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August 25, 2005

完成度が低く、使いづらいシステム製品

 コンピュータの特徴の一つは、単純作業を黙々と行うこと。単純な事務作業を機械がやってくれる。単純な事務作業を行うのは経営者ではない。コンピュータを使うのは、現場の人間であり、コンピュータの恩恵を受けるのも現場の人間である。
このレベルのシステムに対して経営者はほとんど興味を抱かない。経営者の頭にあるのは、システム費と人件費のバランスだけだ。
単純作業だけを行うシステムは、見ても面白くない。伝票が画面に並んでいるだけだ。
会社経営とは、意外に単純なシステムである。メーカーならば、原材料の仕入れがあり、加工賃があり、製品の売り上げがあり、在庫がある。売り上げから経費を差し引いた利益があり、税金がある。この単純な表が時系列に並んでいる。過去は実績であり、未来は予算である。本来、予算は常にシミュレーションがなされ、修正が加えられる。
この単純な表を作成するために部署ごとに複雑な業務があり、システムが存在する。経理システム、人事管理と給与計算システム、生産管理システム、販売管理システム、商品管理システム、企画管理システム・・・。それらが全てつながってこそ、経営者がコンピュータの画面を見る意味が生じる。より高度な経営判断を行う画面ほど数字の羅列ではなく、グラフィカルで美しい画面にならなくてはならない。

単純な作業は人件費に換算しやすい。システムを導入すれば人件費が削減できる。したがって、システムの代金も計算しやすい。高度なシステムほど、人件費の削減にはつながらない。しかし、会社の経営において最も大切なのは経営判断であり、その経営判断の材料を提供するのがシステムなのだ。この段階になって初めて、システムがインテリジェント化されたといえるのだろう。
現在のシステムの状況は、組織の壁で分断され、また、各社の事例に基づき、個別に開発されている。開発手法はオーダーメイドであり、それを無理やり既製服として販売している。大企業ならば、自社に合わせて独自のシステムを開発すればいいが、中小企業はそれができない。したがって使いづらいシステムしか存在しない。
これを解決するには、二つの方法しかない。安価なカスタマイズを実現するか、サイズ展開のある既製服を作るかである。サイズとは、企業の業務フローや役割分担により、いくつかのバリエーションをつくり、全体のカバー率を上げることである。(例えば、生産管理システムを5タイプ作っておくように)
現在のシステムはどちらもできていない。安価にあるいは簡易にカスタマイズすることもできず、業務全体を見てバリエーションを用意することもできていない。実に不完全で完成度の低い商品である。システム業界は自社の利益を追求するだけであり、高くて使いづらい商品をユーザーに押し付けている。
システム開発に分業システムが発達すれば、開発分野の重複もなくなり、もっと安価に開発ができるだろう。まずシステム開発そのものをシステム化しなければならない。システムをパーツ化、ユニット化し、問屋のように卸す仕組み。そして最終的に組み立てるようになれば著しく価格が下がり、カスタマイズが容易になるに違いない。

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