プロ野球改革、ホリエモン、小泉解散
抵抗勢力、造反議員達は、最終的には解散しないと思っていたに違いない。これまでの自民党の派閥体質であれば、公認だって思いのまま。しかし、現実は厳しかった。小泉さんは敵味方を峻別し、対立候補を立てた。
こうした永田町の非常識は、意外にも国民の支持を得ている。というより、よく考えれば、意外でも何でもない。
政治家は政治のことだけで判断するが、国民はそうではない。日常生活の中で時代の変化を感じ、学習しているのだ。
例えば、プロ野球改革。若いプロ野球選手と老練な経営者の対立。旧来の経営者達は、既に落ち目の巨人戦テレビ放映権に依存することしか発想できなかった。地域と密着したJリーグのシステムを学ぶでもなし、様々な観客サービスを行なうアメリカのメジャーリーグに学ぶでもなし。ひたすら、既存のシステムにしがみつき、1リーグ制をゴリ押ししたのだ。そして、いつの間にか様々な不祥事によりオーナー達は辞任していった。
そして、救世主のように現れたのがホリエモン。赤字経営に苦しむ旧経営陣に対して、球団スポンサーとなることを申し出たのだ。最終的には楽天が新球団を設立したが、新旧の世代交代を明確に印象づけた事件だった。
新旧世代交代劇は、ホリエモン対フジテレビの攻防戦に引き継がれた。資本の論理で攻めるホリエモンに対し、旧来の社会的地位や常識で対抗しようとしたフジテレビ。最終的に、ホリエモンは半年あまりで莫大な利益を上げ、株式持ち合いの捩れを放置していたフジテレビは巨額の支出を余儀なくされた。市場原理の勝利であり、市場原理を十分に学習していなかった旧世代の敗北である。
時代は変化している。どんなに有名な企業でも改革しなければ生き残れない、という明確なイメージを国民は理解せざるを得なかった。小泉さんの政治手法が独裁的だとかヒットラーと同じだという批判もあるが、法律に違反した行為ではない。ホリエモンと同じである。横並びの思想が過去のものであり、健全な競争原理の導入が求められている、という認識は国民に浸透しているのだ。
小泉さんは政治の世界に競争原理を導入した。「自民党はいろいろな立場の人がいるから日本的なんだ」という造反議員達の発言は、あまりにも世間とずれている。
それにしても、造反議員を公認しないことで、小泉自民は大量の新規枠を獲得した。そこに、女性立候補者を立て、イメージの刷新を図っている。残念ながら、他の政党は現職議員を優先せざるをえない。顔ぶれも変わらず、新鮮でイメージを打ち出せない。
今回の新人候補者の顔ぶれを見れば、彼女たちが郵政オタクだけのタレント候補と判断する人はいないだろう。むしろ、男性社会の中でしっかりと生きてきたキャリアウーマンであり、派閥に与しない清新な候補者というイメージである。正に用意周到。それと比較して、こうした結果を全く予想できない政治家は政治センスが欠如している。こんな甘い認識の人が、厳しい国際情勢の中で国をリードするというのはなんとも怖い話ではないか。強面の小泉さんも不気味だが、少なくとも先を読んでいたのは彼であり、先を読める人を支持するのは当然だろう。
一方、今回の選挙は、郵政に限らず、公務員イジメ選挙でもある。公務員の組合はどの政党を支持すればいいのだろう。各政党は誰が最も激しく苛めるか、を競い合っている。どのようにクビを切って、収入を減らすかが焦点になろうとしているのだ。
そんな中で、苛められる側にいるよりは、自民党から立候補して苛める側に回るべし、という判断もまた、先見の明と言うべきか。
現在の庶民感覚は、政治家の皆さんが思っているほど義理人情優先ではありません。むしろ、市場原理に鍛えられていますぞ。十分な収入が確保され、生活が安定している政治家のセンセイには理解できないかもしれませんが・・・。
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Posted by: せいさく0319 | August 17, 2005 01:41 PM