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November 09, 2010

ファッション業界メディアは必要か?

 繊維の業界新聞、日本繊維新聞が破綻した。私も連載コラムを持っていただけに残念でならない。これを機にファッション業界メディアについて考えてみたい。
 繊維業界は政府の統制経済と深く関わりながら発展してきた。政府の繊維政策が産業全体に大きな影響を与えていたし、大手の合繊メーカー、紡績の動向は、そのまま繊維産地に影響を与えていた。また、アパレル業界も分業構造であったために、テキスタイル、縫製、ニット、小売店の動向を知ることも重要だった。また、繊維業界全体の規模が大きかったために、業界メディアは広告媒体としても機能していたと言えよう。
 しかし、プラザ合意以降は、大手紡績や合繊メーカーは次々と海外に生産拠点を移転した。また、1999年には繊維産業構造改善臨時措置法(繊維法)も廃止され、政府の直接的な影響も薄れていった。
 アパレル業界は、製造卸業態から製造小売業態へと転換し、業界マスコミよりも消費者を対象とするファッション雑誌を重視するようになった。繊維製品の生産はグローバルに拡大し、国内情報よりも海外情報が重要になっていった。

 この段階で、繊維ファッション業界メディアは、最終消費者、小売り寄りにシフトするか、海外拠点を整備し、海外情報を重点的に配信するかという選択を迫られたと言えよう。しかし結局、業界メディアは既存の手法から脱却することができなかったのである。
 紙媒体から電子媒体へと移行しようとしている現在、繊維ファッション業界向けのメディアは必要なのだろうか。あるいは、ファッション雑誌以外の情報やコンテンツが必要なのか?そして、それらは有料講読されるのだろうか。あるいは、広告料等で運営することは可能なのだろうか?
 この問題を話し合うシンポジウムをしようかとも考えたのだが、私自身が仮説を提示することができないでいる。また、関係者を集めても、過去の思い出話と現状への愚痴で終わりそうな気がする。
 業界メディアではなく、ファッションビジネスに必要な教育、展示会、イベントは必要だと思う。そのことと、業界新聞、業界雑誌のような媒体の必要性を同次元で語っていいのだろうか。繊維ファッション業界はあまりにも範囲が広く、専門分野になると非常に奥が深い。結局、中途半端な情報発信に終始してしまうのではないか、と思うのである。
 ということでまだ答えは出ない。出ないが特別に不自由しているわけでもない。結局、それだけのものだったのだろうか。

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