンティティも必要ない。しかし、この構造は日本国内市場でのみ通用する特殊なモデルものである。もし、中国市場等、海外市場でビジネスを展開するのであれば、再度、ブランディングについて考え直し、必要に応じて再構築しなければならないだろう。

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