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May 02, 2006

成功する小売業のキーワードは「システム連携」

 小売店は、「食料品店」「衣料品店」「インテリア用品店」等のように扱い商品別に分類されている。小売店を営むには、それぞれの扱い商品の仕入先とのパイプ、扱い商品の専門知識が必要だ。素人が小売店を開こうと思っても、そうは「問屋が卸さない」のである。しかし、こうした業界の常識も過去のものになりつつある。
 問屋を中心とした信用取引ではなく、オープンな現金取引が増えつつある。資金さえあれば、誰でも小売店を経営することが可能だ。ここで最も悩むのは、どんな商品を扱うかだろう。魅力的な商品を集めることができれば、店も繁盛する。「問題は商品である」という事実は揺るがない。
 その一方で、良い商品を揃えている店が潰れるケースも多い。これはメーカーも同様であり、良い商品を生産しているメーカーや、良い商品を生産できる技術を持った企業が潰れているのである。商品は大切だが、商品がビジネスの成功条件であるとは言い難いのである。
 成功している小売店を見ると、その多くはシステム化している。バーコードによる単品管理を行い、売上データはネット回線を通じて瞬時に本部に集約される。また、仕入先や物流センターとも、情報共有化が進み、伝票レス、自動補充等を可能にしている例も多い。

 コンビニはシステム化した業態の典型である。コンビニでは、公共料金の徴収業務、宅配の受付、チケット等の購入、通販商品の受け渡し業務など、業務が多角化しているが、これらは情報システム連携により、情報処理と決済処理が可能になったことで広がったサービスである。商品からの発想ではなく、システムからビジネスチャンスが生まれたのである。
 百貨店と量販店を比べると、量販店の方がシステム化が進んでいる。通常の品揃え専門店よりも、SPA業態のショップの方がシステム化が進んでいる。町の床屋よりも、1000円床屋のQBハウスの方がシステム化が進んでいる。町の古本屋よりも、ブックオフの方がシステム化が進んでいる。
 成功している小売店は、扱い商品で成功しているのではなく、システム化により成功しているのではないか、という仮説も考えられるのだ。
 良い商品を仕入れるには、経験豊富なバイヤーが不可欠である。しかし、一人のバイヤーが担当する商品は限られている。仕入れ能力、MD能力を高めるには、なるべく多くの実績を分析し、予測し、検証することである。10店舗を統括しているバイヤーよりも、100店舗を統括しているバイヤーの方が情報量は多い。また、月単位で売上を集計しているバイヤーよりも、リアルタイムで売上を把握しているバイヤーの方が市場の動きを把握できるはずだ。システム化することで、一人の人間が扱える情報量を飛躍的に高めてくれる。また、コンピュータを活用することで業務の自動化が可能になる。
 たとえば、ファッション専門店が売上を上げるには、どういう方法が考えられるのか?ます入店客数を増やすことである。十分な広告宣伝費がかけられればいいが、そうでない場合は直接顧客にアプローチすることになるだろう。電話や手書きのハガキという手段は、人の温もりが伝わるので効果的だが、効率が悪い。顧客管理システムと連携したメール作成、メール送信システムがあれば、一度に数百人、数千人にメールを送信できる。日常的に携帯メールを使っている人ならば、電話やハガキよりも携帯メールの方が身近に感じるだろう。新作商品の画像を簡単なコメント付きで携帯に送信すれば、低コストで来店を促すことができる。これだけでも、システム化している場合とそうでない場合では、大きな格差ができるはずだ。
 加えて、店間移動や自動補充をシステム化すれば、店長や販売スタッフは指示通りに商品を処理するだけで、消化率が確実に上るはずである。
 以上は、自社内のシステム化に限定した話である。前号に述べたように、仕入先とのシステム連携が可能になれば、更なる効率化とビジネスプロセスの進化が可能になる。それについては、次回。

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