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November 13, 2005

仕事を選ぶと貧乏になる?

 官僚は次々と部署を異動していく。2~3年毎に異動を重ねながらキャリアを積むのである。大企業のサラリーマンも同様だ。会社の意向で仕事が決められる。それに文句を言わず、与えられた仕事をこなすことが評価されるのである。
 一方で、自分のやりたい仕事しかやらない人種がいる。例えば、私もその一人。専門家への道を選び、キャリアを積むために、自ら転職を繰り返した。最終的に独立して、自分で会社を立ち上げた。お笑い芸人や演劇人も同様である。自分のやりたいことをやるために、バイトしたり、貧乏したりしている。
 フリーターやニートというのも、基本的に同じ性格を持っているように思う。嫌いなことはやりたくない、好きなことだけしたいという点では共通している。
 私は自分で仕事を選ぶ人が好きだし、自分もそうありたいと考えてきた。サラリーマンにはなりたくなかった。私は自分で仕事を選ぶ人を評価するし、組織の部品のように働いている人を軽蔑していた。
 しかし、最近気がついたことがある。日本では与えられた仕事をこなすことが評価され、自分で好きなことをやっている人は評価されないということだ。なぜなら、仕事の世界では、組織が個人を優先する。仕事とは組織で取り組むもの、という常識が存在するのだ。当然ながら、組織のメンバーが仕事を担当する。その仕事ができるか否かではない。組織のメンバーであることが優先されるのだ。組織の絆は、能力主義を超えているのだ。

 組織の論理からいけば、与えられた仕事を何でもこなせる人材が最も役に立つ。個人でできなければ、組織で取り組めば良い。組織の論理から言えば、専門家は下請けで使えばいい。
 最も良い例が官庁であり、官僚だろう。官僚は勉強熱心で頭の良い素人集団である。その世界で一生、生きていくという意識はない。あくまで素人だ。その素人の官僚が素人の業界リーダーを通じて、業界をコントロールしている。業界を構成するのも組織であり、多くの組織のトップはゼネラリストであり、専門家ではない。素人である。現在の日本では、素人が玄人を支配している。素人が有利なのは当然である。
 最近注目を集めているITベンチャーの経営者も、仕事の分野にこだわらない。金になることならば、次々と新しい分野に投資していく。仕事を選ぶのではなく、お金の流れを読み、お金の流れを推進するように動くのである。与えられた案件を次から次へとこなしていくという意味では、やはりゼネラリストなのだろう。
 仕事を選ぶ人は貧乏している。好きなことだけやるというのは、お金が好きな場合にだけ有効なようだ。そうでなければ、お金になる仕事は組織が独占してしまう。やはり、就職して、上司の言うことを聞くことが大切なのだろう。それで生活は安定するのだ。
 それにしても、こんな単純な事実に気がつくまでに48年も掛かるとは・・・。今更、引き返せないしね。◆

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