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November 03, 2010

「WEBマーケティング」から「絆マーケティング」へ

 WEBとは「くもの巣」の意味。世界中にくもの巣のように張りめぐらされたインターネットの通信網は、ビジネスを根底から覆すと言われた。確かに、ネットオークションや部品調達サイトのように、世界中から安くて良いものを探し出すことは容易になった。
 一方で、ヨーロッパの小売業は、環境問題、人権問題を厳しく管理し、商品のトレーサビリティ(製品の生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階までの流通経路を追跡可能な状態にすること)を重要視している。こちらは、くもの巣のような自由な連携ではなく、確固とした信頼関係を築くための基盤整備である。
 日本市場は「安くて良い商品」に最高の評価を与えてきた。しかし、ヨーロッパ市場は別の基準を持っている。「安くて良い商品」を作るためでも、残業手当を払わない縫製工場や、排水処理をせずに環境を汚染している染色工場を使ってはならない。それを消費者に判断させるために、トレーサビリティを保証しなければならないという考え方だ。

 日本の消費者も、人権や環境に配慮しない工場て生産した製品を買いたいとは思わないだろう。しかし、店頭に並ぶ商品がどんな染料で染色されたのかは知る術がない。
 食料品では安心安全がキーワードになっているが、アパレル製品も同様だろう。トレーサビリティを重視するならば、生産を商社に丸投げすることは考えられない。全ての工場を確認し、それらが人権や環境に配慮することを認定した上で、自社ブランド製品の生産を依頼すべきだ。
 ヨーロッパでは、そのための情報システムが確立している。全ての製品は、全ての工程、材料、加工に使用した染料や薬品等をWEB上に書き込まなければ、取り扱わないことをヨーロッパの小売業団体が定めているからだ。デザインや価格の問題以前に、商社に生産を丸投げしているようなブランドは、ヨーロッパ輸出はできないのである。
 サプライチェーンは、WEBのように自由にサプライチェーンを構成されるべきなのか。あるいは、信頼できる絆で結ばれるべきなのか。この問いは「安くて良い製品ならばいいのか」「売れればいいのか」という問いに等しい。
 「安くて良い製品ならいい」という考え方も否定できない。しかし、その場合は「ブランド」は成立しないということを覚悟して欲しい。極論すれば、「トレーサビリティを確保できない製品は『ブランド商品』ではない」と定義できるのだ。

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