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November 03, 2010

店頭販売からダイレクト販売へ

90年代の後半、アメリカでは次々とドットコム企業が登場し、「実店舗で販売している商品を、インターネットで販売すれば成功する」と考えられた。しかし、その夢は10年も持たなかった。インターネットでできるのは、商品の紹介と受発注業務のみであり、商品MD計画や、商品管理や物流に関しては、店舗流通と同様の作業が付帯する。また、当時のインターネットは、通信回線やハードウェア等の基盤が整備されておらず、コストも高かった。インターネットへの可能性だけを信じて、投資ファンドが集まったものの、実際のビジネスで利益を上げることは困難だった。
 2010年の現在、日本は世界最高のインターネット環境が整備された。一人一台の携帯電話端末からも、インターネットに接続可能であり、カメラとバーコードリーダーの機能を持っている。10年前にできなかったことでも、現在なら成立することは少なくない。

 最近では、ファッション製品を携帯から購入する人が増えている。ファッションショーのステージの作品を携帯から発注することさえ可能なのだ。
 昨年後半からの世界不況は、店舗販売からインターネット、携帯によるダイレクト販売への大きな流れを加速させるに違いない。最早、インターネットで買物する顧客は少数派とは言えなくなっている。むしろ、接客される煩わしさを嫌い、雑誌で商品をチェックし、ネットで検索し、価格を比較して購入するという購買スタイルが定着しつつある。
 現在のところ、「問屋~小売店」という流通は無視できず、メーカーが小売価格より安くダイレクト販売するというケースは少ない。むしろ、メーカー直売のサイトは正価で表示され、問屋や小売店のサイトでディスカウント価格が表示されているのだ。しかし、メーカーもブランドを換えて、ダイレクト販売に進出するのは時間の問題だろう。ファクトリーブランドではなく、ダイレクト販売ブランドが登場することは間違いない。
 私はこの世界的不況が、インターネット販売を加速する好機になると考えている。既存の小売流通である百貨店、量販店はインターネット活用へと思い切った舵取りが避けられないだろう。そして、インターネットによるダイレクト販売への転換が遅れれば、店舗流通のサプライチェーン全体が著しい打撃を受ける。店舗という装置は与信力を持っている。店舗を擁する流通企業は、ネットオンリーの企業よりも有利な点があるのだ。しかし、既存の店舗と流通だけにしがみついていたら、その優位性をも失うだろう。

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