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January 25, 2011

ブランドについて再考しなければならない理由

 ファッションビジネスにおいて、あえてブランディングの重要性を解説する必要はないだろう。魅力あるブランドが、顧客獲得の有力手段であることは間違いない。同時に、ブランディングが容易でないことも確かだ。過去に多くの新ブランドが登場し、思惑通りに売上が上らず消滅していった。重要だが難しいブランディング。それについて今、あえて語ろうとするには三つの理由がある。
 第一に、大手アパレルにブランド再編のニーズがあること。大手アパレルはライセンスブランド比率が高く、ライセンスブランドは日本市場以外には展開できないことが多い。そのため、アジア市場に進出するには、独自ブランドが必要になる。
 国内市場においても、販売チャネルが百貨店主体だったために、百貨店のフロア構成やゾーニングを基本としたブランド構成になっている。つまり、婦人服フロアを対象とした10~15坪展開のブランドを数多く所有しているのである。しかし、百貨店の売上は減少し、百貨店以外の出店が課題になっている。

 現在、SC等においても、ファストファッションブランドのような、紳士・婦人・子供・雑貨等が複合された大型店舗のニーズが高まっている。今後の国内SC出店及び海外出店を考えると、ブランドの大型化あるいは、大型セレクトショップを想定したブランドの整理統合及び編集が必要となるだろう。
 また、この大型ショップ戦略は、ファストファッションが世界中で人気を集めているように中国等の海外市場でも有効と思われる。
 第二は、ブランド知名度の低い海外市場に出店するためには、新ブランドデビューのプロモーションが必要なこと。その際のプランドコンセプトや顧客ターゲット設定は、日本のままでは通用しないので、現地市場に合わせた調整が必要になる。つまり、基本となるブランドコンセプトは、世界中の市場を想定して、調整することを前提に作られなければならないということになる。
 これは一般的なブランドだけでなく、企業名にも共通している。企業も知名度が重要であり、知名度を上げることがビジネスの成功につながる。日本企業の多くは、技術力、商品力さえ水準が高ければ、自然に商売につながると考えているケースも多いが、微妙な差異を認識し、それにコストを掛けてもいい、と判断するバイヤーはそれほど多くはない。また、展示会等の演出が他より見劣りすれば、どんなに良い製品を陳列していても、バイヤーが目にする機会は減ってしまう。
 実際、中国の展示会に出展している日本企業のブースは、中国企業と区別がつかない。もちろん、一つ一つの商品を見れば、素晴らしいのだが、それは説明を聞いて初めてわかることであり、まずブース内で対話を成立させる必要がある。会社名をブランド化させるとは、バイヤーの中にその企業イメージを喚起させ、それによって黙ってもバイヤーが集まってくるということである。それには、どのようにするかがブランディングということになるのだ。
 第三は、インターネット等のダイレクト販売が増加するにつれ、WEBの重要性が益々高まっているが、日本企業の多くが企業イメージを明確に表現できていないということ。
 日本企業のWEBの多くは同質化している。多くは「会社の外観」「社長の写真とコメント」「各事業部の紹介」「取り扱い商品とサービスの紹介」「沿革」「株主のための決算資料」等で構成されている。これは会社案内に準じたものであり、基本的に文章が中心である。
 商品やサービスの説明にしても、同業他社と区別がつかないことが多い。ランキング情報等もほとんど見られない。数多くの企業の中で、どこが取引に相応しいのか、と検索する海外企業にとっては、どこも区別がつかず、同様に見えてしまうのである。
 本来、会社案内は顧客に向けたものではない。取引先、株主、求人応募者等を対象にしている。感情的に訴える必要はなく、理路整然と事実を報告することが求められる。
 また、日本国内においては、ことさらランキングや他社との違いをアピールしなくても、企業イメージが浸透している。たとえば国内では、「東レ」と「産地の中小企業」を混同される心配はない。しかし、「合繊織物製造」というキーワードで検索した場合、海外からは区別がつかない場合があるのである。どの企業も「高品質」「高機能」「高付加価値」と訴求しているからだ。

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