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March 08, 2006

国際化とは際をなくすこと

 日本企業は海外に進出しても、日本ばかり向いていると言われる。現地採用のスタッフを要職につけず、常に日本人が管理職を独占するとも。
 国際化とは、国の際をなくすことである。国の際をなくせば、輸出も輸入も関係ない。日本で生産して日本で販売するビジネス。日本で生産して欧米で販売するビジネス。中国で生産して日本で販売するビジネス。中国で生産して中国で販売するビジネス。どれでもいいのだ。自社のビジョンと資源を考え、意志決定すればいい。
 日本のメーカーの生き残り策にもいろいろある。得意先を海外に広げて、輸出するビジネス。あるいは、海外に進出して日本に輸入するビジネス。どちらが正しいわけでもない。適地適品を選べばいいのだ。
 雇用も同様である。何人でも能力があれば採用すればいいし、実力や実績に見合った給料を支払えばいい。中国人だから給料は安くていいとか、日本人だから高くなければ駄目だというのは国際的ではない。国際的でない企業は、国際的な企業との競争力に劣る。なるべく手かせ足かせは外して、自在にビジネスを展開すべきではないか。

 日本の展示会に世界中のバイヤーを呼びたい、と考える業界人は多い。最も良い方法は、海外の出展者を認める国際展示会にすることだろう。海外の出展者を認めることで、海外のマスコミもその展示会を取り上げる。「海外のバイヤーをアゴ足つきで呼べばいい」という意見もあるが、アゴ足をつけたからといって、忙しいバイヤーが来るはずもない。アゴ足つきで呼べるのは、ビジネス能力のない暇人に決まっているではないか。
 海外に出展はするが、海外から出展は認めない。これが国際的な態度であるわけがない。国粋的な態度であり、国際人が最も嫌う考え方である。国際的な企業は出展を取りやめ、海外の国際見本市に活動の場を移すに違いないのだ。
 ビジネスとはコミュニケーションであり、双方向の行為である。一方通行はあり得ないし、片方だけが利益を独占することもあり得ない。そういう考え方は、ビジネスマンのものではない。ビジネスを否定するものだ。
 市場原理はビジネスの基本である。自由もビジネスの基本である。需要と供給のバランスで価格が決定するのもビジネスの基本である。恣意的な市場コントロールはビジネスを阻害するものなのだ。どちらかを勝たせようとしても、そうはいかない。市場原理で勝者と敗者が決まるのである。
 私は、見本市や展示会というビジネスマッチングの装置は、常に客観的であるべきと考えている。取引の自由を守り、健全な市場原理が機能するようにしなければならない。公平な審判がいる試合にこそ、一流のプレイヤーが集まるのだ。
 日本人デザイナーがパリを目指したのも、パリコレという舞台が健全な批評機能を有しているという要因が大きい。ムラ社会のお友達評論家に褒められたところでどんな意味があるというのだろう。厳しさと公平性があるからこそ、国際的な舞台となるのだ。
 最近、日本の繊維業界は過保護になっていないだろうか。日本企業に良かれと思って実践している助成が、実は日本企業の国際化を阻害してはいないだろうか。もっと厳しく、もっと自由なビジネス環境を創造することが、日本企業を国際化に導くことになるのではないだろうか。◆

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