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October 12, 2005

「強い中国製品」と「発展途上の中国企業」

 中国製品の国際競争力は強い。日本よりも「地価」「人件費」「エネルギー費」の水準が低く、その分高い価格競争力を持っている。しかも、豊富な外資が集まり、日本からの積極的な技術指導もある。技術レベル、製品の品質も年々高まっている。去年できなかったものが今年はできる。今年できなかったものも来年はできる、という感じだ。
 中国製の商品を見て、価格を聞くと、国内メーカーは暗澹たる気持ちに襲われる。中国人に会っても、彼らは自信満々。「日本は中国を必要としているが、中国は日本を必要としていない」とのたまう中国人も多い。
 日本人から見ると、中国人には悩みなどないのではないか、とも思える。中国人経営者は若く、海外の留学経験を持つ人も多い。日本ではフリーター、ニートが増えている。あらゆる分野で、中国勝ち組、日本負け組というイメージを感じてしまう人も多いだろう。
 しかし、中国を訪問し、中国人と話をすると彼らも悩んでいるという。中国の悩みは自立していないことである。海外からの資本、技術を使い、中国製品を生み出し、海外に輸出している。つまり、巨大な「資本」「技術」の奔流が、海外から中国を通り、大量の「商品」が海外に流れ出ているのである。その過程で、蓄財に成功した経営者も多い。しかし、その巨大な潮流をコントロールしているのは、ほとんどが海外企業であり、中国企業ではない。

 たとえば、商品をコピーするのは簡単だ。言われた通りに忠実に作ることもできるだろう。アパレル企業もそうやって急成長した。店舗も増える。そうなると、商品をコピーしていたのでは間に合わない。消費者ニーズを予測し、商品企画を立てなければならない。しかし、デザイナーもマーチャンダイザーもその経験がない。というよりも、社長の奥さんがデザイナーをしているという家族経営の会社も多いのだ。
 商品のレベルは高いが、経営のレベルが高いわけではない。経営者は優秀と言っても、市場や流通システムが成熟しているわけではない。学校の成績が良くても、ビジネスのノウハウがあるとは限らないのだ。
 世界の工場である中国は、世界の下請けでもある。日本の繊維産地も紡績や合繊メーカーの仕事が潤沢に回っていた時には好景気に湧いていた。工場の経営者も得意だっただろう。しかし、紡績や合繊メーカーが海外に生産拠点を移すと、途端に仕事がなくなり、倒産や廃業が増えた。
 現在の中国人が得意絶頂であったとしても当然だ。右肩あがりの経済成長の真っ只中にいるし、景気の下降を経験したことがないのだ。しかし、日本人はそれを経験している。
 かつて、韓国にも同様の時代があった。韓国人経営者は自信満々。不動産バブルとオーバーストア。私が韓国で「このまま成長が続くはずがない。オーバーストアで店も採算が取れなくなる」と言っても、当時の彼らは「日本ではそうだったかもしれないが、韓国人のパワーがあれば問題ない」と相手にしなかったものだ。しかし、その後、国家経済が破綻した。
 私は中国とはまだまだ発展途上であると認識している。中国の富だけが目につくが、中国を利用してもっと大きな富を蓄えているのは先進国の企業である。そして、ビジネスをコントロールしているのも先進国の企業なのである。◆

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