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November 03, 2010

デジタルアーカイブ

 デジタルアーカイブとは、有形無形の文化資産、資料等をデジタルデータとしてで保存することを指す。繊維ファション産業においても、民族衣裳、コレクションで発表された作品、テキスタイル資料等のデジタルアーカイブが期待されている。企業内においても、過去の資料が散逸したり整理されないまま放置されていることが多い。これらがデジタルアーカイブとして整備され、いつでも検索が可能で、活用できたらどんなに素晴らしいだろうと思う。
 しかし、デジタルアーカイブの実現には課題も多い。まず、デジタルデータとして入力する手間とコストがかかるということである。ある調査では、テキスタイルサンプルを一点入力するのに、4千円から2万円程度かかるという。美術品や文化財であれば、コストが掛かっても解像度の高い精細なデータの保存が必要だろう。しかし、アパレルビジネスでは、質より量を求められる場合もある。

 一つのブランド、一回の展示会だけでも、夥しい量のテキスタイルのスワッチサンプルを取り寄せる。そして、それらは増え続けるのだ。現状では、それらを全て保存しておくことは難しいが、デジタルアーカイブ化されたら保存は可能である。その場合、精細な画像でなくても、仕入れ先、機屋、染工場、糸の種類、糸番手、密度、価格等のデータがあれば、実用に耐えるはずだ。そして、業務フローの中にデジタルデータの活用を組み込んでおけば、自動的にアーカイブを構築することも可能である。同様に、テキスタイルコンバーターがアパレルとの商談にデジタルデータを活用すれば、そのデータをデジタルアーカイブとして保存することも可能である。
 デジタルアーカイブと言っても、使用する目的により、データの内容は異なる。文化財であれば、精細な画像だけでなく、場合によっては、設計図や関連資料、X線写真や赤外線写真も必要だろう。アパレル製品であれば、デザイン画、パターンのCADデータ、素材データ、生産管理や品質管理のデータ、売上や消化率等のデータが検索できた方が、企業としては使い勝手が良いはずだ。美術品として価値のある民族衣裳等であれば、四方からの精細な写真、ディテール写真、資料データ等が必要だろう。
 デジタルアーカイブの仕様は、対象、活用目的、利用者等によって異なる。しかも、異なる仕様のデータを一括管理できることが望ましいのだ。そこにシステム構築の難しさがある。

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