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February 04, 2011

継続的なブランディングを可能にする組織

 ブランディングはトータルに表現されるものである。そして、継続的に行われなければならない。欧米では、クリエイティブディレクター(デザイナーと呼ばれていることもある)という一個人が、ブランドの方向性を継続的にコントロールしている。
 ファッションにおけるブランディングが難しいのは、ある程度統一されたブランドイメージを守りながらも、時代の変化やシーズンにより継続的な変化をも続けなければならないことである。つまり、統一感と変化を同時に成立させることが求められるのだ。
 また、欧米ではブランドイメージが陳腐化すれば、デザイナーを交代することでブランドを活性化させる。デザイナー以外のモデリストやプロダクトマネージャー等の企画スタッフが継続することで、ブランドイメージの根幹となる部分を守っている。

 多くの日本のアパレル企業は、新ブランド開発の時にだけ、ブランドコンセプトや顧客ターゲットを綿密に設定するものの、実際のビジネスとして流れるようになると、売れ筋情報やトレンド情報を優先する。継続的にブランディング活動を行う仕組みがなく、継続的に売れ筋を追いかけ、商品を生産供給する仕組みだけが存在しているのである。
 しかし、その仕組みもファストファッション・ブランドほどの機動力とグローバルな広がりを持ってはいない。細分化されたブランド構成が、大企業のスケールメリットを奪っているとも言えよう。
 現状では、大企業のスケールメリットも個性的なブランドの魅力も共に薄まっていることになる。この両者を解決することが、大型ショップに対応できる新ブランドの構築、及びセレクト業態で大型店を構成するブランド再構築と編集ということになる。
 クリエイティブディレクター不在と、縦割りの分業組織は、日本全体にも共通している。日本は技術立国と言うが多くは素材、部品、加工技術である。
 自動車、家電等の完成品を組み立てるメーカーも高品質を誇っているが、徹底した内製化とTQC[total quality control:全社的(総合的)品質管理]により達成したものであり、国際的な部品調達やコストダウンが困難であるという側面も持つ。また、共通して言えるのは、デザインより品質重視であり、外観からその品質を判断することは難しい。
 こうして見ると、日本企業が最も苦手とするのがブランディングと言えるかもしれない。反面、ブランディング手法が向上すれば、日本の要素技術が製品、ブランドとなり世界市場に発信できる可能性も高いのである。
 ブランディングでは、個々の要素を訴求するのではなく、それらを統合したイメージを訴求することが重要である。また、サプライチェーンの中の営業ツールではなく、顧客に対して継続的にブランドイメージを定着させる活動でもある。また、顧客の論理にではなく、感性、感情に訴求することが重要であり、論理的文章より、ビジュアルな表現が求められる。
 日本の婦人服ビジネスは男性中心に展開されている。百貨店のバイヤーもアパレルのMDもほとんどが男性である。男性は好き嫌いよりも論理で婦人服を理解しようとする。自身で着用できないのだから、好き嫌い、着心地等は理解しにくい。そこで、数字で表せる品質管理、売上、利益を重視する。計数管理は経営上不可欠なことではあるが、感情や心理をコントロールするという面では何の効果もない。計数の権限と同様、数字に表せない部分をコントロールするクリエイティブ・ディレクターは重要であり、その重責に見合うだけの待遇も必要と言えよう。
 今後、海外市場でビジネス展開するのであれば、こうした弱点を改善する組織改革と業務フローの整備を行い、継続的なブランディングができるような体制作りをしなければならない。

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