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December 14, 2010

イタリア・ビエラの「産地ブランド」「健康テキスタイル協会」

 イタリアの高級ウール織物産地であるビエラ市では、「Biella The Art of Excellence」を立ち上げ、ビエラ地区の産業を守ろうという動きがある。この財団は、日本でも2009年11月にフォーラムを開催している。これまでイタリアでは「Made in Italy= 高級品」というイメージを訴求してきたのだが、最近ではこの神話が崩れつつある。紡毛中心の産地であるプラートでは、中国人がイタリアの工場を買収し、技術も製品も未熟な「Made in Italy」を輸出するようになっている。世界最高峰の毛織物を生産してきたという自負のあるビエラとしては、"Made in Biella"をブランド化することで、他の地域と差別化し、優位性を持とうと考えているのである。ここでの基準は、①ビエラで紡績した糸を使用していること、②ビエラで機織したもの、③ビエラで染色整理加工をしたもののうち、二つの条件を満たしていなければならない。ブランド管理は、ビエラ・アート・オブ・エクセレンス財団が行っている。

 財団設立の契機となったのは、百貨店のPBブランドに「Made in Biella」をつけるキャンペーンである。既に、高級ブランドとして定着しているゼニア社、ロロピアーナ社もビエラ地域の会社だが、ビエラという名前は一般には知られていなかったと言える。
 日本でも、産地ブランドが開発されているが、明確な基準を作り、ブランド管理をするという意味で学ぶ部分も大きいだろう。
 もう一つ、ビエラ地区で注目したいのは、「Associazione Tessile e Salute(健康テキスタイル協会)」でをある。この団体は、皮膚科の医療機関とテキスタイル業界が共同で取り組むもので、様々な研究を行いや安全な染料等を認定している。
 イタリアでも近年はファストファッションの流れが加速している。ミラノの中心部でも、H&MやZARAが店舗を拡大し、老舗のラグジュアリーブランドは隅に追いやられている感が強い。
 イタリアがオーガニック、健康、植物染色等に投資しているのは、欧米や日本などの先進国の富裕層がブランド消費から離れ、オーガニック等への関心が高まっていることを受けたものである。安いだけの商品との差別化戦略として「オーガニック」を捉えているのであり、やがて大きな消費トレンドとなるだろう。
 残念ながら、日本では「安くて品質の良い商品」だけに集中し、アパレル製品のコモディティ化が進んでいる。イタリアは、世界の富裕層に高級品を供給するという使命感を持っている。ファッションとは、「いかに安く作るか」ではなく、「いかに高く売るか」が問われる分野である。日本国内市場も本当にコモディティ商品だけで良いのだろうか。また、中国市場が日本に求めているのは、中国製品と差別化可能な高級品である。ブランド訴求ではなく、オーガニック訴求の高級品というジャンルも検討の必要があるだろう。

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