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November 03, 2010

リスクヘッジからは何も生まれない

 百貨店は、返品可能で、販売員経費もアパレル企業に負担させている。そのため、自社で仕入れて売る機能がなくなってしまった。顧客ニーズに合わせて、世界中から商品を仕入れることができない。売場は、委託と派遣が可能な一部の企業に独占され、新陳代謝が起きない仕組みになっている。
 商社のOEM生産もリスクを負わない。アパレルの下請けとして生産管理業務を行っている。リスクは負わないが、次第に価格競争が厳しくなっている。また、発展する中国市場のビジネスにも参入することはできない。
 アパレルは商品リスクを負っているものの、できるだけリスクを減らそうとしている。企画生産のリードタイムを短縮し、売れ筋が判断できるようになってから発注する。そのため、オリジナル素材の開発もできず、売れ筋に商品が集中し、結局、価格競争に終始している。

 結果的に、ファッションがつまらなくなってしまった。つまらないなら安くていい。消費者はファストファッションに飛びついた。ファストファッションは、世界で最も安いところで生産して、最も高く売れる都市で販売する。グローバルにショップ展開しているので、大量生産のメリットも生じる。日本国内市場だけを相手にしていると、ますます細かく割高になる。
 しかも、ファストファッションの方がトレンドを意識しており、デザイン的にも面白い。それなら、ファストファッションでいいではないか。
 ビジネスとはリスクだ。新しいことを始めるのもリスクだ。オリジナルの商品を企画生産するのもリスクだ。そのリスクを避けたいならば、ファッションビジネスなんてやめてしまえ、と言いたい。
 今のままでは、確実にサプライチェーン全体が衰退していく。その原因の根本は、リスクヘッジばかり考えているということだ。
 日本の百貨店、SCを見ていても、強烈な個性を持つブランドやショップは存在しない。これを改善しなければ、欧米市場も中国市場も東南アジア市場でも勝てないだろう。売れ筋をコピーするだけなら、誰にでもできる。もっと低コストでコピーする国はいくらでもある。日本のようなコストの高い国が勝負するには、コスト競争に陥ってはいけない。デザインや個性、文化で勝負してこそ、ファッションビジネスだろう。
 悪いけど、大企業病、サラリーマン病の経営者、担当者は退場してくれ。リスクヘッジばかり考えている人は、ファッションビジネスをやる資格はないのだ。

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