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November 23, 2010

日本のビジネスマンと滅私奉公

 日本経済は企業が動かしている。個人の意見がどうでも、企業の行動こそが日本を導いていると言える。従って、経営者の理念や行動が重要になる。
 日本の技術の海外流出も、企業の論理では当然である。中国の方がコストが低く、生産工場を中国に移転する。中国に移転しなかったメーカーも中国水準の価格と競争させられる。日本企業は淘汰され、技術者は失業する。あるいは、生産量が少なくなり、売上・利益が少なくなるので、余剰人員を整理しなければならなくなる。そして、技術者は解雇される。
 技術者の立場に立てば、会社から放り出され、どこも生活を保証してくれないのだから、就職先を探す。それが海外企業だからと言って、誰が責められるだろうか。私も中国の工場で働く、日本人技術者を見たことがある。彼らは生き生きと仕事をしていた。中国で働く中国人従業員は向上心にあふれ、キラキラしたまなざしで、日本人技術者の話を聞いている。彼らの全身からは技術者への尊敬があふれていた。

 でも、中国に工場を移転したおかげで、日本人消費者は安価な商品を購入することができたのだ。
 また、多くの日本のビジネスマンは、自社への忠誠心を持っている。自社の利益を最優先に考えるのだから、投資するのならば、成長著しい新興国に投資し、衰退傾向にある日本に投資することを選ぶだろう。日本国内だけで事業展開する企業、日本国内で生活する生活者が相対的に貧しくなっても、自社の利益を犠牲にしてまで、日本国民のことを考えるビジネスマンは存在しない。それを考えるのは、官僚であり、政治家だと考える。
 しかし、政治家や官僚が出来ることとは徴税と税金の再配分しかない。事業を起こすことも、投資することもできない。現在の仕分けブームの中で、日本企業の税金を増やし、国内の公共事業に投資することに賛成する企業経営者、ビジネスマンは存在しないだろう。つまり、政治家、官僚は日本国内に利益を還元する手段を持っていないことになる。
 こうした事実は、誰でも分かるはずだが、誰も分かろうとしないことでもある。そして、日本の技術が流出したと言っては騒ぎ、日本の技術を活用して成功した韓国や中国企業に嫉妬するのである。しかし、その結果を招いているのは日本企業であり、日本企業で働くビジネスマンである。政治家や官僚に期待しても何もできない。
 日本においては、個人が企業に忠誠を尽くした結果、企業は豊かになり個人は貧しくなった。滅私奉公という哲学は、現代でも生きている。これを継続するか否かも、企業とビジネスマンにかかっている。

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