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November 03, 2010

百貨店に人が集まらない時代

 百貨店が不調だ。かつて、百貨店は家族が一日遊べる場所だった。交通の便の良い立地に、大型店舗を構え、大量の商品を並べ、お好み食堂があり、屋上に遊園地があった。百貨店は、モノ不足の時代に生きた大衆にとって、将来の豊かなライフスタイルを予感させる場所だった。百貨店は夢がつまった未来テーマパークだったのだ。
 小売店である以上、商品を販売して利益を得るのは当然だが、それ以前に顧客を集める装置があちこちに仕掛けられていたのだ。気がついたら、つまらない場所に成り下がっていた。単調に商品が並び、元気のない高齢の販売員が暇そうに立っている空間。そこに大衆の夢はあるのか。そして、未来を感じさせてくれるどんなテーマがあるというのだろうか。
 百貨店人は、いつのまにか顧客は自然に集まってくるものと錯覚していたように思う。既に、ブランドショップも集客装置としての機能は落ちており、リニューアル効果も半年と続かない。

 百貨店が今、考えるべきは、商品を販売することではない。それ以前に、顧客を集めること。大衆を呼び込むことを真剣に考えなければならない。
 下取りセールの意味は、タンス在庫を減らすことではない。本当に欲しい商品があれば、タンスが一杯でも商品を購入するのだ。下取りセールの意味は、店頭に顧客を連れてくる契機になったということである。その意味で、夏に冬物のバーゲンをやったことも一定の評価はできる。斬新な話題にテレビが飛びつき、顧客を呼び込むことに成功した。
 顧客を呼び込むには、話題作りが欠かせない。百貨店は定期的に話題を提供しなければならない。現在、百貨店の話題と言えば、デパ地下の新作スイーツ、駅弁大会、歳時記としての初売りと中元歳暮の出陣式程度ではないか。
 私は、商品本部と同等の位置づけの集客本部を組織化することを提案したい。定期的なイベント、プレスリリースの発行、独自メディアの企画運営を主な業務とし、集客を専門に考える部署だ。
 同時に、売場を減らすリニューアルを行う。売場を減らして、集客のためのイベントを行うスペースを確保する。そして、飲食のスペースを倍増する。レストランフロアだけでなく、各フロアにもパーティーやイベントのできる飲食やカフェスペースを確保する。現在のレストラン街も古臭くて魅力がない。有名店ではなく、話題の人気店を集めることだ。
 現在の百貨店がなくなっても困る顧客はほとんどいないという事実を肝に銘じるべし。

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