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November 15, 2010

日本の役割は、アジア経済発展か?

 昔の日本企業は通産省と共に「日本株式会社」と言われ、連携しながら発展してきた。しかし、産官連携は外国企業に不利であり、アンフェアだと批判された。徹底的に談合が摘発され、競争入札が義務化された。
 かつては、日本の役所や企業に務める人は全員正社員で、終身雇用、年功序列給だったために、自らの長期的人生計画が立てやすかった。会社にも定年までいることが前提なので、会社の事業計画もまた、個人の人生計画と合わせて、長期的に考えることができたのだろう。
 しかし、終身雇用、年功序列給が崩壊し、非正規社員が増えるにつれ、個人の長期的人生計画立案も困難になっていった。とりあえず目先の利益を追求しなければ生活できず、同様に企業も短期的利益を追求するようになった。
 市場経済、利益追求、競争原理はそれなりに合理性はある。従って、円高、人件費高騰の中でコスト削減しようとすれば、中国などに生産を移転するのは合理的判断だったと言えよう。

 しかし、問題は生産基地を海外移転した後の戦略だ。サプライチェーン全体の主導権、商品の価格決定権、顧客獲得等を同時に行っていれば、日本企業は利益を確保し続けることができただろう。しかし、日本の場合、海外ビジネスの主役は商社だった。商社は主体的でリスキーなビジネスを嫌い、リスクの低い安全なビジネスを志向する。その結果、日本の問屋、流通企業の下請けとなり、そのビジネスが採算に合わなくなれば、店じまいするか、更なる新興国に鞍替えするのである。
 実は、中国以前には、台湾、韓国で同様のことを行ってきた。日本の技術を台湾・韓国メーカーに移転し、採算が合わなくなったので、中国に乗り換えたのである。その結果、韓国、台湾は経済躍進し、今また中国が同様の発展を遂げている。現在の商社の戦略の一つが、チャイナプラスワンであり、タイ、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、バングラデッシュ等に生産基地を移転しようとしている。ここで何が起きるかは想像に難くない。そして、こうした商社ビジネスの背景には、必ず日本政府の支援がある。政府は国際化を進めながら、一方で空洞化した国内産業への保護政策を進めている。大型流通企業を応援しながら、商店街活性化に補助金を出すという構図である。
 事実だけを述べれば、日本政府、商社はアジアの経済発展に大いに寄与している。そして、アジアの経済発展で更なるビジネスチャンスをつかんでいる。
 日本の技術移転は、非常に長期的かつ計画的に行われてきたのであり、その大部分は既にアジアに移転を終えている。今、残っているのは一部の専門的人材や中小企業のノウハウである。その最後のお宝の一部を、中国企業やブローカーのような日本人が漁っているというのが現状だろう。
 しかし、長期的視野を奪われた日本人はそのことに気がつかない。未だに、過去のイメージを引きずっており、日本の国内技術を過大評価しているのである。
 さて、日本政府、日本の政治家、日本の大企業は何を目指してきたのだろうか。国内だけを見ると閉塞感や矛盾ばかりが感じられるが、着実に行っているのはアジア経済、国際発展への貢献である。その意味では一貫しており、ブレていないのだ。

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