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January 23, 2009

日本のインテリアファブリックスを中国市場に

■要点
・住宅着工数の横ばい、人口減少、原材料高騰、中国人件費の高騰など、インテリア業界を取り巻く環境は厳しい。一方で、小売り市場の競合は、大型専門店の成長、外資、異業種の参入、インターネット通販等で激化している。
・中国マンション投資は一時期のような過熱から鎮静に向かいつつあり、投資対象も大都市から地方都市に拡散している。また、親日的な80後(バーリン・ホ~)世代が家庭を持つ年齢に達しており、日本企業にとっては進出の好機である。
・目的のない中国展示会出展には意味がない。また、商社依存もエージェント中心の中国のビジネスモデルとはかみ合わない部分がある。中国市場進出には自分の頭で考えて対応することが必要である。
・中国では、ビジネスと政治が直結している。中国の業界団体は政府機関であり、まず、日本の業界団体と中国の政府機関がコミュニケーションを取り、中国ビジネスに必要な情報を取得し、パートナー企業を獲得することが求められる。
・中国市場進出には長期的視野が欠かせない。日本企業が焦っても巨大な中国は動かない。まず、中国市場、中国ビジネスの調査を行い、綿密な準備を整えながら、一つ一つの案件に対応していくことが必要。同時に、中国人社員を将来の中国法人経営者候補として雇用すると同時に、会社の改革を進めていくことも重要だ。
・中国ビジネスは異質なビジネスであり、企業組織の改革が不可欠。具体的には、高付加価値戦略、ブランド戦略、明確な業務フローと役割分担、IT活用による業務の「見える化」推進、日本本社の国際化などが課題。

◆国内インテリア業界の現状
 国内インテリア業界は厳しい。日本経済新聞2008年7月1日付によると、「国土交通省が30日発表した5月の新設住宅着工戸数は前年同月比6.5%減の9万804戸で11カ月連続で減少した。耐震偽装の再発を防止するため建築確認を厳しくした改正建築基準法施行の影響は薄れているが、景気の足踏みの影響などで住宅需要は低迷している。加えて資材価格の高騰、住宅ローンの金利上昇など外部環境の悪化が目立っている」とのこと。
 マクロ的に見ても、日本は高齢化が進み、人口が減少に転じ、福祉の国民負担の増大が予想されており、日本国内市場を楽観視する材料は少ない。
 市場が頭打ちになる一方で、小売市場の競合は激化している。
 大型家具インテリア専門店では、高級家具中心のIDC大塚家具、カジュアルな品揃えのニトリ共に店舗数を拡大している。外資勢では、スウェーデンのイケアが、圧倒的なボリュームと低価格でシンプルなデザインで人気を集めており、今後も店舗拡大の動きを見せている。ホームセンター各社も、それぞれの立地に対応した多様な業態開発を行うなど、積極的な動きを見せている。異業種からの参入では、無印良品が「無印良品の家」プロジェクトを開始するなど、建築インテリア部門への比重を高めている。
 インテリア関連のインターネット通販も活発である。上記の小売店もほとんどがインターネット通販に対応しているだけでなく、激安販売から専業メーカーによるオーダーメイドまで、インターネットで買えない商品はないと言っていいだろう。
 更に、原材料、運送費、中国の人件費の高騰が追い打ちををかけている。商品原価や経費が上がるのと同時に、消費マインドは冷え込みを見せており、原料高製品安の状況に陥っているのである。
 それでも、多くのインテリアファブリックス関連企業は、日本国内市場に依存している。過去に海外市場進出に挑戦した企業もあるが、良い結果が得られず、それがトラウマになっているようだ。
 しかし、国内市場に特化するとしても、海外企業や海外生産を主体とした大型小売店との競合に勝ち抜く戦略が必要になる。コンシューマー向けのビジネスはどうするのか。価格競争力のある大型専門店に白旗を掲げるだけでいいのか。
コントラクト向けのビジネスはどうするのか。オーダーカーテンと工事付きの壁紙やカーペット販売という特殊なビジネスモデルでさえも、海外企業が参入する余地はある。外国人労働者の規制が緩和されれば、工事付きのビジネスも価格競争が激化するだろう。

◆中国市場は結婚&ベビーブームで、新居の需要増大
 中国、北京オリッピック、上海万博にむけて、古い住宅から新しいマンションへの建て替えは着々と進んでいる。また、大都市部の不動産投資は鎮静化しているものの、投資マネーは地方都市に向かっており、マンション建設は拡散の傾向にある。
中国では一戸建て住宅よりも、マンションの方が高級と考えられている。1960年代の日本の団地ブームのような心理も働いているのだろう。
 中国において、2007年は60年に一度の「金豚の年」とされ、その年に生まれた子供はお金持ちになるという言い伝えがある。そのため2006年には結婚ブームが起きた。今年、2008年は北京オリンピックの年であると同時に8のつく縁起の良い年であり、結婚ブームは続いている。
 ここ数年で結婚する人は、80年以降に生まれた一人っ子世代が多い。80年代生まれの人を中国では「80後(バーリン・ホ~)」と呼び、新しい消費者層、新人類として注目している。80後世代は、それ以前の消費者とは嗜好やライフスタイルが全く異なる。80後世代は一人っ子なので、両親、祖父母から経済的援助を受けており、生まれた時から経済的に豊かだった。また、大学進学時には入学枠の緩和があり、大学、大学院といった高学歴の人が多く、留学経験も珍しくない。また、大学進学前からインターネットが普及し、友人とのコミュニケーション、情報収集など、インターネットへの依存度も高い。
 80後世代は、台頭しつつある中国の中産階級を代表する世代であり、将来到来するだろう大衆消費時代の主役である。60~70年代生まれの人々は、中国経済成長の第一世代であり、ファッションセンスやファッション情報とは無縁の人々だった。ブランド商品や高額商品に飛びつくのも、自分のセンスに自信がないことの現れである。しかし、80後世代は自分のセンスに自信を持っており、過度な自己主張や派手な色使いを敬遠する傾向が強い。無印良品のようなモノトーンの世界をも好み、日本製品に対する評価も高い。それ以前の世代に比べると、日本人の感覚に近いのである。
 中国のマンションは原則的にスケルトン売りであり、内装は購入者が独自に行う。最近では、専門家にインテリアコーディネートを依頼する例も増えているという。また、中国のマンションは日本よりも面積が広い。それだけに、日本のように小さな雑貨や小物で演出するより、カーテンやカーペットといった面積の広いインテリアファブリックスで上品で居心地のよい空間を演出することを重視している。
 中国人は「上品でセンスの良い日本のインテリアとはどのようなものか」を知りたがっている。中国人消費者が欲しいのは、インテリアを上手にまとめるデザインとコーディネート力であり、品質のよい日本製の部材である。日本のように部材だけを販売するのではなく、コンサルティング販売が重要になるだろう。
 80後世代が結婚適齢期を迎え、中国版ニューファミリー市場を形成しようとしている今こそ、日本企業が中国市場に参入する千載一遇のチャンスではなかろうか。また、日本企業の中国市場進出では、戦略的に80後市場を狙うべきだろう。

◆商社依存、中国展示会出展は再考すべし
 中国市場への進出は、アパレル企業が先行している。しかし、アパレル企業の中国進出も成功しているとは言い難い。
 「日本市場の方が中国市場よりも進んでいる。だから、中国市場は日本市場で通用する方法で攻略すれば成功するはずだ」こう考えた企業はほとんどが苦戦を強いられている。中国市場は日本市場と異質な市場であり、どちらが進んでいるという問題ではなく、中国市場で成功するには、現実の中国市場に対応しなければならない。極めて当たり前のことだが、実行するのは容易ではない。
 インテリア業界は、アパレル業界の事例を反面教師として学ぶべきである。そこで、アパレル企業の失敗事例を整理しながら、中国市場攻略法を探っていきたい。
 第一に、「明確な目的を持たない展示会出展は効果がない」ということだ。日本企業の多くは、中国の展示会出展を中国市場攻略の第一歩と考える。しかし、3年経っても、何の伸展もなく、相変わらず「中国は難しいねぇ」と首を傾げている人も多い。
 その理由は、日本の展示会と中国の展示会はその目的が異なることだ。日本やヨーロッパの展示会では、バイヤーが商品を仕入れることを目的としている。従って、出展者は、商品のプライスリストを作成し、商品のプレゼンテーションを行う。
 中国の展示会では、企業と代理商のマッチングを目的としている。代理商は有望なブランドを探し、出展者は有力な代理商を獲得しようと躍起である。ショップさながらの巨大で豪華なブースを構え、コンパニオンを置き、ブランドの優位性をプレゼンテーションする。そこに展示してある商品はあくまでブランド訴求のためであり、商品選択の意味はほとんどない。
 多くの日本企業は、中国の展示会に出展しても、代理商を選別、管理するシステムを持たない。来場者に「代理商になりたいのだが」と言われても、対応できないのだ。中国企業も、展示会会場での面談だけで相手を信用するわけではない。詳しいカルテを作成し、実際に現地を訪問し、資産内容や実績を調査してから、詳細な契約書を交わすのが一般的である。代理商ビジネスをしないのなら展示会に出展する意味はない。直営店戦略が中心ならば、展示会に出展してもブランドや商品をコピーされるだけである。
 代理商とは、特定の地域の販売権を与えるFC代理店企業である。中国ビジネスでは、こうしたエージェントや仲介ビジネスの比重が高い。そのため同じ仲介を行う日本の商社を嫌う。商社が入ると、二重に仲介業者が入ることになり、自分たちの権利が薄くなるからだ。中国のパートナー企業を探すのであれば、最初から商社に頼ることはやめた方がいいだろう。まずは、自社で行動することが必要だ。
 中国では、「日本アパレル用テキスタイル製品は流通が混乱している」と言われている。日本のテキスタイルメーカーが中国販売を商社に委託し、商社は複数のエージェントにサンプルを渡している。日本製のテキスタイルを使うアパレル企業は限られており、そのサンプルが一部の企業に集中するのである。その結果、「同じサンプルにも関わらず価格がバラバラ」という現象が起きている。
 イタリア製品は、一社一エージェントの原則を守っているため、価格がブレない。今後、本格的に中国市場を攻略したいのならば、エージェントの選択が非常に重要である。その場合、商社という第一エージェントを固定することは、有力なエージェントの獲得に不利に働くことを理解すべきである。

◆業界団体は、中国政府機関との積極的なコミュニケーションを
 中国市場に進出するのであれば、まず、日本の業界団体が中国政府機関とコミュニケーションを取るべきである。日本の業界団体は財団や社団、組合組織であり、政府機関ではない。しかし、中国では「中国○○協会」のように「中国」と「協会」がついた団体は政府機関を意味する。当然、中国人は「日本○○協会」を日本の政府機関と考えるのだ。
 中国の政府機関は日本の団体と異なり、積極的にビジネスを展開している。政府機関の周辺には必ず民間企業が存在し、様々な権利を駆使して、積極的なビジネスを展開しているのである。
 一方の日本の団体は、文化交流のような儀礼的なコミュニケーションに終始していることが多い。ビジネスは個々の企業が行うものであり、団体は関与しないという考え方だ。今後、中国とビジネスするのであれば、まず日本の団体関係者の意識改革が必要だろう。
 中国では、まずトップ同士が握手をしてから、各企業のビジネスが始まる。トップ同士の握手とは、日中の業界団体同士の握手だ。したがって、業界団体のトップ、事務局の人材も再考が必要である。最も戦略的な部署であり、業界の指導的な立場に立ちうる人材をあてることが求められる。本来ならば、一線を退きながらも影響力の強い、業界トップ企業の元経営者が代表となり、最も優秀な役員クラスを事務局長に据えるべきだろう。
 中国政府機関とのコミュニケーションの目的は二つ。
 第一は、中国ビジネスの実態を理解すること。どのようなアプローチ、どのようなビジネスモデルで中国市場に参入するすべきかを調査し、会員企業に伝えること。
 第二は、パートナー企業を探すことである。日本企業は中国企業を信用できないと考えることが多いが、それは中国企業も同様である。そのため、信頼できる日中の機関が手を結ぶことが意味を持つ。
 前述したように、政府機関そのものが民間企業を経営している場合もあり、その企業と提携する可能性もある。また、政府機関の人間は、常に有力企業のトップとコミュニケーションを取っている。そのため、政府機関とのコミュニケーションの中で、有力企業のトップと知り合うチャンスも多い。また、相手も政府機関を介して知り合った日本企業なら信用できると考えるのだ。
 団体同士の交流も明確な目的を持ち、それを相手と共有しなければならない。これまでのような目的のない交流に対しては、中国側は辟易としている。また、中国はトップダウンの国であり、政府機関との交流、パートナー企業との交渉は経営トップ自らが行うべきである。

◆中国市場戦略は長期的な視点が不可欠
 私は「とにかく現地法人を設立する」ことに反対である。それよりも、現地法人を任せられる人材の確保が重要だ。できれば、現地法人のトップは中国人が望ましい。その中国人は日本企業でキャリアを積み、日本の仕事の進め方も理解し、中国市場も理解していなければならない。
 そう考えると、中国市場戦略の第一歩は、まず、優秀な中国人を中国法人経営者候補として日本本社に採用することである。その人材を5年程度、訓練し、信頼できると判断できれば、中国法人を任せることができるだろう。
 これまで全く準備をしていない企業は、政府機関とのコミュニケーションと中国人人材の獲得を同時に進めるべきである。そして、その人材と共に、中国市場の調査やパートナー企業候補のリストアップ、現地法人設立や必要な許認可資格取得調査、現地法律事務所との契約、基本的な契約書の作成等の準備を進める。これだけでも1~2年はかかるだろうし、明確な目的をもって中国側と接していれば、必ずチャンスがやってくるはずだ。全てのチャンスが形になるはずもなく、それを見極めるのに最低半年はかかる。こうした経験を積みながら、テストマーケティング的な事業を行い、本格的な市場進出に備えることが望ましいだろう。
 政府機関とのコミュニケーションと3年、5年と重ねるうちに、互いの信頼関係も増すはずである。中国人は最低でも5年程度は付き合わないと信用しない。互いに信用できるようになってから、「そろそろビジネスをしましょうか」という話になるのである。
 「中国市場進出は緊急課題であり、そんなに悠長な準備はできない」と考える人も多いだろう。その場合でも、緊急的な対応と長期的な対応を並行して行うことを提案したい。中国は巨大な国であり、市場であり、日本側が焦っても動いてはくれない。焦って、展示会に出展しても、商社の尻を叩いても、ビジネスは動かない。部課長クラスの人材を中国に派遣しても何もできないだろう。彼らには中国に親戚もいなければ人脈もない。言葉も不自由で中国人の思考やライフスタイルも理解していないのだ。
 現在、中国に進出して3~5年というアパレル企業は多い。彼らは中国市場で苦戦しながら、「日本のやり方をそのまま中国に持ち込んでも成功しない」ということは理解した。しかし、どうすれば成功するかは、未だ暗中模索である。そして、優秀なパートナー企業にも、現地法人を任せられる中国人にも出会っていないはずだ。おそらく、どこかの時点で根本的な戦略の見直しか、中国進出そのものの見直しを迫られるだろう。

◆中国市場参入に求められる企業変革
 中国人と日本人の顔はほとんど区別がつかない。同じ漢字を使っているので、筆談が可能だ。こうした共通点があるだけに、日本人は中国人に対して、日本人のように接してしまう。しかし、中国人と付き合っていて感じることは、彼らは日本人よりも欧米人に近い感覚を持っているということだ。
 おそらく、中国は近い将来アメリカ並みの訴訟社会になり、アメリカ並の分厚い契約書が必要になるだろう。ビジネスのスタイルや、雇用に対する意識もまた欧米に近い。逆に言うと、中国ビジネスに成功すれば、世界市場に進出するチャンスにもなる。
 中国市場に参入することは、日本国内ビジネスと全く異質なビジネスに参入することを意味する。
 ある中小企業社長は「中国で売るのは、大阪に売るようなものだ」と言ったが、大きな間違いだ。また、中国生産ビジネスと中国市場ビジネスを混同してはならない。東北地方に工場を作ったように、中国に工場を作ったかもしれないが、そこでできた商品は日本市場に販売していた。工場の従業員以外は、全て日本人で完結したビジネスを行っていたに過ぎないのである。中国市場進出は、中国政府、中国企業、中国人消費者を相手にビジネスを展開することなのだ。
 異質なビジネスを行うのだから、組織、システム、ルールも変革が必要だ。しかも、現地法人だけにそれを適用すればいいのではなく、日本本社の改革も必要になる。これまで中国市場に進出した日本企業に、こうした認識は薄かっただろう。しかし、中国市場に進出した途端に、自社の体制を見直さざるをえない状況に直面するのだ。
逆に言うと、「中国市場進出をきっかけに、会社の体制を見直し、世界に通用する会社に変革しよう」という意気込みで中国に進出していただきたい。マスコミの論調は常に中国特殊論だが、中国を特殊な国と捉えるのではなく、グローバル市場の入口として捉えるべきである。

◆企業変革の具体的内容
日本市場はここ10年以上「良いものをいかに安く販売するか」を競い合ってきた。中国市場は、その反対に市場に溢れる安物といかに差別化するかを競い合ってきたのである。現在の中国市場を見る限り、日本企業は自社で展開する製品のうち、最も高額で付加価値の高い商品から中国に持ち込むべきだろう。また、今後の商品戦略では「高付加価値戦略」と「ブランド戦略」を重視しなければならない。
特に、日本でしかできない素材、加工、技術を駆使した高付加価値商品の開発が重要だ。また、どんなに良い商品でも中国では認知度を高めないと売れない。プロモーションを中心としたブランド戦略も重要である。
組織改革では、明確な業務フローと役割分担を定めることが求められる。暗黙の了解やあうんの呼吸は中国では通用しない。業務フローと責任分担を明確にするという意味では、国際的な企業認証取得を利用する方法もある。企業認証取得の過程の中で、業務フローと役割分担を明確にしなければならないし、様々なマニュアル整備も義務づけられているからだ。
IT活用による業務の「見える化」も重要だ。中国では、物流、情報の流れ、お金の流れを体系的に管理することが難しい。そこで、日本の情報システムを導入し、それを手ようすることを契約に盛り込んでおけば、日本本社でも業務の流れが把握できる。中国人は合理的であり、最新技術の導入にも貪欲だ。自分たちの業務が合理化できれば、情報を採用することに抵抗はないだろう。
もし、日本側が情報システムをコントロールできずに、中国側が情報システムをコントロールするとしたら、プログラムに工作することも可能になるし、そこから出てくる数字も信頼性に欠けてしまう。情報システムを制することは、経営を制することである。日中双方で科学的で合理的な経営を目指すのであれば、日本側が情報システムを提供し、それを共有しながら、経営ノウハウを共有することが有効である。中国という異質な市場をコントロールするには、そのためのツールが必要なのだ。
最後に強調したいのが、日本本社の国際化である。中でも、中国人社員の雇用を進めていただきたい。役員が何人も海外視察に出かけるよりも、一人の中国人社員を雇用する方が、中国を理解するためには効果的である。そして、外国人と働くことにより、日本人社員の国際感覚を磨き、外国人と社内システムのそごがあれば、それを解決することが会社を国際化することにつながるのだ。したがって、中国人社員を日本人の鋳型に嵌めるのではなく、中国人を初めとする外国人が納得するように会社を変革していくという意識が必要である。
日本企業に洗脳された中国人は中国市場では使い物にならない。日本人と同じ思考で同じ失敗を繰り返すのである。変えるべきは、個人ではなく会社というシステムなのだ。

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