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November 03, 2010

ガラパゴス観光にようこそ

 独自の進化を遂げた日本の携帯電話は「ガラパゴス」と呼ばれている。「国際標準化に対応していない」「海外市場で弱い」など、ガラパゴスという言葉にはどこか自嘲する響きがある。
 日本がガラパゴス化しているのは携帯だけではない。電車の中で化粧する女子学生も、日焼け止めのためのアームカバーも、透明の傘もすべてガラパゴスである。最近は、それらを総称して「クールジャパン」とも呼ばれる。
 日本という極東の孤島には、古い宗教と文化が今なお息づき、最先端の技術と同居している。そして、日本の企業の多くは日本市場の中だけで商売をしている。つまり、経済的に自立しているのだ。
 食料自給率は低いが、「寿司」を世界中に輸出している。日本のアパレル企業は海外市場で成功しているとは言えないが、日本のファッションはアジアの若者に浸透している。欧米のセレブが来日しても、ブランドショップや百貨店には行かずに、ガラパゴスファッションの殿堂「109」に直行するのだ。

 国際化という視点に立てば、日本人の社交術や自己主張の下手さ加減が問題になる。しかし、ガラパゴスを肯定する立場からはすべて許すことができる。英会話が下手でもいい。母国語がありながら、英会話ができなければ生活できない、ビジネスが成立しないという国は植民地に近い。むしろ、最近は欧米人が日本のアニメに憧れて日本語を勉強している。夢の島ガラパゴス、魅惑の島ガラパゴスなのだ。
 日本に着いたら、観光客には日本の携帯を貸し出す。すべての日程表、連絡は携帯を通じて行う。日本観光の期間中は、携帯で漫画やアニメは自由に楽しめる。観光地では、携帯のカメラで好きなだけ写真を撮ってもらう。すべての写真はネット上のサーバーに保管し、帰国してからダウンロードが可能だ。
 日本の魅力の一つは、異質なものが同居していること、ミスマッチが特徴だ。神社とメイド喫茶、歌舞伎とパラパラ、ロボットと人力車、都会と田舎、高級レストランと立ち飲みの居酒屋等々。ゲームやアニメの世界が現実に展開される光景。そして、現実の世界が体験できる仮想社会。今まで、欧米崇拝主義者が目を背けてきた光景こそ、外国人が求めているものだ。
 ガラパゴスとして生きていく覚悟ができれば、国際化なんて関係ない。徹底したドメスティックが、観光客を呼び込むのだ。日本の常識は世界の非常識。結構ですよ、ガラパゴスなんだから。

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