アパレルOEM生産管理のシステム化提案
かつて、アパレル企業には三つの事務作業が存在した。経理事務、営業事務、生産事務だ。経理事務は経理システムが入り、かなり効率化が進んだ。営業事務も次第にシステム化が進み、作業は軽減した。そして、生産事務は商社にアウトソーシングすることによって、担当者そのものがいなくなった。
しかし、問題は商社に移行した生産事務だ。現在にいたるまで、業務のシステム化は進んでいない。アパレル製品の生産管理は、複数の仕入れ先から生地、付属が入荷し、生地の用尺を計算し、原価計算をしなければならない。しかし、企画途中でデザインが変更になったり、生地にキズがあれば、裁断枚数が変わり、用尺が変わる。また、生地値自体が決定しないうちに、アパレルから見積もりを要求されることさえある。結果的に、厳密な原価管理ができず、ドンブリ勘定になってしまうケースも多い。
生産事務の現場には、数多くの伝票とFAXと電話のメモが氾濫している。それらを品番ごとに分類し、原価を決定し、社内システムに入力する作業は驚くほど非効率だ。
それでも、ビジネスが成立していたのは、日本と中国の人件費格差があったからに他ならない。しかし、中国の原材料費、人件費は高騰を続けている。中国政府は世界一の外貨準備高を抱え、輸出振興から輸入振興へと政策を転換した。輸出に対する優遇措置、外資への優遇措置も次第になくなりつつある。しかも、労働力不足も深刻だ。中国においては、縫製業者が労働力を確保することが次第に困難になっているのである。
商社の社内の基幹業務システムは整備されている。基幹業務システムに入力しなければ、経営管理ができない。しかし、生産事務業務が合理化されていないので、結局人海戦術に依存しているのである。
しかし、あまりにも複雑であり、外部との連携性が高い情報システムを構築するには高額のコストが掛かる。新たに情報システムを構築するとなれば、数千万の規模になるだろう。利益率が圧迫されているOEM生産の部隊に、それだけのIT投資はできない。結局、人海戦術に依存せざるをえず、それで採算が合わなくなれば、OEMビジネスそのものから撤退していくだろう。
現在、アパレル生産管理の現場はかなり危機的状況である。どの商社が低コストのOEM生産管理システムを構築できるかが、今後のアパレル生産を左右することになるに違いない。


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