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November 21, 2010

統合し、編集し、演出し、伝える

 個々の技術レベルが高くないと良い商品はできない。一方で、全体のバランスが良くないと、良い商品はできない。アパレル製品で言えば、素材だけ良くても、パターンや縫製が良くなければ着にくい商品になってしまう。デザインが優秀でも素材の品質が悪ければ、商品の完成度は低いままだ。良い商品は、それぞれの要素が支えあって完成する。そして、個々の要素を調整する機能が不可欠である。
 アパレル以外の分野でも「プロデューサー不在」が課題とされているが、プロデューサーの育成は困難である。その理由は、企業、組織そのものが分業化されているために、全体を統合するという発想も役割もないためだ。そして、プロデュースという機能が認知されていない以上、プロデュースの価値を認め、お金を支払う企業も存在しない。
 たとえば、多くの日本のメーカーは、出展品の技術や品質さえ良ければ、展示の演出などどうでも良いと考えがちである。展示ブースに立っている担当者も技術者であり、「ボロは着てても心は錦」と思っている。日本の同じ業界というムラ社会の中ならば、演出をしなくてもいい。この会社はこういう会社と認知されているし、信用もある。

 しかし、一歩ムラから出れば、誰もその会社を知らない。まず、判断するのは外見である。例え、品質や技術が素晴らしいと説明したところで、それが本当か嘘か分からないし、それを証明することもできない。品質や技術を伝えることができない。
 それでも、デザインや演出を自社の業務とは考えない。国、行政、組合、商社、問屋などにその役割を期待するのである。これだけビジネス環境が変わっていても、自分は変わりたくない。自分を助けてくれる誰かに期待しているだけで、自分の立っている場所から動こうとしないのだ。
 日本の技術は素晴らしい。しかし、それを活かすには、プロデュース、プロモーション、デザイン、演出、編集などの機能が不可欠である。技術や素材を、統合して、編集して、演出して、相手に伝える役割である。現在のビジネスを見ても、流通を支配しているのは、こうした機能を備えた企業である。メーカーはこうした機能を育成しなければならないし、自らの門戸を開いて、様々な可能性を伸ばしていかなければならない。他力本願で待っていても何も起きないだろう。

 

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